夏~秋にかけてやってくる台風は、人だけでなくバラにも甚大な被害をもたらします。台風の前にすべき対策と、台風の後に注意すべき手入れについて紹介します。


台風被害は枝が折れるだけじゃない!

~秋にかけて日本列島を襲う台風。毎年、人や農作物に甚大な被害をもたらす天災ですが、もちろんバラにも深刻な被害を与えます。

 

通常ではありえないほどの強風が吹くので、強風により枝が折れてしまう、鉢が転がった拍子に枝が折れてしまうということが起こります。台風の前には、少しでも枝折れ被害を減らす対策が必要になります。

 

しかも台風被害は、枝が折れるだけでは終わりません。台風が去った後も注意が必要です。海風による塩害が懸念されるのです。台風の塩害は、海の側でなくても起こります。内陸に住んでいる方も注意してください。

 

今回は、台風前に行いたい枝折れ対策と、台風後に行いたい塩害対策について紹介します。

 

台風前にすべき「庭植え」「鉢植え」「つるバラ」の、枝折れ対策

ず、台風前にすべき対策から。少しでも強風による枝折れ被害を減らすために心がけたい方法を「庭植え」「鉢植え」「つるバラ」の3つに分けて紹介します。

 

庭植えのバラは、支柱とロープでガード

▲支柱で囲ってバラを強風からガード

植えのバラでは、株の周りに支柱を3~4本立て、ロープで囲って枝葉を強風から守ります。

 

▲細枝を支柱に固定するのはNG!

 

ここで注意したいのは、細い枝を支柱にしっかり結ばないこと。結んだところから枝が折れ曲がってしまうことが多いです。

 

支柱に固定するのではなく、ロープで囲んで揺れる範囲を狭くすることで枝を守ります。

 

鉢植えのバラは、横倒し防止を心がけて!

▲玄関に取り込めるなら一安心

植えの場合、強風で鉢が転がってしまい、地面に激突した衝撃で枝が折れてしまうことが心配です。テラコッタの鉢なら、鉢ごと壊れてしまいます。もっとも簡単な防止法は、風の当たらない場所に鉢を移動すること。

 

玄関や車庫に鉢を移動できれば台風も怖くありません。

 

▲取り込めない鉢は、いくつかまとめて倒れにくくする

 

玄関などに取り込むことができないなら、鉢をいくつかまとめてガムテープやロープで縛っておきましょう。

 

とくに鉢の底面積が狭く、鉢のわりに大きくバラが育っている株は風で転がりやすいので、まとめて縛っておくと横倒し防止になります。

 

もちろん、庭のなかでもあまり風の当たらない場所を探して移動させることも忘れずに。

 

つるバラは、シュート枝を横倒しに誘引して保護

▲長く伸びたシュート枝は必ず保護を

の時期、多くのつるバラはシュート枝が長く伸びています。シュート枝をより長く伸ばすために、ほとんどの方はまっすぐ立てて管理していると思いますが、このままでは台風で枝が折れてしまいかねません。台風前に必ず保護しましょう。

 

▲一時的に横倒しに誘引を

 

フェンスの場合、強風で枝が折れてしまわないよう、一時的に横倒しに誘引して台風から守りましょう。アーチの場合は、シュート枝を束ねてアーチや他の枝に固定しておきます。

 

アーチなら台風シーズンが終わるまでそのままにしておいても構いませんが、フェンスに横倒しに誘引したシュート枝は、台風が通り過ぎたら誘引を解きまた真っ直ぐに立てておきます。

 

台風の後は塩害に注意!

▲葉先が枯れる典型的な塩害の症状

害には、肥料過多で土に塩分が多くなりすぎて起きる塩害と、塩を多く含んだ海風にさらされることで起きる塩害があります。台風は大量の海風を運んでくるので、台風が通過した後は塩害対策が必要になります。

 

上の写真のように葉先が枯れるのが、塩害の特徴的な症状です。

 

わたしは横浜在住ですが海沿いではなく、少し内陸に入ったあたりに住んでいます。それでも毎年塩害に遭います。

 

さらに海に面していない埼玉県や群馬県、栃木県でも、地形の関係で塩害が起きる可能性があるそうです。毎年、夏に葉先が枯れる症状があるなら、それはもしかしたら台風による塩害かも知れません。

 

▲台風後は、塩を洗い流すのが基本

 

台風で引き起こされる塩害は、海風に含まれる塩分が葉に付着することで起こります。なので台風後、すみやかに葉についた塩を洗い流すことで、塩害が防げます。

 

ホースの水を霧状にして、株全体をていねいに洗い流しましょう。

 

しかし、こうして洗い流されるのは塩だけではありません。葉を守るために散布してあった薬剤も洗い流されてしまいます。葉が乾いたら必要に応じて、病虫害対策の薬剤散布も行いましょう。

 

まとめ

台風シーズンに心がけたい、台風前の枝折れ対策と、台風後の塩害対策について紹介しました。少しでも皆さまのお役に立てたら嬉しいです^^

 

途中でも書きましたが、我が家は横浜の、海からやや離れたところにあります。少し内陸にあるとはいえ、毎年、台風による塩害に遭います。しかし、マンションの狭いベランダでバラを栽培しているため、ホースで株全体を洗い流すということができません。

 

台風による塩害だけでなく、暑さや水切れなど、他にも原因はあると思いますが、けっこうたくさんの葉が夏に黄色くなって落ちてしまいます。

 

でも大丈夫。少し涼しくなれば、バラはちゃんと復活してきます。そのたび、今年もよく乗り切ってくれたなぁと、バラの強さに感謝しています。

 

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