日本百名山に数えられる両神山のふもとに広大なダリア園があります。美しい山と森に囲まれた、色鮮やかなダリアの花園を、現地レポートを交え詳しく紹介します。
「両神山麓 花の郷 ダリア園」は、両神山のふもと。冷涼な山の空気が育んだ色鮮やかな花の園
▲山と森に囲まれたダリア園 写真提供/天女の舞子
「両神山麓 花の郷 ダリア園」は、日本百名山に数えられる両神山(標高1,723m)のふもとの斜面に広がる花園です。関東最大級約10,000㎡(野球場ていどの広さ)の敷地面積に、350品種5,000株のダリアが植えられています。
ダリアは花色も咲き方も、バリエーション豊富な花です。とくに大きな花は花径30cm以上にもなり、その豪華さや、表情の豊かさから、近年切花としても人気が高まっています。
たった1輪でも存在感バツグンのダリアを、「両神山麓 花の郷 ダリア園」には5000株も植えられていて、花の時期にはそれは見事! 自然の森を背景に悠々と咲くダリアに、きっとだれもが魅了されてしまうでしょう。
▲豊かな自然を背景に群れ咲くダリア 写真提供/天女の舞子
自然豊かなロケーションにあるため、交通の便はやや悪く、西武秩父駅からバスを乗り継いで1~1.5時間ほどかかります。それでも花色の鮮やかさ美しさを観れば、ダリア園がこの地にある理由が納得できるはず。
ダリアは寒暖差の大きな気候で、花色がより美しくなります。「両神山麓 花の郷 ダリア園」があるのは標高400mの山麓。雨が降れば霧が立ち込めるような環境です。この環境だからこそ、色鮮やかなダリアが咲くのです。
「両神山麓 花の郷 ダリア園」の見頃と開園期間は9月上旬~10月下旬
▲両神山麓 花の郷ダリア園2020年のパンフレットの一部 出展/両神山麓 花の郷ダリア園公式
「両神山麓 花の郷 ダリア園」の開園期間は、公式サイトによると9月上旬~10月下旬です。正確な開園期間は年により、天候や花の時期などの影響から変動するので、必ず公式サイトで確認してください。2020年の開園期間は、上のパンフレットにあるように9月1日~11月3日でした。
▼「両神山麓 花の郷 ダリア園」公式サイト
秋の「両神山麓 花の郷 ダリア園」をレポートします!
応援レポーターの天女の舞子です。先日「町田ダリア園」を訪れ、すっかりダリアの素敵さに目覚めてしまいました。そこで秩父にもダリア園があるというので、出かけることに。秋に訪れた「両神山麓 花の郷 ダリア園」をレポートします!
▲西武鉄道特急La view 写真提供/天女の舞子
池袋~西武秩父駅までの約1時間半、今回わたしは奮発して特急を利用しました。黄色い座席がおしゃれなLa viewは、2020年の*ブルーリボン賞を受賞した車両だそうです。
車内は通路を挟んで左右2席ずつのゆったりした座席と、大きなガラス窓の開放的な空間。座席の間にコンセントプラグがあり、トイレや洗面所もきれいで快適な旅となりました。
*ブルーリボン賞は、前年に日本国内で営業運転を開始した車両のなかからもっとも優れた車両に対して贈られる賞。西武鉄道では、1970年に「5000系レッドアロー」が受賞して以来50年ぶり2度目の快挙です。
西武秩父駅からはバスに乗り換え「薬師の湯」に向かい、「薬師の湯」でさらに別のバスに乗り換えてようやく「ダリア園」に到着です。詳しくはこのページの下の方、「アクセスと施設の案内」の項目で紹介しています。
▲ダリア園入り口 写真提供/天女の舞子
「ダリア園」でバスを降りると、道路(県道279号線)の向う側にダリア園の入り口があります。「両神山麓 花の郷 ダリア園」は、県道を挟んで両側に広がる約10,000㎡の面積に、350品種5,000株のダリアが植えられています。
バスを降りたところに小さなコーヒースタンドと自動販売機があります。
▲諏訪大明神と夫婦杉 写真提供/天女の舞子
バスを降りてすぐのところにもダリア花壇がありますが、まず目の前にある小さな社「諏訪大明神」を訪れました。社の前に立てられた来歴を記した案内によると、諏訪大明神はタケミナタカ(「狩猟の神」「農耕の神」「武の神」)を祀る社で、鎌倉時代から室町時代後期にかけてこの地に住んだ薄氏の関係で建立されたものと考えられているのだとか。
このため、社の前の夫婦杉は樹齢500年以上と推定されているそうです。夫婦杉の樹高は36mと31.5m。どちらもとても立派な大杉です。
右側のテントが入園券売り場、左は案内所と売店
▲入り口入って右側のテントで入園券を購入 写真提供/天女の舞子
ダリア園入り口には右にテント、左に小さい建物があります。入園券400円(環境整備協力金)は右側のテントで購入します。テントでは他に、ダリアの切り花や鉢花が売られていました。
新型コロナの影響で、マスク着用のお願いが掲示されており、さらに検温も実施していました。
▲色鮮やかなダリアの切り花 写真提供/天女の舞子
ダリアの切り花(1束400円)は目を奪われるほど美しく、帰りに購入しようと思っていたのですが、午後3時には売り切れていました。どうやら訪れた皆さん、4~5束ずつ購入していたようです。
▲左の建物は案内所と売店 写真提供/天女の舞子
左の建物は、バスの時刻表やダリアの球根の予約受付、貸し出し用の杖などがある案内所です。隣に地産品を売る売店が併設されていて、とち餅などが並んでいました。
園内で気に入ったダリアの球根をここで予約注文しておけば、翌年の春に球根が送られてきます。その年の入園招待券つきで1球800円+送料。
ダリア園は鮮やかな花色の洪水!
