自分で挿し木した苗が成功したら、根づいた後の育て方を紹介します。鉢底から根が見えてきたら鉢増し適期です。タイミングや具体的な手順など、生長時期の鉢増しのしかたをご紹介!


挿し木が成功したら! 次は生長期に鉢増ししよう!

▲枝から新芽が伸びて挿し木成功! 写真提供/ハナたろう

ラには、年に2回の挿し木適期があります。梅雨時期と冬の休眠期の12~1月ごろです。それぞれ梅雨時期の挿し木は「緑枝挿し」、冬の挿し木は「休眠挿し」と呼ばれます。

 

成功率は休眠挿しの方が高いように思います。我が家は栽培する場所が狭いこともあってあまり挿し木していませんが、緑枝挿しでの成功率が20%ほどだったのに対し、休眠挿しは100%でした。2本挿し木して両方が成功しました。

 

今回は、休眠挿しで成功した苗を鉢増しします。挿し木苗がどう育っていくか、どう育てればいいかのご参考になさってください!

 

▼休眠挿しの方法はこちらをどうぞ

▼挿し木苗の育ち方はこちらから(ただし2年目の4月までです)

 

休眠挿しから1年半経過。頻繁に蕾が上がるようになったら鉢増しのタイミング!

▲休眠挿しから1年半。蕾がたくさん上がるように!

が家には、休眠挿しから育てている株が2つあります。一昨年の冬に素焼きの5号鉢に普通の培養土で挿し木して、両方成功したので、そのまま1年間同じ鉢のまま育てました。

 

昨年の冬(ちょうど挿し木から1年後の冬)に土を落としてみたところ、どちらもそれほど根が張っていなかったので、土替えだけして元の鉢に植え戻しました。

 

▲蕾がよく上がるようになってきた

 

その後5月になると、どちらも頻繁に蕾を上げるようになりました。いくつか咲かせてみましたが、小さいながらしっかりした花が咲きました。もちろん少し咲かせた後は、花に栄養分を取られないよう摘蕾しています。

 

鉢底を見てみると、根がはみ出しています。これは鉢増し適期です! ずいぶん株が充実してきたようなので、1番花の後のタイミングで鉢増しすることにしました。

 

鉢増しのしかた・5つの手順

用意するもの

新しい鉢(一回り大きな鉢)

鉢底ネット

培養土&鉢底石

棒(割り箸)1本

ベニカXガード

 

手順1、一回り大きい鉢を準備

▲大苗が入っていたロングのプラ鉢に植え替え

しい鉢はプラスチック製のロングの6号角鉢。大苗を購入したときに苗が入っていたものです。

 

鉢の直径こそ少し大きくなるていどですが、ロング鉢になったことと角鉢になったことでかなり土の量が増えるので、ゆったり根を張ることができるはずです。

 

手順2、鉢底ネット、鉢底石、さらに培養土を少し入れる

▲「園芸用の土」に赤玉土を混ぜた培養土を使用

使用培養土は、市販の「園芸用の土」に中粒の赤玉土を混ぜたもの。もちろん「バラの土」でも構いません。

 

まず鉢底に不織布(鉢底ネット代わり)を敷いてから鉢底石代わりの赤玉土を入れ、培養土を少し入れます。

 

手順3、元の鉢から苗を抜く

▲根鉢は崩さないよう注意!

の鉢から抜いてみると、どちらも頼りないながら根鉢ができていました。生長期の植え替えなので、この根鉢は崩さないよう注意!

 

手順4、培養土を入れて棒で落ち着かせる

▲鉢との狭い隙間に、棒でつついて土を入れる

の縁から1~2cm控えた高さに苗を置き、新しい培養土を入れます。根鉢と鉢の隙間が狭いので、ここにしっかり培養土が入るよう棒(割り箸)でつついて入れていきます。

 

手順5、殺虫剤を撒いてから水やりして完了

▲土に撒くタイプの殺虫剤を撒いてから水やり

雨は害虫がでやすい時期なので、鉢土に「ベニカXガード」(住友化学園芸)を撒いてから水やりします。蕾があるなら取り除くのも忘れずに!

 

これで、植え替えは完了です。

 

挿し木苗の今後の育て方方針

▲左がショップから届いた新苗、右が挿し木後1年半の苗

眠挿しから1年半たった今回の挿し木苗は、通常の新苗相当と思えば良さそうです。

 

我が家は日当たりがあまり良くないので挿し木苗が育っていませんが、日照条件の良いお庭なら、1年半でもっと大きく育っていることでしょう。それでも新苗相当と思っていいと思います。

 

今後の育て方方針も新苗と同じです。

 

1、秋まで咲かせず蕾を取り続ける

2、夏剪定を経て、秋花から咲かせても良い。しかし株の状態が思わしくなければムリさせず、来春から咲かせるようにする

 

わたしは、どちらの株も来春から咲かせようと思います。理由は我が家の環境が半日陰なことと、左の株は主幹が1本しかないので、ベイサルシュートがせめてもう1本出てから咲かせたいから。右の株は既に主幹が2本あるけれど、もう少し高さが欲しいから。

 

それぞれの株の状態に合わせて咲かせる時期を決めてください。

 

まとめ

今回は、挿し木が成功したその後の株の育て方として、梅雨時期の鉢増しを紹介しました。

 

挿し木は、近年増えている根頭癌腫病対策として健康なスペア株を準備するため、また枯れてなくなってしまうリスク回避のためにも有効な手段です。バラは比較的挿し木で増やしやすい植物なので、チャレンジしてみてください。

 

ただし、いわゆる「ブランド苗」の挿し木は、ご自分で楽しむ範囲でお願いします。挿し木苗をお友達にあげたり、販売することは種苗法違反となるので控えてください!

 

苗で出回らない品種のバラの切り花から、挿し木で苗を育てるのもロザリアンの密かな楽しみですが、これも種苗法対象となるので、ご自分の庭で楽しむに留めておいてくださいね。

 

▼「バラの育て方」の記事一覧は、こちらからどうぞ

 

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