埼玉県東松山市にある個人宅のオープンガーデン「小さなフランス薔薇園」をご紹介。バラ園+アフタヌーンティーの体験レポもどうぞ!
「小さなフランス薔薇園」は、オープンガーデン+プチ美術館+アフタヌーンティーでバラが3倍楽しめる!
▲つるバラを多く取り入れたローズガーデン 写真提供/天女の舞子
埼玉県東松山市の住宅地にある「小さなフランス薔薇園」は、バラの季節のみオープンする個人宅のバラ庭です。フランスに住んだ経験のあるオーナーが、フランスのバラを育て始めたのが始まりでした。
やがてオープンガーデンを開催したところ、多くの方が訪れるようになり、それなら──と、オーナーが趣味で収集していたカシニョールのリトグラフなどが観られるプチ美術館(レ・ミューズ)を併設。さらにカフェ(カフェ ・ドゥ・サンジェルマン・デ・プレ)も併設して、現在の形になりました。
個人宅の庭なのでさほど広いバラ園ではありませんが、アーチやスクリーンにつるバラを多く誘引し、花の季節は溢れるほどのバラで彩られます。
バラは、およそ300種・350株あります。
▲カシニョールの色鮮やかな作品が並ぶ 写真提供/天女の舞子
室内には、フランスの画家・カシニョールのリトグラフや、フランスに帰化した日本人画家・藤田嗣治(ふじた・つぐはる)の作品など30点あまりが並びます。
カフェでは、マリーアントワネットが好んだクグロフなど、フランスゆかりの手作りお菓子や、飲み物がいただけます。
「小さなフランス薔薇園」のバラ見頃は?
▲春バラの季節は道路にも香りが溢れる 写真提供/天女の舞子
小さなフランス薔薇園のバラ見頃は、春と秋の年2回。それぞれの期間のみオープンガーデンとして有料公開されています。
春/5月初旬~下旬
秋/11月上旬~中旬
ただし、かつては春・秋の年2回開催されていたオープンガーデンですが、ここ数年は新型コロナの影響もあり、春のみのことが増えています。2021年も春のみの開催となりました。
詳しくは、公式サイトで確認してください。この記事の最後に公式サイトへのリンクがあります。
春の「小さなフランス薔薇園」をレポートします!
応援レポーターの天女の舞子です。春の「小さなフランス薔薇園」をレポートします。バラ庭を眺め、美しい絵画に囲まれながらアフタヌーンティーをいただいて、たっぷり楽しめた1日でした。
▲「小さなフランス薔薇園」入口 写真提供/天女の舞子
小さなフランス薔薇園は、住宅地にある個人宅です。少し迷いながらたどり着いたお宅は、白壁にヨーロッパ風の赤い瓦を葺いた建物。道路から少し奥まったところにあります。
入り口でオープンガーデンの入園料500円と、併設されているカフェでアフタヌーンティー(1500円)を予約していたので、計2000円を支払って庭に入ります。
ちなみに、入園チケットの半券をもっていれば、同じシーズン中にもう一度ガーデンを観たいときには無料になるそうです。
▲つるバラが群れ咲く庭 写真提供/天女の舞子
庭はつるバラが多く、庭いっぱいに建てられたアーチや外周に張ったスクリーンにたわわにつるバラが咲いています。
もちろん個人宅の庭なので観光バラ園に比べれば狭いのですが、一斉に咲いた様子は色が溢れて素敵でした。
▲花色と覆輪の対比が美しい「バロンジロードラン」 写真提供/天女の舞子
「小さなフランス薔薇園」というだけあり、こちらの庭に咲くバラは、フランスで作出された品種が多く選ばれています。
濃い赤紫の花びらに白い糸覆輪(細い覆輪)がかかる「バロンジロードラン」は、19世紀末にフランスで作出されたシックで華やかな品種です。ダマスクの強香も楽しめます。
▲花付き、花もちの良い「レオナルドダヴィンチ」 写真提供/天女の舞子
ややマットな質感のピンクのバラは「レオナルドダヴィンチ」。1993年、フランス・メイアン社作出の品種です。香りは微香ですがその分花もちが良く、さらに育てやすくて花付きも良い優れたところの多いバラです。
▲抜群の花付き「ロイヤルボニカ」 写真提供/天女の舞子
写真中央のピンクの木立ちバラは、抜群の花つきからヨーロッパで修景バラにも使われる「ロイヤルボニカ」。1992年、フランス・メイアン社作出のバラです。
フェンスに誘引してあるピンクの大輪バラは19世紀後半にフランスで作出された古いつるバラ「パピヨン」。
▲フランス以外のバラも少しだけ 写真提供/天女の舞子
どうしても年に何本か、害虫被害に遭い弱ったり枯れてしまうバラがあるので、毎年、何本か新しいバラに植え替えをされるそうです。新しく迎えるバラにはフランス以外のバラが選ばれることもあります。
写真中央のアーチのバラは「アンジェラ」。ドイツのコルデス社作出の品種です。素晴らしい花つきから選ばれたのでしょう。
バラの品種名は、株元の小さなプレートで確認することができます。
▲白いパラソルが庭のアクセントに 写真提供/天女の舞子
庭には何カ所か白いパラソルとテーブルやイスが置いてあります。庭のアクセントになると同時に、なるべくバラ園以外の建物が目に入らないよう、視線を遮る効果もありそうです。
▲バラの株元はスッキリ! 写真提供/天女の舞子
バラの株元は、きれいに何もありません。イングリッシュガーデンならハーブや宿根草を植えるところですが、草花も、もちろん雑草もなくスッキリしています。こういったところも、フランス風なのでしょう。
