2017年3月25日から開催されている「第33回全国都市緑化よこはまフェア」。前回の里山ガーデンに引き続き、今回はみなとガーデンを散歩してきました。横浜スタジアム周辺から日本大通り、象の鼻パーク、山下公園をレポートします。これからの花の見頃、アクセスや駐車場についても紹介します!

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みなとガーデン7つの見どころ!

▲山下公園エントランス

こはまフェアには、横浜港に面したみなとエリア一帯に7つのガーデンを設えた「みなとガーデン」、港から離れたズーラシア隣にある「里山ガーデン」の2つのエリアがあります。

前回は「里山ガーデン」を紹介したので、今回は「みなとガーデン」をリポートします。

みなとガーデンには、ぜんぶで7つのガーデンがあります。まずは、全体を簡単に紹介しますね。

A「横浜公園」

横浜スタジアムの日本大通り側に広がるガーデンは、木立の中に植えられた16万本のチューリップが色鮮やかです。

B「日本大通り」

車道の両脇の広い歩道が花で埋め尽くされた、おしゃれな散歩道になっています。

C「象の鼻パーク」

よこはまフェアのシンボルガーデン「ガーデンベアの庭」があります。

C「山下公園」

これまでのバラ園が、バラと多種類の草花が競演する花壇にリニューアル。夜はライトアップされます。

D「港の見える丘公園」

150品種1200株のイングリッシュ・ローズ・ガーデンや趣味の園芸50周年を記念して作られたガーデンがあります。

E「グランモール公園」

みなとみらい線「みなとみらい駅」からほど近い横浜美術館の左右に延びるのが「グランモール公園」です。よこはまフェア期間中は、企業や団体が出展するグリーンキューブやハンギングフラワーなどで華やかに彩られています。夜間、横浜美術館の一角には、スマートフォンを使った光のアートが出現します。

F「新港中央広場」「運河パーク」

「新港中央広場」には、世界的に著名なオランダのガーデンデザイナー、ジャクリーン・ファン・デル・クルート氏デザインによる「ジャクリーンガーデン」があります。赤レンガ倉庫を背景に、さまざまな球根植物の混植が見事です!

「運河パーク」には、花時計花壇などがあります。

 

▼里山ガーデンについては、こちらをご覧ください。

 

横浜公園、日本大通り、象の鼻パーク、山下公園の歴史と花をリポート!

▲よこはまフェアみなとガーデンの地図

回わたしはよこはまフェアみなとガーデンの、横浜公園(A)~日本大通り(B)~象の鼻パーク(C)~山下公園(D)までをのんびりと花を見ながら散歩してきました。風はあるけれど天気がよくて、たくさんの花に癒されながら気持ちのいいひと時が過ごせました。

横浜は、ペリー来航により開港し、多くの外国資本が進出した地域。横浜港に面した関内地区には明治・大正時代の古い洋風建築が多く残ります。横浜の歴史に思いをはせながら、よこはまフェア・みなとガーデンを巡ってみてはいかがでしょうか?

今回訪れた4つのみなとガーデンの様子を、横浜の歴史を絡めながら紹介します。

 

A:横浜公園には16万本のチューリップが揺れる!

横浜公園の歴史

浜公園は、横浜市中区にある公園です。明治初期にイギリス人建築家リチャード・ブラントンにより設計され、日本人も外国人も共同で使える公園なので、当時「彼我公園」(ひがこうえん)と呼ばれていました。横浜公園内にあった「横浜公園平和野球場」は、老朽化を機に「横浜スタジアム」に建て替えられ、現在は横浜ベイスターズの本拠地として親しまれています。

1997年、中区の花がチューリップに指定されたことから市民によりチューリップが植えられるようになり、今ではチューリップの咲く公園として有名です。

 

横浜公園の花壇

▲横浜公園の満開のチューリップ

浜公園といえば、チューリップです! 公園内に植えられているケヤキの足元を埋め尽くして16万本のチューリップが色とりどりに咲いています。その景色はさながら世界最大の花の公園、オランダのキューケンホフのようです。

Keukenhof
Keukenhof / IMBiblio

▲こちら、オランダのキューケンホフ

チューリップなどの春に咲く球根植物は、樹木がまだ葉を茂らせる前の、日の光が地面に届く季節に生長して花を咲かせ、樹木の葉が茂ってくる頃には散ってしまいます。生長サイクルが樹木の芽吹きのタイミングとぴったり合うので、一緒に植えると効果的なんですね。

