6回にわたり詳細レポートをお届けしてきた「国際バラとガーデニングショウ」2018。しめくくりの今回は、ガーデニング・コンテストのレポートをお届けします。今回のテーマは”「十人十庭」~私の庭~”です。

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今年のテーマは”「十人十庭」~私の庭~”

「国際バラとガーデニングショウ」の大きな柱はもちろん「バラ」。そしてもうひとつの柱は、そのバラを咲かせる場所「ガーデン」です。毎年プロ・アマを問わず広く公募して上位入賞者の作品を厳選して見せてくれるこのガーデニング・コンテストを楽しみにしている方も多いことでしょう。

 

今年のテーマは”「十人十庭」~私の庭~”。それぞれが思い描く「私にとってのいい庭」を、バラと植物を取り入れたスタイルで提案するというコンセプトです。それぞれのつくり手が好きなものが凝縮された、楽しいガーデンがずらりと並びました。

 

公募された庭は3カテゴリーに分かれます。

 

Aカテゴリーは「ホームガーデン」。幅6.3m×奥行き3.6m。約23㎡。

Bカテゴリーは「バルコニーガーデン」。幅4.5m×奥行き2.4m。約11㎡。

Cカテゴリーは「フロントガーデン」。幅2.7m×奥行き1.8m。約5㎡。

 

それぞれ、Aの「ホームガーデン」は戸建て住宅の庭、Bの「バルコニーガーデン」はややこぶりの庭、Cの「フロントガーデン」は玄関まわりをイメージしての公募と思われます。

 

書類審査を通過した入賞作品が展示され、その中から最終審査で各賞が贈られました。最終審査では、テーマ性はもちろん、デザイン、造園技術、植物の品質を含めた総合評価で大賞が選ばれました。

 

大賞は「おだやかに暮らす~庭とともに~」

20回のアニバーサリーショウとなった「国際バラとガーデニングショウ」2018のガーデニングコンテスト大賞は、Aカテゴリーの「ホームガーデン」から、「穏やかに暮らす~庭とともに~」が受賞しました。

 

制作/Radiant Green Garden+株式会社貝塚造園+Green Calm House。

 

 

細い株立ちの雑木がガーデンテーブルや木のベンチに心地よい木陰をつくり、そこで思い思いにくつろぐ人々が見えるようですね。この作品は、白とあせた焦げ茶色、テーブルと家の明かりによってつくられる温かみのある茶色、そして草木の緑という、抑制の効いた色使いがとても素敵です。

 

あえて華やかな花を選ばず、野草や山の花を思わせる白い小花を散りばめることで、高原の軽やかな風を感じさせてくれるような庭になっていると思います。セカンドハウスがあれば、ぜひ、こんな庭で暮れ行く景色と食事、そしておしゃべりを心行くまで楽しみたいと、贅沢な想像をかきたててくれる庭でした。

 

 

作品の案内板に手書きされていた、作者からのメッセージを転載します。使われている植物名が詳しく載っていましたので、ぜひ参考にしてくださいね!

 

見どころ

落葉樹を多めに入れることで木陰をつくり、お庭で暮らしやすくするデザインに。宿根草を植えることにより、芽吹きから枯れ姿まで四季をとおして楽しめるように。

 

一押しの植物

ハウチワカエデ、ギレニアトリフォリアータ、コバノズイナ、バプテシア、アクタエアパキポダ、ディセントラ、ゲラニウムメイフラワー、カレックスロゼア、チャイブ

 

ガーデナーから一言

今の私がみんなで過ごすためのお庭を新たに造るなら・・・。お庭で楽しく暮らす風景が見える、そんな理想を形にしました。この家で穏やかに暮らしてみたくなりませんか? みんなで造ったみんなの庭だよー!!!

 

カテゴリーごとに特色あるガーデンをピックアップしてご紹介!

回のガーデニング・コンテストでは、ABCすべてのカテゴリーの作品を合わせると、40以上のガーデンが展示されました。そのなかで特色あるガーデンをピックアップしてカテゴリーごとに紹介します。作者のメッセージも合わせてごらんください。

 

Aカテゴリー「ホームガーデン」最優秀賞は「From the cradle to~庭と生きる人生~」

然木のテクスチャーを大切にした建物、柵、ブランコと、たわわに咲いたバラの組み合わせがとてもきれいでした。やがて時を経て自然木は風格を増し、バラはよりいきいきと生い茂り、5月にはやっぱり美しく咲きそろうのでしょう。作品名の「cradle」は「揺りかご」。子ども時代も大人になっても一生楽しめる、そんな庭をイメージしてデザインされたのでしょうね。

 

制作/相模庭園株式会社

 

制作者からのメッセージ

生まれたときから老いていくまで、生涯に寄り添う場所。小さな花々や木々に癒され、老若男女を問わず、最高の時を過ごしてほしい。

 

優秀賞「命脈」 ~絶えることのない命のつながり~

っしり重たい土塀に囲まれた庭を、つい覗きこんでみたくなりました。土塀の中は植物の楽園です。縦横無尽に繁茂する様子が生命力にあふれ、とてもたくましく感じられました。

 

制作/庭福~庭から笑顔をつくる~

 

制作者からのメッセージ

素晴らしいキャスト(木々)たちが空間を構成し、生命の偉大さを表現。当たり前にある自然に感謝する心を、あなたも感じてみては?

