面倒なふるい作業も消毒作業もなしで、たった1週間で古土リサイクルができる超便利な土壌改良剤を紹介します! 台所の生ごみも減らせ、しかもベランダでも使えるほど臭いなし! 古土リサイクルが楽しくなります^^


従来の古土リサイクルは大変!

▲古土のふるい作業はかなり面倒!

ーデニングを楽しむ人の悩みのタネといえば、病虫害の防除とともに古土処理を挙げる方が多いのでは? とくに我が家のようなベランダ園芸だったり、都会で土を捨てにくい環境の人にとって、古土処理は悩みのタネ。

 

園芸は好きだけれど、古土処理が大変で花を買うのが億劫になるという声もよく聞きます。実際に経験した人ならではの意見ですね。

 

以前、古土リサイクルのしかたを紹介しましたが、ふるい作業や消毒作業などかなり面倒くさい手順が必要。正直、狭いベランダしかない我が家ですら、すべての古土リサイクルは、できていないのが現状です。

 

▼基本的な古土リサイクルの方法

 

土壌改良剤「カルスNC-R」これは画期的!


カルスNC-R 1kg

こで注目したのが「カルスNC-R」(リサール酵産)という土壌改良剤です。これまで古土のリサイクル資材はホームセンターで何種類か購入して試したんですが、これは皆さんにオススメできる! と思えるものに出合えませんでした。

 

そんななか「カルスNC-R」は野菜農家さんの動画で紹介されていたもので、実際に使ってみてとてもいい感触を得たので今回ご紹介したいと思います。

 

▲「カルスNC-R」は、微生物を利用した資材

 

「カルスNC-R」は微生物を利用した資材で、微生物の力で残渣(ざんさ/残りかすの意味。農業では野菜を収穫した後に残った根・茎・葉をさします)を発酵・分解して植物性たい肥に変えることができます。

 

▲カルス+米ぬか+植物残渣で古土リサイクル

 

残渣には、雑草や落ち葉、台所から出た野菜くずなどが利用できます。

 

台所の生ごみからたい肥をつくるというと、多くの方がコンポストを思い浮かべるでしょう。そして同時に悪臭・害虫の巣窟に・・・なんてマイナスイメージがあるのでは? かくいうわたしもそう思って敬遠してきましたが・・・。

 

▲古土がふかふかの土によみがえる!

 

「カルスNC-R」を使ったばあい、なんとほとんど悪臭がしません! しかも分解が素早く、最速で1週間後から植物を植えることができます。

 

コンポストでは、植物たい肥ができる過程でなんと80度にもなる高熱を帯び植物に有害なガスを発生するので植物が植えられるようになるまで、俗に「完熟」するまで3~6カ月かかります。それが「カルスNC-R」なら1~3週間だというのだから驚きです!

 

「カルスNCーR」は嫌気性細菌のため、コンポストのように頻繁な切り替えしが必要なく手間いらず。発酵過程で土が少し温かくなるようですが、根を傷めるほど高温にならないし、有毒ガスの発生もありません。だから残渣の発酵・分解が進んでいる過程でも植物を植えることができるのです。

 

これって夢のような資材じゃないでしょうか!?

 

「カルスNC-R」の使い方

▲古土リサイクルに必要な材料

は実際に「カルスNC-R」を使っていきましょう。まず準備する材料から。

 

準備する材料

古土

カルスNC-R

米ぬか/お米屋さんで購入

残渣(雑草と台所の生ごみ)

害虫予防のための不織布とゴム紐

 

使い方1、プランター1個につき「カルスNC-R」100~300g

▲プランター1個につき100~300g

ランター1個分の古土に対して、「カルスNC-R」は100~300g必要です。これより少なくなるのはダメですが、多少多くなる分には構いません。

 

使い方2、土に「カルスNC-R」、米ぬか、雑草や生ごみを入れる

▲古土+カルス+米ぬか+生ごみ

ランター1杯分の古土に「カスルNC-R」100~300g、米ぬか100~300g、雑草や生ごみを入れてシャベルで全体にすきこみます。

 

