ベニカXネクストスプレーの使い方

ハンドスプレー農薬は、サッと使えて初心者の強い味方。でも「気軽に使える=何回使っても安全」というわけではありません。

年間使用回数、散布時の装備、風の強い日の注意──。家庭園芸で農薬を使うなら、知っておきたい基本ルールがあります。初心者向けに、安全で現実的な使い方を分かりやすく紹介します。


農薬は「危険だから禁止」ではなく「ルール付きの道具」

YOUYOU

農薬ってなんだか怖い。すごく危険なものな気がするんだけど。

ホラ、推理小説で農薬を使って事件を起こすとかなんとか・・・。知識のないわたしが使って大丈夫なの?

あいびーあいびー

あはは、推理小説ね! たしかにわたしも最初は怖かったわ。でも大丈夫。家庭園芸で使われる農薬は、そこまで毒性の強いものではないのよ。

薬には、毒性の強いものから弱いものまでさまざまな種類があります。

 

なかでもとくに毒性の強いものは、法律でそう簡単に購入できない仕組みになっています。購入するさいには印鑑と住所・氏名などの記帳が必要で、厳重管理が義務付けられているのです。

 

つまり店頭でだれでも簡単に買える農薬は、そんなに毒性の強くないものだということです。

 

YOUYOU

そうよね!良かった! 初心者用のハンドスプレー農薬なんかは安全だから、そんなに気にせず使って大丈夫なのよね?

あいびーあいびー

それは違うわ。いくら初心者向けの商品でも、農薬は農薬。きちんとルールを守って使うことが大切よ。

農薬として販売されている商品は、くり返し安全性評価を行い、そのうえで農薬登録が許可されているものです。だからむやみに怖がる必要はありません。でも、だからといってどんな使い方をしてもいいわけではありません。

 

農薬を使うにはルールがあります。そのルールに従って使うなら安全ですが、ルールを無視して使えば危険なことにもなりかねません。

 

今回は、家庭園芸で農薬を使う際のルールについて紹介します。

初心者がやりがちな「実はNG」な使い方

ラを育てるなら農薬との付き合いは欠かせません。でも、ほとんどの人はこれまで農薬と付き合った経験がないはずです。つい間違った使い方をしている場合もあります。

 

初心者がやりがちな実はNGな使い方を見ていきましょう。あなたはやっていませんか?

ハンドスプレーなら何回使ってもOK?

ハンドスプレー農薬を毎日使っても大丈夫?

▲ハンドスプレーなら毎日使っても大丈夫?

ちょっと気になったら、サッと出してすぐに病害虫対策ができるハンドスプレー農薬は、とても便利な初心者の味方です。でもその農薬、使用回数に制限があるのを知っていますか?

 

たとえば多くの方が使っているだろう「ベニカXネクストスプレー」は、バラへの年間の総使用回数は4回までです。

 

たった4回しか使えないの!?

 

と、驚いた方も多いのではないでしょうか?ベニカXネクストスプレーに含まれているクロチアニジンという成分が、法律(農薬取締法)でバラに対して年間4回までしか使ってはいけないと決められています。

 

※4回のカウントのしかたについては、下記のQ&A項目をご覧ください

ちょっと風が強いけど今日撒いちゃおう

カレンダーをめくったら必ずハンドスプレーで農薬散布を。と、決めている方も多いと思います。そんなとき風が強かったらどうしますか? 忘れてしまうといけないからと、強行突破してしまう?

 

でもそれ、ちょっと危険です。

 

自分にかかって危険なだけでなく、家族やペット、環境まで考えると日を改めた方が良い判断です。

普通の服でサッと散布

農薬を使う際の注意事項を読んだことがありますか? たとえばベニカXネクストスプレーの安全使用上の注意には、こう書かれています。

●体調のすぐれない時は散布しないでください。
●人に向かって噴射しないでください。
散布時は、農薬用マスク、手袋、長ズボン・長袖作業衣などを着用してください。作業後は直ちに手足、顔などを石けんでよく洗い、うがいをしてください。
●かぶれやすい人は取扱いに十分注意してください。
●使用後の空容器は3回以上洗浄してから処理してください。

 

これはメーカー側が「安全に使うために必要」として提示している注意事項です。

 

とくに服装の注意事項はとても大げさに感じますよね。たしかに、ちょっとスプレー農薬を使うために、これだけ重装備をするのはハードルが高く感じられます。

 

YOUYOU

これ、わたしも読んだことあるけど、ちょっと大げさよね。

そんな大規模なバラ園で散布するんじゃなくて、ちょっと害虫がいたからシュッとやるだけに、こんなことしてられないわ!