 

優秀賞「誘いの季」

ちた切り株から新しい命がたくましく芽吹いている様子が表現されています。大きな切り株は黒く焦げていることから、山火事などの災害の跡を想像させます。どんなに災害が起きても一番に復活するのは植物たちですよね。復興への願いと命の力強さが伝わるメッセージ性の強いガーデンです。

 

制作/あかざ

 

制作者からのメッセージ

湖に浮かぶ島々の様子。庭の骨格としての枯れ木は永遠、そして植物は季節の変化。ともに生きる姿と再びの蘇りの世界を表現。

 

奨励賞「「古民家の庭から」~蘇る時を夢見て~

年数のいった古民家がとても注目を浴びている今、古い日本家屋の良さを生かす庭の提案ですね。作者からのメッセージによると、かなり具体的なイメージがあるようなので、実際にある家を利用するプランなのかもしれません。古民家をかまどと縁側だけを残した小屋につくりかえ、ご近所さんが気軽にお茶を飲みに寄ったり庭の花を楽しんだりできる場所にするアイデアです。

 

制作/一葉 -hitoha Co., Ltd.-

 

制作者からのメッセージ

半壊した築150年の古民家をかまどを据えた庭の小屋に作りかえ、癒しと交流の空間にすること。実現したい「古民家の庭」をつくります。

 

奨励賞「Fun Time 楽しい時間」

 

ンボルツリーを中心に、円を4等分したような木のベンチが向かい合わせに置かれています。さらにその周りを青や白の小花を咲かせる草花が取り囲んで。家族や友人との話しがはずみそうな庭ですね。家の側に咲かせたバラもきれいです。

 

制作/(有)清水工業GARDEN

 

制作者からのメッセージ

Fun TimeはMy Garden Time 心から癒され、そっと救ってくれる優しい時間。人生のなかで出会えてよかった!

 

奨励賞「森の週末」

イトルのとおり、森の小径の一部を庭にしたような、とてもナチュラルな空間です。小径の脇には白から赤ピンクまでの繊細なグラデーションを描く草花を散りばめ、奥には小川が流れています。さらに道を左に進むと、小鳥の巣箱が設置されていました。

 

制作/有限会社 季織苑

 

作者からのメッセージ

花の咲き乱れる庭。豊かなせせらぎの森、楽し気な静かな空間を体感してください。子どもたちの笑い声も聞こえてきます。

 

入賞「The Fairy’s Gift」

緑色のかわいらしい門扉が目を引きます。たくさんのバラや草花が咲き誇る庭は、いかにもお花が大好きな住人が丹精こめて手入れしている様子がうかがえますね。

 

制作/Y’s green

 

作者からのメッセージ

幼い頃に読んだ本に「お庭には妖精が住んでいるよ」と。妖精が、たくさんの花を咲かせ、そよ風を運んできます「私の庭」に。

 

入賞「隠れ家的ツリーハウスのある庭」

あせた古材の風合いと植物はばつぐんに相性がいいですね。庭にこんなスペースがあって、毎日ゆっくりコーヒーが飲めるなら、もう旅行に出かけたい気持ちがなくなるかもしれません!

 

制作/佐藤海都(中央工学校)

 

制作者からのメッセージ

カフェを開いている夫婦が、もともとある庭の横に自分たちの憩いの場をつくっています。夫婦がつくった庭を家をとおしてご覧ください。

 

入賞「薔薇山水」

灯篭があったり、飛び石があったり、どこか和風な雰囲気が漂う庭の中央が、赤とピンク色のミニバラで埋め尽くされています。側で見ていた方が「あら、きれい!」と歓声を上げていたのが印象的です。踏み石の周りをミニバラで埋めるのは、現実にはかなり難しいように思いますが、バラ好きにはたまらない演出ですね!

 

制作/東京農大ブラザーズ

 

制作者からのメッセージ

和もの好きな夫と、洋もの好きな妻のふたりだけの庭。さまざまな植栽と東屋からしたたり流れ出る薔薇で、個性とその共生を表現した庭です。

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Bカテゴリー「バルコニーガーデン」最優秀賞は「繋ぐ庭」

塀で囲まれた小さな空間に、池があり、水鳥(置物ですが!)が遊び、端に一人掛けの椅子があって。自然の営みのなかに人間がちょっとだけおじゃましているような、そんな庭です。人工的にデザインしつくられた庭なのにとても植物が生き生き見えるのは、存在感のあるラフな黒石が風景をびしっと締めているからでしょうか。いい味でてますね。

 

制作/伊藤造園

 

