埼玉県熊谷市にある「ルジャルダンサクレ」。バラの季節だけ一般公開される個人宅のオープンガーデンです。樹木の多い、他に類を見ない「森の中のローズガーデン」を紹介します。


「ルジャルダンサクレ」は、樹木の下に広がる「森の中のローズガーデン」

▲樹木と洋館が特徴的な庭 写真提供/天女の舞子

い色のレンガの壁に三角屋根、大きな煙突が目を引く美しい洋館のあるバラ園。埼玉県熊谷市にある「ルジャルダンサクレ」は、欧米の庭に迷い込んでしまったかと錯覚するほど、非日常感が味わえるガーデンです。

 

広さ約500坪(1,650㎡)の庭に900種、1100本のバラが、クレマチスなどさまざまな植物と混植され、花の時期にはそれは豪華。じつはこのバラ園、バラの季節のみ公開される、個人宅のオープンガーデンです。

 

オーナーの権田さん夫妻が、この地に家を建てたのが約20年前。かねてよりインテリアに興味があった妻の眞理子さんが、内装や間取りまでずっとあたためてきた暮らしを実現させるため、北米の輸入住宅を選びました。その際、広い庭を得たことから庭づくりがスタート。

 

ガーデンスタイルは独特です。おそらく他で似たような庭を探すのは難しいでしょう。葉の美しい大型の樹木がたくさん立ち、樹々の間を埋めるようにバラや草花がびっしりと植えられています。「森の中のローズガーデン」という形容がぴったりなバラ園です。

 

栽培経験のある人なら、陽の光の大好きなバラを樹木の下で育てるのは大変だろうと容易に想像できます。しかも熊谷といえば、2018年に観測史上最も高い41.1°Cを記録した日本一暑い場所として有名な地域。ご苦労も多いでしょうが、それを感じさせないほどバラ咲く景色は美しい。

 

花々の色彩を存分に堪能できる春、愛らしいローズヒップと木立ちバラの秋。毎秋には無料のリースづくり体験も楽しめます。

 

オーナーの権田眞理子さんから、読者に一言いただきました。

 

お客さまに癒しの空間を提供したいとの思いから、一年間かけて庭造りをしています。異空間へと!

 

「ルジャルダンサクレ」のバラ見頃は?

▲圧倒的バラ感が楽しめる春の庭 写真提供/天女の舞子

と秋のバラの美しい季節にオープンガーデンが開催されます。

 

春/5月中旬を中心とした約1ヵ月間

 

秋/10月中旬以降の約1ヵ月間(無料のリースづくり体験アリ)

 

開花状況やカレンダーに合わせて開催日程は毎年変動します。詳しくは公式サイトで確認してください。公式サイトへのリンクは、このページの一番下にあります。

 

バラ咲く春の「ルジャルダンサクレ」をレポートします。

天女の舞子天女の舞子

応援レポーターの天女の舞子です。この春、2度にわたり「ルジャルダンサクレ」を訪れました。バラ咲く春の「ルジャルダンサクレ」をレポートします。

▲濃色のレンガの壁と三角屋根のシックな洋館 写真提供/天女の舞子

谷市の中心部から少し離れた住宅地の側に「ルジャルダンサクレ」はあります。雑木林などがある自然豊かな場所に忽然と現れる洋館、それが目印です。

 

ポーチに青銅色のバラのレリーフが飾られた輸入住宅は淡色のつるバラで彩られていて、とてもロマンティック。

 

庭へは、建物の左側にある専用門から入ります。

 

背の高い樹木が多い「森の中のローズガーデン」

▲鬱蒼と茂る樹木の下に広がるローズガーデン 写真提供/天女の舞子

に入ってすぐに驚かされるのが、背の高い樹木の多さです。これまでたくさんのバラ園を観てきましたが、中心に大きな木がそびえ立つバラ園は初めてでした。

 

