ロサ・ルゴサ(和名ハマナス)の流れをくむロサ・コルデシー(Rosa×kordesii)を交配の親にするのがハイブリッド・コルデシー系統です。寒さに強いバラです。
ロサ・コルデシー系統は耐寒性の強いバラ
日本からイギリスに渡ったアジア原産の原種バラ、ロサ・ルゴサ(Rosa rugosa)(ハマナス)と、日本原産の原種バラ、ロサ・ルキアエ(Rosa luciae)(テリハノイバラ)の交配によりマックス・グラフ(Max Graf)というバラが1919年に作出されました。このマックス・グラフの実生から生まれたのがロサ・コルデシー(Rosa×kordesii)です。ロサ・コルデシーは半八重の真っ赤なバラでした。
ロサ・コルデシーを交配の親として作出された一連のグループのバラがハイブリッド・コルデシー系統です。名前から分かるとおり、ドイツの育種家コルデスにより作出されたものが大半を占めます。
ハイブリッド・コルデシー系統のバラは、ロサ・ルゴサの性質を受け継ぎ寒さに強く、ロサ・ルキアエの性質を受け継ぎ枝の長いブッシュ樹形からつる性です。花の色はさまざまですが、ロサ・コルデシーの赤色を受け継ぎ、鮮やかな赤いバラが多くあります。
ロサ・コルデシーの謎
上に書いたように、ロサ・ルゴサとロサ・ルキアエの交配によりできたのがマックス・グラフというバラです。マックス・グラフはピンク色の一重のバラで、寒さに強いことから北海道の公園などで実際に見ることができます。
このマックス・グラフの種を撒いて生まれたのがロサ・コルデシーと言われています。ロサ・コルデシーは半八重咲きの真っ赤なバラだといわれています。が、このロサ・コルデシーを実際に見ることも、写真を入手することもできないのが現状です。なぜかというと、ロサ・コルデシーは品種登録されていないので、その苗を入手することができないからです。
じつはマックス・グラフはほとんど実のできないバラで、その実ができたことだけでも珍しいのに、その実生から親とするマックス・グラフ(ピンク色の花)とは全く異なった花色(真っ赤な花)のバラ(ロサ・コルデシー)が誕生するというのも不思議な話です。遺伝的に見ても、両者の間には大きな違いがあるという話も耳にします。
育種家コルデスが秘伝中の秘として、ロサ・コルデシーを世に出さなかったのか、それともマックス・グラフからロサ・コルデシーになる間に何か秘密があるのか、今でも謎とされているそうです。
まとめ
マックスグラフの作出が1919年だから、ハイブリッド・コルデシー系統は、20世紀になってできた新しいバラの系統ですね。ハイブリッド・コルデシー系統は、主にドイツの育種家コルデスにより作出されました。
ハイブリッド・コルデシー系統の最初のバラ、ロサ・コルデシーには何やら誕生秘話があるようで、興味津々です!
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