制作者からのメッセージ

人や植物、動物を、パズルのピースにたとえ、ひとつの空間を作りつながることの大切さと心地良いと感じられるスペースにしたいと思いました。

 

優秀賞「僕たちの秘密基地」

にコンロを置いてお茶をわかしたり料理をしたり。丸太の椅子に座ってくつろぐ時間は、さながらキャンプ気分ですね! アウトドアが楽しめる庭・・・いいですね! 六角形のタイル床がとてもおしゃれです。

 

制作/庭屋六花

 

作者からのメッセージ

自然豊かな庭でキャンプする。略して「庭キャン」! 楽しむための実用の場所、そして家族の絆を育む庭を目指しました。

 

優秀賞「My Resort in Natural」

目を生かしたナチュラルな木のデッキに、白緑色の花を咲かせる植物を集めて。お気に入りの小物をそろえた自分だけのくつろぎの空間です。こんな庭があれば、旅行に出かけなくてもしっかりリフレッシュできそうです。

 

制作/インナチュラル

 

作者からのメッセージ

自宅に居ながらにして、自然を感じ、命の息吹を感じ、ラグジュアリーでリラックスできる自分だけの空間をイメージしました。

 

Cカテゴリー「フロントガーデン」最優秀賞は「森の中のわたしのお店」

いストライプのオーニングがかわいらしいお店の玄関先です。木枠の窓に緑色の壁、壁に取り付けた鍋敷き型のメニュー表、赤いポストも、どこをとってもかわいらしいですね。花もたくさん咲いていて賑やかなのに、しっかりまとまりを感じさせる、配色センスの良さが光っていました。

 

制作/熊谷農業高校プロジェクトチーム

 

制作者からのメッセージ

静かな森の中に夢のカフェを開きました。学校での特色ある授業をメニューにしてみました。癒しの庭をぜひご堪能ください。

 

優秀賞「future primitive man」

機質なものと植物とのコラボレーションが他にない作品で、面白いですね。イメージボードとはかなり違った作品になっているので、いろいろ試行錯誤した結果なんでしょう。とても斬新なガーデンです。

 

制作/小番貴章(中央工学校)

 

制作者からのメッセージ

頑張って作った岩壁や岩穴から見える景色を大切に植栽をこだわりました。鉄でできた肌を刺すような空間のなかにのびのびと育つ植物たちが鉄を覆っていて、植物たちが輝いています。無機質なところでも、植物ひとつで変わる温かみを感じてください。

 

奨励賞「音があふれる場所~アンサンブルガーデン~」

のサイディングを張り巡らした家壁に、どっしりした木の扉、レンガの門柱。きっとどんな花を咲かせても似合うこのシチュエーションの玄関先に、ダイナミックに咲く青いデルフィニウム。はっきりした色のコントラストがとても鮮やかでした。

 

制作/群馬県立藤岡北高等学校ガーデニング部

 

制作者からのメッセージ

学校の生徒が育てた草花は、モルタル造形でつくった楽器型の花壇に植栽しました。花々で表現したアンサンブルを感じ取ってください。

 

まとめ

「国際バラとガーデニングショウ」2018の詳細レポート第6弾、最終回の今回は、ガーデニングコンテストのもようをお届けしました。大賞を受賞したガーデンは、美しい株立ちの雑木と、抑制の効いた色使い、植栽はもちろんファブリクスや小物に至るまで細かいところまで神経の行き届いたステキな庭でした。他にもさまざまなコンセプトの庭が40作品以上並んでいて、ガーデニングコンテストは今年も見ごたえがありました。

 

受賞作品を中心にいくつかピックアップしましたが、それでも16のガーデン紹介となりました。お気に入りの庭はみつかりましたか?

 

ローラン・ボーニッシュさんの「ネオ・ジャポニスム・ガーデン」や、「植物との暮らし」をテーマにしたグリーン主体のライフスタイルガーデン、レンガ積み体験や平板張り体験などができる「ライブガーデン」、さらにハンギングバスケットコンテスト、バラの鉢花コンテスト、バラの切り花コンテスト、ワークショップ、圧倒的ボリュームのガーデニングマーケットなどなど。まだまだ紹介しきれないほど、「国際バラとガーデニングショウ」2018は、中身の濃い充実のイベントとなりました。

 

また来年の開催を楽しみに待ちたいですね^^

 

詳細レポ1~5弾をまだご覧になってない方は下記からどうぞ

 

▼詳細レポ第1弾「ウエルカム・ガーデンと吉谷桂子さんのアニバーサリー・ガーデン」

▼詳細レポ第2弾「マーク・チャップマンさんのアニバーサリー・ガーデンと石原和幸さんのランドマーク・ガーデン」

▼詳細レポ第3弾「10人のロザリアンによるフラワーベッドとおすすめのバラ」

▼詳細レポ第4弾「玉置一裕さん監修・世界のニュー・ローズBEST10」

▼詳細レポ第5弾「小山内健さん×木村卓功さんのトークショウ+大野耕生さんの新しいオススメバラ」

 

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