東京都調布市にある神代植物公園は、都内最大級の広さの植物公園です。園内では武蔵野の面影を残す緑豊かな景色が楽しめます。こちらのバラ園は、大切に育てられてきたバラの古い大株や、整形式の沈床式庭園、さらに原種バラのコレクションなどが評価され、2009年「世界バラ連合優秀庭園賞」を受賞しています。
神代植物公園は、4800種10万本の植物数!都内最大級の広さの植物公園
武蔵野の面影を残す都立神代植物公園は、約48万平方メートル(東京ドーム10個分以上)の敷地に、約4800種類、10万株の植物数を誇る都内最大級の広さの植物公園です。
▲神代植物公園 園内マップ
園内は、植物の種類ごとに30ブロックに分けられていて、バラ園、ツツジ園、ウメ園、ハギ園、水生植物園などがあります。春の梅や桜を皮切りに、バラ、ツツジ、ボタン、スイレン、ベゴニア、ハギ、ツバキなど、四季折々の花が一年じゅう楽しめます。
2016年5月にリニューアルオープンした大温室では、熱帯スイレンや球根ベゴニア、サボテンなど約1300品種の熱帯植物が見られます。
特に園のシンボル的な存在「つつじ園」は見事です。280品種、1万2000株のつつじの大群落は他では見られません。つつじ園やつばき園には、江戸時代に作られた古い園芸品種もあります。
このつつじ園を抜けた先にバラ園があります。
春と秋のバラの見ごろ
春/5月中旬~6月初旬
秋/10月中旬~11月初旬
バラ園は、平成21年「世界バラ連合優秀庭園賞」を受賞
応援レポーターの天女の舞子です。世界バラ会議で優秀庭園賞を受賞している「神代植物公園のバラ園」をレポートします!
▲噴水を中心にした沈床庭園のバラ園「本園」 写真提供/天女の舞子
神代植物公園には、さまざまな植物が植えられていますが、もっとも人気があるのがバラ園です。園内には、3つのバラ園があります。噴水を中心にシンメトリックに設計された「本園」、「野生種・オールドローズ園」、「国際ばらコンクール花壇」の3種類です。春は5月下旬ごろがもっとも美しく、秋は10月中旬から見頃を迎えます。
▲世界バラ会連合優秀庭園賞受賞の証! 写真提供/天女の舞子
神代植物公園のバラ園は、開園当時から栽培しているバラの老大株、左右対称の整形式沈床式庭園、79種類の原種バラコレクションが高く評価され、2009年の第15回世界バラ会議バンクーバー大会で「世界バラ連合優秀庭園賞(WFRS Award of Garden Excellence)」を受賞しました。
▼世界バラ会議について詳しくは、こちらをご覧ください。
シンメトリックなデザインの「本園」
▲四季咲き品種が多い「本園」
本園は、中央の噴水を取り囲むように低く作られた沈床式庭園(ちんしょうしきていえん)に、シンメトリックに設計されています。ハイブリッド・ティー系統やフロリバンダ系統を中心に、春バラは409品種5200本、秋バラは約300品種5000本あまりが咲き誇ります。
四季咲き品種が多いので、春はもちろん、秋もたくさんの花が群れ咲きます。秋の花はやや小ぶりですが、色彩が鮮やかで、長い期間楽しめるのが特徴です。
▲バラが詳しく学べる看板も充実! 写真提供/天女の舞子
神代植物公園は、ただ植物を見せるだけでなく、景色を眺めながら植物の知識を得ることができるように配慮してあります。品種ごとのプレートの他にも、さまざまな知識を吸収できる看板が設置されています。また、古い品種の保存にも力を入れています。
▲ヨーロッパ風の円柱が並ぶ休憩スペース 写真提供/天女の舞子
噴水の奥には2016年にリニューアルした大温室。手前には、ヨーロッパ風の大きな休憩スペースがあります。休憩スペースは少し高くなっているので、バラの沈床庭園を一望することができます。
園内の通路は広くとってあり、ほぼバリアフリーになっていて、とても歩きやすく整備されています。
野生種・オールドローズ園
▲ミスターローズ・鈴木省三さんゆかりのバラ園 写真提供/天女の舞子
沈床庭園の北側、休憩スペース側にあるのが「野生種・オールドローズ園」です。ここには、現代バラの成立に貢献した原種バラや、オールド・ローズが集められています。
じつはこのバラ園、日本のバラ界をリードしてきたミスターローズ・故鈴木省三さんゆかりのバラ園です。鈴木省三さんは都立園芸高校の卒業生で、都立園芸高校には鈴木省三さんが世界各地から集めた貴重なバラのコレクションがあります。それを譲り受けて苗木をつくり育てたのが、この野生種・オールドローズ園なのです。
▲満開のキュー・ランブラー 写真提供/天女の舞子
野生種・オールドローズ園のバラはほとんど春だけの1季咲きですが、秋には可愛らしいヒップ(実)が楽しめます。
国際ばらコンクール花壇
▲世に出る前のバラの新品種がみられる! 写真提供/天女の舞子
国際ばらコンクール花壇は、世界バラ会連合が認定する国際的なばらコンクールのひとつ「JRC」(Japan Rose Concours)の試作場です。世界各国から出品された新品種のバラたちがここに植えられ、審査されます。
▲「2921」番のバラ、品質が良さそう! 写真提供/天女の舞子
出品されたバラは、このコンクール花壇で2年間試験栽培され、花色、花形、生長性、香り、新奇性などの観点から審査されます。まだ名前のないバラたちなので、審査番号で区別されています。優秀なバラには金・銀・銅賞が贈られ、さらにこれら受賞バラの中から芳香賞が選ばれます。受賞したバラは、バラ園「本園」の、大温室側に植えられています。
春と秋のバラフェスタ
▲バラ苗がたくさん売られていました! 写真提供/天女の舞子
神代植物公園では、春と秋のバラの季節に合わせて「バラフェスタ」が開催されます。バラフェスタ期間中は、ガイドツアーやコンサート、ばら展などさまざまな催しが行われます。バラ苗の他に、バラ関係のさまざまなグッズを販売するテントがいくつも並びます。
日程やイベント詳細については、下記の公式サイトで確認してください。
訪れた人の口コミは?