▲品種によっては花の香りが漂うチューリップの花壇

植えられているチューリップの品種は200品種以上なかには香りの良い品種もあり、側を通っただけで花の香りが漂ってきます。ただし、チューリップの見頃は4月中旬まで。今年は開花以降、寒い日が続いたので長もちしていますが、そろそろ散るタイミングです。訪れるなら早い目がオススメです! 夜にはライトアップもされています。

▲スタジアム前にあるベイスターズ・ガーデン

横浜スタジアム前にはベイスターズ・ガーデンが作られています。噴水を取り囲むように置かれた4体のピッチャーやキャッチャーのトピアリーがユニークです。植えられている花の色は紫色や白が選ばれていて、横浜ベイスターズのシンボルカラーを意識したガーデンです。

▲「彼我庭園」の新緑に映える池

横浜公園の一角にある「彼我庭園」(ひがていえん)は、池を囲んだ緑が美しい日本庭園。池に面してベンチが設えられていて、多くの方がのんびりと春の日差しを楽しんでいましたよ。これからツツジが咲きだすと、色鮮やかに姿を変えていきます。ここでは今後、ユリの展示が企画されているそうです。

 

ガーデンベアのスタンプラリー

▲ガーデンベアのスタンプラリー台紙とスタンプ

ベイスターズ・ガーデンそばにある案内所(9時~17時)では、よこはまフェアのパンフレットやスタンプラリーの台紙がもらえます。ガーデンベアの頭に、バラの花のスタンプを押していくと、しぜんとすべての会場がまわれるようになっています。

 

B:日本大通りの広い歩道が、花咲き乱れる華麗なガーデンに!

日本大通りの歴史

▲キングの塔(神奈川県庁本庁舎)

浜公園と象の鼻パークを結ぶ日本大通り周辺は、横浜港開港のさいに外国人居留地となっていた場所。この通りも横浜公園と同じ、イギリス人建築家リチャード・ブラントンが設計したものです。歩道が3mもある、日本初の西洋式街路です。

関内地区にある、塔をもつ3つの西洋建築は「横浜三塔」と呼ばれています。日本大通り沿いには横浜三塔のひとつ「キングの塔」の愛称で呼ばれる神奈川県庁本庁舎があり、キングの塔の少し手前の道路を覗きこめば、横浜市開港記念会館の「ジャックの塔」が見られます。

▲ジャックの塔(横浜市開港記念会館)

「神奈川県庁の正面」、「横浜赤レンガ倉庫」、「大さん橋国際客船ターミナル」は、横浜三塔が同時に観られるスポットです。これらの3つのスポットをすべて巡れば願いが叶うという都市伝説があるそうですよ!

 

日本大通りフラワーフェスタ

▲広い歩道をいかして、花いっぱいのガーデンが長く続く

本大通りの幅3mもある広い歩道を利用して、よこはまフェア期間中はフラワーフェスタが開催されています。昨日は平日だったこともあり、植え込み作業がされていました。今週末にはきれいな状態になりそうですね。

花壇にはチューリップ、スイセン、クリスマスローズ、バラなどがみっちりと混植されています。バラはまだあまり咲いていませんでしたが、これから開花してくると、さらに華やかになりそうです。

車道脇には各県をイメージしたミニガーデンが並んでいます。上の写真は何県か分かりますか? 富士山があるからすぐに分かりますよね。はい、正解は静岡県です!

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C:象の鼻パークには企画展示の特別ガーデンが並ぶ

象の鼻パークの歴史

在、象の鼻パークのある場所は、横浜港発祥の地です。1856年(安政6年)、江戸幕府によりこの地に東波止場、西波止場の2本の突堤が作られ、横浜港は開港しました。このうち西波止場は、弓なりの形状をしていたため、江戸時代末期から「象の鼻」と呼ばれていました

関東大震災の際に壊れてしまった西波止場は、直線に近い形で再建されますが、2009年の横浜開港150周年を記念して、明治中期ごろの象の鼻の形に復元されました。

写真の黄色で示した部分が復元された西波止場です。象の鼻のように弓なりの形をしているのが分かりますね!

 

象の鼻パークにはよこはまフェアのシンボルガーデンと、「もてなしの庭」をテーマにした庭の展示が!

