旧前田侯爵家の鎌倉別邸を利用した鎌倉文学館は、鎌倉ゆかりの文学者の直筆原稿などが観られる施設です。展示物はもちろん、昭和11年に改装された洋館、芝生の広がる庭とバラ園、遠くに海が望める森に囲まれたロケーションなど多面的に楽しめる観光スポットです。鎌倉文学館の魅力をバラ園をメインに紹介します。


鎌倉文学館は、旧前田侯爵家の鎌倉別邸

▲3方を森に囲まれて建つ鎌倉文学館

倉駅から徒歩約25分。または江ノ電「由比ヶ浜駅」から徒歩7分の場所に建つ鎌倉文学館。青い屋根瓦が特徴的なモダンな洋館は、旧前田侯爵家の鎌倉別邸だったものです。もともとは明治23年(1890年)ごろに和風建築として建てられたものを、昭和11年に今のような洋風建築に全面改装されました。

 

荒々しい削り痕を残した木材を多用したスペイン風の装飾に、切妻屋根などの和風デザインも取り入れた外観で、邸内は大理石の暖炉やステンドグラスなどがあるアールデコ様式を採用した重厚な雰囲気が漂います。鎌倉文学館は、平成12年(2000年)には国の有形文化財に指定されています。

 

鎌倉文学館バラ園では、バラの見頃に合わせてバラ祭りを開催!

▲バラ園ごしの鎌倉文学館

倉文学館の前庭は、海側に緑の芝生が広がり、芝生の奥にバラ園があります。バラ園の広さは600㎡ほど。約200種250株が植えられています。さほど広いとは言えませんが、鎌倉文学館自体が森に囲まれたような立地なので、バラ園も森の中に忽然と現れたような、そんなかわいらしいバラ園です。

 

バラの見頃

春は5月中旬~6月下旬

秋は10月中旬~11月下旬

 

バラの見頃に合わせて、春は「ばら祭り」秋は「鎌倉文学館フェスティバル」が開催されます。春の「ばら祭り」では週末にコンサートが開かれたり、特設カフェがオープンしたり、鎌倉ゆかりの「ばら苗」が購入できたりします。秋の「鎌倉文学館フェスティバル」では庭園を会場にコンサートや朗読会が行われます。

 

日程や詳しい催し内容は、公式サイトで確認してください

 

▼鎌倉文学館公式サイト「イベント情報」のページ

バラ園では、鎌倉ゆかりのバラが観られる!

▲バラ園入り口の白いバラのアーチ

ラ園の入り口は、白いバラのアーチです。品種は「ペレニアルブラッシュ」。品種紹介のプレートには、花色は白~淡いピンクとあります。確かによく見ると、白だけでなく淡いピンクも混じっていますね。見るからにランブラー系つるバラですが、この容姿で夏にもよく返り咲くそうです。バラの家では「四季咲き」表示がされているほどです。いいですね^^

 

▲バラに囲まれた「種撒く人」記念碑

 

バラ園の傍らには「種撒く人」の記念碑があります。「種撒く人」は、小牧近江らにより大正10年に創刊された文学雑誌で、この雑誌には反戦平和をめざす詩や評論が掲載され、プロレタリア文学運動の先駆的な役割を果たしました。小牧近江は秋田県生まれですが、大正14年から亡くなる昭和54年まで鎌倉に住んだ文学者です。

 

鎌倉文学館バラ園

▲多くの品種は木立ち樹形のバラ

 

バラ園入り口のアーチや、バラ園を取り囲むようにつるバラもありますが、多くのバラ品種は木立ち樹形です。一斉に花咲くように手入れがされているので、狭いとはいえ、なかなか見ごたえがあります。上の写真は春バラの様子ですが、木立ち樹形のバラが多いので、秋バラも期待できます。

 

ただしバラ園の中は通路が狭く、人がすれ違うのは難しいほど。そのため日傘をさしたままで観賞することは禁止されています。もちろん三脚を使っての撮影や、自撮り棒の使用も禁止されています。

 

ひらひらしたスカートやショールなども簡単に引っかかってしまうので、女性は注意が必要です。実際わたしもひっかけてしまい、後ろを歩いていた中国からの観光客さんに取っていただきました。恥ずかしかったです。

 

▲鎌倉在住のバラ研究家・大月啓仲さん作出のバラ「鎌倉」

 

鎌倉文学館のバラ園には、他ではあまり見かけないバラがいくつもあります。たとえばこの「鎌倉」です。このバラは鎌倉在住のバラ研究家・大月啓仲さんが作出したもの。

 

鎌倉ばら会2代目会長の江上潤三氏が黄バラが好きで、「鎌倉には黄バラが良く似合うんだ、だから鎌倉という黄バラを創ってほしいんだ。たのむよ」と病床で大月さんにその遺志を託されたことから作出されたのがこの「鎌倉」というバラなのです。剣弁高芯咲きの、はっきりした黄色が特徴のバラです。

 

▲三島由紀夫の小説「春の雪」から品種名をつけたバラ「春の雪」

 

三島由紀夫は、小説「春の雪」を書くために、この旧前田侯爵家別邸(現在の鎌倉文学館)を取材しています。その縁で名づけられたのがこのバラ「春の雪」です。花径3cmほどの小さな花を株いっぱいに咲かせる愛らしいバラです。