▲黒い茎に濃厚な花色のダリア 写真提供/天女の舞子
ダリア園に入ると、そこは鮮やかな花色の洪水です! 青空の下、緑の山や樹々に囲まれて群れ咲くダリアの花は、ほんとうに美しい。
▲ふんわり柔らかい花色のダリア 写真提供/天女の舞子
改めてダリアの豊富な花色と発色の良さ、さまざまな咲き方や大きさに圧倒されます。こってりした濃い色の一重咲きのダリアも、淡いグラデーションが美しい八重咲きのダリアも、どの品種も個性的です。
▲赤と黄色のはっきりした組み合わせ 写真提供/天女の舞子
バラも花色が豊富ですが、ダリアも負けていません。調べたところによると、ダリアの品種は3万種もあるそうで、園芸品種としては最も多いのだとか。赤と黄色のビビッドな花色の組み合わせはいかにもダリアらしく、見ているだけでも元気になれそうです。
▲淡いピンクのダリア 写真提供/天女の舞子
ごく淡いピンクのダリアは、ふわふわ優しい印象。ダリアもバラと同じように、澄んだ青色以外ほぼすべての花色があるそうです。
園内はナチュラル感を大切に管理
▲通路は未舗装。柵は木製 写真提供/天女の舞子
ダリアは株いっぱいに花を咲かせるので風で倒れやすいらしく、木の柵に上下2段にネットを張って株を固定しています。
「両神山麓 花の郷 ダリア園」ではナチュラル感を大切に管理しているようで、柵は木製、園内通路は未舗装です。ヒールのある靴や、雨の続いた後も歩きにくそうです。歩きやすい、汚れても気にならない靴でのお出かけをおすすめします。
▲花の蜜を集めにきたミツバチ 写真提供/天女の舞子
まわりは自然にあふれた環境で、とてもリフレッシュできます。ミツバチや蝶が、せっせと花の蜜を集めに来ていました。アブが寄ってきたりするので、苦手な方は虫よけスプレーを使うといいと思います。
ガーデンに取り入れやすい中・小輪品種が充実!
