国際バラとガーデニングショウ2017の詳細レポート最終回は「世界のニューローズBEST10」です。『New Roses』編集長の玉置一裕さんがセレクトした最新品種10種類を紹介します!
世界と日本のバラ、最新品種10種類を玉置一裕さんが紹介!
日本で発表される最新品種を一番最初に見ることができるのもバラショウの魅力!「世界のニューローズ BEST10」では、「New Roses」編集長の玉置一裕さん厳選の最新10品種を楽しめます。 #バラ #バラショウ2017 #国バラhttps://t.co/wtkfjsggCt pic.twitter.com/dJDlKLkEHG
— 国際バラとガーデニングショウ (@RosesGardening) 2017年5月16日
バラは世界各国のナーセリーから毎年新しい品種が作出され、発表されています。国際バラとガーデニングショウ2017では、世界を代表する有名ナーセリー5社の最新品種と、日本の主要ナーセリー5社の最新品種、合わせて10品種が「世界のニューローズBEST10」として紹介されました。
「世界のニューローズBEST10」をセレクトしたのは、バラの専門誌『New Roses』編集長の玉置一裕さん。まずは、会場に掲示された玉置一裕さんのメッセージから紹介します。
日本には、さまざまな国のバラが集まり親しまれています。日本で発表される最新品種の実際の花が一堂に会し見られるのは、国際バラとガーデニングショウのこのコーナーが最初です。
2017年春、日本発表の最新品種は約50品種。そのうちから、各社の作風がよく現れた10品種をBEST10として選びました。
全体に共通するのは、花の美しさを前提に、樹は年々丈夫に育てやすくなり、香り高いバラが増えたことです。
海外と日本では方向性に少し違いがあります。海外の花は華麗。近年、病気にかかりづらいなど「育てやすさ」がとくに重んじられ、日本での発表は国内での数年の試作を経てからです。実用性に優れた「ローズ・ペイザージュ」(修景バラ)も増えてきました。香りは、香料に使われるバラの香りと、フルーツの強い香りが好まれます。一方、日本のバラは、花は小さめで、花の造形や色は繊細。花弁が波打つ花形が典型的な特徴です。枝は細め、樹は小ぶりです。香りはあまり強くなくても、バランスのとれた、やわらかい芳香の品種が多くあります。
国ごとにも、ブランドごとにも違う、育種家の花と樹の”表現”を、実際の花から感じ取ってください。(『New Roses』編集長・玉置一裕)
海外のバラでは、花は華麗に、樹は病気にかかりづらい育てやすいバラ、そしてフルーツ系の強香品種が作出される傾向にあるようです。
日本のバラでは、花は小さめで色も形も繊細、樹は細く小ぶり、香りはバランスのとれたやわらかい芳香の品種が作出される傾向にあるようです。
バラの好みにも、国民性がはっきり表れているのですね。「育種家の花と樹の”表現”を、実際の花から感じ取ってください。」という一文は、玉置一裕さんらしい結びの言葉ですね。玉置一裕さんは、「バラは育種家が自然を相手に創り上げた、クリエイティブな作品」と捉えているそうです。
ではさっそく、玉置一裕さんセレクションによる「2017New Roses BEST10」を順に見ていきましょう!
海外有名ナーセリーのバラBEST5!
ピンク・パラダイス(フランス/デルバール)
ゆるく波打つ花びらの底と裏面が黄色を帯びた、フランスらしい華やかなピンク色の大輪バラです。樹はコンパクトなブッシュ樹形。香りはハーブ香を含んだバラの香り。耐病性などが高く育てやすいバラを評価するドイツのコンテストADR賞などを受賞しています。
華やかで、いかにもバラらしい存在感のあるバラですね!
レヨン・ドゥ・ソレイユ(フランス/メイアン)
明るい黄色の中輪の木立バラ。花つき、花もちが良く、くり返しよく咲きます。耐暑性、耐寒性、耐病性に優れた、育てやすいローズ・ペイザージュ(修景バラ)です。ADR賞をはじめ国際コンクールで各賞を受賞しています。
黄色の修景バラですね。近年、育てやすさが重視されているので、ADR賞受賞品種は注目ですね!
