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ベランダで花を育てようと思えば、まず必要になるのが植木鉢です。一口に植木鉢といっても素材もデザインも大きさもさまざまで、どう選べばいいのか迷ってしまいがちですよね。今回は植木鉢の大きさを知る目安と、素焼き鉢とプラスチック鉢、さらに新素材のグラスファイバー鉢のメリット・デメリットを紹介します。賢い鉢選びの参考にしてくださいね!

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6号って?8号って? 植木鉢のサイズの目安を知ろう!

のカタログやネットショップでもよく見かける「6号鉢」なんて表現。鉢のサイズなのだと予測はつくものの、どれくらいの大きさなのか分からない人も多いのではないでしょうか?

 

1号=約3cm

つは「号」とは円形のものの直径を表す単位で、1号=約3cmと定められています。つまり「6号鉢」と書かれていれば直径18cmほどの鉢ということになります。植木鉢は通常一番上から下にいくにつれ細くなりますが、号で示されたサイズは一番上の直径です。号は、植木鉢の他にホールケーキのサイズにも使われています。

 

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植木鉢といえば、一番に思い浮かべるのが上にいくほど広くなった円筒形の、上の写真のような鉢でしょう。この鉢の形を日本では「スタンダード鉢」と呼んでいて、一番広いところの直径の80%ほどの高さがある鉢です。

 

スタンダード鉢は、日本でも海外でも古くから使われてきた基本的な植木鉢の形です。スタンダード鉢の号数と直径のサイズ、必要になる土の量を表にしたので、参考にしてください!

 

スタンダード鉢の号数と直径、必要になる土の量の表

鉢の号数 鉢の直径 必要な土の量
3号 9cm 0.3リットル
4号 12cm 0.6リットル
5号 15cm 1.2リットル
6号 18cm 2.1リットル
7号 21cm 3.3リットル
8号 24cm 5.1リットル
9号 27cm 7.3リットル
10号 30cm 8.4リットル
11号 33cm 12リットル
12号 36cm 16リットル

 

「長鉢」と「浅鉢」

▲左からスタンダード鉢、長鉢、浅鉢(平鉢)

っとも一般的なスタンダード鉢の直径と高さの比率よりも、高さのある鉢を「長鉢」と呼びます。直径に比べて高さのない浅い鉢を「浅鉢」または「平鉢」と呼びます。

 

標準的なプランターの土の量

タンダード鉢とおなじくらいよく使われているのが長方形のプランターです。標準的な横幅65cmのプランターで13リットルほどの土が必要になります。

 

土の量はそれぞれギリギリではなく、少し余裕をもって多いめに用意してください!

 

日本でも欧米でも古くから素焼き鉢が好まれている

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▲素焼き鉢と、素焼き鉢の上部に釉をかけた駄温鉢

本では長らく素焼き鉢駄温鉢と呼ばれる植木鉢が親しまれてきました。素焼き鉢は800度ほどの、焼き物としては低い温度で焼かれた鉢です。表面に釉(うわぐすり)がかかっていないので、土の風合いを残したざらりとした肌触りです。もう少し高温の1000度ほどで焼かれた赤みの強い朱温鉢朱温鉢の上部3cmほどに釉をつけて強度を増した駄温鉢も広く使われています。

 

欧米でも素焼き鉢が長く使われてきました。よく「テラコッタ」と言いますが、もともとテラコッタは、イタリアで1100度ほどの温度で焼かれた赤みの強い素焼きをさしていました。しかし現在ではそこまで厳密な使い分けがされているわけではないようです。日本では、輸入ものの素焼き鉢や、国内産でもおしゃれ感を前面に出した商品に「テラコッタ」と使われているようです。

 

素焼き鉢のメリットとデメリットは?