▲中・小輪品種がたくさん観られる 写真提供/天女の舞子
ダリアは、花径30cm以上という巨大な花を咲かせる品種があります。「両神山麓 花の郷 ダリア園」でも驚くほど大きなダリアの花が咲いていますが、ガーデンに取り入れやすい中輪(花径17cmほど)や小輪(花径8cmほど)の品種が豊富だと思いました。
中・小輪の品種を7つ選んで、紹介します。咲き方の種類も参考にしてください。
1、アメリカンレモネード/スイレン咲き
▲クリームイエローに赤の覆輪 写真提供/天女の舞子
色鮮やかなクリームイエローに赤の覆輪がかかる「アメリカンレモネード」。花径17cmの中輪サイズで、庭に取り入れやすい品種。丸みをおびた幅の広い花びらが重なる「スイレン咲き」。
2、黒蝶/デコラティブ咲き
▲黒ダリアの代表格「黒蝶」 写真提供/天女の舞子
「黒蝶」は濃い黒赤で、ビロードの質感がある花びらが美しい黒ダリアの代表的な品種。切り花としても人気があります。舟型の花びらが重なる、豪華な「デコラティブ咲き」。逆光の写真ですが、黒赤の沈んだ花色やビロードの質感が比較的よく出ていると思います。
3、メアリーエベリン/「コラレット咲き」
▲黒赤に白の副弁が個性的 写真提供/天女の舞子
「メアリーエベリン」は、外側の花びらの中央に小さな副弁がつく「コラレット咲き」。黒赤と白の花弁の対比が個性的な品種です。花径10cm以下の極小輪で、草丈も80~100cmと、庭植えに使いやすいサイズ。
4、マタドール/「インフォーマルデコラティブ咲き」
▲濃い色の茎と紅紫の花色の「マタドール」 写真提供/天女の舞子
通称「マタドール」は、正式には「エンゲルハルトマタドール」という品種です。茎や葉の色が濃く、花弁がねじれて波打ったように咲く「インフォーマルデコラティブ咲き」の中輪品種。
5、アルペンパール/「アネモネ咲き」
▲アネモネ咲きの「アルペンパール」 写真提供/天女の舞子
「アルペンパール」は、中央の筒状の花びらが盛り上がったようになる「アネモネ咲き」。外側の淡いピンクの花弁と中央のクリームイエローの組み合わせがとても愛らしい。
6、マジックモーメント/「カクタス咲き」
▲中央が淡紫に染まる白花 写真提供/天女の舞子
「マジックモーメント」は、花びらが左右から外側に反り返り細くなる「カクタス咲き」。花色は咲き始めは中央に淡い紫色が入り、咲き進むと純白になります。
7、秋桜/一重咲き
▲ガーデンダリアの「秋桜」 写真提供/天女の舞子
花だけ見ればコスモスそっくりなダリア「秋桜」は、花径8cmの小輪で、6月~10月まで繰り返し花を咲かせる品種です。(ただし、夏の間は花を休みます)。草丈も70cmと小型で、家庭の庭や鉢植えでも育てやすいタイプ。
こういうタイプのダリアは「ガーデンダリア」または「プチダリア」と呼ばれています。「ガーデンダリア」には葉や茎が黒っぽい品種が多く、花のない時期にもカラーリーフとして重宝します。「秋桜」の葉や茎も黒に近い濃い色です。
オリジナル品種「秋の響」と「薄川」(すすきがわ)
▲「秋の響」(左)と「薄川」(右) 写真提供/天女の舞子
園内には、2つのオリジナル品種があります。花びらの裏側に黄色いラインが入る朱赤のダリア「秋の響」と、花びらの先に白い点を載せたような赤紫色のダリア「薄川」。
「薄川」は「すすきがわ」と読み、ダリア園のすぐ側を流れている川から名づけられた品種です。「薄川」は手のひらほどもある、とても大きな花です。
花数が豊富で良い写真が撮りやすい!
▲同じ品種が群植してある 写真提供/天女の舞子
両神山麓 花の郷 ダリア園では、同じ品種をかなりの株数まとめて植えてあります。そのため状態の良い美しい花を探しやすく、撮影がスムーズでした。
緑豊かな山と森に囲まれた花園というロケーションが素晴らしく、お天気に恵まれれば素敵な写真が期待できると思います。山の天気は午後に雲が出ることが多いので、青空を写したいなら早起きがおすすめです。
ダリア園・園内案内
この図は、ダリア園入り口の案内所に掲示されていた、ダリアの品種名を記した園内の見取り図に、わたしが文字情報などを書き加えたものです。だいたいの園内図として参考にしてください。
上の園内図の、横に走るピンク色のラインが「埼玉県道279号線」で、通称「両神小鹿野線」と呼ばれている道路です。この県道を挟んだ上下の花壇にダリアが植えられています。ダリア園は斜面にあり、園内図上の方が高く、下に行くにつれ低くなっています。
ベンチとテーブルの休憩所
▲歩き疲れたら、ベンチで一休み 写真提供/天女の舞子
園内には、ベンチとテーブルのセットが何カ所か設置されています。ここで休憩を取りながら、散策を楽しむことができます。
ダリア園のスタッフさんに確認したところ、ここでお弁当を広げて食べてもいいそうです。ただしダリア園のまわりにお店はなく、あるのはバス停降りたところのコーヒースタンドと自動販売機くらい。あらかじめ駅などで購入する必要があります。
園内にゴミ箱はありませんので、思い出と一緒にお持ち帰りを。
駐車場とトイレ
▲歩いて5分のところにある観光トイレ 写真提供/天女の舞子
ダリア園の入り口前にある神社の横と、歩いて5分のところにある観光トイレ前に駐車場があります。神社の横は、身体障がい者専用駐車場となっています。
トイレはダリア園内にもありますが、仮設トイレになります。よほど緊急でなければ、歩いて5分の観光トイレの利用をおすすめします。こちらは水洗で、女性用は3室ありました。
ダリア園から観光トイレまで、距離的には100mないくらいですが、かなり急な坂道を歩きます。
訪れた人の口コミは?
