埼玉県入間郡毛呂山町にあるグリーンローズガーデン。バラのシーズンのみ公開される個人宅のオープンガーデンです。オーナーの愛情と工夫たっぷりの素敵な庭を紹介します!


圧倒的な緑のボリューム!「グリーンローズガーデン」は、花と緑の自然な競演が美しい

▲オープンガーデン通にはおなじみの景色 写真提供/天女の舞子

玉の「グリーンローズガーデン」。個人宅のオープンガーデンに興味のある方なら、きっと皆さんご存知な庭でしょう。毎年のオープンガーデンを楽しみに、遠方から足を運ぶ方も多い「グリーンローズガーデン」の魅力を紹介します。

 

都内から電車で約1時間。自然豊かな埼玉県入間郡毛呂山町に「グリーンローズガーデン」があります。1200㎡の敷地に約400種類のバラ。バラ以外にもさまざまな植物が溢れんばかりに植えられた庭です。

 

名称に「グリーン」が入っているところから想像できる通り、「グリーンローズガーデン」はバラ以外の草花や樹木が多いめ。緑の中でバラが伸びやかに育っているという雰囲気の、ナチュラルなガーデンです。

 

▲手作りのアイデアがあちこちに 写真提供/天女の舞子

 

この庭は、オーナーである斎藤よし江さんご夫妻が、試行錯誤を繰り返し30年以上かけてつくりあげたもの。自然を楽しむ小さなアイデアがあちこちに散りばめられていて、それらをひとつひとつ発見しながらのガーデン散策は、とても豊かな時間を過ごせます。

 

かつて納屋だった場所に造られたガーデンカフェもナチュラルな魅力がいっぱい。特別なひとときを満喫できます。

 

「グリーンローズガーデン」のバラ見頃は?

▲「グリーンローズガーデン」のバラはどれも立派 写真提供/天女の舞子

リーンローズガーデンのバラ見頃は春と秋の年2回。バラの季節を中心にオープンガーデンが開催されます。

 

春のオープンガーデン/4月上旬~6月中旬の土曜・日曜・月曜のみ

 

4月はチューリップなど春の花が美しく、バラは6月に入ってからが特に美しい。

 

秋のオープンガーデン/10月中旬~11月中旬の土曜・日曜・月曜のみ

 

カレンダーや庭の状態から、開催日時は年によりまちまちです。詳しくは、公式ブログで確認してください。この記事の最後に公式ブログへのリンクがあります。

 

春の「グリーンローズガーデン」をレポートします!

天女の舞子天女の舞子

応援レポーターの天女の舞子です。ナチュラルな魅力たっぷりな、春の「グリーンローズガーデン」をレポートします。

▲グリーンローズガーデン入り口 写真提供/天女の舞子

毛呂駅から歩いて8分ほど。「グリーンローズガーデン」は、入口からして特別です。とにかく植物の密度がすごくて圧倒されます。

 

▲入り口近くの花壇からすごい 写真提供/天女の舞子

 

入り口近くの花壇には、背の低いアリウム、黒花ナデシコ、フランネルソウ、ジギタリス、ムギセンノウ・・・数えきれないほどの植物が繁茂しています。

 

植物の選び方や配置のしかた、ナチュラルな石を積み上げた縁取りなど、ここだけ取っても見ごたえがあります。

 

植物たちが元気に繁茂

▲本格的なガーデンはここから 写真提供/天女の舞子

こから先、庭の中は狭い小径に沿って進みます。枕木の小径はしっかりとして歩きやすく、ナチュラルな雰囲気があって植物との相性もいいですね。

 

▲緑の中にバラやクレマチスが咲いている 写真提供/天女の舞子

 

今年のバラは例年になく開花が早かったので、訪れた日はバラの1番花には少し遅く、咲き残りのバラやクレマチスと緑の競演という雰囲気でした。花で溢れた庭はもちろんきれいですが、緑が生き生きとして自然の中に花が咲いているという感じも素敵ですね。

 

▲背丈より高く鬱蒼と茂るつるバラ 写真提供/天女の舞子

 

ときに驚かされたのは、つるバラの自由奔放な枝ぶりです。つるバラはアーチや壁面に行儀よく誘引するものと思っていたのに、「グリーンローズガーデン」では構造物に誘引せず太い枝を絡み合わせ、頭上のはるか高くに花が咲いています。

 

まるで「眠れる森の美女」の、お城を覆う鬱蒼としたつるバラを彷彿とさせ、植物のボリュームに目を見張りました。

 

花エリアと緑エリアでメリハリつけて

▲バラ咲くエリア 写真提供/天女の舞子

番花が終わりかけていたとはいえ、もちろん、まだまだバラがたっぷり咲いているところはたくさんありました。でも、どこもとてもナチュラルで、自然のままに育っているように感じます。