バラの手入れを考えれば、株元に何も植えない方がいいんですよね! 庭の小径はオーナーの手作りとのことで、整い過ぎないところがかえって味があると思いました。
▲カシニョールの華やかな作品が並ぶ 写真提供/天女の舞子
庭の散策を終えたら、美術館兼カフェになっている室内に入ります。廊下や庭に面したカフェの壁にカシニョールのリトグラフや、フランスに帰化した日本人画家・藤田嗣治の作品が並んでいます。
カシニョールの作品にはバラや花が描かれた華やかなものが多く、カフェのテーブルやイスにもバラ模様がふんだんに使われていて、バラ園に隣接するにはぴったりな空間です。
写真はカシニョールの作品ですが、作家に敬意を払うため、窓の反射が写り込みなるべくよく観えないものを選んでいます。細かいところは、実物を観賞してお楽しみください^^
▲窓際の特等席でアフタヌーンティーを 写真提供/天女の舞子
バラ園がよく観える窓際の席で、あらかじめ予約してあったアフタヌーンティーをいただきました。コロナ禍以前はテラス席も解放していたそうですが、しばらくは室内席で人数を絞った予約制になっています。
▲テーブルセッティングも華やか 写真提供/天女の舞子
アフタヌーンティーは、3段のティースタンドにケーキ・スコーン・サンドウィッチを載せた本格的なスタイル。
手前の皿に載っているマーブル模様のケーキはクグロフです。フランスのルイ16世王妃・マリーアントワネットが、子どもの頃から食べていた大好物のお菓子と伝えられています。
チョコレートケーキはザッハトルテ。オーストリアを代表するケーキです。スコーンはスコットランドの焼き菓子で、アフタヌーンティーには欠かせないもの。
どのお菓子もこちらの手作りです。もちろんスコーンに添えられているジャムとクロテッドクリームもお手製。ジャムに至っては、フルーツも家の周りで採れたものとのことで驚きました。
アフタヌーンティー自体はイギリスの習慣ですが、ヨーロッパの食文化が凝縮されていて、バラ園を観ながらさまざまに思いをはせる楽しい時間を過ごすことができました。
訪れた人の口コミは?
5月初旬
「小さなフランス薔薇園」は、自宅を解放しご家族で経営されている、バラ園と小さな美術館とカフェがセットになった施設です。バラ園自体は小さいのですが、バラを観て美しいリトグラフを観賞して、本格的なアフタヌーンティーまでいただけて、とても楽しめました。
「これだけたくさんつるバラがあると、冬の誘引は大変じゃないですか?」と伺うと、「毎年ぜんぶの誘引を解いてやり直すから、そりゃぁ大変です。少しずつ、何日もかけて作業しています」とのこと。
バラのこと、絵画のこと、さらにご主人の著書のことなど、オーナーご夫妻との会話も弾みました。ご家族の皆さんとても気さくに話してくださり、知らないことを知る良い機会にもなりました。
「小さなフランス薔薇園」は、個人のオープンガーデンならではの楽しみが詰まったバラ園でした。
▲道路脇にある「松本町一丁目緑地」 写真提供/天女の舞子
「小さなフランス薔薇園」の帰りに近くの観光施設「吉見百穴」を訪れましたが、その途中にある「松本町一丁目緑地」のバラがとてもキレイでした。
▲バラのパーゴラが立派! 写真提供/天女の舞子
とくにつるバラを絡ませたパーゴラが立派で、周りに植えられているバラも状態よくていねいに手入れされていました。わざわざ訪れるほどの場所ではありませんが、思いがけず満開のバラが観られて得した気分になりました。(天女の舞子)
アクセスと施設の案内
▲住宅地のやや奥まったところにあります 写真提供/天女の舞子
アクセス情報
車
東武東上線「森林公園駅」からすぐ
*カーナビには住所(埼玉県東松山市松葉町2丁目17−28)を入力してください。
駐車場
3~4台分まで駐車可能。無料です。
電車
東武東上線「東松山駅」下車徒歩20分
東武東上線「森林公園駅」下車徒歩10分
*やや分かりにくいので、「森林公園駅」からタクシーをおすすめ。
数分で到着します。
営業日・営業時間と入園料
営業日
水・木・土・日 の週4日のみ
*現在は、オープンガーデン開催時のみの営業です。状況をみながら変更されるので、お出かけの際には公式サイトで確認してください。
営業時間
10:00〜16:00(16:00閉園)
入園料
500円
施設の案内
バラ園、プチ美術館、カフェそれぞれに名称があります。
バラ園/小さなフランス薔薇園
プチ美術館/レ・ミューズ
カフェ/カフェ・ドゥ・サンジェルマン・デ・プレ
▲カフェ入り口で自家製ジャムなどが購入できる 写真提供/天女の舞子
カフェの入り口で自家製ジャムを販売しています。材料のフルーツも、ほとんどバラ園の周りで採れたものを使っているので数量は限られますが、すべてていねいに手作りされたオリジナル商品です。杏、梅、桑の実、ブラックベリー、ブルーベリー、ラズベリー、サクランボなど、さまざまな種類があります。
「小さなフランス薔薇園」連絡先と公式サイト
住所/埼玉県東松山市松葉町2丁目17−28
電話/0493-22-3235
感染症やバラの状態に合わせて、営業日やカフェでの人数制限など少しずつ変更があります。くわしくは、公式サイトで確認してください。
*お出かけの際には、必ず公式サイトでご確認ください!