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素焼き鉢のメリット

焼きの表面には細かい穴が無数に開いていて、この穴を通じて水や空気が通るので、植物を育てるのに適した素材です。鉢の側面から水がしみ出すことで、鉢の周りの温度を下げ、植物を夏の暑さから守る効果もあります。

 

素焼き鉢は土の風合いが生きているので、見た目が植物とよくなじむところも大きなメリットです。

 

年月を経ることで風合いが増すのも良いところです。肥料分がしみだして鉢の表面が白っぽくなったり、苔が付着することもあります。こういう汚れたり風化した雰囲気になることを「ウエザリング」と呼びます。

 

特にヨーロッパからの輸入ものは厚みがあり、とても重くできていますが、これにより強風でも鉢が倒れないというメリットがあります。

 

日本でも欧米でも、長く素焼き鉢が使われているのは、これら多くのメリットがあるためです。

 

素焼き鉢のデメリット

焼き鉢は素材としてもろいので、欠けたり割れたりしやすいというデメリットがあります。特に冬に凍結するほど寒い地方では、鉢が含んだ水分が凍ることで体積が増し鉢の表面が剥離したり鉢を割ってしまうことがあります。これを冬害と呼びます。

 

通水性に優れているということは、水もちが悪く、土が乾きやすいということです。多湿な環境が好きな植物にとってはデメリットになります。

 

大型の植木鉢は重いので、強風で鉢が倒れないという面から考えればメリットとなりますが、作業のしやすさの面から考えればデメリットです。鉢だけでも重いのに、そこに土を入れて水やりすると、さらに重くなります。大型の素焼き鉢では、とても一人では動かすことすらできなくなります。置き場所を頻繁に変えたり、中の土を丸ごと入れ替えたりする植物には不向きです。特にベランダに置くのは、ベランダが傾いてしまう恐れがあり危険です。

 

輸入ものの素焼き鉢は意外と高価です。高級な素焼き鉢として有名なイギリスのウイッチフォード社製の大型鉢だと5万円以上、ものによっては10万円以上を覚悟しなければいけません。

 

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日本と欧米の植木鉢の構造の違い

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日本の植木鉢の構造

温多湿な日本の夏は、多くの植物にとって過ごしにくい環境です。日本で広く使われてきた素焼き鉢、駄温鉢、朱温鉢といった植木鉢には、日本の夏をしのぎやすい工夫が凝らされています。

 

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日本の植木鉢は、底が上がっているのが特徴です。これにより、地面からの熱を和らげる効果があります。排水用の底穴は大きく、底穴から流れた水がスムーズに流れ出すように切り欠きが作ってあります。

 

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この優れた構造で、高温多湿の夏も、植物が根腐れを起こさずにすむのです。

 

ヨーロッパ産の植木鉢の構造

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ーロッパ産の植木鉢は鉢底が平らです。水抜き用の穴は小さく、底ではなく側面の底に近いあたりについていることもあります。水抜き用の穴がないものもあります。

 

冷涼で乾燥したヨーロッパの気候では、ことさら排水を気にする必要がないのでしょう。地面の温度や湿度を伝えないように鉢の下にポットフィートを置くこともあります。ヨーロッパでは、これは夏の暑さをしのぐためというよりは、鉢が含んだ水分が凍ることで鉢の表面が剥離したり割れたりする冬害を防ぐために置かれます。

 

ヨーロッパ産の素焼き鉢はおしゃれなデザインのものが多い反面、日本の気候に合わないところがあるので、夏の根腐れ対策に水抜き用の穴を広げたりポットフィートを置いたりすると使いやすくなります。ポットフィートを置くことで、夏の熱い地面の熱を鉢に伝えにくくなります。北海道などの冬の凍結が厳しい地方では、ポットフィートにより冬害を防ぎます。

 

ポットフィートは専用のものでなく、石やレンガで代用しても構いません。

 

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プラスチック鉢のメリットとデメリットは?