あいびーあいびー

分かるわ。でも自分を守るための装備は少しは必要。ちょっとした不注意で吸い込んだり、皮膚についたりするおそれもあるからね。

家庭園芸で現実的に守りたい5つのルール

ハンドスプレー農薬

▲初心者向け農薬でもルールを守って使おう

ょっとスプレー農薬を使うのにいちいち農薬散布用の作業衣を着るのは大変です。でも、かといって何も特別なことをせずに散布するのも不用心。

 

ここでは、家庭園芸で初心者用の農薬を使う際に気をつけたい現実的なルールを5つ紹介します。

1、ラベルを読む(適用植物・使用回数・使い方)

ほとんどの農薬には年間使用回数に制限があります。それは初心者用の農薬でも同じです。

 

なかには年1回しか使えないものもあります。人体や環境に配慮して安全性が確認されているのが、その回数までなので、自分のため周りの方のため、そして自分が住む環境を悪化させないために、決められた年間使用回数を守りましょう。

 

また、どんな農薬も適用植物が定められています。バラに使うなら「バラ」または「花木」が適用植物として記載されている農薬のみを使いましょう。どんな農薬を使ってもいいわけではありません。

 

たとえばベニカXネクストスプレーは年間使用回数は4回以内。適用植物にバラが含まれています。

 

一方、土に撒いて土中の害虫を駆除するダイアジノン粒剤は、適用植物にバラが含まれていないので使えません。

 

害虫によっては大きくなると効果の出ないものもあります。そういう場合には「発生初期」に使用すると書かれています。病気の場合は予防に特化した薬剤なのか、治療もできる薬剤なのか確認して使うと効果的です。

 

ラベル表示は小さい文字で書かれていて、とても読みづらいことが多いです。そこで、バラに使える初心者用農薬についてまとめた記事(データ一覧)があるので、そちらで確認をオススメします。

初心者用農薬のデータ一覧は、こちらです

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バラ初心者におすすめのハンドスプレー&土に撒く農薬一覧|病気・害虫対策を比較

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2、風の強い日・体調の悪い日は散布しない

自分を守るため、さらに他の人や環境に配慮して、体調の優れない日や風の強い日は散布しないようにしましょう。

 

散布する際には風向きにも注意が必要です。農薬によっては車の塗装が変色したり、魚類に影響が出るものもあります。車や池が近い場所、ペット小屋や子どもの遊具に近い場所などでの散布は注意してください。

 

ベランダなど狭い場所での散布は、近隣住人に配慮し、洗濯物にもかからないよう、あらかじめ取り込むなどが必要です。

 

ベランダでバラを育てているわたしは、どうしても株全体にスプレー散布する必要があるときは、ゴミ袋をつなげて簡易温室のような囲いを作ったり、近隣への影響が少ない時間帯を選んだりして工夫しています。

 

体調の悪い日も無理をしないでください。思わぬ事故につながりかねません。

3、ハンドスプレーでも「素手・無防備」は避ける

農薬持ちあいびー

サッと使える便利さがハンドスプレー農薬の良いところです。つい普段の服のままで使ってしまいがちですが、それではあまりに無防備すぎます。

 

スポット的にちょっと散布するだけなら、最低限、使い捨て手袋とマスクは着用しましょう。

 

株全体に散布するときには、それに長袖の作業衣もプラスした方が安全です。

 

土に撒くタイプの農薬なら、最低でもスプーンで散布して、その後石鹸で手を洗いたいですね。

4、散布後は乾くまで触らない

数鉢ていどのバラなら、スプレー農薬を散布後に自然に乾くまで触らないようにすれば大丈夫です。

 

庭の一角などに大規模に散布した場合は、2時間ていどそのエリアに入らないように注意しましょう。

 

子どもやペットのいる家庭では、とくに注意をしてください。

5、保管場所を決める

専用のストッカーで農薬を保管

▲農薬はまとめて保管

農薬は安全性の高いものですが、間違った使い方をすれば事故につながりかねません。保管場所には注意しましょう。

 

とくに小さい子どものいる家庭では、カギつきの場所に保管することをおすすめします。

よくある疑問Q&A

年間使用回数4回はどんな使い方で4回?