 

▲「鎌倉」と同じ大月啓仲さん作出のバラ「かまくら小町」

 

株いっぱいに咲く中心が白い一重の紅バラ「かまくら小町」は、「鎌倉」の作出者・大月啓仲さんの作。賑やかにお喋りしながら小町通りをそぞろ歩く女の子たちの雰囲気がありますね^^ 元気で若々しいイメージです。

 

他にも「荒城の月」「流鏑馬」「羽衣」など、和風の名前がついたバラがよく似合うバラ園だなぁと思いました。

 

鎌倉文学館の展示と2階からの眺め

▲鎌倉文学館2階からの眺め

 

鎌倉文学館には、川端康成、大佛次郎、里見弴、久米正雄、小林秀雄など鎌倉ゆかりの文学者の常設展示がされています。直筆原稿も多数展示されているので、文学に造詣が深い方なら、とても楽しめると思います。わたしはサラサラッと流し観るだけですが・・・でも、川端康成の達筆ぶりにはいつも驚かされます

 

現代作家では、たとえば「魔女の宅急便」の角野英子さんも鎌倉在住です。

 

余談ですが、鶴岡八幡宮の参道に、鎌倉在住の著名人や作家、アーティストによる手描きのぼんぼりが灯される「ぼんぼり祭り」があります。開催日は立秋前後の3日間ということで、年により多少のばらつきがありますが、だいたい8月7日前後に開催されます。「こんな人が鎌倉に!」なんてぼんぼりを眺めながらそぞろ歩くのも楽しいです。

 

鎌倉文学館の内部は著作権保護の観点から撮影禁止のため、2階の端にある休憩室のベランダから外の眺めを撮影しました。由比ガ浜海岸の近くなので、意外と近くに海が見えます。森に囲まれ、海が望める、バラ園のある洋館──ぜいたくですねー! さすが加賀100万石の前田家だとため息が出ます!

 

ミュージアムショップ

▲ステンドグラスのようなしおりがお気に入り

倉文学館1階には、ミュージアムショップがあります。展覧会の図録や鎌倉文学館オリジナルグッズ、鎌倉ゆかりの文学者グッズなどが購入できます。わたしはバラの刺繍が入ったハンドタオルと、ステンドグラスのようにカラフルなステンレス製ブックマーカー(しおり)を購入しました。どちらも品がよくて使いやすいお気に入りです。

 

訪れた人の口コミは?

木々に覆われた石のゆるい坂道を、汗を拭きながら登って行くとまもなく目的地に到着。川端康成、小林秀雄、大佛次郎などの著名人を含む鎌倉文士たちゆかりの資料が数多く保存されていた。加賀百万石の前田利為が完成させた建物で、三島由紀夫の『春の雪』のモデルとしても使用されたとのこと。主な小説に思いを馳せ、のんびりと見て回った後、庭園に出るとバラが綺麗に咲いており、癒された気分であった。おススメです。

 

洋館、著名作家の直筆原稿、バラ園と、さまざまな楽しみ方ができるのが鎌倉文学館です。バラ園だけを取れば小さなものですが、いろいろなものを見て回れてゆっくり楽しめると思います。ただし、文学館は靴を脱いで上がるし、バラ園の通路は狭いので、車イスの方には不便です。文学館2階の端に自販機のある休憩スペースがあるので、疲れたら海をみながらくつろげます。とにかくロケーションが抜群で、天気の良い日は気持ちのよい時間が過ごせますよ^^(あいびー)

 

アクセスと施設の案内

電車

JR鎌倉駅またはJR藤沢駅から江ノ電乗り換え「由比ヶ浜駅」下車。徒歩7分。

JR鎌倉駅から徒歩約25分。

*鎌倉文学館には駐車場がないので、公共交通機関を利用してください。

 

開館時間、休館日、観覧料

開館時間

3月~9月/9:00~17:00

10月~2月/9:00~16:30

(それぞれ入館は閉館の30分前まで)

 

休館日

月曜日。年末年始(12月29日~1月3日)

ただし、月曜が祝日の場合は開館。バラ祭り、鎌倉文学館フェスティバル開催期間は無休。

詳しくは、公式サイトで確認してください。

 

▼鎌倉文学館公式サイト「カレンダー」のページ

 

観覧料

▲鎌倉文学館料金所

 

鎌倉文学館の門を入り、しばらく進むと左側に小さな料金所があります。ここで観覧料を支払います。開催されている展覧会により観覧料は異なりますが、だいたい500円前後。

 

詳しくは、公式サイトで確認してください。

 

▼鎌倉文学館公式サイト「展覧会スケジュール」のページ

 

▲料金所を越えると古いトンネルが!

 

料金所の向こうには小さなトンネルがあります。この古いトンネルを抜けると、鎌倉文学館の建物にたどり着きます。洋館に改築された昭和初期にタイムスリップできそうな、雰囲気のあるトンネルです。

 

鎌倉文学館住所

神奈川県鎌倉市長谷1-5-3

 

 

鎌倉文学館公式サイト

*お出かけの際には、必ず公式サイトでご確認ください!

 

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