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木鉢の素材として、素焼きと並んでポピュラーなのがプラスチックです。プラスチック鉢のメリットとデメリットも確認しましょう。

 

プラスチック鉢のメリット

ラスチック鉢のメリットは、なんといっても軽いことです。小さなものなら素焼き鉢でも重さが気にならないでしょうが、大型になればなるほどプラスチック鉢の軽さは魅力です。

 

プラスチック鉢は衝撃に強いところも魅力です。少々手荒に扱っても素焼き鉢のように欠けたり割れたりしません。

 

さらにプラスチック鉢は安価です。気軽に購入して、いらなくなれば捨てられる気安さがあります。

 

プラスチック鉢のデメリット

ラスチックは通気性も通水性もない素材です。素焼き鉢に比べて水分を保つ力は優れているけれど、排出する力は劣ります。夏の暑さを逃がす力も素焼き鉢より劣っています。植物を育てるには、素焼きとプラスチックどちらがより適しているかと言えば、どうしても素焼きの方が適しています。でも、鉢に入れる土や水やりを工夫をすれば、プラスチック鉢でもじゅうぶん植物を丈夫に育てることができます。

 

植物を育てる上でのデメリットよりも問題視されるのが見た目です。プラスチックは値段相応に安っぽく見えてしまうのです。しかも経年劣化で色がはげてきて、さらに見た目が悪くなっていきます。年を重ねることでより堂々としてくる素焼きとの大きな違いです。

 

素焼きの風合いのプラスチック鉢!

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焼きの質感を再現したプラスチック鉢の登場です! ポリエチレンにテラコッタ粒をブレンドした新素材でできていて、見た目は素焼き鉢のようで、しかも軽いという魅力的な鉢です。やや値は張りますが、経年劣化もあまり気にならず、長く使えます。サイズ展開も豊富です!

 

スリット鉢は優れた性能をもつプラスチック鉢

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リット鉢とは、鉢底から鉢の側面にかけて大きなスリットが入っているプラスチックの鉢です。この大きなスリットのおかげで、プラスチック鉢の水はけが悪いデメリットを改善しています。さらにこのスリットから光が入ることで、根が鉢の底でぐるぐると巻く「サークリング現象」を防ぐ効果があります。サークリング現象がない方が植物の生育は良くなります。

 

ただし、見た目はあまり良くありませんが・・・。

 

バラ苗のカタログに「スリット鉢入り」と書かれていることがありますよね。そんな苗なら健康に育てられたのだろうと思えることともう一つ、急いで植え替えしなくても、そのまましばらく育てても大丈夫と思います。

 

「グラスファイバー」の鉢は、軽くて見た目も◎。メリット、デメリットは?

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るで素焼きや石のようなナチュラルな質感と、大型でも女性一人で運べる軽さを実現した注目の新素材に「グラスファイバー」があります。繊維状にしたガラスを樹脂で固めて整形したのがグラスファイバー製の鉢です。グラスファイバー製の鉢は、ファイバークレイと呼ばれることもあります。

 

グラスファイバー鉢のメリット

焼きと同じように表面に目に見えないほど細かな穴が開いているので、通気性、通水性に優れ、植物の生育に適した鉢です。しかも素焼き鉢よりも軽く、通常の扱いで欠けたり割れたりしないほどの強度もあります。ただし、2階など高いところから落とせば割れるそうです。

 

見た目は素焼きや石のようにナチュラルで、白、茶色、グレーなど多彩な色やデザインがあるのも魅力です。

 

寒さに強く、素焼き鉢のように冬害で表面が剥離したり割れたりすることもありません。

 

グラスファイバー鉢のデメリット

面がチクチクするので、作業のさいには厚手のグローブが必要です。鉢の縁や内側など、思わぬところにグラスファイバー繊維が出ていて指に刺さったりするので注意してください。

 

最大のデメリットはそれなり高価だということです。

 

まとめ

植木鉢には主に素焼き鉢とプラスチック鉢があります。植物の生育に適していて見た目がいい素焼き鉢、軽くて安いのが魅力のプラスチック鉢。さらに最近、注目のグラスファイバー鉢もあります。それぞれのメリット・デメリットをしっかり考えて、自分の庭やベランダに適した鉢を選んでくださいね。

 

ちなみに、「植木鉢」をさす言葉はいろいろです。円筒タイプのものは「ポット」、プラスチック製で長方形のものは「プランター」、大型のものは「コンテナ」と呼び分けることが多いようです。NHKでは植物栽培用の容器をすべて「コンテナ」と統一して呼ぶことがありますね。

 

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