初心者が勘違いしやすい「1番花」「2番花」の意味と、なぜこういう言葉が使われるかを紹介します。

YOUYOU

初心者ロザリアンYOUです。じつはわたし、「1番花」「2番花」の意味を勘違いしていたの。わたしの失敗談をお話しします!


あなたの「1番花」「2番花」の定義、間違ってない?

ラ栽培には専門用語がいくつもあって、それが初心者にはハードルとなり「バラ栽培は難しい!」と思わせてしまう原因にもなっています。「1番花」「2番花」という言い方も園芸の専門用語で、勘違いしやすい言い方です。

 

まずはYOUちゃんの失敗談からどうぞ。

 

▲「1番花」は、最初に咲く花?

 

YOUYOU

今では笑い話なんだけど、わたし、すっかり勘違いしていたの。たとえばこの写真でいうと、1番最初に咲く花つまり①の花が「1番花」、次に咲く花つまり②の花が「2番花」だと思っていたの。

あいびーあいびー

あぁ、よくある勘違いね。順番に③が「3番花」、④が「4番花」ね。

▲つるバラだと何番花まであるのやら・・・

 

YOUYOU

そうそう、そう思っていたの。でもね、それじゃつるバラだったら何番花まであるんだろう? って考えて、なんかおかしいなぁ──と。40番花とか50番花って聞いたことがないものね。

春に咲くのが1番花。梅雨~7月に咲くのが2番花

▲1番花が一斉に咲いた春のバラ園

 

YOUYOU

正しくは、春の5月中旬ごろ(関東基準)に咲くのが1番花で、その後の梅雨~7月ごろに咲くのが2番花よね。

 

バラの花1輪ごとの数じゃなくて、咲くタイミングでカウントしているのよね。バラは年に何度も花を咲かせるから、それでこういう言い方をするのよね?

▲7月に咲くバラは2番花?

 

YOUYOU

最初に見せたこの写真は、じつは7月中旬に撮影したものなので、①~④は、ぜんぶ2番花と言っていいのよね?

あいびーあいびー

そう──ね。だいたいそれで合っていると思う。でも、わたしの理解と少し違うかなぁ。

1段目に咲いた花が「1番花」。2段目に咲いた花が「2番花」

▲同じ枝に咲いた何度目の花かが「1番花」「2番花」の違い

ラの「1番花」「2番花」とは、同じ枝に咲いた何度目の花かを差す言葉です。上の写真でいうと、①のところに咲いた花が「1番花」、②のところに咲いた花が「2番花」、③のところに咲いた花が「3番花」。この枝は既に3番花まで咲かせています。

 

▲7月に咲く1番花もある

 

YOUYOU

そうなの? ──じつは、①と②は春の1番花が咲いた後に切り戻しをして、切り戻したところから伸びた枝についた花なの。

 

でも③と④はベイサルシュートで、③は一回切り戻した後に伸びた枝についた蕾。④は切り戻しをしない内に気づいたらついていた蕾だから・・・。それじゃ、こういう場合どうなるの?

あいびーあいびー

だとすると、①~③は2番花で、④は1番花ね。

YOUYOU

そっかぁ。7月に咲いても④は1番花なのね。わたしったら、また勘違いしていたみたいね。・・・ところで、1番花、2番花って、なんのために使う言葉?

専門用語はバラの手入れをする人同士の意思疎通のための言葉


Gardens / Chester Zoo

ラに限らず専門用語は、同じ仕事をする仲間が、正しく意思疎通するために使われる言葉だと思います。

 

「1番花」「2番花」という言葉を使わず正しく説明すると1番花は「枝にその春最初に咲いた花」、2番花は「枝にその春最初に咲いた花を1度切り戻した後に伸びた枝に咲いた花」とでもなるでしょうか?

 

かなり面倒くさいです。

 

だから共通言語として「1番花」「2番花」という言い方が定着したんでしょう。

 

バラはエネルギー管理が重要

▲ビオラなら花が終われば処分するけどバラは・・・

ぜ「1番花」「2番花」という言い方が重要なのかについて、資料がないか調べたのですが見つけられなかったため、ここからは完全にわたし、あいびーの私見になります。

 

しばらく花を楽しんだら処分するパンジーやビオラなどの1年草と違い、バラは何年も木を育てながら長く楽しむ植物です。花のある時期もない時期も、枯らしたり弱らせたりすることなく、常に良い状態を保つことがとても大切です。

 

▲2番花がたくさん咲いて

 

バラは花を咲かせるために、多くのエネルギーを使います。それなのに四季咲きバラの場合、年に何度も花を咲かせられるため、栄養不足になりやすいです。

 

栄養不足になると、株が丈夫に育つことができません。そのため肥料を追加したり、花数を制限したりして、木を育てる栄養分を確保することが重要になってきます。

 

とくにまだ若い株や枝のエネルギー管理はとても重要です。だから同じ枝に何度、花を咲かせたかを把握しておくことが大事なのだと思います。

 

▲来年の主幹となるベイサルシュート

 

来年の主幹となるベイサルシュートはとくに重要で、花を咲かせることで枝が貧弱になってしまうのを防ぐため、1番花は咲かせないよう取り除いてしまうのがセオリーです。同じように、枝1本しかない新苗の蕾も、咲かせず取り除くのがセオリーです。

 

2番花以降は、枝の状態次第で咲かせてもいいと思います。でもベイサルシュートの2番花は真夏開花になるので、ただでさえ凌ぐのがやっとの真夏に多くのエネルギー消費をする花を咲かせるのは、バラにとってあまり良くないように思えます。しかも夏のバラは、あまり良い状態で咲かないことが多いですし。

 

1番花は、ほぼどんなバラでも咲かせてもいい。けれど2番花をどうするか、それ以降の3番花をどうするか? は、株の状態や気候、育てている人の考え次第。そこが議論の的になることが多いので、「1番花」「2番花」という言い方が重要になったのだと思います。

 

まとめ

バラ栽培の専門用語はいろいろありますが「1番花」「2番花」という用語は、勘違いしやすい言葉です。勘違いしたままでは、きちんと意思疎通ができないので、正しく把握しましょう。

 

なぜ「1番花」「2番花」という言い方が重要なのかについては、信頼できる資料が見つけられなかったため、わたしの私見を紹介しました。ほかにもっと重要な意味があるのをご存知な方がいらしたら、ぜひ教えてください!

 

ところで、花を切り戻したところから枝が伸びて、また花が咲く木って、バラ以外にあるんでしょうか? 胡蝶蘭は2番花が咲くそうですが、すごく珍しい特徴ですよね。気温さえあれば1年中くり返し何度も咲く四季咲きバラって──今更ながら、すごい!

 

YOUYOU

「1番花」「2番花」の正しい意味、わたしったら2度も勘違いしていました。もう間違えません!

 

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