バラの花形には、いくつもの種類がありますが、バラの花のどこに注目するかによって分け方が変わってきます。花びらの形状だったり、芯が高くなるかどうかだったり、花全体の形だったり。ここでは、花びらの形に注目して、7種類に分けて紹介します。
花びらの形状は7種類
バラの花を花びらの形状に注目して7種類に分けて説明します。毎年、新品種が作出されているバラの世界では、花びらの形も新しいものが生まれつつあります。まだ名前の定まっていない形のものもありますよ。
1、剣弁
▲ハイブリッド・ティー系統の「クリムゾン・グローリー」
開いた花びらの先が中心から左右に分かれて反り返り、剣のように尖った形状になる性質を「剣弁」といいます。ちなみに、「弁」は、花びらの意味。花びらは漢字で書けば「花弁」となります。
剣弁は、中国原産のバラ、ロサ・ギガンティアがもたらした花びらの形状です。剣弁になるバラは、オールド・ローズならティー系統のバラに見られます。モダン・ローズの代表的な系統、ハイブリッド・ティー系統のバラは、ほとんどの品種が剣弁や半剣弁の性質をもっています。
剣弁のバラは「剣弁咲き」と呼ばれます。シャープで高貴な印象のバラです。
2、半剣弁
▲半剣弁咲きの「ピース」
剣弁よりもやや丸みがあるソフトな剣弁が「半剣弁」です。剣弁のバラがもつシャープな雰囲気が和らげられ、優しさが感じられるバラです。「半剣弁」は、剣弁と丸弁の中間の形状で、半剣弁も、剣弁同様にモダン・ローズで多くみかける花びらの形状です。
「半剣弁」のバラは「半剣弁咲き」と呼ばれます。
3、丸弁
▲丸弁咲きの「クイーン・エリザベス」
「丸弁」は、花びらの先が丸く、全体に優しい印象があります。花びらの先が反り返っても、真ん中で左右に分かれて剣のようにならないのが特徴です。
ほとんどのオールド・ローズが丸弁なので、オールド・ローズでわざわざ「丸弁」と表現することはないようです。「丸弁」と表記されるのは、主にモダン・ローズです。
丸弁のバラを「丸弁咲き」と呼びます。
4、波状弁
▲フリル咲きの「ピンク・サマースノー」(春がすみ)
花びらの先が波打つ形状が「波状弁」です。花びらが波打つ様子がとても愛らしい印象です。
波状弁のバラは、「フリル咲き」と呼ばれます。フリル咲きのバラは、近年の新しい品種でよく見かけます。
5、ナデシコ咲き(カーネーション咲き)
▲ナデシコ咲きの「ホワイト・グルーテン・ドルスト」
まるでナデシコのように、花びらの先に細かい切れ込みが入るバラを「ナデシコ咲き」と呼びます。「カーネーション咲き」とも言います。説明を聞かなければ、これがバラとは思えませんね!
6、シャクヤク咲き
▲シャクヤク咲きの「イヴ・ピアジェ」
花びらに不規則な切れ込みの入る咲き方をシャクヤク咲きと言います。シャクヤク咲きの大輪花「イヴ・ピアジェ」は、豪華で香りも良い、存在感あるバラです。
7、ツンと尖った花びら
▲花びらの中央がツンと尖ったユニークな形状の「ノヴァーリス」
近年の新しい品種にみられるのが、花びらの中央がツンと尖っているユニークな形状です。これを何と表現するのか? まだ名前は定まっていないようです。尖ってはいるけれど、冷たい印象はなく、とてもキュートですね^^
まとめ
バラの花形を分類するときには、「花びらの形」「芯の高低」「全体の形」の3つの要素から分類されます。ここでは「花びらの形」に注目して紹介しました。
「剣弁」はシャープな印象があるので、赤バラや、黒味を帯びた赤バラ、通称「黒バラ」でよく見かけるように思います。作出者の、「これは大人っぽいシャープなバラにしたい!」という気持ちのあらわれでしょうか^^
近年見られるようになった、花びらの先がツンと尖った形。これは何という形状名で定着するのでしょうね。「ツン咲き」とか・・・どうでしょ? 分かりやすすぎてバカっぽいでしょうか?