第20回のアニバーサリー開催となった「国際バラとガーデニングショウ2018」の詳細レポート第5弾は、トークショウのもようをお届けします。京阪園芸所属のローズソムリエ小山内健さんと、バラの家の経営者でありバラの育種も手掛けるローズクリエイター木村卓功さんの楽しいトークショウ。さらにローズスタイリスト大野耕生さんおすすめの新しいバラについてのトークショウをご紹介!
ローズテラスでは充実のショウが毎日開催!
会場の一番奥側、高さ8mもの巨大な森を出現させた景観アーティスト・石原和幸さんのランドマーク・ガーデン(詳細レポ第2弾で紹介しています!)に抱かれるように設えられた舞台、ローズテラス。ここでは、フラワーアレンジメントのライブショウやミュージックライブ、バラの専門家によるバラ談義など、楽しいショウが毎日開催されました。
わたしが参加したのは、初日の15:30~開催されたローズソムリエ小山内健さんと、ローズクリエイター木村卓功さんのトークショウです。お二人ともテレビや雑誌、講演会でもおなじみですよね! まじめな木村卓功さんと、楽しく場を盛り上げながらトークショウを誘導してくれる小山内健さん。この二人の掛け合いがとても楽しかったです^^ 多くの観客で、用意されていたイス席は満席! まわりには立ち見も出るくらいの盛況ぶりでした。
モナコ国際バラコンクールで木村卓功さんの「シェエラザード」が芳香賞とフロリバンダ賞をダブルで受賞!
▲「シェエラザード」
ローズテラスのステージから、とても嬉しい報せが届けられました。木村卓功さん作出のバラ「シェエラザード」が、モナコ国際バラコンクールで「芳香賞」と「フロリバンダ賞」をダブル受賞したというのです! 「芳香賞」だけに贈られるというメダルも見せてくれました。「メダルは今朝届いたんです。ここで初お披露目です!」と、木村卓功さん。
小山内:「木村さんはボクより若いけど、育種の方では1歩も2歩もリードする先輩ですからね~」
木村:「いやいや、小山内さんはいつも上手く盛り上げてくれる兄貴みたいな存在で、頼もしく思っています」
こんなふうに二人の会話はテンポよく続きます。今回の受賞について、木村卓功さんご本人はやや照れ気味で、小山内健さんが会場のみんなに分かりやすく説明をしてらっしゃいました。とても息の合ったトークショウで、楽しかったです。
それぞれご自身が作出したバラ「シェエラザード」(右:木村卓功さん)、「アッサンブラージュ」(左:小山内健さん)をもって、記念撮影にも気軽に応じてらっしゃいました。木村卓功さん、いい笑顔ですね^^
おめでとうございます!
これまで長らくバラの育種をけん引してきたのは、ヨーロッパです。ヨーロッパの権威あるバラのコンクールで日本のバラが受賞するのは稀なことです。でも、少しずつですが日本のバラも注目を集めはじめています。これからの日本のバラ会をリードする育種家たちが、今後どんどん世界で認められていってほしいですね。今回の受賞が、そのための意味深い布石になってくれると思います!
ローズスタイリスト大野耕生さんが至近距離でおすすめ! 魅力たっぷりの新しいバラ8種
今回のイベントのひときわ華やかなエリア「セントラル・ローズパーク」の奥には、小さなイベントスペースが設けられていました。ここでは、バラの専門家によるミニ・トークショウが繰り広げられます。ローズテラスのようにステージや客席があるわけではなく、話してくださる方のまわりを1m以内の至近距離で取り囲んで聞くことができる、ドキドキのトーク・ショウです。
わたしが参加したのは、ローズスタイリスト大野耕生さんによる、「今年おすすめの新しいバラ」についてのお話しです。大野耕生さんは、育種家の河本純子さんの甥にあたります。そのため河本バラ園のバラを中心に、おすすめの新品種のバラ8種を紹介してくれました。
ここでは、大野耕生さん風の口調で紹介をお届けします。ライブな雰囲気を楽しんでくださいね!
1、毎年おすすめする「ローズ・ポンパドゥール」。これは外せない!
