春と秋に発売される美しいバラの専門誌「NEW ROSES」2021年秋号が発売されました。気になる記事を少しだけご紹介します。


白い小花が群れ咲く2021年秋号

▲表紙のバラは、ロサオリエンティスの「ニューサ」

と秋の年2回刊行されるバラの専門誌「NEW ROSES」。2021年秋号はvol.30。刊行を重ねてついに30巻目です!

 

今号の表紙を飾るのは、白い一重咲きの小花。まるで野ばらのようなこの品種はロサ・オリエンティス(木村卓功さん2014年作出)の「ニューサ」です。こんなにさりげない花なのにこのバラ、2020年バルセロナ新品種国際バラコンクール(スペイン)グラウンドカバー部門賞、2021年バガテル新品種国際バラコンクール(フランス)グラウンドカバー部門賞をW受賞している実力者。

 

とくにバガテル新品種国際バラコンクールは、100年以上の歴史があるパリ市主催の権威あるコンクールです。このコンクールで日本人が受賞するのは初の快挙!

 

「ニューサ」は樹高1mていどの小型のシュラブ樹形で、大きな房になる小輪のバラです。蕾は淡いピンク色で、開くとほぼ白花になる。まとまりの良い樹姿が美しい品種。

 

残念ながら今年のニューサは既に売り切れです。自宅で咲かせてみたい方は、来春に期待してください。

 

メイアンの「ゼプティ」とデルバールのベージュ色のバラ

▲「ゼプティ」(メイアン/フランス)

号でもさまざまなバラの新品種が紹介されていましたが、気になったバラを3つ紹介します。まずひとつめは、上記の「ニューサ」(ロサ・オリエンティス)。

 

室内にバラを飾るとき、他になにを組み合わせようかと少し悩みます。バラは木の花なので、気持ち的に草花と組み合わせるのは合わないような気がするんです。大輪バラを引き立てる小花が欲しいとき、こういう主張しない小輪のバラがあるといいですよね。

 

「ニューサ」は2014年作出品種なので今年の新品種ではありませんが、海外のコンテストで受賞を果たした注目のバラです。

 


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2つめは「ゼプティ」(メイアン)です。このバラ、近所の花屋にたくさん置いているんですが、秋になってもよく咲いています。メイアンとしては修景バラとして提案している品種で、耐病性が高く連続開花性に優れるので、公園や街路の大規模植栽にも向くと説明されています。

 

ミニバラの苗としてもこなれた値段なので、購入してみようかな~とちょっと思っています。ただ、ミニバラはハダニが心配。そのあたりの確認がしたいところです。

 

▲「ラリ デ ガゼル」(デルバール/フランス)

 

3つめは、デルバールの「ラリ デ ガゼル」。驚きのベージュ色のバラです。

 

たしか玉置一裕(NEW ROSES編集長)さんだったと思いますが、「日本では茶系のバラが人気だけれど、欧米の育種家は”茶色のバラ”というと本気で嫌な顔をする」と、話していました。なのに、フランスのナーセリー・デルバール社からベージュ色のバラが発表されるなんて!

 

日本のマーケットを見込んでの育種なのか、それともバラの新しい魅力として茶系のバラを見直したのか。今後どう発展するのか、それとも廃れてしまうのか、興味深いところです。

 

バラの樹形に注目!

▲バラの樹形に注目!

いぶん以前になりますが、あるイギリスの植物図鑑を見てとても驚いたことがあります。それぞれの植物の花の写真と説明文の他に、すべての植物にどんな形に育つのかシルエットが添えられていたのです。さすがガーデニング先進国だと感心したものです。

 

多くの日本のロザリアンは、花1輪の美しさ造形の繊細さに注目しますが、樹形にはあまり気を配りません。バラを景色として観ることが少ないのでしょう。

 

近年のバラはシュラブ樹形のバラが多く、シュラブ樹形はこんもりと茂った形が美しい樹形です。バラ咲く景色をより美しく演出するため、樹形にも気を配るようにしていきたいものです。

 

▲イングリッシュローズのイギリスの写真は樹形がキレイだけど・・・

 

デビッド・オースチン・ロージズ日本支社ゼネラルマネージャーのロバート・シャープルズさんの記事では、こんな辛口コメントがありました。

 

私が日本で目にしたのは、ガーデナーが植物と良好な関係を築けておらず、それらが自然の中で生長していく形を知らないがために、いい加減に剪定された植物でした。とても気の毒に感じました。

 

これに続けて剪定のコツについて言及されています。辛口ではあるけれど、とても有益な記事でした。

 

たしかにイギリスの写真はどれもバラが美しい樹形に咲いています。でも、これはイギリスの気候だから可能なんじゃないかと考えていたこともありました。でも、違うんですよね。

 

▲河津バガテル公園のバラ

 

これは日本のバラ園(河津バガテル公園)の写真です。イギリスにそん色なくきれいに咲いていますよね! ロバート・シャープルズさんの記事を読みながら、こんな風に咲かせられるようになりたいなぁと思いました。

 

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ャケット写真のバラ「ニューサ」を育種した木村卓功さんが代表を務める「バラの家」では、送料無料で「NEW ROSES」が購入できます。

 

木村卓功さんは、世界のバラのコンクールで入賞・受賞を果たし、もうすっかり日本を代表するバラの育種家ですね。

 

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つも通り、楽天ブックスでも取り扱いがあります。こちらも送料無料です。ジャケット写真がまだ入っていませんが、問題ありません。

 

まとめ

バラは毎年新品種が発表されます。人気の育種家の新品種をいち早く知りたい方に支持されついに30巻目を迎えた「NEW ROSES」vol.30 2021年秋号をご紹介しました。

 

今回は、わたしの気になった品種3種類と、樹形についての記事を紹介しましたが、もちろん他にもさまざまな記事が満載の一冊です。

 

次にお迎えしたいバラを考える参考に、魅力的な品種を作出するナーセリーや育種家たち、さらに全国の花屋さんの考え方など、バラを多角的な視点から理解する一助となる楽しくてタメになるムック本です。

 

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