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花径6~8cmもある濃いバラ色の花を咲かせる「ロサ・ルゴサ」。和名の「ハマナス」または「ハマナシ」と言った方がピンとくる方が多いかも知れませんね。北日本を中心に自生しているくらい丈夫で、華やかで、しかも香りもよい、「ロサ・ルゴサ」を紹介します!

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ロサ・ルゴサ(ハマナス)

Rosa rugosa

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DATA

バラの系統 原種【Sp】
開花のしかた 3~4輪の枝咲きで返り咲き
花径 6~8cm
花形 一重咲き
香り 強香
樹形 シュラブ樹形 1.5m
作出情報
交配
備考 日本原産の原種 和名「ハマナス(浜茄子)」、「ハマナシ(浜梨)」

ロサ・ルゴサは日本に広く自生する原種バラ

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▲ロサ・ルゴサ・アルバ(Rosa Rugosa Alba)和名:シロバナハマナス

本ではハマナス(またはハマナシ)の和名で親しまれているのがロサ・ルゴサです

 

「知床の岬に、ハマナスの咲くころ~♪」と、歌われるように、北海道の道花ともなっている原種バラです。ロサ・ルゴサは、日本、朝鮮半島、中国北部原産地で、日本では北海道本州の太平洋側は茨城県まで日本海側は鳥取県までに自生しています。

 

ただし近年、自生する野生のものは減り、宮城県や福島県をはじめ多くの県で絶滅危惧種もしくは準絶滅危惧種に指定されています。海岸沿いには野生のものに代わりに園芸品種が植えられていることが多くあります。

 

花径6~8cm濃いピンク色の一重の花5~6月に咲かせ、原種バラには珍しく返り咲きの性質があるので、7~8月にも咲きます。写真のように、枝替わりの白花品種もあり、ロサ・ルゴサ・アルバ(Rosa Rugosa Alba和名で「シロバナハマナス」と呼ばれています。

 

葉脈の目立つ、しわの多い葉をもちます。じつはロサ・ルゴサ(Rosa Rugosa)のRugosa」はラテン語で「しわが多い」という意味です。

 

棘の多い太くて硬い枝は、やせた海岸地域では1mに満たないこともありますが、庭で管理すれば1.5mていどまで伸びるシュラブ樹形になります。

 

春に咲いた花は、夏にはミニ・トマト大のヒップが赤く色づきます。

 

根や樹皮にはタンニンが含まれており、絹糸を黄褐色に染める染料に使われます。

 

皇太子徳仁親王妃雅子さまお印の花としても知られます。

 

誕生花と花言葉

マナスは7月5日、9月7日誕生花

花言葉は「悲しくそして美しく」。ハマナスの花は原種には珍しく大型で華やかな印象がありますが、花もちは悪く、1日でしぼんでしまうことに由来する花言葉です。

 

ヒップはローズ・ヒップ・ティーに、乾燥花はローズ・ティーに

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▲ミニ・トマト大に実るヒップ

名は、海岸の砂地に生える植物で、梨のように大きな実をつけることから「ハマナシ(浜梨)」と呼ばれ、それが転化して「ハマナス(浜茄子)」と呼ばれるようになりました。

 

ミニ・トマト大のヒップにはレモンの約20倍のビタミンC、ビタミンEをはじめ、カルシウム、鉄分、食物繊維、ベータカロテン、リコピンなど、美白や美肌効果が期待できる栄養素が多く含まれています。ヒップを乾燥したものにお湯を注いで飲むローズ・ヒップ・ティーは、美容にも健康にも良いと女性に人気のお茶です。

 

北海道ではロサ・ルゴサのヒップからジャムも作られています。

 

ハマナスのつぼみを乾燥させたものを漢方では玫瑰花(メイグイファ)と呼びます。玫瑰花にお湯を注いだ玫瑰花茶(メイグイファチャ)は、日本ではバラ茶、ローズ・ティー、マイカイ花茶、ハマナス茶などと呼ばれ、ビタミンCが豊富で、造血作用や体を温める作用があるため、むくみや美肌、冷え性、貧血防止、シミなどに効果が期待できるとしてこちらも女性に人気です。玫瑰花茶はバラの花の香りがするので、リラックス効果も期待できます。

 

花は強い香りをもち、ロサ・ルゴサから香りを抽出した精油「ハマナス油」は、「ダマスク・ローズ・オイル」の代用品として、化粧品などの香りづけに利用されています。

 

耐寒性が注目され、ドイツなどで盛んに品種改良されハイブリッド・ルゴサ系統の品種を生む

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▲ハイブリッド・ルゴサ系統のフラウ・ダグマー・ハストラップ

サ・ルゴサは、オランダ人医師シーボルトにより1779年日本からヨーロッパに渡りました。

 

イギリスでは「ジャパニーズ・ローズ」と呼ばれています。硬い幹にびっしり生えた棘が侵入者よけになるとして、当時のイギリスでは倉庫の周りによく植えられていたそうです。

 

ロサ・ルゴサは寒さに強く、さらに荒れ地でもよく育つことが注目され、ドイツやハンガリーで盛んに品種改良され多くの園芸品種を生み出しました。それらはハイブリッド・ルゴサ系統と呼ばれています。

 

▼ハイブリッド・ルゴサ系統については、こちらをご覧ください。

 

寒さや荒れ地をものともせず、病虫害にも強い育てやすい原種バラ

サ・ルゴサは、東北や北海道など寒さの厳しい土地でもよく育つ耐寒性の強さがあり、さらに荒れ地や砂地でも大丈夫で、病虫害にも強い育てやすい原種バラです。販売店によっては「修景バラ」に分類されているほど、手入れいらずでよく咲いてくれます

 

ただし、寒さに強い分、暑さにはやや弱いようです。

 

原種バラとは思えないほど大型で華やかな印象の花を咲かせるうえに、返り咲きし、香りも実も楽しめる、嬉しいところの多いバラです。

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生産者からのコメント

自生地から分かる通り耐寒性は抜群、病気耐性もあり黒星病や害虫の被害はないようです。ただし、葉ダニには弱いようでハウス等雨の当たらない場所で育てるとよく発生します(その他のハイブリッドルゴサも同じような特徴を持ちます)(姫野バラ園)

 

ロザリアンの口コミ

ルゴサ系のバラは葉の病気も少なく、宿根草などとの混植もしやすいバラです。我が家でも、宿根草中心の庭に取り入れて楽しんでいます。

 

バラ苗の値段の目安

【バラ属】ハマナスホワイト3号ポット

価格:415円
(2018/10/2 03:39時点)

まとめ


ハマナスは、北日本を中心に海岸地域に自生する原種バラです。病虫害に強くて育てやすく、原種とは思えないほど見ごたえのある花で、しかも返り咲きし、香りも実も楽しめる、とても魅力的なバラですね!

 

庭で育てるなら口コミにあるように、病虫害に強い性質を生かして宿根草と混色すると確かに良さそうです! 

 

じつは夏に入手した野生のハマナスの実があるので、これを育ててみようと思っています。太平洋側の南限が茨城県ということなので、あまり日当たりのよくない我が家のベランダなら横浜でも育つのではないかな~と思っていますが・・・さて、どうなりますか!

 

追記:間違えて種を捨ててしまったようです>w< 残念!

 

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