このバラは毎年おすすめしているんですが。「ローズ・ポンパドゥール」は、もちろん今年もおすすめです。これはもう皆さんに持っていただいているという前提で、今年おすすめのバラを順次、紹介しますね。
2、今年のイチオシは「ブルー・ムーン・ストーン」
▲花径4~5cm 樹高1.2mのシュラブ樹形 四季咲き 強香 日本/河本バラ園作出
今年はまず「ブルー・ムーン・ストーン」がおすすめです。昨年秋の「New Roses」誌の人気投票で、NO.1に選ばれたバラです。ぼくもすごくいい品種だと思って注目していたから、NO.1に選ばれて嬉しかったですね。「ブルー・ムーン・ストーン」は、あまり日当たりが良すぎると色がきれいに出ないので、1日じゅう日が当たるというよりは、少し日陰になる時間のある場所で育てた方がいいです。スパイシーな香りを含むブルー系のいい香りがして、花つきもいいんですよ。
3、どんな庭にもあう「エール」
▲花径7cm 樹高0.8mのシュラブ樹形 四季咲き 微香 日本/河本バラ園作出
ヘブンシリーズの「エール」は、くすんだベージュ色のバラです。どんな色とも喧嘩せずよく馴染むので、庭で使いやすいですね。
4、切り花にも使いやすい「爽」
▲花径7cm 樹高1mのシュラブ樹形 四季咲き 中香 日本/河本バラ園作出
「爽」は、俳優の三上真史さんをイメージしてつくられたバラです。ガーデンでももちろんいいんですが、花首が長いので、切り花にしても使いやすいです。香りもいいですよ。
5、育てやすいシャルム
バラ苗 シャルム 国産大苗河本オリジナル角鉢6号 四季咲き中輪 ピンク系 河本バラ園
▲花径7cm 樹高1mのシュラブ樹形 四季咲き 中香 日本/河本バラ園作出
耐病性もあって、安心して育てられる品種です。
大野耕生さんからワンポイントアドバイス<1> ガブリエルやルシファーを上手く育てるコツ
「河本バラ園のガブリエルやルシファーは、葉が小さいめなので、水のあげすぎに注意してください。」
「早いめに花摘みするのも大事。咲かせきらないようにするといい結果がでます。」
6、不思議で魅力的な色あい「ブロドリー」
これは河本純子さんの義理の娘・河本麻記子さん作出のバラです。茶系の不思議な色合いが他にない魅力ですね。
7、トゲが少ない「マリー アンド ラ マルティーヌ」
▲花径5~6cm 樹高1.5mのシュラブ樹形 フランス/ドリュ作出
「マリー アンド ラ マルティーヌ」は優しい印象のバラです。こういう品種は最初に選ぶバラじゃないと思うんですが。やっぱり最初はローズ色とかのいかにもバラらしい品種を選ぶと思うんです。でも、バラの数が増えてくると、こういうあまり主張しすぎないバラがあるとガーデンにまとまりがでます。トゲが少なくて、誘引作業がしやすい品種です。
8、「ピンク・パラダイス」こういう華やかな色あいがトレンド
予約新苗 【バラ苗】 ピンクパラダイス (Del複桃) 国産苗 新苗 ○ 【デルバール】《Han-DEL》 ※6月中旬頃までにお届け
▲花径8~10cm 樹高0.8mのブッシュ樹形 四季咲き 強香 フランス/デルバール
ここ数年、こういう華やかな色合いが人気で、注目されています。
大野耕生さんからワンポイントアドバイス<2> 和の庭にバラを合わせる秘訣
「日本庭園でもバラは楽しめますよ。マットな色合いのものや、ブルー系なんかが合わせやすいです。和の庭には、いろんな色が混じる着物や錦鯉が似合うのと同じで、絞りのバラも合わせやすいと思います。」
「鉢はテラコッタじゃなくて黒がいいですね!」
Pick Up! テレビ収録もあって会場は賑やか!
会場ではテレビ収録もありました。カメラクルーといっしょに渡辺裕太さんがスタンバイちゅう。ニュース・エヴリィかな?
まとめ
「国際バラとガーデニングショウ」2018の詳細レポート第5弾をお届けしました。ローズテラスでは、小山内健さんと木村卓功さんのトークショウ。木村卓功さんの「シェエラザード」がモナコ国際バラコンクールで「芳香賞」と「フロリバンダ賞」をダブル受賞したという知らせがとても嬉しかったですね!
セントラル・ローズパーク内にあるイベントスペースでは大野耕生さんのトークショウ。河本バラ園のバラを中心に、おすすめの新しいバラ8品種を教えてもらいました。
初日の会場には、ほかにも玉置一裕さん、後藤みどりさん、ローラン・ボーニッシュさんなど、バラ界の有名人の姿があちこちに見られて、楽しくも熱気にあふれていました。
いよいよ次回は詳細レポも最期になります。ガーデニング・コンテストのもようを紹介します!
詳細レポ1~4弾をまだご覧になってない方は下記からどうぞ。
▼詳細レポ第1弾「ウエルカム・ガーデンと吉谷桂子さんのアニバーサリー・ガーデン」
▼詳細レポ第2弾「マーク・チャップマンさんのアニバーサリー・ガーデンと石原和幸さんのランドマーク・ガーデン」
▼詳細レポ第3弾「10人のロザリアンによるフラワーベッドとおすすめのバラ」
▼詳細レポ第4弾「玉置一裕さん監修・世界のニュー・ローズBEST10」