アジサイが観られる場所はいろいろありますが、今回紹介するのは横浜市の八景島です。シーパラダイスという大型水族館で有名な八景島ですが、小さなバラ園と、2万株のアジサイが植えられていて、梅雨の季節にはあじさい祭りも開催されています。
八景島のあじさいは、県内最大級2万株!
大型水槽をゆったり泳ぐ魚たちが観られる水族館「シーパラダイス」と、シーパラダイスの隣にある遊園地にゲームセンター、さらに飲食店やお土産ショップが併設されていて、子どもと一緒に1日楽しめるレジャー施設として有名な八景島ですが、じつは小さなバラ園があり、バラ園の周りに桜と県内最大級2万株にもおよぶあじさいが植えられていて、花散歩が楽しめる場所でもあります。
八景島は、施設に入らなければ入園料はいりません。あじさいを観たり海を眺めたりしながら、八景島で半日ゆったり過ごしてみませんか? あじさいの咲く季節には毎年恒例「あじさい祭り」も開催されます。
▲八景島の全島マップ 出展/八景島シーパラダイス公式
海に囲まれた八景島の中央部分に、約2万株のあじさいが植えられています。全島マップの右下から斜めに島に入る道は、シーサイドライン八景島駅から歩いて渡れる橋になっていて、橋を渡ってすぐのところにある円い建物はメリーゴーラウンドです。メリーゴーラウンドから少し奥に行ったところから始まる①~⑧のナンバリングは、あじさい祭り期間中に開催されているスタンプラリーのスタンプ台の場所になっています。
あじさいが植えられているところは、なだらかな丘になっていて、丘の頂上には小さいバラ園もあります。バラ園は④付近にあります。
あじさいの見頃は6月の1カ月間。あじさい祭りも6月に開催!
あじさいの開花期間は長く、6月初旬から6月いっぱいまでたっぷり1カ月間、花を楽しむことができます。
八景島のあじさい祭りも、だいたい同じ時期に開催されます。あじさい祭りでは、特典つきのスタンプラリーや、夜のライトアップ、あじさいのガイドツアーなど、さまざまな催しが企画されます*。
*あじさい祭りはその年により異なります。詳しい日程や、企画の内容は、下記公式ページで確認してください。
八景島あじさい祭りをレポートします!
▲アナベルが群れ咲くあじさいの滝
あじさい祭りが始まって2日目、6月9日に八景島にあじさいを観に出かけました。当日は小雨が降ったりやんだりという梅雨らしいやや肌寒いお天気でした。車で出かけたので駐車場に近い入口から入島。あじさい祭りのスタンプラリーの、ゴール付近から散策スタートです。
巨大ゲームセンター「カーニバルハウス」の隣から小高い丘に続くアジサイの小径を歩きます。このあたりには純白の花をつける「アナベル」や、ごく淡い水色のガクアジサイが植えられていて、流れ落ちる滝をイメージさせることから「あじさいの滝」と呼ばれています。
ゆるやかな階段脇には小さなランプが並んでいて、日没後にライトアップされる場所のようです。
▲あじさいのプール?
階段の手前には、さまざまな花色のあじさいの花を水に浮かべたあじさいのプールがありました。花色のグラデーションがきれいですね!
▲あじさいの豆知識が書かれた台
遊歩道沿いには、ところどころにあじさいの豆知識が書かれた台が設置してあり、これを読みながら歩き進めると、自然にあじさいに詳しくなれます。実際に書かれていた豆知識をいくつか紹介します。
豆知識1、あじさいの語源
藍色の花が集まって咲くという「集(あず)真(さ)藍(あい)」が語源とする説があります。
初めて文学の世界に現れるのは、万葉集に「味狭藍」「安治佐為」。その後、「安知佐井」「安豆佐為」。
「紫陽花」は、中国の招賢寺という寺にあった名の知れぬ山の樹に咲く花で、色は紫、芳香を放つ仙界の麗花であったと言われ、日本のアジサイとは何の関係もありません。
アジサイ咲く遊歩道を道なりに上っていくと、開けた場所に出ます。そこには、小さいバラ園が作られています。
▲丘の上のローズガーデン
バラの花はほとんど終わっていますが、アーチを彩る濃いローズ色のつるバラが盛りで、とてもきれいでした。アーチの奥に見える白いガゼボのような建物は鐘楼になっていて、誰でも鐘を鳴らすことができます。
▲いろいろなカシワバアジサイが観られる
バラ園の周りにもたくさんのアジサイが植えられています。ここにはアメリカ原産のアジサイが多く、それぞれに品種名が書かれていました。これまでカシワバアジサイばかりまとめて見たことがなかったので、それぞれ花つきや葉の表情が違っていて興味深かったです。
▲バラ園脇からアジサイと海が見渡せる!
