バラを育てるときにまず考えたい日照条件。「日向」「半日陰」「日陰」の具体的な日照時間について紹介しています。

 

YOUYOU

初心者ロザリアンYOUです。「バラを育ててみたいけど、どれくらい陽ざしがあれば大丈夫?」ってお友だちに訊かれたんだけど──はっきり知らないので、教えて!


植物を育てる環境は、日照量から「日向」「半日陰」「日陰」に分けられる

▲バラは、日向が好きな「陽性植物」

ラに限らず植物を育てる場所は、育てる環境の日照量により「日向」「半日陰」「日陰」の3種類に分けられます。なんとなく「日向」は1日中太陽の当たる場所で、「半日陰」は1日の半分しか陽ざしのない場所で、「日陰」は1日中陽の当たらない場所──そう思っていませんか?

 

その感覚は、あるていど正しいのですが、あまり正確ではありません。

 

あいびーあいびー

植物には「日向」が好きな「陽性植物」と、「半日陰」「日陰」でも育つ「陰性植物」があります。まず、それぞれどんな場所なのか、「陽性植物」や「陰性植物」はどんな植物なのかを紹介します。

「日向」は1日に直射日光4~5時間以上の場所

▲広大な日向が続く京成バラ園

にも遮るもののない直射日光が1日に4~5時間以上あたる場所が「日向」です。多くの植物が「日向」が好きな「陽性植物」です。もちろんバラも「陽性植物」です。しっかり陽ざしのある日向を好みます。ほかにも、パンジーやチューリップ、サクラなど、ほとんどの花が「陽性植物」です。

 

しかしたとえば、午前5時の日の出~9時までの4時間直射日光がさすけれど、それ以降まったく日が差さない環境はどうかというと、「陽性植物」が元気に育つことはできないと思います。

 

10時~14時の、もっとも陽ざしの強い時間帯4時間を含んだ4~5時間以上と捉えるのが適切ではないかとわたしは思っています。まぁ、これは私見ですが、我が家のベランダの状況からすると、それなり正しいと思っています。

 

「半日陰」は、「日向」の半分くらいの日照量


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日陰というのは、少し定義があいまいですが、だいたい「日向」の半分くらいの日照量と捉えられます。つまり1日に直射日光が2~3時間ていどある環境です。これも私見ですが、10時~14時の間の直射日光が2時間以上必要だと思います。日の出から2時間直射日光がさすけれど、それ以降ずっと暗い場所で「半日陰」というのは厳しい・・・。

 

もしくは、1日じゅう陽がさすけれど、上の写真のように50%ていどの遮光ネットの下という環境も「半日陰」です。「レースのカーテン越しの光」という表現がよくされますが、「遮光ネットの下」を分かりやすくした言葉だと思われます。

 

▲明るそうに見えても、木陰は「半日陰」ではなく「日陰」

 

「半日陰」を「木漏れ日くらいの明るさ」と表現されることもよくありますが、これは「木陰でいい」と誤解されやすいと思います。

 

いろんな場所の明るさを照度計(光の明るさを測る機械)で計測したデータによると、直射日光のさす場所は8万ルクス。ところが薄日のさす明るい木陰は2万ルクス以下(「日向」の1/4以下)でした。常緑樹の木陰になると500ルクスです。これによると「木陰」は、「半日陰」ではなく「日陰」ですね。

 

「半日陰」でもバラを育てられます。が、やはり花数は減るし、全体にひょろっと徒長した姿になりがちです。黒バラなど濃い色のバラは、花の時期には「半日陰」に置いた方が、花が日焼けせず美しく咲かせられます。しかし花の時期以外は「日向」の方が丈夫に育ちます。

 

「日陰」は、1日じゅう直射日光のささない場所

▲「日陰」は、花の咲かない植物がメイン

陰でも育てられる植物はいろいろあります。が、基本的に花を咲かせるものはほとんどありません。もちろんバラを「日陰」で育てることはできません。

 

「半日陰」や「日陰」でも育つ植物を「陰性植物」と呼びます。たとえばドクダミやアジサイ、ヘデラなどが「陰性植物」です。「日向」でも育つけれど「半日陰」や「日陰」でも大丈夫という植物ですね。コケ類などの、「日向」ではうまく育たない植物もあります。

 

バラは、直射日光が1日3時間以上から育てられる!

