暦の上では春を迎えたとはいえ、まだまだ寒い2月。一足早く満開の桜が楽しめる場所があるのです! もちろん沖縄の寒緋桜(かんひざくら)は1月から開花していますが、それとは別に本州の、伊豆で桜が咲いているのです。それが河津桜(かわづざくら)。今回は、今まさに見ごろを迎えている河津桜を紹介します。


河津桜は2月に咲く超早咲きのピンクの桜

▲枝いっぱいに花を咲かせた「河津桜」

残の雪が降ったり、明るい日差しがぽかぽかしたり、三寒四温を地でいく2月に咲くのが河津桜です。ほとんどの植物が芽吹く前に満開を迎える河津桜に会いたくて、伊豆に旅行した折の写真を交えて、この魅力的な桜を紹介します。

 

静岡県賀茂郡河津町で偶然発見されたのが始まり

の早咲きの桜は、静岡県賀茂郡河津町に住む飯田勝美さんが1955年ごろに偶然発見したものです。その苗を自宅に持ち帰り、庭に植えたのが河津桜の最初の1本になりました。その後、この桜を増殖して河津町に流れる河津川沿いを中心にあちらこちらに植えられました。1974年に河津桜と命名され、翌年1975年に河津町の木に指定されました。

 

飯田家の庭先には、今あるすべての河津桜の親、原木の河津桜が今でも毎年美しく花を咲かせていて、観光客が自由に見学することができます。

 

河津桜は寒緋桜と大島桜の自然交雑種

津桜の最大の特徴は2月に満開を迎えるという超早咲きの性質です。通常1月下旬から咲き始め、2月下旬まで長期にわたり花が楽しめます。寒い季節なので、花が長もちするのでしょう。

 

本州の公園などに多く植えられているソメイヨシノと異なり、河津桜ははっきりピンク色をしています。とはいえ、沖縄の寒緋桜に比べれば優しい色合いです。

 

河津桜は寒緋桜と大島桜の自然交雑種ではないかと推測されています。沖縄の寒緋桜、河津桜、大島桜の順に画像を比較してみましょう。

 

▲沖縄を中心に咲く寒緋桜

「寒緋桜」は、赤みの強い濃いピンク色をしています。「ソメイヨシノ」よりも花が小ぶりで、やや下向きにつぼみ気味に咲きます。葉が出る前に花が咲きます。

 

▲河津桜

「河津桜」は「寒緋桜」よりも柔らかいピンク色で、「ソメイヨシノ」よりも濃い花色です。花の形や咲き方は「ソメイヨシノ」に似ています。葉よりも先に花が咲きます。

 

▲大島桜。大島桜は、「ソメイヨシノ」の交配親にもなった品種

「大島桜」は、さすが「ソメイヨシノ」の交配親なだけあって、花の形も大きさも咲き方も「ソメイヨシノ」にそっくりです。大きくちがうのは、「大島桜」は真っ白な花で、葉と花が同時に観られます。独特の香りがあり、桜餅の葉には「大島桜」の葉を使います。

 

こうして並べてみると、なるほど色味と早咲きの性質は「寒緋桜」を受け継ぎ、咲き方は「大島桜」を受け継いでいるのがよく分かりますね。

 

花の季節に河津桜まつり開催!

▲河津川沿いの河津桜と菜の花。ここだけ季節が春真っ盛り!

津町では、河津桜の開花期間中、河津桜まつり(毎年2月10日ごろ~3月10日ごろ)を開催しています。河津桜観光の拠点地「河津桜観光交流館」から河津桜並木になっている河津川までの間に露店が並び、18時~21時の間は毎日ライトアップされます。

 

河津川沿いには菜の花が植えられていて、まるでここだけ春真っ盛りの光景です。温泉地らしく、ところどころ足湯が設置されているので、足湯で疲れを癒しながら一足早い春をそぞろ歩くのも楽しいですよ。

 

河津桜まつり公式サイト

お出かけの際には、必ず公式サイトで詳細をご確認ください。

 

まとめ

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花咲く春が待ち遠しいこの季節、一足早く満開の桜を観にでかけませんか? 東京駅から河津駅まで直通の特急踊り子号で2時間40分で到着します。

 

河津桜のいいところは、早く咲くのはもちろんですが、なんといっても花期が長いことです。なんと1ヵ月も花が楽しめるのです。これだけ長く咲いていてくれると、旅行日程の調整がつけやすくて助かります。10日ほどでわっと咲いてさっぱり散ってしまうソメイヨシノと比べると、3倍の期間楽しめるお得感満載な桜ですね!

 

▲伊豆ぐらんぱる公園のイルミネーション

伊豆シャボテン公園、伊豆ぐらんぱる公園、爬虫類に特化した動物園izooなどなど、河津町の近くには観光施設がたくさんあります。温泉宿に宿泊し、あちらこちら車で回るのもおすすめですよ。

 

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