芽出し肥は、3月に与える大切な肥料ですが、「元肥との関係」で与え方が変わります。実はここを間違えると、肥料過多でバラを弱らせてしまうことも。
この記事では、初心者でも失敗しない「判断の基準」と、適切な量・タイミングを分かりやすく解説します。迷ったときはどうすればいいか、その答えもはっきりお伝えします。
芽出し肥の基本|元肥との関係で「アリ・ナシ」が決まる
芽出し肥は、バラが生育期を迎える3月初旬に与える肥料です。
芽出し肥は、培養土に含まれる「元肥との関係」で使い方が決まります。
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培養土に含まれる元肥と芽出し肥の関係 ・元肥あり → 基本は芽出し肥なし(または控えめ) ・元肥なし → 芽出し肥あり |
基本はこのどちらかです。
ただし、初心者さんは培養土に元肥が入っているか分からないことが多いので、迷ったら控えめ(規定量の半分)でOKです。
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培養土に元肥が入っているか分からない方、初心者さん ・規定量の半分にする(安全策) |
肥料は適正量ならよくバラを育てますが、多すぎるとバラを枯らしかねません。肥料が少なければ、適正量よりやや生育は劣るけれど、大きな問題になりません。
初心者さんは、少な目に与えるのが安全です。
芽出し肥について、くわしく見ていきます。
芽出し肥とは?いつやるの?
▲新芽を大きく育てるのが「芽出し肥」の役割
芽出し肥(めだしひ)とは、バラの芽が大きく生長を始める3月初旬に与える肥料のことです。芽出し肥は、芽吹いたばかりの芽を大きく育て、太い枝をつくり、やがてその枝先に立派な花を咲かせることを期待して与える肥料です。
つまり春先の新芽の生長をスムーズにさせる目的なんですね。
「芽出し肥」を与える条件は、植え込み用土に元肥が入っていないこと!
▲植え込み用土が元肥アリかナシかで施肥が変わる
じつは「芽出し肥」を提唱する先生方は、冬の植え込み用土に「元肥」を入れません。または入れたとしても、すぐになくなる設計にしています。
冬の植え替えは関東基準で2月いっぱいまで可能です。たとえば2月下旬に「元肥」を入れて植え替えしたバラに、3月初旬に「芽出し肥」を規定量与えるとどうなるでしょう? これでは肥料過多になってしまい、いきなり生育不良を起こします。
こういうことを防ぐため、冬の植え替えで使う培養土には肥料を入れないのです。
つまり、「元肥」アリ で 基本は芽出し肥なし(または控えめ) か、「元肥」ナシ で 「芽出し肥」アリ か、基本的には、このどちらかです。
初心者は「規定量の半分」でOKな理由
▲多くの培養土は元肥入り
でも「培養土に元肥が入っていたかどうか分からない!」って方もいると思います。
さまざまなメーカーからさまざまなタイプの培養土が発売されていますが、多くの培養土は元肥入りです。バラ専用培養土には元肥ナシのタイプがありますが、バラ用でも元肥入りタイプもたくさんあります。
とくに初心者さんだと、元肥を気にする方は少ないでしょうから「我が家のバラに使った培養土に元肥が入っていたかどうか分からない」って方がほとんどでしょう。
だから「芽出し肥は控えめがオススメ」なんです。
肥料が足りなくてもバラは枯れませんが、肥料過多だとバラを枯らす原因になります。
半日陰や環境によって量を調整する考え方
▲8号鉢の規定量15粒のところ7粒を芽出し肥に
日当たりが十分確保できていない半日陰栽培の方も、「芽出し肥は控えめがオススメ」です。
これは芽出し肥に限ったことではありませんが、1日3時間ていどしか日当たりのない半日陰では、バラは十分育つことができません。ということは、日向のようにたっぷり肥料を消費することができないんです。
さらに、バラは肥料たっぷりに育てると病虫害に弱い株になりやすいです。さらに花びらの多い品種だと「ボーリング」といって、花びら同士がくっついて開かなくなる現象が起きやすくなります。
これらのことを踏まえて、日当たりが不安な方も「芽出し肥」は規定量の半分ていどでいいと思います。もちろん半日陰で栽培している我が家のバラでは、上の写真のとおり「芽出し肥」は規定量の半分です。
つまり培養土に肥料が入っていたか分からない、日差しがたっぷりか分からないと迷ったら、芽出し肥は規定量より控えめの半分にするのがオススメです。
なぜ「芽出し肥」が必要になったのか(中級者向け)
じつはひと昔前は、「芽出し肥」なんて概念ありませんでした。冬の休眠期に与える「寒肥」または「元肥」と、春花後の「お礼肥え」、夏剪定前の「追肥」の年3回の肥料やりが基本でした。
そこに若いバラの先生を中心に、3月初旬に「芽出し肥」を与える育て方を提唱する方が増えてきて、現在は「芽出し肥」が定着しているという流れです。
「芽出し肥」が提唱されだした理由は「冬の休眠期に肥料は必要ないのだから、芽が生長を始める時期にしっかり肥料を効かせた方が効率がいい!」ということだろうと思います。
また、以前はバラは地植えが基本でしたが、現在の主流は鉢栽培です。鉢栽培では、肥料分が流れてしまいやすいので、効かせたい時期に肥料を追加した方が効率がよいという理由もあるでしょう。
たとえば、以前は「元肥」によく使われていた「油カス」の肥料効果がある期間は約1カ月です。12月中旬に冬の植え替えをした場合、芽が動き出す3月にはもう肥料切れしている可能性があります。こういうことを防ぐため、「元肥」ではなく、3月初旬に「芽出し肥」を与えることが提唱されだしたんでしょうね。
ただし、実際の栽培では、元肥と芽出し肥が多少重なっても問題なく育つケースも多くあります。
芽出し肥に使う肥料は何がいい?
