もう一度訪れたい場所はどこかと聞かれたら、わたしは「スイス・アルプスの花畑!」と答えます。もう15年以上前に訪れた、スイスアルプスの空中花散歩をご紹介します。
もう15年以上も前の初夏、わたしは当時スイスに住んでいた兄の案内で母と一緒にスイス・アルプスに行ったことがあるんです。目的はヨーロッパのヴァカンス気分を満喫&スイス・アルプスの空中花散歩を楽しみに。
それはそれは美しい、「もし天国があるならきっとこんな場所!」と思えるほど美しい幸せな花散歩でした。ずいぶん昔の記憶をたどりながら、紹介します。
始まりは登山列車で行けるマッターホルン麓の村ツェルマットから
▲登山電車からのながめはハイジの世界!
スイスとイタリアの国境にそびえるマッターホルン(標高4,478m)。この山の登山と周辺観光の拠点となるのがマッターホルン麓の村ツェルマットです。麓の村といっても、この村の標高は1,620m。麓というより、完全に山の上です。
観光のベストシーズンは7~9月の夏場です。花散歩を楽しむなら7月ちゅうがいいと思います。9月になるともう紅葉が始まります。わたしが訪れたのは7月末でした。冬ならスキーやスノーボードも楽しめるようですよ。
ツェルマットまでは真っ赤な登山列車で登ります。登山列車からの眺めはほとんど「アルプスの少女ハイジ」の世界です。この景色だけでもじゅうぶん楽しめますよ。
ツェルマットはアルプスでもっとも美しい村!
▲ツェルマットでは馬車が闊歩!
ツェルマットは「アルプスでもっとも美しい村」とも呼ばれる小さな村です。
環境保全のため、ガソリン車は乗り入れ禁止となっています。村の中の乗り物は昔ながらの馬車と、電気自動車と自転車です。スイスらしい三角屋根の建物が並び、それぞれの窓に花が飾られていて、どこをとっても可愛らしい村です。
ツェルマットにはホテル、レストラン、お土産物店、マッターホルン登山の博物館などがあります。そんなに大きな村ではないので、時間があるなら村をのんびり散歩するのも楽しい時間です。
ここは観光地というよりは避暑地の村なので、食事のついていないホテルも多くあります。スーパーで食材を購入して自炊するのですね。わたしたちの宿泊したホテルにも食事がセットされていなかったので、近くのレストランでスイスの郷土料理を食べました。
じゃがいもにチーズをかけた「ラクレット」という簡素な食事でした。アルプスの少女ハイジのアニメにも登場する食事なのだそうです。
ハイキングに出かけるなら午前ちゅう!
山の天気は変わりやすく、特に午後は雲が出ることが多いというので、翌朝、早いめに出かけることにしました。
ツェルマットからゴルナーグラード登山鉄道に乗って、ゴルナーグラード展望台を目指します。標高1620mのツェルマットから標高3089mのゴルナーグラード展望台までわずか33分。1500m弱を一気に登ります。
ゴルナーグラード展望台からは4000m級の山々を見渡す大パノラマが広がります。それは素晴らしい景色ですよ! もちろんマッターホルンの雄姿も見えます。
展望台にはレストランがあるので、ここで景色を眺めながらゆったりランチを取るのがおすすめです。展望台のすぐ側には氷河があり、手で触ることもできますよ!
ゴルナードグラード展望台からツェルマット村までの花散歩
MVI_3959 – Gornergrat – Matterhorn, Riffelhorn, and Riffelsee / thisisbossi
ランチとコーヒーで一息ついたら山上のパノラマに別れを告げ、徒歩で下山します。登山鉄道には途中駅があるので、足腰に自信のない人は途中駅から歩いてもよさそうです。わたしは花散歩が目当てだったので、当然、山上駅から歩きです。
森林限界をとっくに超えていますから、樹木は見当たりません。背の高い草もなく、あたりは這うように背の低い植物ばかりです。
やがて、ぽつりぽつりと小さな花が咲いているのが見えるようになります。運がよければ野生の鹿が歩いているのに遭遇するかもです!
Alpin flower / Eva0206
Alpin flowers / Eva0206
あっちにもこっちにも、岩にへばりつくようにして、2cmほどの草丈に5mmほどの小さな花をいっぱいに咲かせている高山植物が目につくようになります。
白、黄色、ピンク色、青・・・色とりどりに、小さな花が精一杯花咲かせています。
The Matterhorn in the Riffelsee / robanhk
途中にはリッフェル湖という湖があります。湖というよりは、池または大きな水たまりとも言っていいような小さな湖です。天気がよければ、湖に映りこむ逆さマッターホルンの景色が見られます。
わたしはバッチリ見られました^^ 抜けるように青い空と白いマッターホルンの対比がとても美しかったです。
Lago Cristallina / Irene Grassi (sun sand & sea)
湖の周りは水があるせいか少し背の高い植物が生えています。ワタスゲの群落が白い綿毛をつけていてきれいでした。
ここから先は急に花の数が増えてくるので、リッフェル湖近くのローテンボーデン駅から下山するハイキングを楽しむ人が多いようです。
Alpin flowers / Eva0206
Alpin flowers / Eva0206
Alpin flowers / Eva0206
Alpen-Grasnelken – 2. Tag Rosengarten-Tour / anschieber | niadahoam.de
Flowers, insects, and more from the Alps / mbsimoe
Campanula cochleariifolia-Inklaar / Tor des Geants Endurance Trail
Estate in Formazza #22 / Paolo Trabattoni
Alpen-Mohn (Papaver alpinum) – Sextener Dolomiten / anschieber | niadahoam.de
IMG_1538 / Erin Staniland
見たこともない、もちろん名前も分からない花々がいたるところにおびただしく咲いています。冴えた青い花がけっこうあって、目を奪われました。
運がよければスイスを代表する花エーデルワイスが見られるかもしれません。でもエーデルワイスは近年めっきり数が減っているということでした。
Mannlichen Boy in Flowers / Ed Coyle Photography
冗談のようなこんな素晴らしい自然の花畑が、山の上に見渡す限り広がっているのです。この花畑の真ん中に立ち「もしも天国があるのなら、きっとこんな場所!」と、思ってしまいました。この景色を目にすれば、皆そう思うのではないでしょうか。
足元には色とりどりの花が咲き乱れ、目を上げれば抜けるような青空を背景にくっきりとマッターホルンの白い姿が浮かび上がっています。もう言葉にならない素晴らしさです!
標高が下がるにつれ背の高い植物が目だってきます。たんぽぽやアザミなどおなじみの花が増えてきて「あぁ、下界に降りてきたなぁ」と思いました。
alps 23.7.05 062 / Pazit Polak
あれからもう15年以上たちますが、今でもアルプスの花畑がはっきりと目に浮かびます。
まとめ
花好きなら、いや花好きでなくても絶対に感動できるツェルマットの花散歩。機会があったらゼヒ訪れてみてくださいね! きっと一生モノの感動体験できますよ!