美しいバラをさらに魅力的にしているのが香りです。モダン・ローズの香りを7種類に分類し、それぞれに対応する強香品種を紹介します。香りのバラ選びの参考にしてくださいね!
モダン・ローズの香りは7種類に分けられる
▲モダン・ローズを代表する強香品種「パパ・メイアン」
さまざまな原種バラやオールド・ローズを交配して作出されたモダン・ローズには、多様な香りがあります。このページでは、多様なモダン・ローズの香りを、世界で初めて6タイプに分類した香料分析のエキスパート蓬田勝之氏の分類に、新しくもう1種類を加え、7種類の香りを紹介します。
1、ダマスク・クラシックの香り
▲「薫乃」は、ダマスク香に甘いティー香がミックスされた香り
ダマスク・クラシックの香りは、モダン・ローズでありながら、オールド・ローズに典型的な、甘く濃厚なダマスク香がします。上の写真の「薫乃」は、ダマスク香、フルーティー香、ミルラ香など、複雑な香りを含みますが、甘いダマスク香が際立っているので、ここに分類しました。
ダマスク・クラシックの香りの代表的な強香品種
芳純 | ピンク | |
ティファニー Tiffany
|
ピンク | |
グラナダ Granada |
底が黄色の白い花びらに赤の覆輪 | Rose, Granada, バラ, グラダナ, / T.Kiya |
2、ダマスク・モダンの香り
ダマスク・クラシックよりもフレッシュな香りが多く含まれ、華やかで洗練された印象の香りです。
ダマスク・モダンの香りの代表的な強香品種
Papa Meilland |
黒赤 | |
イヴ・ピアジェ yves piaget |
濃ローズ | |
クリムソン・グローリー Crimson Glory |
深紅色 | |
ネージュ・パルファム Neige Parfum |
白 | |
マーガレット・メリル Margaret Merrill |
白 | |
シャルル・マルラン Charles Mallerin |
黒赤 | Rosa Charles Mallerin / Nunzio_Zotti |
3、ティーの香り
モダン・ローズを代表する香りがティーの香りです。すっきりとしたグリーン・バイオレットの香りが基調となり、上品で優雅な印象です。香りの強さはあまり強いものはなく、中程度のものが多くあります。なかでもレディ・ヒリンドンは、グリーン系の香りは控えめで、甘いミルクティーのような香りです。
ヨハネパウロ2世は、白バラに特有のレモンなどの柑橘系を思わせるキリッとした香りです。
ティーの香りの代表的な強香品種
ガーデン・パーティ Garden Party |
クリーム色の花びらの縁に点状にピンクがさす | |
ロイヤル・ハイネス Royal Highness |
淡ピンク | |
ヨハネパウロ2世 Pope John Paul II |
白 | |
アルバータイン |
ピンク (中香です) |
4、フルーティの香り
▲トロピカルフルーツの香り「ボレロ」
ダマスク香が半分、ウッディ・ハニー香とティー香が1/3をしめ、ピーチ、アプリコット、アップルなどの果実の香りを思わせます。新しい品種では「ボレロ」が、素晴らしいトロピカルフルーツの香りをもちます。
フルーティーの香りの代表的な強香品種
ダブル・ディライト Double Delight |
白にピンクの覆輪 | |
夢香 Yumeka |
ピンク | |
ホワイト・クリスマス White Christmas |
白 | |
アライヴ Alive |
ローズ色 | |
フリージア Friesia |
黄 | |
ナエマ Nahema |
淡ピンク |
5、ブルーの香り
青バラに特徴的な香り。ダマスク香が40%、ウッディ・ハニー香が40%で、フレッシュな印象です。
ブルーの香りの代表的な強香品種
6、スパイシーの香り
ダマスク香を基調に、クローブやカーネーションの香りを感じます。
スパイシーの香りの代表的な強香品種
デンティ・ベス Dainty Bess |
淡ピンク | |
粉粧楼 en Zhang Lou または Clotilde Soupert
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淡ピンク | |
ロサ・ルゴサ(原種) Rosa rugosa |
ローズ色または 白 (中香です) |
7、ミルラ香
▲ミルラ香の代表品種。イングリッシュ・ローズの「セプタード・アイル」
ミルラとは、ハーブのアニスのことをさし、ミルラ香はアニスに似た香りです。イングリッシュ・ローズに特徴的な香りですが、イングリッシュ・ローズには、ミルラ香の品種だけでなく、ダマスク香やティー香さらにそれらを混合した香りも多くあります。
▼イングリッシュ・ローズの香りについては、こちらをご覧ください!
まとめ
じつはモダン・ローズでは、あまりに花が完成された美しさをもっているため、香りはじゃまになるとされたことがあったそうです。
そのため、香りのない品種が多く作出されているのですが、現代では香りの良いバラが人気なこともあり、再び強香品種のモダン・ローズが作り出されるようになってきたようです。
モダン・ローズは、長く資生堂で香料分析を行い、現在は「蓬田バラの香り研究所」所長のパフューマリー・ケミスト蓬田勝之氏により世界で初めて6タイプに分けられました。それにプラス1タイプの7タイプに香りを分けて紹介しました。
▼オールド・ローズの香りと強香品種については、こちらをご覧ください!
薔薇の香り・・・まだまだ全く分かりません。。。こちらを読んでも???状態(笑 ガーデニングでは香りの強い品種が増えてきたんですね! 生花店を4社働きましたが。香りが少ない。無い?品種が増えていった記憶です。 昔はガラスケースを開けると薔薇のいい香りが一気に広がったのに、今ではしないですね。。。 香りの好き嫌いもあるようですが。(大きな病院では花粉・香りの為にお見舞いに持ち込み禁止が増えたのもあるようです)棘無し品種改良で香りが少なくなってしまったと聞きました。 僕は薔薇の香りが大好きなので部屋、トイレ。入浴剤。薔香の香りです(笑
ORCAさん、こんにちは。
あぁ、なるほど。
病院などで香りの強い花が敬遠されることから
切花では香りのほとんどないものが喜ばれるようになってきているんですね。
でも、ガーデンローズでは香りのあるタイプを好む方が多いので、
さまざまな香りの品種があります。
ダマスクの甘い香り
ハイブリッド・ティー系統のややケミカルなティー香、
オールドローズのティー香は、本当に甘いミルクティーのような香りです。
イングリッシュローズに多い、少し薬っぽいミルラ香、
青バラに特徴的な、爽やかさのあるダマスク香(いわゆるブルー香)、
ボレロに代表される、熟れたトロピカルフルーツのような香り・・・。
来年の春バラシーズンに、大きなバラ園を訪れてみてくださいな^^
バラの香りは、ほんとうにさまざまです^^
香りを確かめるには、早朝、バラ園がオープンしてすぐがオススメです。
あいびー