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では芽出し肥にはどんな肥料を使えばいいかというと、追肥用「緩効性化成肥料」を押す方と「速効性の液体肥料」を押す方がいます。追肥に使えるタイプなら「有機質肥料」でもOKです。
つまりパッケージに「追肥」と書かれているものなら何でもいいのです。が、わたしは「緩効性化成肥料」をオススメします。
緩効性化成肥料は、ゆっくり長く安定した効果が続くように作られた肥料です。多くの追肥用・緩効性化成肥料の効果が続く期間は1カ月。上の「グリーンそだちIBのチカラ」も肥料効果は1カ月です。
3月初旬に撒けば、4月初旬まで効いてくれます。
緩効性化成肥料の優れた点は、気温や降雨に関わらず、一定の分量が溶け出るので、安定した肥料効果が続くところです。極端に寒いバラの休眠期はさすがに肥料は溶け出ませんが、それ以降はあまり気候に左右されにくいのです。
比較すると有機質肥料は有効成分が溶け出すまで時間がかかり、温度が上がれば一気に溶け出るし、その分肥料効果も強く出たり弱くなったり効き方にムラがあります。
液体肥料は速効性があるけれど2日ていどで肥料効果が切れます。つまり何度も繰り返し与えなければいけないので手間がかかります。でも、バラの様子をみながら加減できるところがメリットです。中上級者向けですね。
蕾が上がったら肥料は止める?花への影響と注意点
▲ダブルセンターのバラ
芽出し肥を与えるのは、3月初旬の1回だけ。4月に入りバラの蕾が上がってきたら、肥料分がない状態に保つのが望ましいです。
なぜなら肥料分が効きすぎていると、上の写真のようにちょっと奇妙な花が咲きやすくなるからです。花の芯が2つある「ダブルセンター」や、花の中にまた花ができる「貫性花」と呼ばれる奇形の花になりやすいのです。花びらの多いタイプの品種は、ボーリングして咲かなくなることもあります。
とくに大輪高芯咲きのバラの場合は、蕾が上がったら肥料をカットするのを心掛けたいところです。が、中輪や小輪のバラではあまり大きな問題にならないことが多いので、中輪咲き品種が増えている近年ではうるさく言われなくなってきました。
蕾が上がる4月でも、春花の咲く5月でも、気にせず肥料やりをオススメする先生もいます。
でもやっぱりわたしは、初心者さんには肥料控えめをオススメしたいです。だって、枯らすよりイイでしょ!?
肥料過多のサインと対処法
▲肥料過多で枯れてきたバラ 写真提供/天女の舞子
たとえ元肥の入った培養土で冬に植え込んでいても、規定量の半量ていどの「芽出し肥」なら、肥料過多の症状(いわゆる「肥料やけ」)は、起きないと思います。
でも、品種や環境により肥料やけしてしまうことがあるかも知れません。上の写真のように、下の葉からどんどん黄色くなって枝が枯れてきたら、肥料過多のサインです。
「芽出し肥」に使った肥料を取り除き、大量の水を与えて土の肥料分を洗い流しましょう。それでしばらく様子をみて、葉の黄変が止まったらとりあえずOK。
それでも黄変や枯れこみが止まらなかったら別の原因を考えてください。
まとめ|迷ったら「半分」でOK
今回は、3月初旬に施肥する「芽出し肥」について紹介しました。芽出し肥はぜったい控えめがオススメです。とくに初心者さんや、わたしのように半日陰で栽培している方なら、規定量の半分でOK。
肥料が足りなくてもバラは枯れないけれど、肥料過多だとバラは簡単に枯れる!
これを頭に入れておいてください。バラの様子をみながら加減できるようになれば、つまり中上級者になれば、どんな肥料をどんなふうに与えても大丈夫になりますが、とくに初心者さんは控えめにしましょうね!
迷ったら「半分」。これだけ覚えておけば大丈夫です。
天女の舞子わたしは最初これを知らなくて、何鉢もダメにしてしまった苦い経験があります。初心者のみなさん、気をつけてください!
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