すきこまず「土|雑草や生ごみ、カルス、米ぬか|土」の順に入れ(土で雑草などをサンドイッチ状にして)放置でもOK!。こちらの方法なら、不織布を使わなくても害虫が寄ってくるのを防げます。

 

今回の生ごみには野菜くず、黒くなったアボカド、かぼちゃのわた、卵のカラなどが含まれています。

 

米ぬか

米ぬかは、近所のお米屋さんで1kg60円で販売していました。米ぬかのかわりに、ニームケーキを使っても構いません。

 

雑草や生ごみ

雑草は、どんな雑草でも使えますが、大きなものは10cmくらいのサイズに切り分けた方が早く分解します。茎や枯れて水分の抜けた雑草、枯れ葉は分解に時間がかかります。

 

根も分解されますが、生命力の強い根だと、そこから雑草が生えてくる可能性があります。

 

生ごみは基本的になんでも使えますが、卵のカラや大きな骨、肉や魚は分解に時間がかかります。コーヒーカスも分解まで1カ月ていど必要です。料理の食べ残しも使えるとメーカーでは紹介していますが、塩分が含まれているのでわたしはあまり良くないように思えます。

 

▲全体をよくかき混ぜる

 

シャベルで全体をよくかき混ぜます。かき混ぜず「土|雑草や生ごみ、カルス、米ぬか|土」の順に入れて放置でもOKです。

 

「カルスNC-R」の細菌は嫌気性細菌(生育に酸素を必要としない細菌)なので、かき混ぜるのは最初のこの1回だけです。

 

使い方3、たっぷり水やり

▲土全体が湿るよう、底から流れ出るまでたっぷり水やり

全体が湿るようたっぷり水やりします。「カルスNC-R」は水分を与えることで活性化するので、しっかり湿らせる必要があります。

 

水分は必要ですが、あまりに多すぎると、雑草や生ごみが「発酵」ではなく「腐敗」しやすくなります。田んぼのように常に水に浸かっている状態は良くありません。

 

生ごみが腐敗すると腐敗臭がしてきます。でも、これも水分量を適切にして時間をかければ、ちゃんと植物たい肥になります。

 

使い方4、虫よけに不織布をかぶせる

▲不織布で害虫をシャットアウト

後に虫よけに不織布をかぶせて、ゴム紐で留めました。

 

▲1週間後にどうなるかワクワク♪

 

今回は緑色のプランターと茶色の8号鉢の両方で古土リサイクルを試してみました。

 

プランターは、育てていた植物を抜いただけの古土。8号鉢は、細目の土ふるいをかけて微塵(みじん/細かすぎる土)と根や枯れ葉などを取り除いた古土です。

 

置き場所は日照3時間ていどの北東向きの、軒のあるベランダです。

 

置き場所と発酵に適した温度・使用容器

▲置き場所は、雨の当たらない軒下がオススメ

き場所は、雨の当たらない軒下がオススメです。理由は、雨が当たって水分量が増えすぎると発酵ではなく腐敗しやすくなるからです。

 

発酵に適した土の温度は15~35度

酵に適した土の温度は15~35度です。これより低くても高くても細菌が死滅することはありませんが、発酵に必要な時間が長くなります。適温なら1~3週間で植物が植えられる土になりますが、適温を外れると、もっとかかるということですね。

 

たとえば真夏の畑に日光消毒のため黒ビニールをかけた土にカルスを使っても発酵します。また、冬の庭土にカルスを使っておくと、雪の下でじんわり発酵が進んでいくそうです。

 

リサイクル土をつくる容器はプラスチック製のプランターが最適かも

器でリサイクル土をつくる場合は、プラスチック製のプランターが一番つくりやすいかもしれません。動画で見たのですが、素焼き鉢や水が抜けやすいスリット鉢では発酵が進みにくいようです。おそらく乾きすぎるんだと思います。

 

土袋を使うこともできますが、水抜き穴を開けておくと良さそうです。水抜き穴がないと、底に水が溜まって腐敗しやすくなります。

 

「カルスNC-R」を入れてから1週間後の土の状態

▲仕込み後1週間──なにコレ?

