バラ苗からバラの資材まで、バラ関連のものならなんでも揃う楽天ショップ「バラの家」の実店舗が埼玉県にあります。このサンプルガーデンは一見の価値あり! 「バラの家」実店舗に行ってみたレポートと、当日行われていたバラのプロによる談話会の様子をレポートします!
欲しいバラがきっと見つかる!「バラの家」実店舗
▲バラの家実店舗の目印 時計台のある黄色い壁の建物 写真提供/天女の舞子
ロザリアンなら知らない人はいないと思いますが──念のため「バラの家」について紹介します。
「バラの家」は、取り扱いバラ苗品種2000種を誇るバラの専門店です。実店舗は埼玉県北葛飾郡杉戸町にありますが、こちらの店よりも楽天ショップの方が有名です。楽天に出店している4万店以上のショップから、客の投票、年度売上、売り上げ成長率、注文件数、お客さま対応などから選ばれる楽天ショップオブザイヤーにこれまで6度も選ばれている優良店です。つまり「バラの家」は、多くのロザリアンの信頼を集めているバラの専門店なのです。
▲ロサオリエンティス ブランドのロゴ
「バラの家」には、もうひとつの特徴があります。もともと「バラの家」の店長は木村卓功(きむら・たくのり)さんが務めていました。木村卓功さんは、楽天にショップを開店するかたわらブログを通じてバラの育て方などを読者と共有してきました。その熱心で真摯な取り組みにひかれて、多くのバラ愛好家たちがてんちょ(木村卓功さん)と「バラの家」のファンになっていったという経緯があります。
バラ愛好家たちと直接ブログを通してやり取りする経験から、日本の愛好家がどんな悩みや望みをもっているのか肌で感じた木村卓功さんは、本格的に育種を始めます。そうして生み出されたバラを2012年から「ロサオリエンティス」というブランド名で発表しています。
欧米で育種された品種では、暑い夏がある日本で思うように育たないことも多いものです。「日本の気候に合ったバラは、日本でこそ育まれるはずだ」──という信念のもと、「ロサオリエンティス」のバラは生み出されています。
現在では木村卓功さんはローズ・クリエイターとして育種、バラの本の執筆、講演会など多岐にわたる活動を行っており、店長は弟の木村裕治(きむら・やすはる)さんが継いでいます。
ただ商品を売るのではない、経験に裏打ちされた知識と情熱が感じられる店、それが「バラの家」です。今回ご紹介するのは、そんな「バラの家」の埼玉県北葛飾郡杉戸町にある実店舗。ロザリアンには「楽しくも危険な店」と、もっぱらの評判ですよ!
▼「バラの家」楽天ショップはこちらです
「バラの家」実店舗と講習会をレポートします!
応援レポーターの天女の舞子です。「バラの家」実店舗と、講習会のもようをレポートします!
▲秋の「バラの家」 写真提供/天女の舞子
秋バラも少し落ち着いてきた10月末に「バラの家」実店舗に行ってきました。目印の時計台のある黄色い壁の建物の周りや、その隣にある駐車場の周りにはたくさんのバラが植えられていました。晩秋なので花数は多くなかったのですが、春にはそれは賑やかなバラの競演になります。
▲「ロサオリエンティス」の春のサンプルガーデン 出展/「バラの家」公式サイト
ロサオリエンティスのバラがこれだけまとまって観られるのは貴重です! 木村卓功さんがロサオリエンティスのバラを発表したのが2012年ですから、古くからあるバラ園では植えられていないことが多く、通常ロサオリエンティスのバラを観る機会といえば苗についている花か写真で観るていど。
地植えにして、数年育てたときのサイズ感や実際の花つきを確認するなら「バラの家」実店舗のサンプルガーデンが一番です!
バラの見頃は5月中旬~6月初旬。秋花の咲き方を観るなら10月中旬~11月初旬がベストです。
ところでこの黄色い壁の建物は、かつてカフェだったり他の店舗が入っていたそうですが、現在は使われていなくて、中に入ることはできません。
大型温室にバラ苗がギッシリ!
