都内唯一の都電・荒川線(さくらトラム)沿線にはたくさんのバラが咲きます。レトロな都電とバラが一緒に撮れると鉄道ファンならずとも人気のスポットです。春バラの時期だけ走る「バラ号」や、大塚バラまつり、あらかわバラの市なども楽しめます。
荒川線沿線では桜とバラが楽しめる!
都内に唯一残る都電として、ちょっとレトロな雰囲気が人気の荒川線。この沿線は桜とバラが楽しめるスポットです。車窓から桜が楽しめる電車はけっこうありますが、バラが楽しめる電車はあまりないですよね。2017年に愛称が「東京さくらトラム」に決まったのですが、「どっちかというと”ばらトラム”だよね!」なんて声が沿線住人から聞こえてくるほど、バラ栽培に力が入れられています。
▲荒川線沿線の花のみどころ 出展/東京都交通局
とくにバラ栽培に力が入れられているのが、「大塚駅前」~「向原」にかけて、「三ノ輪橋」~「町屋二丁目」、「荒川遊園地前」~「梶原」の3カ所です。天気のいい日にバラを見ながらのんびり散策してください。
バラ見頃/春は5月上旬~6月上旬 秋は10月初旬~末
バラの見頃に合わせて「大塚ばら祭り」「あらかわバラの市」が開催されます。
大塚ばら祭り
▲春と秋に「大塚バラまつり」が開催! 写真提供/天女の舞子
大塚ばらまつりは春と秋の年2回開催されています。フォトコンテストなどの授賞式やフリーマーケットがあります。もちろん、バラの苗木即売会もあります。2018年秋のバラまつり会場は、「トランパル大塚」でした。日程や開催場所など詳しくは主宰の、南大塚都電沿線協議会の公式サイトで確認してください。
▼南大塚都電沿線協議会 公式サイト
あらかわバラの市
▲「あらかわバラの市」の情報は区の掲示板でお知らせ 写真提供/天女の舞子
毎年5月中旬の土曜日に、町屋駅周辺で「あらかわバラの市」が開催されます。鉢バラの販売、バラの育て方講習会、バラ関連商品の販売などが行われます。
▼荒川バラの会
応援レポーターの天女の舞子です。バラが満開を少し過ぎたころ、荒川線沿線のバラを見ながらお散歩してきたので、レポートします。
「大塚駅前」~「向原」/500品種710株のバラが咲く!
▲都電とバラのコラボ写真が人気 写真提供/天女の舞子
大塚駅前~向原の線路沿いの緑地帯に500品種710株のバラが咲きます。品種の多さでは23区内髄一なのだとか! バラ咲く中をコトコトと少しレトロな都電が走る様子は雰囲気がありますね。都電とバラのコラボ写真は、電車を撮るのが趣味の方にもとても人気があるそうです。
▲おしゃれな看板で品種分け 写真提供/天女の舞子
ひとつひとつの品種名が書かれているバラもありますが、すべて書かれているわけではありません。でも、おしゃれな看板であるていどカテゴリー分けされていて、植物園ではないのだからこれで十分だと思えました。「イギリスのバラ」「フランスのバラ」「ドイツのバラ」「オールドローズ」「香りのバラ」「王室のバラ」などにカテゴリー分けしてありました。
▲かつてゴミだらけだったとは思えない! 写真提供/天女の舞子
かつてここは雑草が生い茂り、自転車やバイクが放置され、平気でゴミが捨てられるようなありさまでした。それを憂えた地元の有志がボランティアで清掃を始めたところ、20年以上前に植えられたバラが100本近く生き残っていたのを発見。なかには古い品種のため、もう入手できないものも含まれていました。
これらのバラをいかす形で清掃を強化したところ、近隣の方にボランティアの輪が広がっていき、やがてきれいなバラが咲いている場所にゴミを捨てようと思う人はいなくなったのだそうです。
今では春と秋のバラの開花時期に「大塚バラまつり」が開催され、美しいバラの散歩道として親しまれています。
「三ノ輪橋」~「荒川車庫前」/4キロにわたり約140品種1万3000株が咲く!