▲「半日陰」の我が家でも何とかバラは育てられる

いうことで、陽性植物のバラは1日に4~5時間以上直射日光のさす「日向」で育てるのが理想です。が、花数が減っても、徒長しがちでもいいという条件つきなら、1日に3時間ていど直射日光がさす「半日陰」でも育てられます。

 

「日向」でも「半日陰」でも、なるべく10~14時の日差しの強い時間に長く陽がさす環境が望ましいと思います。

 

住宅地の庭は南向きでも、意外と「日向」は少ない!

こまで「日向」「半日陰」「日陰」について書いてきましたが、密集した住宅地の庭で「日向」を確保するのは、意外と大変です。

 

上の立体イラストを見ればわかるように、自分の家や燐家が迫っていて陰になるとか(A)、庭を囲む塀で陰になるとか(B)、大きな木が植えられていればその陰になる(C)こともよくあります。向かいに3~4階建ての建物があることもあります。

 

「我が家の庭は南向きだから大丈夫」と思わずに、我が家のどこならバラを育てられるか、それぞれの日照時間を一度しっかりはかってみましょう。思うようにバラが育たない原因は、もしかしたら日照不足かもしれません!

 

▲東向きの我が家のベランダは半日陰

 

我が家のベランダは東向きで、何もなければ日の出~11時くらいまで直射日光がさしますが、向かいに雑木があるので、実際には日の出から1時間と、9時~11時の3時間の計4時間の日照があります。これでは「日向」とはいえず、「半日陰」です。

 

「半日陰」なら、花数が減ったり徒長しやすかったりするけれど、バラを育てることができます。

 

YOUYOU

わかったわ。1日に3時間の日差しがあればバラを育てられるのね!

あいびーあいびー

たしかにそうなんだけど・・・初心者さんなら、できれば「日向」で育てるのをおすすめします。「半日陰」でも育てられるけれど、どうしても健康に育ちにくいし、病虫害に悩まされて失敗しがちだと思うの!

バラは室内で育てられる?

▲窓辺のハーブはひょろひょろ徒長して

 

YOUYOU

お友だちは、できれば室内でバラを育てたいらしいけれど・・・大丈夫かしら?

内でもしっかり日照があれば、理論上はバラを育てることができます。1日4~5時間の直射日光があたる環境や、温室のような環境なら問題ないでしょう。たとえば南東向きに遮る建物や樹木のない大きな窓があり、日中ずっとカーテンをかけなくてもいいような環境なら室内でもバラが育てられる日照を確保できるでしょう。

 

でも、たとえ日照が確保できてもそれ以外の問題が出やすいので、室内栽培はあまりオススメできません。室内はエアコンの風が当たったり、通風がないので暑くなりすぎたりしがちです。

 

あいびーあいびー

よほど好条件のお部屋でないと、バラを室内で育てるのは難しいと思うわ。しかも初めてバラを育てる方だと、使う用土や肥料によっては、臭いや虫が発生するかもしれないし・・・。やっぱりオススメできないわね!

まとめ

バラを育てるなら直射日光が3時間以上あたる場所。しかも10~14時の日差しの強い時間になるべく長く陽がさす「半日陰」以上の日照が必要です。

 

ただし「半日陰」では、教科書通りに育てることができないので、初心者さんは1日4~5時間以上の直射日光があたる「日向」で育てることをおすすめします。

 

YOUYOU

思ったより直射日光が必要なのね。友だちは「室内で育てたい」と言っていたけれど、室外の「日向」で育てることをすすめてみるわ!

 

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