11月初旬
毎年行っています。毎年少しずつ広げているみたいです。種類も多いですが植えられている本数に驚きます。入り口の売店ではダリアの切り花が売られているので家に帰ってからも楽しめます。バラも素敵ですがダリアも豪華です。山間部なので遠くの山を背景にダリア園全体を見るのも圧巻です。
10月下旬
都内から「両神山麓 花の郷 ダリア園」まで、電車とバスを乗り継いで行くと、特急を利用しても3時間くらいかかります。時間はかかりますが、早起きして出かけるだけの価値はあります! ダリア園はとても広く、遠くのダリアは豆粒ほどの大きさに見えるほど。品種も多くて、いろいろ撮影していたらあっという間に閉園時間になってしまいました。
わたしが訪れた日は、前日まで雨で少し前には台風の影響があったりと、ダリアにとってベストなコンディションではなかったと思います。それでも驚くほどたくさんの花に出迎えられたので、これが最盛期ならどんなに素晴らしいでしょう!
山の斜面にある花壇なので園内は傾斜があり、通路もほぼ舗装されていないため、車イスでは少し行きにくい場所もあると思います。足腰に自信のない方なら、入口で杖を借りてゆっくり観て回ると良さそうです。
▲鉢花で購入した「アルペンダイヤモンド」 写真提供/天女の舞子
切花のダリアが欲しかったのですが帰りには売り切れていたので、「メアリーエベリン」と「アルペンダイヤモンド」というコラレット咲きの鉢花を2つ買って帰りました。ネット購入より安くてお得でした^^
秩父は渓谷や鍾乳洞、アニメ「あの花」(あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。)の聖地など、いろんな観光スポットがあるので、宿泊してあちこち訪れるのも楽しそうです。(天女の舞子)
アクセスと施設の案内
アクセス情報
▲ダリア園のある場所 出展/両神山麓 花の郷 ダリア園公式
両神山麓 花の郷 ダリア園は、埼玉県の西の端の山間部にあります。
車
最寄りのインターチェンジは、関東自動車道「花園インターチェンジ」です。カーナビ利用の場合は「秩父郡小鹿野町両神薄8160-1」と入力。ダリア園近くの集会所の住所になります。集会所からダリア園までは徒歩5分。
駐車場
無料駐車場あり50台
公共交通機関
▲公共交通機関を利用する場合 出展/両神山麓 花の郷 ダリア園公式
西武線「西武秩父駅」からバス。または、秩父鉄道「三峰口駅」からバス。それぞれ「薬師の湯」で乗り換えて「ダリア園」まで。(上の乗換案内図を参考にしてください)。
「西武秩父駅」から「ダリア園」まで1時間~1.5時間。「三峰口駅」から「ダリア園」まで約40分かかります。
▲「西武秩父駅」から「薬師の湯」までのバス 写真提供/天女の舞子
わたしは「西武秩父駅」から上の写真のバスに乗り「薬師の湯」で乗り継いで「ダリア園」に行きましたが、バス料金の支払い方が少し変わっています。
まず「薬師の湯」で降りるときに500円を支払い「支払い切符」をもらいます。帰りには200円を「薬師の湯」で支払い、乗り継いで降りた「西武秩父駅」で残りの300円を支払います。パスモやSuicaなどは使えないので、小銭が必要です。
バスの本数が少ないので、あらかじめ公式サイトで時刻表を確認してください。
▼「両神山麓 花の郷 ダリア園」公式サイトのアクセス情報ページ
開園期間・開園時間と休園日・入場料・ペットの注意
開園期間
9月上旬~10月下旬
天候などの影響で、年により開園期間が変動します。詳しくは公式サイトで確認してください。
開園時間
9:00~16:30
入園料(環境整備協力金)
400円(中学生以上)
ペット(犬)
犬と一緒にダリア園に入ることができます。園内では他の方に配慮して「手元から離さない」「フンは持ち帰る」といったペットマナーを守りましょう。
両神山麓 花の郷 ダリア園 公式サイト
▼「両神山麓 花の郷 ダリア園」公式サイト
*お出かけの際には、必ず公式サイトでご確認ください!