▲よこはまフェアのシンボルガーデン「ガーデンベアの庭」

本大通りから象の鼻パークに入って正面にあるのが、よこはまフェアのシンボルガーデン「ガーデンベアの庭」です。大きなティーポットを持ったガーデンベアが、お茶とお花でおもてなしする庭というコンセプトなんでしょうね。ガーデンベアがふるまってくれるお茶はハーブティーなんでしょうか? ガーデンベアの手前にはカモミールやパセリなどのハーブが植えられています。写真には写っていませんが、左奥には藤の木があり、薄紫色の花穂が風になびいていました。

▲自然との協調「一滴の水から」

象の鼻パークには、「おもてなしの庭」をコンセプトに作られた3㎡のガーデンが並びます。そのうちのほんの一部を紹介します。

「一滴の水から」と名づけられた庭は、3つの巨岩の間にある空間に石の水盤が置かれ、そこにポツリ、ポツリと水がしたたり落ちる構造になっています。静かで、しかも自然の力強さを感じさせる庭ですね。日本造園建設業協会会長賞を受賞。

▲「未来への懸け橋」

どこか懐かしい洋風の田舎家のある庭に、金属でできたジェットコースターのようなものが組み合わせてあるこの庭のタイトルは「未来への懸け橋」。ジェットコースターのタイムマシーンに乗って旅する近未来になっても、横浜は古い洋風建築の残る変わらぬ姿で皆を待っているというイメージで作られた庭です。横浜市長賞受賞。

造園のプロたちが工夫を凝らした庭の数々を見てまわるのは、とても楽しいですよ^^

 

象の鼻テラスで一休み

の鼻パークの西の端には、象の鼻テラスと呼ばれる多目的施設があります。3面がガラス張りになった明るい施設内にはテーブルと椅子が用意されていて、併設されている象の鼻カフェで軽食やドリンクをテイクアウトして食べることができます。あまり多くはありませんが、外テーブルもあるので、気持ちのいい日なら外で食べるのもアリです。

▲鎌倉ハム3種のサンドイッチとグレープフルーツジュース

わたしは鎌倉ハム3種のサンドイッチにドリンクをプラスしたセットをいただきました。このセットで約1000円です。ベーコン、パストラミポーク、ボロニアソーセージの3種類のハムをライ麦パンと新鮮野菜でサンドしたグルメなサンドイッチです。酸っぱいザワークラウトと一緒に美味しくいただきました♪

▲赤レンガ倉庫

象の鼻テラスの上は展望スペースになっています。正面が海、左にみなとみらい地区と赤レンガ倉庫、右に大桟橋とベイブリッジ、振り向けば横浜三塔のひとつクイーンの塔(横浜税関)が見られます。

▲クイーンの塔(横浜税関)

 

D:山下公園は春咲き球根ミックス花壇、バラ園、天空のパティオ、ガーデンベアの立体花壇と見どころいっぱい!

山下公園の歴史

▲山下公園のインド水塔。隣にはハッピー・ローソンが!

1923年の関東大震災の後の復興事業として、瓦礫で海を埋め立て1930年に開園したのが山下公園です。山下公園の中央部分は、1856年(安政6年)、江戸幕府により作られた2つの波止場のひとつ「東波止場」があった場所です。この辺りはフランス人居住地があったため、東波止場は通称「フランス波止場」と呼ばれていました。

公園内には歌碑「かもめの水兵さん」「赤い靴はいてた女の子像」「インド水塔」「水の守護神像」などがあります。インド水塔隣のハッピー・ローソンは、コンビニにカフェやキッズスペースなどが併設された施設です。ここも休憩スポットです。

山下公園前には、氷川丸が係留されています。氷川丸は、戦前から現存する日本唯一の貨客船で、2016年に国の重要文化財に指定されています。氷川丸には喜劇王チャップリンが乗船したこともあります。アールデコ様式の一等食堂や、一等喫煙室、一等特別室などが見学できます。

 

*氷川丸の詳しい情報は公式サイト 日本郵船歴史博物館 日本郵船氷川丸 をご覧ください。

 

芝生を縁どる球根ミックス花壇が華やかに満開!

