8月24日のnews every(日テレ)でアフリカから輸入されるバラについての話題がありました。アフリカとバラがイメージとして結びつかなかったのですが、どうやらバラはケニアの主要輸出品目なのだとか! しかもこのアフリカのバラ、幸運を呼ぶなんて噂もあるようです! アフリカのバラについて調べてみました。

アフリカでバラが栽培されているの!?

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ラといえば、これまでの栽培や品種改良の長い歴史をもつヨーロッパが本場です。もちろん我が日本も世界的なバラのコンクールで受賞品種を作出するなど、世界的にも認められつつあります。が、アフリカとバラとは、どう考えてもあまり結びつかないように思えてしまうのですが・・・。

じつは開発途上国の多いアフリカの中で、ケニアエチオピア花卉産業が盛んです。資料によると、2001年のケニアの輸出品目で最も多いのは紅茶ですが、2003年には花卉、つまりバラ最大の輸出品となり現在に至っています。

このケニアのバラのほとんどはオランダやイギリスなどのヨーロッパに輸出されており、日本にはあまり輸出されていません。財務省の統計によると、日本のバラの切り花は、その多くが国内産で、国内だけでまかなえないときの補助的に輸入されているのが現状。しかも輸入国は韓国が最も多く、次いでインド、ケニア、エチオピアと続きます。やはり地理的に輸送コストがかかるのが問題なのでしょうね。

 

ケニアのバラを販売する花屋が広尾に!

フリカの、とくにケニア産のバラにこだわって販売している花屋が、東京・広尾にある「アフリカローズ」。2015年10月にオープンしたバラの専門店です。週に2回、ケニアからバラを輸入して販売しています。

news every では、「アフリカローズ」代表の萩生田愛さんが、お店で扱っているケニア産のバラの特徴について説明してくれていました。

 

アフリカのバラは花色がきれいで、茎が太く丈夫で長もち

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http://afrikarose.com/

フリカのバラは「淡いピンクとグリーンのグラデーションというように、とても個性的な柄が特徴の一つです」と、萩生田さん。たしかにこんな色味のバラはあまり見たことがありませんね。愛らしさもありながら、爽やかさも感じられる素敵なバラです。他にも、黄色とオレンジ色の色鮮やかなグラデーションや個性的な絞り模様(マーブル模様)のバラがたくさんあります。

さらに「茎がすごく太いんですね。本当にぴしっと凛としたたたずまいで、しばらく長もちします」と萩生田さん。こちらのお店のバラはとても茎が太く、通常のバラに比べて2倍長もちすると番組では伝えています。

実際に購入した方の口コミによると、2週間もきれいなまま楽しめたのだとか! バラはきれいだけれど、すぐに水が上がらなくなりぐったり萎れてしまうイメージがありますから、長もちするのは嬉しいですね!

さすがバラの本場ヨーロッパに輸出されているだけあって、とても品質のよいバラのようです。

 

アフリカのバラを輸入するのはフェアトレード活動の一環

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▲イメージ写真です。アフリカローズのバラではありません

フェアトレードって何?

「フェアトレード」という言葉をご存知でしょうか? フェアトレード・ジャパンの公式サイトには次のように説明されています。

「フェアトレード」、直訳すれば「公平な貿易」。現在のグローバルな国際貿易の仕組みは、経済的にも社会的にも弱い立場の開発途上国の人々にとって、時に「アンフェア」で貧困を拡大させるものだという問題意識から、南北の経済格差を解消する「オルタナティブトレード:もう一つの貿易の形」としてフェアトレード運動が始まりました。

フェアトレードとは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」を いいます。

たとえば、アメリカがとある開発途上国のアフリカの国からカカオ豆を輸入するとします。輸入する側のアメリカからすれば、なるべく安く仕入れたいですよね。そこで、つい「買いたたき」をしてしまうことが考えられます。「10キロあたり1ドルなら買うけど、それより高いなら他で買うからお宅からは買わないよ!」なんて言ってしまいがちです。せっかく収穫したカカオ豆を買ってもらえなければ生活できませんから、アフリカの国は涙をのんでその条件に応じます


Cacao / Instituto Nacional Autónomo de Investigaciones Ag

▲カカオの実

なにしろ先進国のアメリカと開発途上国の人々では、経済的にも社会的にも立場が違います。どうしたってアメリカの方が立場が強いわけです。これではとてもフェアな取引とはいえずアンフェアな取引になってしまいがちです。実際にこういうことは、アメリカだけでなく対ヨーロッパの国々との間でもたくさん起きていたことのようです。もちろん、日本でもです。