 

きっとオーナーさんの目指すところは、まるで人の手が入っていないような、ナチュラルな景色なんでしょうね。

 

▲クレマチスも乱れ咲いて 写真提供/天女の舞子

 

クレマチスも、まるで自然に伸びていったような、人の手が入っていないみたいな誘引です。手前のノバラ(かな?)が終わりかけで、よけい野にあるがままの風景のように見えました。

 

▲主張しすぎない花が選ばれているみたい 写真提供/天女の舞子

 

花の選び方も、緑になじむように考えられているようでした。たくさん咲いていても、その花ばかりが目立つのではなく、景色全体で魅せるような、そんな花選びに思えました。

 

▲緑のトンネルはワクワクする 写真提供/天女の舞子

 

ほとんど花のない場所もありました。わたしが訪れた日の関係で花が咲いていなかったのかも知れませんが、花を楽しむエリアと緑を楽しむエリアでメリハリをつけ、お互いを引き立て合っているようでした。

 

緑のトンネルは、奥に何があるかとついワクワク足を運ばせてくれます。

 

▲さまざまな緑を重ねた美しさ 写真提供/天女の舞子

 

足下の緑の密度は素晴らしくきれいです。さまざまな色とテクスチャーの葉が、小径を両側から縁取っています。

 

この狭い小径を、植物を踏んでしまわないかと気遣いながら歩くのは、観光バラ園では味わえない楽しさです。

 

グリーンローズカフェ

▲白バラに覆われた「グリーンローズカフェ」 写真提供/天女の舞子

がて壁いっぱいに白バラを誘引したカフェにたどりつきます。ここにオーナーの斎藤よし江さんがいらして、入園料を支払います。

 

感染症の懸念があるのでしばらくカフェは営業していませんが、本来は飲み物をいただき、ゆっくり休憩できる場所です。

 

▲白バラはロサ・ムリガニー 写真提供/天女の舞子

 

白バラはロサ・ムリガニー(書籍で調べました)。この光景を雑誌でご覧になった方も多いのでは? 花はそろそろ終わりかけでしたが、それでも圧巻の美しさ。見ごたえがあります。

 

▲カフェ内はカントリー調で統一 写真提供/天女の舞子

 

カフェの中はカントリー調におしゃれにまとめられています。オーナーさんに伺うと、飾られている小物はご自身で手に入れたもののほかに、いただいたものもあるそうです。

 

▲パーゴラからピンクのつるバラが覗く 写真提供/天女の舞子

 

カフェの前はウッドデッキになっていて、頭上の木組みのパーゴラから淡いピンクのつるバラが顔を覗かせていました。

 

園内に植物名を書いたプレートはないのでハッキリ分かりませんが、資料によるとニュードーンかな?

 

▲壁面に並んだ小さなガーデンツールもおしゃれ 写真提供/天女の舞子

 

カフェでは毛呂山町特産のゆずジャムや、「グリーンローズガーデン」の関連書籍、バラや草花の苗も少し販売されていました。

 

▲道具小屋もこんなにかわいい 写真提供/天女の舞子

 

カフェ裏手の道具小屋も、洗濯物の飾りやアンティークな時計やジョウロがいいアクセントになり、とてもおしゃれでした。

 

アイデアいっぱいの庭飾り

▲つるバラに覆われた巨大ガゼボ 写真提供/天女の舞子

のアクセントといえば、アーチやガゼボ、ベンチなどのガーデンファニチュアーが定番です。もちろん「グリーンローズガーデン」にも、大型ガゼボやさまざまなガーデンファニチャーが置かれています。

 

▲植物に覆われたベンチ 写真提供/天女の舞子

 

どれもがもう何年も前からそこにあるように、庭になじんだ雰囲気のものばかり。

 

それらはもちろん素敵なんですが、誰でも真似できそうな小さな飾りがあちこちで発見できるのも、「グリーンローズガーデン」ならではの楽しみです。

 

▲支柱の先に小さなオブジェ 写真提供/天女の舞子

 

一番上に小さな飾りをつけた支柱をよく見かけました。飾りは小鳥だったり、家だったり、鳥小屋だったり、さまざまな形のオブジェが空中に浮かんでいるように見えます。

 

▲ピーナッツの殻をリースにして 写真提供/天女の舞子

 

鳥小屋の近くでピーナッツのリースをいくつか見かけました。本来ならこれは冬に野鳥を呼ぶためのものなので、春は殻だけの飾りですが、庭のアクセントとしてかわいいですね。

 

▲木のフレームをスクリーンにつけて 写真提供/天女の舞子

 

視界を切り取るフレームもありました。見える景色がまるで窓の外か写真のようで、思わず覗きこんでしまいます。

 

▲つるのリースならもっとナチュラル 写真提供/天女の舞子

 