ルスNC-Rを使ってから1週間たったので、土の状態を確認します。

 

不織布をめくってみると・・・なんかいっぱい生えていました(==; どうやらこれ、かぼちゃの芽のようです。生ごみにかぼちゃのわたを入れたので、そこに混じっていた種が発芽したようです。種は入れない方がいいですね(==;

 

奇しくもこのかぼちゃの芽により、発酵で土が高温になりすぎることも、植物の生長を阻害する有毒ガスが発生することもないのが証明されました。

 

▲卵のカラや雑草の茎、アボカドの皮はまだ発酵途中

 

緑色の葉や野菜くずはキレイになくなりましたが、卵のカラや雑草の茎や根、アボカドの皮はまだ残っています。完全になくなるまでもう少し時間がかかりそう。(アボカドについていたシールは分解しないので、取り除きました)。

 

野菜くずの塊は指先でボロリと崩れる感じで、嫌な臭いはまったくありません。

 

▲ふかふかでいい匂いの土に!

 

上の写真は、「カルスNC-R」を入れてリサイクルしただけのプランターの古土をぎゅっと握って開いたところです。ふかふかしていて、畑の土のようないいにおいがします。(ちょっと感動!)

 

▲微塵がないとしっとりかつパラパラの土に

 

こちらは土ふるいで微塵と根や枯れ葉などを取り除いた古土に「カルスNC-R」を入れてリサイクルした土です。微塵がないので、パラパラの、お店で出てくるチャーハンのような感触です。においは、ほとんどありません。

 

わたしの好みでは、微塵を半分ほど抜いた状態がいいのではないかと思えました。さらに赤玉土をプラスすれば、かなり良くなりそうです。

 

発酵途中の臭いと害虫は?

▲リサイクル中、臭いも害虫もほとんどナシ!

土に「カルスNC-R」と米ぬか、野菜くずを入れてから毎日様子をみていましたが、最初のうちは不織布に時々コバエが1匹ついているのを見かけたくらい。5日目からは、コバエもまったく見なくなりました。

 

じつは今回の野菜くずに、腐らせてしまった玉ねぎが入っていたので、その臭いが強烈でコバエを呼んだのではないかと思っています。玉ねぎは腐敗臭がきつく、コンポストでも害虫を呼びやすいので入れない方が良いとされています。

 

玉ねぎが入っていなければ、ほぼ臭いも害虫も気にしなくて良さそうです。これなら我が家のようなベランダ栽培でも使えます。

 

リサイクル土の使い方

▲リサイクル土には元肥と殺虫剤を混ぜて

うしてできたリサイクル土は、土に植物たい肥が混じった状態です。植物を植え付けるには、元肥と殺虫剤を混ぜて使います。

 

元肥の量は、もともとの古土にどの程度の肥料分が入っているかで加減します。分からない場合は、やや控えめに入れましょう。これ以外は、動物性たい肥(牛ふんや馬ふん)、赤玉土などを好みでプラスします。

 

注意点として、殺虫剤は混ぜてもいいけれど、たとえば石灰などの殺菌効果のあるものは混ぜてはいけません。「カルスNC-R」は細菌を利用した資材なので、殺菌剤を使うと菌が死滅してしまうからです。「カルスNC-R」を使った土づくりは、植物に有用な菌も有害な菌もどちらも増やし、有用菌の働きにより有害な菌の悪作用を減らす土を目指します。

 

リサイクル土の実力は?

▲リサイクル土と培養土で植物の生長比較!