春
シーズン中は調布駅前から臨時の直通バスが出ています。到着はお昼。 ちょうど「春のバラフェスタ」の時期、日曜とあってチケットの販売機の前は長蛇の列。 チケットを買うのに30分並びました。
バラ園のシーズンはバラの数と種類が多いので十分に堪能出来ました。リニューアルされた温室は想像以上に見ごたえがありました。温室は暑いイメージがあったけれど、入ってすぐの所はミストが出ていてひんやり。
5月
温室に向かって(西洋風の建造物を後ろにして)左側にツルバラの
大温室は閉園より早く閉まってしまうので、しっかり見たいときは先に回った方がいいですね。バラは午後なら閉園少し前の方が余り混んでいなくてゆっくり見られるかと思います。午前中ならバラフェスタ期間中は早朝開園しているので、とくに撮影するときには早朝を狙うといいですね。
温室前のカリヨンの下は、たくさんのクローバーが一面に敷き詰められていて、寝転がるとクローバーの花の甘い香りが漂っていて、子供の頃の懐かしさが感じられました。
園内はとても広く、ただ歩くだけでは目的の場所になかなか着かな
秋
正門を入ると菊の盆栽の展示がありました。そして満開のダリアがあって、その奥にバラ園があります。いつ行っても見どころに事欠かず楽しめる場所です。
アクセスと施設の案内
アクセス案内
■【京王線利用】
調布駅から小田急バス吉祥寺駅または三鷹駅行き「神代植物公園前」下車、
または京王バス深大寺行き「神代植物公園」下車
つつじヶ丘駅から京王バス深大寺行き「神代植物公園」下車
■【JR中央線利用】
三鷹駅または吉祥寺駅から小田急バス調布駅北口または深大寺行き
「神代植物公園前」下車
※バスの乗車時間は約20分程度
■【車の場合】
中央高速の調布インターから、新宿方面へ甲州街道に降り、「下石原交差点」を左折。「神代植物公園北」の信号を右折すると、左側に神代植物公園の駐車場があります。
※混雑していなければ調布インターから5分程度。
有料駐車場あり。(ただし、行楽シーズンは混雑するため、園では公共の交通機関を利用することをおすすめしています)
開園時間と入園料・休園日
■開園時間
午前9時30分~午後5時(入園は午後4時まで)
■休園日
毎週月曜日(月曜日が祝日にあたる場合は、その翌日)
年末年始(12月29~翌年1月1日)
■入園料
一般・大人 500円
65歳以上 250円
中学生 200円
※無料公開日 みどりの日(5月4日)、都民の日(10月1日)
大温室
▲熱帯の植物を中心に展示している大温室 写真提供/天女の舞子
大温室には、熱帯の花木室、熱帯スイレン室、ベゴニア室などがあります。温室前では金属製のカリヨンが時を告げます。
レストランとショップ
▲1番人気のバラソフトは400円 写真提供/天女の舞子
食事やカフェに利用できる「神代グリーンサロン」のほか、園内にはいくつもの売店があります。苗木を売る店やお土産物店、バラのソフトクリームが買える売店などがあります。
▲シューアイスよりバラソフトの方が好みでした! 写真提供/天女の舞子
バラソフト、バラのシューアイス、バラまんじゅう、バラポップコーン、バラ羊羹、バラウオーターと、バラと名のつくものを買い占めてしまいました!
問い合わせ
調布市深大寺元町5-31-10
神代植物公園サービスセンター
042-483-2300
神代植物公園公式サイト
*お出かけの際には、必ず公式サイトでご確認ください!