ハンドスプレー農薬には、大きく分けて2つの使い方があります。

 

① 株全体にしっかり散布する使い方

病気予防や害虫予防を目的に、株全体に薬剤をかける使い方です。

 

② 害虫を見つけた部分だけに使うスポット使い
アブラムシを見つけた枝先だけにシュッと使うような方法ですね。

 

家庭園芸では、この2つを分けて考えるケースが多いと思います。

 

わたし自身は、株全体に散布する予防目的の使用を「1回」と考え、スポット使いは別扱い にしています。

 

ただし、使用回数の考え方は薬剤や状況によって解釈が分かれることもあります。迷った場合はラベルやメーカー情報を確認してください。

ハンドスプレー農薬を吸い込んだらどうなる?

もちろん吸い込むようなことがあってはいけませんが、万一散布液を吸い込んでしまっても、喉や鼻に刺激を感じるていどです。

 

皮膚についた場合は、刺激をうけたりかゆみが出たりする可能性があります。また、農薬散布をして気分が悪くなることもあり得ます。

 

皮膚についた場合は、石けんでしっかり洗っておけば大丈夫です。喉や鼻への刺激や、気分が悪くなった場合には、心配なら医療機関を受診しましょう。

毎日シュッシュしても大丈夫?

毎日ハンドスプレー農薬を使っていると、病気も害虫も抑えられてバラが元気に育つイメージがあります。

 

でも、農薬には年間使用回数に制限があるものがほとんどです。毎日シュッシュしてたら数日で年間使用回数を使い切ってしまうかもしれません。

 

また、使用頻度が高いとバラに薬害が出るケースもあります。むやみに使うのではなく、決められた使用回数を守って使いましょう。

 

毎日シュッシュしたいなら、回数制限のないタイプのハンドスプレー資材(農薬ではないもの)を使いましょう。

 

初心者向け農薬のデータベースの記事では、回数制限のないものも紹介しています。そちらで確認してください。

初心者向け農薬のデータベースは、こちらからどうぞ

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ハンドスプレー農薬でも装備は必要?

かつての農薬散布スタイルは「長袖・長ズボン、ゴム手袋、農薬用マスク、ゴーグル、フードつきレインコートなどを着用し、散布後は、散布時に着用していた衣服はその都度ほかの衣服と分けて洗濯しておきましょう」というのが定番でした。

 

これは広いバラ園などでの散布時の話で、ハンドスプレー農薬ではここまでの重装備は必要ありません。

 

スポット使いならマスク、使い捨て手袋ていどでもいいと思いますが、株全体に散布するなら長袖の作業衣くらいは必要です。さらに高い場所に散布するならゴーグルやフードもあった方が安全です。

 

状況に応じた装備で自分を守りましょう。

まとめ

今回は、バラ栽培初心者でも知っておきたい、農薬を安全に使う際のルールを紹介しました。農薬は、決められた使い方を守ればけっして怖いものではありません。とはいえ正しい使い方を知らなければ、やはり危険なものに変わりありません。

 

たとえハンドスプレー農薬でも同じです。簡単に使えるからと侮らず、使用方法を守って使いましょう。

 

とくにほとんどの農薬には年間使用回数に制限があります。環境を守るために法律で定められた回数なので軽く見ず、キチンと守りましょう。

 

YOUYOU

今まで使い方が分からなくて、勝手に怖がったり適当で大丈夫と思ったりしてたけど、ルールが分かってスッキリしたわ。

これからはルールを守って安全に使っていくね!

 

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