▲鮮やかな緑と、とりどりの花の色の対比が美しい球根ミックス花壇

下公園の緑の芝生を縁どる色とりどりの春咲き球根をミックスして植えた花壇がそれは華やかです。植えられているのはチューリップ、スイセン、ムスカリ、ヒヤシンスなど。土が見えないほど密に植えられた春の球根植物が、今を盛りに満開でした!

▲前日の強風で倒れ気味なチューリップも多いけれど、それも全体に動きを与えてキレイ

チューリップがそろそろ咲き終わるので、球根ミックス花壇を見るならなるべく早い目にお出かけするのをおすすめします。緑の芝生や萌え出たばかりの新緑との対比がとてもきれいです。

 

ガーデンベアの立体花壇

川丸の手前の海沿いには、ガーデンベアの頭を本当の花で彩ってしまったガーデンベアの立体花壇があります。すごく豪華ですね! 観光客の撮影スポットになっていて、修学旅行生や海外からの団体旅行客など、次々に撮影する人たちでにぎわっていました。

 

未来のバラ園

▲5月には、アーチいっぱいにつるバラが咲く予定

川丸前のバラ園は、これまでのバラに新しいバラをつけ加え、さらにたくさんの草花を植えた「未来のバラ園」としてリニューアルしました。今はまだほとんどバラが咲いていませんでしたが、5月中旬になれば、たくさんのバラで彩られます。バラ咲く季節が楽しみですね! 

バラの見頃は5月中旬~6月初旬です。

夜にはライトアップもされます。

 

天空のパティオ

▲山下公園の東端にある天空のパティオ

来のバラ園のさらに奥、山下公園の東端にあるスペイン風の噴水脇を上っていくと、天空のパティオにたどり着きます。パティオとは、スペインの住宅でよく見られる中庭で、タイル張りの床の上に噴水や植木鉢を置いて構成されます。半円形の天空のパティオは、たくさんの鉢花やウオールポットで彩られています。

▲りんごのエスパリエ

天空のパティオにはエスパリエと呼ばれる壁面を利用した果樹園があります。エスパリエは、1561年にスイスの植物学者コンラッド・ゲスナーが提唱した温かい壁面に枝を這わせた果樹園です。フルーツ・ウォールとも呼ばれ、ヨーロッパの城などに多くみられます。

▲愛らしいりんごの花(姫りんごかも?)

天空のパティオでは、ちょうどりんごの花が花盛りでした。もしかしたら姫りんごかも知れませんね。りんごの花はとても愛らしいのですが、すぐに散ってしまうので、ごく短い時間だけ楽しめる花です。

 

アクセス情報

みなとみらい線

みなとみらい駅 (グランモール公園 最寄り駅)

馬車道駅 (新港中央広場・運河パーク 最寄り駅)

日本大通り駅 (横浜公園・日本大通り・象の鼻パーク・山下公園 最寄り駅)

山下公園駅 (山下公園・港の見える丘公園 最寄り駅)

元町・中華街駅 (港の見える丘公園 最寄り駅)

 

JR根岸線・横浜市営地下鉄ブルーライン

関内駅 (横浜公園 最寄り駅)

 

駐車場情報

山下公園駐車場(山下公園の端、天空のパティオの下)最大223台

料金

平日 30分260円

休日 30分300円

営業時間と定休日

24時間・無休

 

*詳しくは 山下公園駐車場の公式サイト をご覧ください。満車/空車情報もあります。

 

近隣の駐車場

山下公園駐車場は意外と満車になることも多いのですが、1本路地を入れば、たくさんの私設駐車場があります。多くは1日最大1500円ていどです。

 

まとめ

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昨日訪れたよこはまフェアみなとガーデンのレポートを掲載しました。横浜の関内地区は、横浜港開港の歴史を今も色濃く残す地域です。あちらこちらに残る古い西洋建築物や海と花のコラボを楽しむ散策はとても興味深い時間となることでしょう。これからゴールデンウィークにかけて、一年で一番心地のよい季節を迎えます。あなたも、よこはまフェア・みなとガーデンに出かけてみてはいかがですか? 

公園内にはどこにもたくさんのベンチがあります。休日はカフェは混みあいますから、お天気のいい日なら食べ物や飲み物をテイクアウトして、ベンチで食べるのもいいですね。

チューリップはそろそろ終わりますが、少しずつバラが咲きだします。バラの季節はまた素晴らしいガーデンが見られるでしょうね。バラの季節には、港の見える丘公園をレポートします。お楽しみに!

 

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