花びらの先に不規則な切れ込みが入るシャクヤク咲きの大輪バラ、「イヴ・ピアジェ」を紹介します。スイスを代表するハイ・ジュエリーブランド「ピアジェ社」の会長に捧げられた、豪華なバラです。
イヴ・ピアジェ(イブ・ピアッチェ)
Yves Piaget
Rose Yves Piaget バラ イブ ピアッチェ / T.Kiya
DATA
豪華なシャクヤク咲き&強香で、ガーデンでも切り花でも人気のバラ!
イヴ・ピアジェは、不規則な切れ込みが入りゆるくウエーブした80枚ほどの花びらが豪華なシャクヤク咲きの代表品種です。花径14cmの巨大輪と、濃いバラ色の、とても存在感あるバラです。
さらにイヴ・ピアジェの人気を支えているのが、強いダマスク・モダンの香りがあること。
イヴ・ピアジェは、花の大きさ、花色、花形、強香と、どれをとっても華やかな、ハイブリッド・ティー系統の人気品種です。
コンパクトなブッシュ樹形
イヴ・ピアジェは、樹高1.3mの、やや横張りのブッシュ樹形です。コンパクトに育つので、鉢植えにも向きます。花枝が長く、切り花にも使いやすいバラです。じっさい、ガーデンローズとしてだけでなく切り花としてもたくさん流通しています。水揚げがよく、花もちも良い、切り花向きのバラです。
育てやすさは「普通」です。薬剤散布も含めて、通常の四季咲きブッシュ・ローズの手入れをきちんと行えば問題なく育てられます。
スイスの名門ジュエラーのイヴ・ピアジェ氏に捧げられたバラ
ピアジェといえば、1874年創業のスイスを代表する高級時計とジュエリーのブランド「ピアジェ」(Piaget)を思い浮かべますよね。
じつはバラ「イヴ・ピアジェ」は、作出したメイアン社からピアジェ社の会長イヴ・ピアジェ氏に捧げられたバラなのです。
イヴ・ピアジェ氏は、幼い頃からバラに特別の愛情を注いできました。「ジュネーブ国際バラ新品種コンクール」へ協賛するなど、バラに対する功績を称えて、1982年、メイアン社は同コンクールで金賞および芳香賞を受賞したバラをイヴ・ピアジェ氏に捧げることにしたのです。
ピアジェ社は、自社のメセナ活動(芸術・文化の援護活動)の一環として、マルメゾン城の庭をリニューアルする事業に取り組んでいます。
ピアジェ社では2014年、ピアジェ・ローズをモチーフとしたローズ・パッション・ハイ・ジュエリー・コレクションを発表しています。
▼ナポレオン皇妃ジョゼフィーヌとマルメゾン城については、こちらをご覧ください。
▼ピアジェ社のマルメゾン城リニューアル事業の取り組みについては、こちらをご覧ください。
イヴ・ピアジェ=イブ・ピアッチェ
このバラは、日本では「イヴ・ピアジェ」よりも「イブ・ピアッチェ」という名称で呼ばれることが多く、場合によっては「イヴ・ピアジェ」と「イブ・ピアッチェ」が別のバラと勘違いされている方もいるようです。
アルファベット表記の「Yves Piaget」を日本語表記に変える段階で、京成バラ園が「イブ・ピアッチェ」と表記し、それが広がったのが始まりとどこかで読みました。(出展を探し出せず、ややあいまいな記憶ですが)
詳しくは分かりませんが、「イヴ・ピアジェ」が商標登録されていたために、当時、使えなかったとかいう理由のような気がします。あくまで、わたしの推測ですけれどね。
枝替わりが多く、つるタイプもある!
枝替わりに「ピンク・イヴ・ピアジェ」、「フレグランス・オブ・フレグランシズ」など、たくさんの品種があります。一連のイヴ・ピアジェの枝替わり品種はイヴ・シリーズまたはイヴ姉妹と呼ばれることもあります。
突然変異でつる性になった「つるイブ・ピアジェ」もあり、この品種はよく返り咲きします。
交配親としても優秀で、シャクヤク咲きの切り花に、たくさんのイヴ・ピアジェを交配親にした品種があります。
中には「イブNO6」という品種があるのですが、思わず2度見してしまいました。ご存知の方ならピン! と来るでしょうね。あさのあつこさん原作の小説「NO.6」の二人の主人公のうちの一人が「イヴ」という名前で役者をしているのですが、この「イブNO6」というバラは、小説の中のイヴくんに印象がだぶります! ほんとうはナンバリングされたイヴシリーズの一つで、小説とは関係ないんですけれども。
口コミと値段の目安
バラ苗ショップからのコメント
ロマンティカシリーズ・・・
仏メイアン社作出によるオールドローズとモダンローズの両方の要素と雰囲気を兼ね備えた品種群フリルのかかった切れ込み弁がぎっしりつまったフリフリ・シャクヤク咲きです。濃い目のピンクの大変豪華な花になります。
香りも極めて豊に香ります。メイローズとパロマローザ、アニスシードの強い香り。花弁数:70~80枚位で花径14cm位。(花ひろば)
ロザリアンの口コミ
このバラの大きな特徴は4つあり、1つ目は見た目の豪華さです。シャクヤク咲きで一度見たら脳裏に焼き付いて離れません。少々「うどんこ病」がでても、「ボーリング」せずに咲く強さが、このバラにはあります。
このバラの2つ目の特徴は、その芳香です。まさに「天然の香水」というべきもので、嗅ぐ者をすべて虜にします。
このバラの3つ目の特徴は、その花持ちの良さです。切り花種出身のその特性を生かし、その芳香を維持しながら、花形を大きく変化させながら咲き進みます。
4つ目の特徴は枝変わりの多さです。「イブシリーズ」とか「イブ姉妹」とか呼ばれますよね。
バラ苗の値段の目安
予約苗 バラ苗 イブピアッチェ 国産大苗6号スリット鉢ハイブリッドティー(HT) 四季咲き大輪 ピンク系【2019年2月上旬順次配送】 価格:1,944円 |
予約苗 バラ苗 つるイブピアッチェ 国産大苗6号スリット鉢つるバラ 一季咲き大輪 ピンク系【2019年2月上旬順次配送】 価格:3,024円 |
まとめ
スイスの高級ジュエラー「ピアジェ」の会長イヴ・ピアジェ氏に捧げられたバラ「イヴ・ピアジェ」。濃いバラ色の巨大輪でシャクヤク咲き、そして力強いダマスク・モダンの香りと、高級宝飾品にも負けないほどの存在感を示すバラが「イヴ・ピアジェ」です。
その交配親を見てみれば、世界バラ会議で初の殿堂入りを果たした名花中の名花「ピース」があり、モダン・ローズの強香品種を代表するパパ・メイアンを生み出した「シャルル・マルラン」あり。血筋の良さは折り紙付きですね。
イヴ・ピアジェは、風格漂う女王のように存在感のあるバラです!