重曹スプレー(重曹オイルスプレー)は、ウドンコ病対策だけでなく、アブラムシやハダニにも効果があるといわれています。しかし本当にハダニに効くのでしょうか。また、真夏の高温時に薬害は出ないのでしょうか。
今回は最高気温33℃の環境で薬害実験を行い、実際に発生したハダニへの効果も観察してみました。
重曹スプレーはハダニに効く?33℃で薬害実験してみた
▲ウドンコ病治療と害虫駆除に効果がある重曹オイルスプレー
ウドンコ病治療だけでなく、害虫駆除にも効果がある手作り資材「重曹オイルスプレー」。上手に使えば、かなりさまざまに使える資材ですが、油を使っている関係で、暑い時期に薬害が出ないかが気になります。
また、以前の実験でアブラムシ駆除に効果があることは証明されましたが、ハダニでの実験がされていないので、その検証もしてみたい。
今回は、この2点について実験および観察した結果をまとめました。
実験の目的1|ハダニに効果があれば、農薬の補助として期待できる!
当サイトで紹介している重曹オイルスプレーは、海外の無農薬ガーデンで広く使われている「コーネル処方」と呼ばれるものと成分はほぼ同じです。
「コーネル処方」は、ウドンコ病予防・治療・アブラムシ・ハダニ・コナジラミ駆除に効果があるといわれています。このなかで、とくに注目したいのがハダニ駆除です。もし本当に効果があるなら、かなり助かるのでこれを検証したい。
なぜなら、ハダニは薬剤耐性のつきやすい虫で、市販の化学農薬はハダニに対して年間1回しか使えないものがほとんどです。多くても2回まで。
もし手持ちの化学農薬で駆除できたとしても、その後またハダニが復活してきたら、その年はもう詰んでしまうことが多いという、やっかいな害虫なのです。
でも、重曹オイルスプレーでハダニ駆除できるなら話は別です。
重曹オイルスプレーは化学農薬ではないので、ハダニに耐性がつくおそれが低く、繰り返し何度も使える資材です。
化学農薬を1回使った後にまたハダニが復活してきても、今度は重曹オイルスプレーで駆除すればいい。もしも重曹オイルスプレーの駆除効果が高ければ、化学農薬に頼らずに駆除できる可能性もあります。
実験の目的2|夏の暑い時期に薬害は出る?
▲ウドンコ病の若葉に散布後、数日経過した様子
ウドンコ病治療だけに重曹オイルスプレーを使うなら暑い時期の薬害実験はいりません。なぜなら、ウドンコ病は春~初夏に出る病気で、気温が30度を超えるような暑い時期にはほぼ発生しないからです。
でもハダニ駆除に使おうと思えば、暑い時期に薬害が出ないか確認するのは必須です。
もし暑い時期にも薬害が出なければ、今まで気温を気にして使っていた重曹オイルスプレーが、もっと気楽に使えるようになります。
実験1、重曹スプレーで薬害は出る?
実験条件
我が家のバラに、まだ目立ったハダニ被害がなかったので、とりあえず薬害実験から開始。
実験条件を表にまとめました。
| 散布日 | 2026/6/1 |
| 天気 | 快晴 |
| 気温 | 33度 |
| 使用濃度 | 新・重曹オイルスプレー害虫駆除濃度(*基本の2倍の濃さ) |
| 散布した品種1 | リラ(葉の厚い品種) |
| 散布した品種2 | アジュール(葉の薄い品種) |
*水1Lに対し、原液小さじ2(10ml)で希釈。(基本濃度は水1Lに対し、原液5ml)。
散布当日(0日目)
散布当日(2026年6月1日)は、雲ひとつない快晴。最高気温は33度。
実験散布するバラは2品種。
リラ(葉の厚い品種)とアジュール(葉の薄い品種)。
それぞれに重曹オイルスプレー害虫駆除濃度を散布した枝と、比較対象として水散布した枝の2枝を観察します。
【葉の厚い品種(リラ)の様子】
| 重曹オイルスプレーを散布した枝 | 水を散布した枝 |
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この写真は、実験当日の早朝7時30分。散布した直後の様子です。
株の左側に重曹オイルスプレー害虫駆除濃度を、右側に水を散布しました。
リラはかなりしっかりした厚い葉の品種です。
【葉の薄い品種(アジュール)の様子】
| 重曹オイルスプレーを散布した枝 | 水を散布した枝 |
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葉の薄い品種代表として、アジュールにも散布しました。
株の左側に重曹オイルスプレー害虫駆除濃度を、右側に水を散布しました。
我が家は午前中のみ直射日光が当たるので、散布後3時間ちょっと直射日光にさらされました。
散布当日│10時間後
それぞれ重曹オイルスプレー害虫駆除濃度と水を散布し、1時間後、3時間後と観察し写真を撮りましたが、どの枝も大きな変化はみられませんでした。
ここからは、散布後10時間たった様子です。