では、安く買いたたかれてしまったアフリカのカカオ豆生産者はどうするか? そのしわ寄せは、当然のごとく労働者にいきます。労働者は低賃金で長時間働かなければならなくなるのです。

こういった事態を改善するために始められたのがフェアトレード運動です。立場の強い国が買いたたきを行わなわず、「適正な価格」で購入することで、立場の弱い国の生産者や労働者の生活を改善しようという取り組みです。

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▲イオンのフェアトレード・チョコレート

日本ではまだまだ、あまり知られていないフェアトレードですが、たとえば大手スーパーのイオン自社ブランドフェアトレード商品を作るなどして、少しずつ認知されつつあります。写真のようなチョコレートを見たことのある方も多いのではないでしょうか? 水色と黄色でできた円の中に片手を挙げた人のシルエットがあるマーク(写真のチョコレートパッケージの中央上部にあるマーク)を覚えておいてください。このマークのついたものは、フェアトレード運動に参加している商品です。

 

アフリカローズはケニアのフェアトレードを支援

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http://afrikarose.com/

ニアのバラを輸入・販売するアフリカローズは、このフェアトレード運動に賛同し、ケニアのバラを持続的に輸入することで、現地の人々の生活を改善することを目指しています。

そもそも、NGOの一員としてケニアの貧困や雇用の問題を目にしていた萩生田愛さんが、ケニアで栽培されているバラの美しさに魅了されたことからこのプロジェクトは始まりました。オランダやイギリスにはたくさん輸出されているのに、日本にはほとんど輸出されていないケニアのバラを、「もっと日本人に知ってもらい、たくさん購入してもらうことで、ケニアの人々の雇用を生むことに貢献できるのではないか?」と、萩生田愛さんはそう考えたのです。

 

フェアトレード抜きにただきれいだから! そんな理由で買ってほしい

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http://afrikarose.com/

も、「バラを買うことで、ケニアの人々の支援につながるから」──どうやら萩生田愛さんは、日本人にそんな買い方をしてほしいわけではなさそうです。先の写真を見ればわかるように、ケニアのバラはとても品質がよく美しいのだから、フェアトレード関係なしにただただキレイだから! という理由で購入してほしいようです。そうでなければ、いつまでも「支援」であり、それこそ対等で「フェア」な貿易ではないという気持ちがあるようです。

 

アフリカローズのバラが幸せを呼ぶ?

ット上では「アフリカローズのバラが幸せを呼ぶ」なんて噂もあるようです。疎遠になっていた人から連絡があった! 仕事が上手くいくようになった! なんて口コミも。

 

アフリカローズはネットで注文できる

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http://afrikarose.com/

フリカローズは、店舗は東京の広尾にありますが、オンラインストアがありますので、ネットで注文することができます。写真は100本のバラの花束。1本ずつがとても立派なアフリカローズのバラ100本なんて! カラフルですごいゴージャスですね! お値段は86,400円です。(2016年8月25日現在)

もちろんもっと少ない本数の、5本、10本なんていう花束もありますよ。

 

まとめ

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アフリカの大地からやってきた生命力あふれるバラの花、写真で見るだけでもドキドキしてしまうほどきれいなバラたちですね! 実際に見るともっときれいなのだそうです。どうせもらえるなら、こんなバラがいいなぁ~なんて、誕生日の前にダンナにちらっとおねだりしてみようかしら!?

しかもフェアトレード運動の一環という面もあるとなると、話題になるのもうなずけますね。途上国ではしばしば幼い子どもが労働力となっていることがあります。家計を支えるため、生きていくために働かざるを得ないのです。

夫を亡くした体の弱い母をもつ子どもたちが、皆で働いて一家を支えているというドキュメンタリーを観たことがあります。12歳の長男は小学校をやめ、自宅から歩いて4時間かかるところにあるカカオ豆農園で1年前から働いています。14歳の長女は母親代わりに家のこと一切をしています。次男も5歳になった日から長男と同じカカオ豆農家に働きに行きます。家族にはまだ乳飲み子もいます。長男と次男の兄弟は、自分たちが毎日扱っているカカオ豆が一体なにになるのか知りません。チョコレートなんて見たことも聞いたこともありません。

フェアトレードは途上国の児童労働を抑止することにもつながっています。日本ではまだまだ知られていないフェアトレード。バラをきっかけにもっと広く知られるといいな、と思います!

 

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