バラの芽吹きから冬の休眠期まで、1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか追いかける「そだレポ」企画です。今回は「ポールセザンヌ」。昨年、枯らしてしまったので、今度こそは! とリベンジ編です。応援してくださいね!


ポールセザンヌはこんなバラ

▲黄色と桃色の絞り模様が華やか 写真提供/天女の舞子

ールセザンヌは、黄色と桃色の色鮮やかな絞り模様のバラです。咲き始めは鮮明な花色で、じょじょに退色していく様子も美しい。花径9cmのカップ咲き。絞りのバラをたくさん発表しているフランスのデルバール社のバラです。

 

ダマスクを基調にフレッシュなシトラス香がのる強香です。

 

樹高1.8mまで伸びるシュラブ樹形のバラなので、小型のつるバラに仕立てることもできます。

 

今回育てる「ポールセザンヌ」の環境DATA

関東の、ひさしのある明るい玄関前(昼に数時間、建物の影になりますが陽当たり良好)

今年の2月末にお迎えした大苗

今年の目標/枯らさずしっかり育てること! 去年、枯らしてしまったので、今年はちゃんと1年育てたい!

育てる人/天女の舞子

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

2月25日の「ポールセザンヌ」

▲「バラの家」の大苗を8号鉢に植替え 写真提供/天女の舞子

約していた「ポールセザンヌ」の大苗が、ようやく「バラの家」から届きました。「ポールセザンヌ」は華やかで香りもよい好きなバラですが去年枯らしてしまったので、去年の反省もふまえて今年は健康に育てたいと思います。

 

届いた時点でかなり若葉が広がっています。この大苗を、8号サイズのロングのスリット鉢に植え替えしようと思います。

 

▲根に異常なし! 写真提供/天女の舞子

 

かなり若葉が広がっているのでやろうか迷いましたが、今年の冬に購入した苗に根頭がん腫病が多かったので気になって根を洗ってみました。結果、根に異常はなく、白根もよく発達した健康な大苗でホッとしました。

 

▲鉢と根のサイズを確認 写真提供/天女の舞子

 

8号スリット鉢にネット入りの鉢底石を入れ、大苗を仮置きしてみました。鉢のサイズはちょうど良さそうです。

 

▲マイローズ バラの培養土で植え込みました 写真提供/天女の舞子

 

住友化学園芸の「マイローズ バラの培養土」を使い、肥料なしで植えこみました。撮影後にしっかり水やりし、水分量管理のため「サスティー」を挿しました。置き場所は日当たりの良い場所です。

 

ギリギリ、バラの休眠期とされている2月下旬ですが、今年は暖冬のうえにもうかなり芽が動いている苗の根を洗ってしまったので、少し初期生長に影響が出るかもしれません。しばらく、注視したいと思います。

 

3月9日の「ポールセザンヌ」

▲今のところ元気そう 写真提供/天女の舞子

う若葉がかなり広がっている状態の2月下旬に根を洗ってしまったので、初期生長に不安があります。しばらく、しっかり観察していこうと思います。今のところ元気そうです。

 

3月24日の「ポールセザンヌ」/オベリスク立て・摘蕾

▲さっそく下葉が黄変 写真提供/天女の舞子

えてすぐに根を洗ったせいか、今になって葉っぱが黄色くなってきて心配です。サスティ挿して水の様子を見ている感じでは水切れではありません。なので、やはりがん腫チェックのため根洗いした時期が、遅すぎたのかなと思っています。

 

▲枝が伸びてもいいように、オベリスクを設置 写真提供/天女の舞子

 

昨年失敗する前の生育の状態から枝が伸びるのが早いとわかっているので、今回はオベリスクで、小型のつるばらとして育ててみようと思います。鉢にさすタイプの白いオベリスク(高さ約120cm)を立てました。

 

▲つぼみをピンチ 写真提供/天女の舞子

 