リースのフレームも同じ効果。見た目に楽しく、のぞいて楽しく。

 

▲足下にも遊び心 写真提供/天女の舞子

 

敷き板に紛れ込ませた蝶のレリーフも見つけました。遊び心に、思わず口元がほころびます。

 

▲ジョウロはオブジェ! 写真提供/天女の舞子

 

ジョウロがオブジェとして上手に使われていました。立ち入り禁止のチェーンだけでは味気ないけれど、こうしてジョウロを1個置けば、庭のおしゃれなアクセントになります。

 

▲古びたジョウロがいい味に! 写真提供/天女の舞子

 

カフェ入り口のパーゴラにも古びたジョウロが。ガーデンじゅうのいたるところで、こんな楽しい発見に出合えます。

 

訪れた人の口コミは?

5月末

わたしが「グリーンローズガーデン」を訪れたのは5月末。近くにある「滝の入ローズガーデン」は満開とのことでしたが、標高の差か「グリーンローズガーデン」のバラは終わりかけでした。そのくせ遅咲きのバラはまだたっぷり蕾をつけていて、タイミング的にちょうどバラの少ない時期だったようです。

 

そのためか緑の割合がとても多く、よりナチュラルな雰囲気が楽しめました。バラメインの庭というよりは、バラも名脇役といったガーデンづくりに思えました。

 

ターシャテューダーさんの庭をよりナチュラルに緑多いめにした感じ──でしょうか。そう思って見ると、クラブアップルの木があったり、時を経て美しくなったものを好んで集めているところなど、ターシャさんと共通点が多くありそうです。

 

後に知ったのですが、「グリーンローズガーデン」では、ターシャテューダーさんの絵本の翻訳をしていらっしゃる内藤里永子さんのお話会が毎春開催されているそうです。

 

▲庭に違和感なく溶け込むポタジェ 写真提供/天女の舞子

 

じつはこの手作りの柵の向うはポタジェになっていて、よく見るとつる野菜を誘引する支柱があったり、ネギが育っていたりします。カモミールもたくさん咲いています。ローズガーデンに違和感なく溶け込んでいて、写真整理するまで気づきませんでした。こんなにおしゃれに畑を作ることができるんですね。

 

「グリーンローズガーデン」は、たくさんの発見に満ちた、楽しみいっぱいのガーデンでした。次の機会には、公式ブログで確認しながらバラのベストシーズンに訪れたいですね。

 

──しかし、今更ながらここって個人宅の庭なんですよね。ぜんぶオーナーご夫妻で手入れされているんですよね。改めてすごい!(天女の舞子)

 

アクセスと施設の案内

▲グリーンローズガーデンの目印になる看板 写真提供/天女の舞子

リーンローズガーデンの手前に、春ならポピーが、秋にはコスモスが咲く野原があって、ここに立つ英字の看板が良い目印になります。この奥に進むとガーデンに到着します。

 

アクセス情報

カーナビに「埼玉県入間郡毛呂山町平山1-45」と入力してください

 

駐車場アリ

 

電車

東武越生線「東毛呂駅」徒歩8分

 

▼詳しい地図はこちらからどうぞ

 

営業日・営業時間と入園料

営業日

オープンガーデン開催時期(5月上旬~6月中旬、10月上旬~11月中旬)の土曜・日曜・月曜のみ

 

*以前はカフェも営業していましたが、現在はオープンガーデンのみです。カフェの営業や詳しい日時などは状況をみながら変更されるので、お出かけの際には公式サイトで確認してください。

 

営業時間

11時~17時

 

入園料

500円

 

「グリーンローズガーデン」のお約束

小学生以下のお子様の入園はご遠慮ください

飲食物の持ち込みは禁止です

園内は禁煙です

ペットは入園できません

植え込みには入らないでください

営利目的での撮影はご遠慮ください。写真を第3者に公開する場合は十分ご配慮ください。三脚の使用はご遠慮ください

園内はおしずかに

 

*ローズガーデン入口の看板より転載しています。

 

「グリーンローズガーデン」公式ブログ

毎年の詳しいオープンガーデンの開催日時や開花状況、カフェ利用ができるかどうかなど、詳しくは公式ブログで確認できます。眺めているだけでも癒される、グリーンローズガーデンの書籍も1冊紹介します。

 

*お出かけの際には、必ず公式ブログでご確認ください!

 


ポタジェとバラのある庭 斉藤よし江さんのグリーンローズガーデン (MUSASHI BOOKS Garden&Garden特別編)

 

緑豊かな「グリーンローズガーデン」の四季を、美しい写真をぜいたくなほどたくさん使った、写真集としても楽しめる一冊。斎藤よし江さんがポタジェで土を耕しているところや料理している姿など、日常の暮らしが垣間見えるところも楽しい!

 

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