▲左が温室、右がガーデニング雑貨売り場 写真提供/天女の舞子
黄色い建物の隣にある駐車場の奥に温室とガーデニング雑貨売り場があります。上の写真の右側に写っている、明かりの見える窓の建物がガーデニング雑貨売り場です。レジもここにあります。春にはパーゴラから溢れるようにつるバラが咲いて、この場所もひときわ華やかです。
▲大型ハウスに並ぶバラ苗 写真提供/天女の舞子
温室は長さ30mほどの大型ハウスが3棟あり、ここにバラ苗がズラリと並んでいます。この圧倒的なボリュームはさすが「バラの家」という感じですね。バラ苗は「ロサオリエンティス」や「京成バラ園」「デルバール」といったブランド別に分かりやすく並べられています。
新苗からそのまま鉢で育てられた中苗や、大苗などが並ぶなか、数年間鉢で育てられた立派な株もあります。つるバラでは長尺苗もたくさんありました。バラと組み合わせて育てたいクレマチスも扱っています。
木村卓功さんファンには、オリジナル苗の展示販売コーナーをぜひ見てほしいです。奥の方の端にあるので分かりにくいのですが「てんちょのバラ」コーナーがあります。ここでは育種時に育てた苗だと思うのですが、名前もないバラが販売されています。たぶん世界に一つだけのバラでしょうね。かなり大きな鉢(10~12号くらい)なので、車か近所の人しか持ち帰れないと思います。
▲秋~冬に楽しめる花も! 写真提供/天女の舞子
以前に訪れたときは6月で、かなり暑くて辛いほどでしたが、今回は肌寒く感じるほどでした。ほとんどはバラ苗ですが、ビオラなどのこれから楽しめる草花も少し置いてありました。
鉢などのガーデン資材も充実しています。とくにバラの家オリジナルのファイバークレイの鉢は、見た目はテラコッタそっくりなのに軽くて扱いやすいのが魅力です。他にもトレリスや、バラ専用の培養土など、バラの資材に絞ったラインナップです。
▲外には定番人気のバラが! 写真提供/天女の舞子
温室とガーデニング雑貨の建物の間には、定番人気のバラ苗が置かれています。ブランドバラに比べて値段も安く、お買い得です。
▲メルヘンなガーデニング雑貨がたくさん 写真提供/天女の舞子
ガーデニング雑貨売り場には、天使や動物の置物、バードバス、アンティークな雰囲気の鳥かごなど、女性好みのかわいらしい雑貨がたくさんあります。薬剤や肥料、バラの本もここで購入できます。
バラの無料談話会
▲新品種紹介をする木村卓功さん 写真提供/天女の舞子
バラの家では「バラ塾」というバラの講習会を月に数回、行っています。「バラ塾」では、バラの育て方、おすすめバラの紹介などたっぷり60~90分間、バラについて学べます。
▼「バラ塾」の開催日は、「バラの家」公式サイトでチェック!
「バラ塾」ではないのですが、今回「バラの家」を訪れたとき、ちょうどいろんなバラの専門家によるバラの談話会のようなものがあったので参加しました。お話ししてくださったのは、有島薫さん、「New Roses」編集長・玉置一裕さん、そして「ロサオリエンティス」育種家の木村卓功さんです。住友化学園芸の方もいらっしゃいました。
一人ずつマイクを持って話すのですが、ときどき他の人に話題をふったりと、みなさん仲良さそうでした。バラ界の有名人がこれだけ集まって自由な対話が訊けるチャンスはなかなかないのでは? ウィークディというのに、多くの方が集まり熱心に話を訊いていました。わたしも会場に置いてあった「New Roses」誌を購入し、サインをもらいました。
印象に残ったお話しを少しだけ紹介します。
有島薫さん
▲有島さんおすすめロサオリエンティスの「マイローズ」 写真提供/天女の舞子
有島薫さんは、鉢植えでそれは見事にバラを咲かせているイメージの強い方ですが、意外とズボラに楽な管理を目指しているそう。虫が出ても病気が出てもあまり気にせず、バラの回復を待つそうです。あまりに徹底的な管理をしてしまうと、そのバラ本来の強さが分からなくなってしまうからということでした。
バラの教科書とあまりに違った考え方で、目からウロコでした!
最近は楽ができるバラが増えてきていて、なかでもロサオリエンティスの「マイローズ」は最強だとお話ししていました。あと、定番人気の「アイスバーグ」も最近のお気に入りだそうです。
住友化学園芸から来年の2月発売で、とても良い農薬が出るそうです。土に撒くだけで黒星病やウドンコ病が予防できるらしいのです。これは朗報ですね! ただし、高さ1mちょっとまでしか効果がないので、つるバラには向かない薬剤です。
玉置一裕さん
「New Roses」編集長の玉置一裕さんは、西洋のバラと日本のバラの違いを話してくれました。最近では西洋でも、たくさん花が咲いて、手間をかけずにコンパクトに育つバラが人気になってきているそうです。海外の庭もかつてのように広い庭ばかりではなく、狭い庭も増えてきていて、バラと他の植物の混植ガーデンが人気だというお話しでした。
木村卓功さん
▲ロサオリエンティスの人気品種 写真提供/天女の舞子
会場には、ロサオリエンティスのバラがゴージャスに飾られていました。育てやすくてきれいな「シャリマー」、愛らしい「ペネロペイア」、ころんと球形に咲く「ロマンティックチュチュ」、花色の変化が楽しめる「ダフネ」などなど。どれもたっぷりと活けられています。
▲ロサオリエンティス2019年秋の新品種 写真提供/天女の舞子
2019年秋の新品種も紹介されました。左側のライラック色のバラが「シャドウオブザムーン」。右のピンク色のバラが「ベルスーズ」です。どちらのバラも素敵ですね! コーラルピンクから落ち着いたピンクに色を変える「アリュマージュ」という品種もあるそうですよ。
訪れた人の口コミは?