【葉の厚い品種(リラ)の様子】
| 重曹オイルスプレーを散布した枝 | 水を散布した枝 |
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リラの重曹オイルスプレーを散布した枝も、水を散布した枝も変化は見られませんでした。
重曹オイルスプレーを散布した側の内側に黄色くなった葉が1枚ありますが、ここは散布液があまりかかってない場所なので、関係ないと判断しました。
【葉の薄い品種(アジュール)の様子】
| 重曹オイルスプレーを散布した枝 | 水を散布した枝 |
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アジュールの重曹オイルスプレーを散布した枝も、水を散布した枝も変化はありませんでした。
若葉がゆるく内側にカーブしていますが、どうやらこれは品種特性のようです。水散布側も同じようになっています。
1日後(24時間後)
翌朝(6月2日)の7時30分。散布からちょうど24時間たったところの様子です。
この日の午前中は晴れていたので、しっかり3時間半、直射日光に当たりました。ただし気温はやや低く、おそらく30度いかないくらいだと思います。
【葉の厚い品種(リラ)の様子】
| 重曹オイルスプレーを散布した枝 | 水を散布した枝 |
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リラの重曹オイルスプレーを散布した枝も、水を散布した枝も変化は見られませんでした。
リラには薬害が出る気配がありません。安心してみていられます。
【葉の薄い品種(アジュール)の様子】
| 重曹オイルスプレーを散布した枝 | 水を散布した枝 |
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葉の薄いアジュールに重曹オイルスプレーを散布した枝には、もしかしたら薬害がでるかもしれないと心配していましたが、こちらも問題なさそうです。水を散布した枝はもちろん、変化なし。
2番花の蕾も膨らんできています。
2日後
散布から2日後の6月3日は台風の日でした。強い風雨のため撮影は断念。
バラも風にあおられていましたが、移動することなく、そのままにしました。
3日後
散布から3日後の6月4日の様子です。
この日は台風一過でピーカン照りになるかと思ったら、予想に反して明るい曇りの1日でした。
葉の厚い品種(リラ)の様子】
| 重曹オイルスプレーを散布した枝 | 水を散布した枝 |
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リラの重曹オイルスプレーを散布した枝、水を散布した枝、どちらにも変化はありません。
しいて言うなら、水を散布した方の古い葉が黄色くなってきましたが、これは水の方なので実験と関係ありません。
【葉の薄い品種(アジュール)の様子】
| 重曹オイルスプレーを散布した枝 | 水を散布した枝 |
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アジュールにも変化はありませんでした。
アジュールは葉が薄い品種のうえに若葉に散布しているのですが、それでも薬害が出ませんでした。重曹オイルスプレー散布+30度超えの直射日光と台風の強風を経てもキレイな葉を保っています。見た目よりタフですね。
薬害実験の結果
散布当日は最高気温33度で、すぐに直射日光に3時間以上当たりました。翌日も直射日光3時間ちょっと当たっています。それ以外に台風の強風に当たっていますが、どの枝にも薬害らしい変化は見られませんでした。
もちろん40度に迫る気温ではどうか分かりませんが、少なくとも30度ていどなら薬害は出なさそうです。
実験2|重曹スプレーはハダニに効果がある?
ハダニが発生した状況
じつは台風のあった日(6月3日)に、バラの様子を見にベランダに出たところ、雨粒がかかって白くなっている葉を発見しました。なぜ雨粒で白くなるのか?理由はクモの糸がかかっているから。
そうなんです。ハダニってじつはクモの仲間なので、被害が進むと糸がかかるんです。
それまでの数日の観察で、どうやら薬害は出なさそうだったので、さっそく葉裏から重曹オイルスプレーをかけました。
よく見ると、どの株にもポツポツ細かい白い点がついた葉が見つかったので、合わせてぜんぶの株の葉裏から重曹オイルスプレーをかけました。
散布翌日の様子
▲前日にハダニの糸がかかっていた葉。糸の残骸が確認できる
上の写真が、前日にハダニの糸がかかっていた葉です。
左上の葉に糸の残骸のようなものがありますね。葉全体に細かく色が抜けていて、葉裏からかなりハダニに吸汁されているのがわかります。
葉裏を観察してみた
では葉裏はどうなっているのでしょうか?