パオロ・ペイローネ・ジャルディニエレ(イタリア/バルニ)
淡いアプリコット色が優しげな中輪のバラ。樹はコンパクトなシュラブ樹形。耐病性が高く育てやすい。イタリアの有名な建築・造園家のパオロ・ペイローネ氏に捧げられたバラ。
花色も咲き方もはかなげで優しいバラです。主張しすぎないアプリコットカラーは、どんなバラとも相性がいいので、庭に使いやすそうです!
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ウィリアム・クリスティ2015(フランス/ギヨー)
ややアプリコットを帯びた淡いピンク色の花びらが、波打ちながら重なり合う中輪のバラです。シュラブ樹形で、つるバラとして使うことができ、返り咲きも期待できます。パウダーピンクのウィリアム・クリスティの枝替わり。芳香があります。
花を見れば繊細で優しい雰囲気で、しかも花つきが良い、庭向きのバラです。
メルヘン・ツァウバー(ドイツ/コルデス)
かすかにアプリコットを帯びた柔らかいピンク色の中大輪のバラ。整ったロゼット咲きになります。樹は横張りのブッシュ樹形。耐寒性、耐暑性、耐病性が高く育てやすい。フルーティーな香りがあります。
整ったロゼット咲きが美しいバラですね。ぎっしりと花びらが詰まった花を、やや重たげにうつむき加減に咲かせます。とてもクラシックな雰囲気で、育てやすくて香りがいいなんて! ステキです。
日本のナーセリーのバラBEST5
恋結び(京成バラ園芸)
温かみのあるピンク色の、丸弁高芯咲きの大輪花。高さ1.2mのブッシュ樹形。トゲが少ない。ややスパイシーさを含んだフルーティーな香りがします。
モダン・ローズらしい高芯咲きの整った花形の香りの良いバラで、京成バラ園芸らしい品種です。品種名がかわいらしいですね!
シャルム(河本バラ園)
ラベンダー色のカップ咲きの中輪花。樹は0.9~1.3mほどのシュラブ樹形。ダマスクにミルラを合わせた調和のとれた香りがします。花の名前は「魅力」「美しさ」の意味。
これも河本バラ園らしい、ラベンダーカラーのバラです。繊細で整った花形が魅力的ですね!
パルファン・ダムール(河合伸志)
日本語に訳すと「愛の香り」という名のバラです。ダマスク・モダンを基調にフルーティー香をプラスした爽やかさを感じさせながらも甘い香りが特徴です。波状弁の中輪、カップ咲き。咲き始めはピンク色で、進むにつれ青みがかって紫になってきます。とても花つきが良い。樹はコンパクトな木立性。
赤みの強いモーブカラーの愛らしいバラです。花つきが良く、たくさんの花をたわわに咲かせていました。強香のバラは今、注目を浴びていますから、人気がでそうですね!
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フィネス(京阪園芸F&Gローズ)
ワインカラーに近い花色、レモンバームなどの爽やかなハーブの香りにダマスク香が溶け込むような芳香をもちます。樹は広がるように育つブッシュ樹形。小山内健さん作出のバラです。
波打つ花びらで浅いカップ咲きになる、ワインカラーのバラです。こちらも香りに特化した品種。たくさんの花を房咲きにして華やかでした!
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ニンファ(バラの家 ロサ・オリエンティス)
オフホワイトの花びらの先に、ポツンとインクを垂らしたように淡いピンク色が乗る、中輪~中大輪の花を房咲きにするバラです。樹勢と耐病性が高く、育てやすい品種です。やや背が高くなるブッシュ樹形。ティー香に青りんごを感じさせる中香のバラです。
ふっくらとした咲き方や、ほんのり色を差した花色も、とても清楚な印象のバラです。樹勢も耐病性も高いので、ガーデンで使いやすそうです!
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まとめ
昨年の「世界のニューローズBEST10」では、絞り品種が多く出品されましたが、今年は絞りはなく、全体にくせがなく庭に取り入れやすい品種が多いようですね。
香りを重視して新品種が作出される方向性は、海外も日本も共通です。さらに海外では、耐寒性、耐暑性、耐病性なども兼ね備えた育てやすさにも重点が置かれています。
花はきれいだけれど、どうしても虫や病気にかかりやすい印象が強いバラですが、もっと気軽に身近に楽しめるようになってくれると嬉しいですね^^