秋
ロザリアンにとって「バラの家」実店舗は、楽しくも危険な場所です。バラ苗をこれだけの数まとめて見られるところはそうありませんし、他では探せないバラ専用の資材やかわいらしいガーデングッズなど、思わずほしくなってしまうものばかりが並んでいるのですから。
今回はバラ界の有名人による無料の談話会もあり、いろいろなお話が訊けてとても楽しい時間でした。また玉置一裕さんにバラ選びを手伝ってもらえたのも、嬉しかったです。
▲玉置一裕さんに選んでもらった「エウリディーチェ」 写真提供/天女の舞子
わたしは車ではなく公共交通機関を利用して行ったのですが、それでも気がつけばバラ苗を2鉢買って帰りました。バラが増えてしまうのは必至ですが、行けば必ず新しい発見がある楽しいお店です。
駐車場を取り囲むように造られているロサオリエンティスのサンプルガーデンも見ごたえがあります。今回は秋で花数が少なかったのですが、次はぜひ春に訪れてみたいと思いました(天女の舞子)
アクセスと施設の案内
「バラの家」実店舗のある杉戸町は、埼玉県の東端 出展/「バラの家」公式サイト
アクセス情報
電車
東武伊勢崎線「東武動物公園駅」からタクシーで約10分(約2.5km)
車
■圏央道「幸手インター」から車で約15分(約7km)
■東北自動車道「岩槻インター」から車で約30分(約13km)
■東北自動車道「久喜インター」から車で約30分(約11km)
駐車場
第1、第2駐車場あり(無料)
営業時間と定休日
営業時間
9:30~17:00
定休日
月曜日
住所
埼玉県北葛飾郡杉戸町堤根4425-1 「バラの家」
tel/0480-35ー1187
「バラの家」実店舗 公式サイト
*お出かけの際には、必ず公式サイトでご確認ください!
6月2日 遊びに行きます お友達が買いに行きましたので、聞きました つるバラが、欲しいです 黄色です ありますか。
友達がバラの家に、買い物して、お話聞きまして、6月2日 買いに行きたいです。 つるバラ 黄色が欲しいです、ありますか
北山朋美さん、コメントありがとうございます。
実際に行かれたら、きっとあまりの種類の多さに圧倒されてしまうと思いますよ。
黄色いつるバラ、もちろんあります。
有名どころでは「つるゴールドバニー」、「つるゴルトマリー」、
イングリッシュローズの「グラハムトーマス」あたりでしょうか。
ただ、黄色のつるバラって品種数が割と少ないです。
オレンジや杏色も候補に入れると幅が広がります。
お店の方とよく相談して決められるといいですね^^
以前から約50種のバラをこのお店で購入して来ました。
初めの頃はスタッフも親切でしたが、最近では木村氏が育種家として有名になられたせいなのか、スタッフが横柄な態度を取るようになって来て客を大事にしなくなり、以前とはムードが違うお店になってしまいました。
なので、最近では他のお店から購入している有り様です。
この点を改善しなければ、せっかく木村氏が素晴らしいバラを作ったとしても、足元が崩れてるも同然だと思います。
バラマニアさん、率直なコメントをありがとうございます。
バラマニアさんは、木村卓功さんが店長をされていた時期から「バラの家」をご存知な方なんですね。
「バラの家」に対して、バラマニアさんのような気持ちを抱いている方が少なくないことはわたしも承知しています。
さらに応援レポーターさんからも、がん腫苗に対する対応含め、いろいろ聞いています。
が、店舗紹介としてそういうマイナス評価をどうしようか迷った末、今回は省略しました。
理由は、わたし自身がこちらの店舗を利用したことがないからです。
サイトのつくりが分かりにくくて(^^;
それに近所にバラ苗を豊富にそろえているお店がいくつもあるので、ついそちらで購入してしまいます。
今回、実際をご存知なバラマニアさんからのコメントをいただけて、正直ホッとした部分もあります。
いい面ばかりを紹介するのは、記事として公正でない気持ちがあったからです。
バラを愛し、一般のロザリアン(客)に真摯に向き合い仕事をしてこられた木村卓功さんだからこそ
これだけ大きくなったお店ですし、
そこの根幹は大事に守っていただきたいですね。
あいびー