▲ハダニ被害に遭った葉裏。白い粉のようなものがたくさん
葉裏には、白い粉のようなものがたくさんついています。これ、ハダニが脱皮した抜け殻です。
さらに拡大。
▲赤丸の中が成虫。それ以外はほとんどいない
AIに確認してもらったところ、黒っぽい点はハダニのフンではないかとのこと。
そして、写真右下の赤丸の中にオレンジ色の点がありますが、これがハダニの成虫です。抜け殻の数やフンからして、かなり大きなコロニーだったのに、成虫の数が激減しているのがわかります。
油はハダニを気門封鎖して駆除する効果がありますが、葉裏に成虫の残骸がないということは、物理的にいなくなったということ。重曹オイルスプレーの効果だけでなく、台風の強風で吹き飛ばされた可能性もあります。
ハダニ実験の結果
大きなハダニコロニーが、重曹オイルスプレー+強風で消滅しました。
しかし台風の強風が影響した可能性もあり、重曹オイルスプレーの効果がどのていどか、はっきりしない結果となり少々残念です。
実験結果から分かったこと
今回の「夏の薬害検証」と「ハダニ駆除効果」の実験から、現時点で以下の結論に達しました。
①33℃・2倍濃度でも薬害は確認できなかった
最も懸念していた夏の薬害ですが、最高気温33度の快晴、かつ散布後3時間以上直射日光にさらされるという過酷な条件(さらにその後の台風)でも、リラ(葉厚)、アジュール(葉薄)ともに薬害は確認できませんでした。
基本の2倍である「害虫駆除濃度(水1Lに対して原液10ml)」でも、バラへの安全性が高いことが実証されたのは大きな収穫です。
②ハダニのコロニーは壊滅状態になった
重曹オイルスプレー散布翌日には、糸を張るほど発生していたハダニコロニーがほぼ消失していました。
③ただし台風の影響は否定できない
今回の実験では台風による強風と雨の影響も重なったため、重曹オイルスプレー単独の効果とは断定できません。しかし、少なくとも被害拡大は止まっており、有望な結果が得られたと言えそうです。
今後の課題と追加検証
夏でも「害虫駆除濃度」で使える心強さ
ウドンコ病だけでなく、夏のハダニ・アブラムシ対策として、気温をそこまで恐れずに使える資材であることが分かりました。
重曹オイルスプレーが、化学農薬の補助として、減農薬への一助になるとの確証が高められた結果となりました。
ハダニへの直接的な駆除効果を再検証したい
今回は台風というイレギュラーな要素が重なったため、純粋なスプレーの窒息効果を正確に測るには至りませんでしたが、ハダニコロニーは壊滅しました。
今後の再検証に期待したいです。
卵への効果を観察したい
ハダニはいくら成虫を駆除しても残った卵が数日後に孵化しますが、じつは油には卵の孵化を阻害する働きがあると言われています。
数日~1週間後に再びハダニが発生してこないか、継続して観察を続けていきます。
真夏の連続散布も必要かも
日本の夏は最高気温40度近くなりますが、さすがに40度の実験は、バラに過酷すぎるような気がします。35度ていどでの連続散布でどうなるかは、少し興味があります。
まとめ│十分とはいえないけれど、有意義な実験でした
今回、30度以上の環境で実験を行ったことで、重曹オイルスプレーの新たな可能性と、今後の課題が見えてきました。
厚い葉の品種にも、薄い葉の品種にも薬害が出なかったのは、大きな成果といえます。夏に使用できる可能性がかなり高くなりました。ただし、1日中直射日光が当たる環境や、夕日がガンガン当たる環境、連続使用では分かりません。
ハダニに対しては、おそらく効果があると思っています。海外の資料や市販のオーガニック農薬製品との比較から、個人的に使えると感じています。もちろん今回は、目に見えるデータとして得ることができませんでしたが。
今後も実験・観察を続けていきますが、今回の実験も比較的良い手ごたえを得ることができ、有意義だったと思います。
重曹オイルスプレーのつくり方・使い方はこちらで確認を
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バラの重曹スプレー完全ガイド|ウドンコ病・アブラムシ・ハダニに効く「重曹オイルスプレー」の作り方
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