下葉が黄色くなってきているけれど生育はしているらしく、もう小さなつぼみが3つ確認できます。株が調子を崩しているのと、季節外れの早すぎるつぼみなので、今回は手でピンチしてつぼみを取り除きました。

 

3月31日の「ポールセザンヌ」

▲葉の黄変が止まりました 写真提供/天女の舞子

日、つぼみをピンチしてから葉っぱの急激な変化が収まったようです。

 

根の生育を助け、根からの水分や養分の吸収を助ける働きのある菌根菌を使いました。鉢土の3カ所に穴を掘り、5ミリリットルずつ計15ミリリットルの菌根菌を入れて土をかぶせ、水やりしました。


【根の生育を助ける】薔薇の菌根菌 200ml

 

オベリスクを設置してから高さの関係で置き場に少し困り、雨の当たる場所に置き場所を変更しました。朝から昼まで明るめ(直射日光ではない)の光が当たる場所です。

 

4月21日の「ポールセザンヌ」

▲状態は落ち着いている 写真提供/天女の舞子

まり大きな変化はありませんが、状態は落ち着いています。ハモグリバエの被害が少しあったので、葉っぱごと指で潰しました。

 

▲脇芽が伸びてきた 写真提供/天女の舞子

 

ピンチした枝の近くから脇芽が伸びてきました。

 

4月30日の「ポールセザンヌ」

▲暖かくなり生長も著しい! 写真提供/天女の舞子

 

1番花のつぼみをピンチした脇から発生した新芽が大きく伸びてきました。

 

状態が良くなってきたので、バイオゴールド(肥料)を与えました。8号鉢だと30粒が目安らしいのですが、少しすくなめに20粒にしました。元肥を入れずに植え込み、芽出し肥も与えていないので、これが初めての肥料になります。

 

5月13日の「ポールセザンヌ」

▲新芽が育ってきている 写真提供/天女の舞子

芽が育ち、旺盛に葉が広がってきました。

 

▲枝が枯れてきている! 写真提供/天女の舞子

 

でも株元を見ると、葉が黄色くなり、3本あるうちの1本が枯れてきています・・・。やはりまだ肥料はムリだったかな・・・。あわてて表面の肥料を土ごと取り除きました。

 

今、柿の木の葉影になる場所に置いているので、日照が足りないのかもしれません。もう少し日当たりの良い場所に移動させようと思います。

 

5月15日のポールセザンヌ/ハキリバチ被害

▲ハキリバチ被害で穴だらけに 写真提供/天女の舞子

日まで何ともなかったのに、早朝、バラの葉がボロボロになっていました。独特の切り口からハキリバチと断定しました。隣の鉢のバラにも、下の方の濃い緑の葉にも見向きもせず、柔らかくて明るい色の若葉ばかりが狙われています。

 

▲ハキリバチの犯行現場! 写真提供/天女の舞子

 

警戒心が強いらしく、しばらく粘って犯行現場を激写しました! 体長1.5~2cmほどの、一見、アブのような蜂です。バラの葉を持ち帰り、巣の材料にするそうです。

 

小山内健さんの本「バラづくりの疑問に答える!ローズレッスン12ヵ月Q&A」に、鉢の置き場所を少しだけ動かすといいという対策が載っていたので、30cmほど移動してみました。これで解決すればいいのですが。

 

それでもダメなら、光の反射が苦手らしいので、くしゃくしゃにしたアルミホイルをマルチ代わりに敷こうかな、と思っています。

 

5月24日の「ポールセザンヌ」

▲枝枯れもハキリバチ被害も収まり、ホッと一息 写真提供/天女の舞子

回、3本ある主幹のうちの1本が枯れてしまったので、切り取りました。肥料を取り除いたので、その後、状態は落ちついています。枝先が伸びて垂れてきたので、撮影の後、支柱のオベリスクに留めつけました。

 

ハキリバチ被害は、鉢の位置をずらしたらなくなりました。その代わり、別のバラが被害に遭っています。ターゲットが変わったのでしょうね。

 

>>次ページでは「6月の様子」から紹介しています