公式サイトに「森の中のローズガーデン」と書かれているのが一瞬で納得できます。熊谷という土地柄もあり、道中、汗をかきながら訪れましたが、庭の中は少し涼しく感じました。

 

▲バラも草花も見事な花つき 写真提供/天女の舞子

 

樹木が多いということは日陰になる時間が多いはずなのに、バラもクレマチスも、冴えた青が美しいデルフィニウムも、不思議なほど見事に咲いています。

 

最初に訪れたのが5月中旬、2度目に訪れたのが5月下旬。最初はオールドローズとつるバラが満開で十分きれいでしたが、木立ちバラには少し早く、オーナーの権田眞理子さんのオススメもあり10日後に再訪することに。

 

非日常が楽しめる庭空間

▲ここって日本だったよね?と、思わず確認 写真提供/天女の舞子

10日間で庭の様子は一変していました。オールドローズやつるバラはやや乱れていましたが、木立ちバラをはじめさまざまな植物が今を盛りと競うように花を咲かせ、文字通り、どこを撮っても絵になります。

 

つるバラで覆われたフェンスに囲まれ、背の高い樹木の間から洋館の見える花盛りの庭──。とてもここが日本とは思えないような、奇妙な感覚に囚われます。

 

▲森の中の小さな家──まるでメルヘン! 写真提供/天女の舞子

 

軒下にランプを吊るした小屋はツタで覆われ、まるで童話の世界そのもの。

 

樹木は多彩な表情のものが植えられています。煙のようなスモークツリー、赤い葉のプラナス・ベイリーズセレクト、白い葉が軽やかなアメリカハナズオウ・シルバークラウドなどなど。

 

▲アーチのバラも花盛り 写真提供/天女の舞子

 

いくつものアーチをくぐり花に覆われた細い小径をたどりながら、「ルジャルダンサクレ」(秘密の花園)という庭名に込められたオーナーさんの想いが分かったような気がします。

 

さまざまなストレスに耐えながら過ごす日常から解放され、非日常が味わえる癒しの空間──ひと時の清涼剤となる時間を過ごす隠れ家のような場所として、隅々まで手を尽くしてあるような、そんな印象をもちました。

 

じつはバーネット作の「秘密の花園」に登場する庭がモチーフになっているのかと、2度目に訪れる前に小説を読んでから挑んだのですが、関係ないそうです(^^;

 

花咲く森でお茶を

▲10人以上が座れる大型ガゼボも! 写真提供/天女の舞子

ーデンには大きなガゼボから一人掛けのイスまで、座ってくつろげる場所がいくつも設置されています。

 

▲セルフで飲み物がいただける 写真提供/天女の舞子

 

コーヒーや紅茶など、好みの飲み物を一人一杯セルフでいただけるようになっていて、庭を眺めながらゆっくりくつろぐことができます。

 

▲ファブリックスにもセンスを感じる 写真提供/天女の舞子

 

アクセントになりながらも庭に溶け込むファブリックスの選び方も、センスを感じさせます。テーブルにはガーデン雑誌が置かれていて、それを眺めるのも癒しのひと時に。

 

思わず欲しくなる石のオーナメントやバラ苗

▲バラの傍らで眠る天使 写真提供/天女の舞子

内を巡っていると、白い石のオーナメントによく出合います。ガーデン入口にはくちばしと羽のある犬のような像があったし、花に囲まれ小さな天使が眠っていました。フクロウのオーナメントも見つけました。

 

▲淡い色のガーデンオーナメントで庭が明るい印象 写真提供/天女の舞子

 

バードバスも白い石製が置かれています。足元に敷かれたレンガやウッドチップも浅い色が多く選ばれていて、シックなのに明るい印象の庭になっていると思います。

 

▲イギリス製ストーンオーナメントは販売も 写真提供/天女の舞子

 

ガーゴイルやウサギなど、イギリスハンプシャー社のストーンオーナメントは、販売もされています。

 

バラや草花の苗もあり、思わず欲しくなる魅力的な品種のバラがたくさん並んでいて困るほどでした。

 

秋のみ「リースづくり体験」を無料で開催

▲2020年秋のリース例 写真提供/ルジャルダンサクレ公式

ジャルダンサクレでは、秋のオープンガーデン時のみ無料のリースづくり体験ができます。上の写真は、2020年秋につくられたリースの例。

 

他にもコットンやローズヒップなど、さまざまな花材が用意されました。今年の花材は何でしょうね?