回つくったリサイクル土は、どのていどの実力があるのか? を調べるために、ちょっとした実験をします。リサイクル土と市販の培養土で同じ植物を育て、その違いを観察するのです。

 

リサイクル土に混ぜるもの

リサイクル土に元肥として「マグァンプK」を、殺虫剤には「ベニカXガード」を入れました。

 

使用した市販の培養土

今回使った培養土は、近所のスーパーで一番安く売っていたもの。商品の裏書きによると、元肥なしのようです。リサイクル土と同じ量の「マグァンプK」と「ベニカXガード」を入れました。見た感じ、もみ殻がたくさん入っている土です。

 

培養土とリサイクル土の栽培比較

▲ニチニチソウの生長の差は?

が市販の培養土、左が「カルスNC-R」でつくったリサイクル土です。どちらもほぼ同じサイズの鉢にニチニチソウを1株ずつ植えました。

 

1週間後のニチニチソウ

▲右が培養土、左がリサイクル土

 

植え付けから1週間後。右が培養土、左がリサイクル土です。植え付け直後から培養土の方の花つきが悪くなり、意外とリサイクル土の方が花数が増えています。

 

半月(2週間)後のニチニチソウ

▲右が培養土、左がリサイクル土

 

さらに1週間後。植え替えから半月後の様子です。右が培養土、左がリサイクル土です。明らかに差が出ましたね。

 

培養土は葉が増え、花もしっかり咲いています。それに比べてリサイクル土の方は葉がひどく貧弱です。培養土で最初に花数が減ったのは、まず葉や茎を育てる方に養分を回したからでしょう。

 

リサイクル土の方は「葉肥え」つまりチッソ(N)が足りていませんね。「根肥え」つまりカリ(K)も足りないかも知れません。花をつけるリン酸(P)は足りているようですが、ここ1年ほどリン酸が多く含まれている肥料「バットグアノ」を使っているせいかも知れません。

 

今回は、残渣を入れる量が分からずとりあえず牛乳パック半分を入れたんですが、少なかったようです。残渣の量を増やし、さらに動物性たい肥も入れて、最低でも培養土相当までもっていきたいですね。

 

いろいろ試して、またリポートします。皆さんもリサイクル土のベストな配合を見つけてくださいね!

 

「カルスNC-R」やリサイクル土の保管期間など


カルスNC-R 1kg

ルスNC-Rは、未開封なら約2年もちますが、開封後は6カ月を目安に使い切ります。保管場所は冷暗所に。直射日光の当たらない場所なら大丈夫です。

 

リサイクル土を長期保存することはできません。土を使いたい1~3週間前に、その都度土づくりをするのが良いそうです。

 

「カルスNC-R」には1kg入りと10kg入りの商品があります。10kg入りには粉状とより使いやすい粒状がありますが、1kg入りには粉状しかありません。

 

粉状は風に舞いやすいという欠点がある反面、発酵し始めるのが早いというメリットがあります。

 

メーカーの公式サイト

サイトには商品のFAQ、全国の販売店リスト、LINEやメールでの問い合わせ先などがあります。

 

まとめ

今回は、使い勝手の良い古土のリサイクル資材「カルスNC-R」を紹介しました。

 

この商品の優れたところは、とにかく使い勝手の良いこと! 古土リサイクルで煩わしいふるい作業も殺菌作業もいらない。雑草や台所から出た生ごみを利用できる。さらに嫌な臭いや害虫を呼ぶことがほとんどない。そしてなんと、最短1週間から次の植物が植えられる! すごいです!

 

畑に「カルスNC-R」と米ぬか、雑草をすきこんでリサイクル土をつくってもいいし、今回わたしがやったようにプランターでリサイクル土をつくるのも手軽です。嫌な臭いや害虫が寄ってくることがほぼないので、ベランダに置いておくこともできます。

 

台所の生ごみ軽減にも一役買ってくれ、古土リサイクルが楽しくなること請け合いです!

 

▼「土と肥料・薬剤・園芸資材について」の記事一覧はこちらからどうぞ

 

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