▲荒川線にはいろんなタイプの車両が走る 写真提供/天女の舞子
「三ノ輪橋」~「荒川車庫前」までにもたくさんのバラが植えられています。この間約4キロにわたり、約140品種1万3000株のバラが植えられています。荒川区では、荒川線沿線にバラを植えることで、「ばら香る街あらかわ」を目指しているそうです。
▲あらかわ遊園バラ花壇 写真提供/天女の舞子
都電沿線の他に、駅周辺には5カ所の「バラ花壇」がつくられています。「荒川遊園バラ花壇」「三ノ輪橋バラ花壇」「荒川二丁目バラ花壇」「荒川二丁目南公園バラ花壇」「町屋駅前バラ花壇」の5カ所です。バラ花壇は、地元ボランティアグループ「荒川バラの会」で大切に手入れされています。
バラ花壇では、品種プレートがしっかり整備されていました。ちなみに、「あらかわ遊園」は、現在リニューアル工事のため閉園中です。2021年夏ごろリニューアルオープン予定です。
訪れたときはもうバラは盛りを過ぎて散ってしまっているものも多かったのですが、これがぜんぶ咲いていれば、さぞかしきれいだろうと思います!
▲ところどころ大型看板あり 写真提供/天女の舞子
バラ花壇には、ところどころ大型の看板があり、どこにどんなバラが植えられているかなどが詳しく表示されていて、とても分かりやすくなっています。
▲荒川自然公園入口 写真提供/天女の舞子
「荒川二丁目駅」すぐそばにある「荒川自然公園」は、下水処理施設の上に人工地盤を造って設置された公園です。この公園は、たくさんの種類の樹木や野草などがあるため昆虫や鳥などさまざまな生き物が生息している自然豊かな公園として知られています。1982年には、東京の景勝地「新東京100選」に選ばれています。バラ花壇もよく手入れされていました。
荒川自然公園は常に解放されているわけではなく、第1、第3木曜(祝日の場合は翌日)、年末・年始は休園です。くわしくは、公式サイトで確認してください。
▼荒川自然公園公式サイト
▲線路とバラも意外と絵になる! 写真提供/天女の舞子
荒川区公式サイトによると、バラをゆっくり楽しむなら5カ所のバラ花壇がおすすめ。なかでも都電とバラが同時に楽しめる「三ノ輪橋バラ花壇」は、撮影スポットとしても一番人気なのだそうです。停車場もレトロな雰囲気なので、ぜひ立ち寄ってみてください。
毎年5月中旬の土曜日には、「あらかわバラの市」が開催されています。
「熊野前」から「町屋駅前」に至る道は車通りも多く、撮影していると警官に注意されました。近くの魚屋さんに訊くと、この辺りは特に撮影者が事故に巻き込まれないよう警察で厳しく取り締まっているとのこと。町屋のあたりは私有地が多く、迂回しなければいけなかったりして歩きにくいです。
都電バラ号が走る!
出展/東京都交通局
5月の開花シーズンに合わせて車内をバラで装飾したレトロな「都電バラ号」が走ります。運行時期は、例年5月初旬から5月いっぱいまで。レトロなバラ号に乗って窓外のバラを楽しむのも素敵ですね。
運行状況など詳しくは、下記公式サイトで確認してください。整備のため運行しない日もあるそうです。
▼東京都交通局 バラ号関連のページ
訪れた人の口コミは?
春
町屋駅前で行われたバラの市に行きました。都電の線路に沿って見事にバラが咲き誇ってました。お手頃価格からの鉢植えもあり演奏などのイベントもやってました。これから毎年行きたいなと思いました^^
春と秋
わたしは春と秋の両方に荒川線沿線を歩いてみました。やはり春の方が花が多かったのですが、木立性のバラもかなりあったので秋も楽しめました。「向原」~「大塚駅前」が、管理もていねいにされていてバラを観ながら散策するには一番いいように思えました。このあたりは電車と通路の間のフェンスが低いので、バラと電車を一緒に撮影しやすかったです。それ以外はバラ花壇を中心に観るかんじがよさそうです。「三ノ輪橋」から一駅分には狭い道に沿ってバラが植えられていました。(天女の舞子)