 

訪れた人の口コミは?

5月中旬~下旬

今回「ルジャルダンサクレ」を訪れたのは2回。1度目は5月中旬です。オールドローズとつるバラが満開で、ジギタリスなどの草花もあちこちに咲いていました。

 

2度目は5月下旬に訪れました。今度はオールドローズとつるバラにバトンタッチするように木立ちバラが満開でした。1度目も2度目もきれいでしたが、やはり木立ちバラが満開の2度目の方が華やかでしたね。

 

自然豊かな場所にあるローズガーデンで、野鳥のさえずりが聞こえます。以前、鳥の鳴き声のBGMを流していると勘違いされたことがあるとか。実際わたしも、キジの鳴き声や飛ぶ姿を目撃しました。

 

とても良く手入れされた庭ですが、デザインから施工、日々の管理まで、ほとんど奥様一人でつくりあげたものだそうです。あの大型ガゼボも、ネットで取り寄せ自力で建てているというから驚きです。

 

しかも、どこかでガーデニングを学んだわけではなく、すべて独学なのだとか。そのエネルギッシュな情熱には脱帽しかありません。

 

▲大樹に誘引したマダム・アルフレッド・キャリエール 写真提供/天女の舞子

 

どのバラもきれいでしたが、木にダイナミックに誘引したマダム・アルフレッド・キャリエールがとくに気に入りました。と同時に、高所での誘引作業はさぞ大変だろうとも。

 

一般の方でここまでできる方は稀です。個人宅の庭だからこその想いの詰まった庭。

 

勘違いではないと思いますが、2度目に訪れたときに小径の幅が少し広くなっていました。おそらく小径の側の植物が踏まれて傷んだので、抜き取ったのでしょう。オープンガーデンをするなら仕方のないことかもしれませんが・・・。

 

オープンガーデンは一般的な観光施設ではなく個人の庭です。大勢でワイワイ訪れるのではなく、一人でゆっくり静かに楽しみたい場所だと思いました。(天女の舞子)

 

アクセスと施設の案内

▲樹々の間に赤やピンクのバラが見える 写真提供/天女の舞子

ジャルダンサクレ手前の景色。あたりは林や竹藪の広がる自然豊かな場所。

 

アクセス情報

カーナビに「埼玉県熊谷市押切2409-1」と入力してください。

無料駐車場アリ

 

電車

熊谷駅(JR・秩父鉄道)からバスで約20分「江南病院前」下車徒歩10分

小川町駅(東武東上線・JR八高線)からバスで約30分「江南病院前」下車徒歩10分

 

▼詳しくは Google map をご覧ください。

 

開園日・開園時間と入園料

開園日

オープンガーデン開催時期(5月中旬前後の約1ヵ月間と10月中旬以降の約1ヵ月間)のみ開園。

オープンガーデン中は基本的に休みなし。

 

オープンガーデンの詳しい開催日は、公式サイトで確認してください。

 

開園時間

春/10時~17時半

秋/10時~16時

 

入園料

1000円

 

「ル ジャルダン サクレ」からのお願い

小学生以下のお子様とペットは入場できません。

三脚を使った撮影はご遠慮ください。

園内は禁煙です。

バラや草花に手を触れないでください。

 

「ル ジャルダン サクレ」公式サイト

毎年の詳しいオープンガーデンの日程やガーデンの様子は、公式サイト内のブログで確認することができます。

 

*お出かけの際には、必ず公式サイトでご確認ください!

 

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