バラ園は丘の上にあるので、アジサイと海が同時に観られる場所がありました。
豆知識2、あじさいの薬用
*花は解熱、葉はおこりに特効と言われました。
4月8日のお釈迦様誕生のお祝いに振る舞われる甘茶はアマチャ(ヤマアジサイの一種)の葉でつくられたお茶で、昔から健康茶として飲まれています。このアマチャは葉に甘味があり、糖尿病患者には砂糖代わりの甘味料として用いられています。
*薬効があるということは「毒」でもあります。ときどき食中毒が報告されるので、安易に口にしないでください!
▲「ピンクアナベル」は、アナベルより小ぶりの花
バラ園から少し降りたところに、純白の「アナベル」のピンク色の品種「ピンクアナベル」が咲いています。白いアナベルは一房が大きな花ですが、「ピンクアナベル」は小ぶりです。ピンクというには濃い色で、最初、シモツケソウかと思いました!(開花するにつれ、もっと淡い色になるようです)。
▲あじさいトレインが運行
園内を巡る「シートレイン」が、あじさい祭り期間中はあじさいの花飾りをつけてあじさいの咲く道を走る「あじさいトレイン」として運行します。これなら雨の日も足場を気にせずゆったりあじさいが観られます。(有料1回300円)
豆知識3、あじさいの学名
てまり型のホンアジサイの学名はHydrangea macrophylla(ハイドランジア マクロフィラ)です。
ハイドランジアとはギリシア語の「水」と「容器」の言葉からなる合成語で、マクロフィラは「大きな葉をした」という意味です。学名にも形や性質だけでなく、発見者など人の名前が使われていることもよくあります。
幕末の長崎に住んだオランダの商館医師、シーボルトが日本で一緒に過ごした女性「お滝さん」(楠本 滝)から命名したものと言われているハイドランジア オタクサが有名です。
▲アジサイの向こうにメリーゴラウンド
海とアジサイが一緒に観られるのは八景島ならではの魅力ですが、アジサイとメリーゴーラウンドを同時に写真に収められるのも、八景島ならではです!
日没を待って行燈が点灯
▲日没時間を過ぎると「あじさいの滝」がライトアップ
あじさい祭り期間ちゅうの日没時間~閉島時間(20時)は、「あじさいの滝」がライトアップされます。階段の両脇に小さな行燈が並んでいる様子は、昼間とはまた違った趣で、とても風情がありました。暗くなったから点灯されるわけではなく、正しく日没時間に点灯されるので、注意してください。当日、わたしはけっこう粘って待ちました。
ところどころ消えている行燈があったのですが、足先でチョイチョイとつつくと点灯しました。接触が悪いようです!
スタンプラリー
▲スタンプラリー8カ所制覇!
あじさい祭りでは、アジサイ園に設置された8カ所のスタンプを集めるスタンプラリーを行っています。スタンプが1つでもあればお買い物で5%引きしてくれたり、ソフトドリンクが1杯もらえたり。8カ所すべてのスタンプを完成させた人は、ワンデーパスまたはアクアリゾーツパスが割引価格で購入できるなどの特典があります。
ほかにも、「あじさい寄席」「あじさいの増やし方教室」「あじさい茶会」「あじさいのガイドツアー」「あじさい写真展」「あじさいの草木染教室」など、あじさい祭り期間中にはさまざまな企画が用意されています。
訪れた人の口コミは?
6月
鎌倉は混雑するので、アジサイの観賞は八景島にしています。何年かぶりですが、アジサイの木が成長して、立派になっていました。また種類を増やす努力をしているようです。駐車場(有料)または駅からすぐに入れます。遊具は使わずに、アジサイの見学だけなら入場は無料の点も良いです。ついでに食事をして帰りました。
6月
あじさい祭りが始まって間もなかったので、まだあまり咲いていない木もありましたが、その分人もまばらでゆっくり散策を楽しめました。アジサイと言えば鎌倉のお寺が有名ですが、どこも混雑します。のんびりしたい方にはこちらの方がいいと思います。バラ園周辺はアジサイのネームプレートもつけられていて、アメリカ原産のアジサイなどお寺では見かけない品種もあって楽しめました。ただし、けっこう歩くので、歩きやすい靴で出かけるといいですね。(あいびー)
アクセスと施設の案内
電車
シーサイドライン「八景島駅」下車徒歩すぐ
車
首都高速湾岸線「幸浦」出口から約1.5km
高速道路・横浜横須賀道路「並木インターチェンジ」から国道357号線約2km
駐車場
有料/1,300円(1日)
駐車時間/開島30分前-閉島30分後
開島時間と休島日・入場料
6月の開島時間/月曜~金曜/8:30~21:30
土曜・日曜/8:30~22:30
*開島時間以外に入島することはできません。
休島日/なし
入場料/無料
住所
〒236-0006 横浜市金沢区八景島 横浜・八景島シーパラダイス
シーパラダイス公式サイト
*お出かけの際には、必ず公式サイトでご確認ください!