仏花のイメージの強かったジニアに、小花をたくさん咲かせるタイプや背の低いタイプが増えて、今、ガーデン素材として見直されています。ジニアの種類と、ガーデンでの使い方実例を紹介します。

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百日草は仏前やお墓に供える花?

▲さまざまな花色が群れ咲く百日草

ニアはキク科ジニア属の植物です。今では「ジニア」と呼ばれることが多いのですが、長らく和名の「百日草」の名で親しまれてきました

 

日本の暑くて湿度の高い夏は、多くの植物が苦手です。そんな暑さを逆に喜ぶように、赤や黄色、オレンジなどの色鮮やかな花を咲かせるのが百日草です。花期がとても長く、5~6月から霜が降りるころまで咲き続けることから百日草と呼ばれます。花期だけでなく、1輪の花もちもとても良いのが特徴です。

 

夏によく咲き、花もちが良いことから、百日草はお盆の仏花として重宝されてきました。

 

そのため「百日草=仏さまにお供えする花」というイメージが強く、これまであまりガーデンに植えられることはありませんでした。たとえ植えられても、ガーデンを彩るための花というよりは、仏花に使うために育てているという意味合いの方が強かったのです。

 

昔ながらの百日草と、百日草のイメージのないジニア・リネアリス、さらに百日草とジニア・リネアリスを交配して作出されたジニア・プロフュージョン、3種類のジニアを紹介します。

 

ジニア・エレガンス(百日草)

▲赤に黄色の覆輪が入ったダリア咲きの「ジニア・エレガンス」

花に利用されてきた昔ながらの百日草は、学名で言えば「ジニア・エレガンス」(Zinnia elegans。花色はとても多く、赤、オレンジ、黄色、ピンク、白、赤紫など。覆輪タイプもあります。咲き方の種類も多く、丸弁のダリア咲き、球形に咲くポンポン咲き、花弁がよじれるカクタス咲きなどがあります。

 

春撒きの1年草

花期は5~10月

草丈は80cm~1m

 

種や苗からも育てやすく、花茎が長いことから切り花でも流通しています。



▲黄緑色の爽やかな花ジニア・エレガンス「エンビー」

黄緑色のジニアには、「エンビー」「ジャイアント・ライム」「クイーン・ライム」など、いくつかの品種があります。シックな色味で、イングリッシュ・ガーデンに取り入れやすい花材です。

 

ジニア・リネアリス(細葉百日草)

▲オレンジ色のジニア・リネアリス(細葉百日草)

ニア・リネアリスは和名を「細葉百日草」といいます。その名の通り、葉が細いのが特徴です。花色はオレンジ、黄色、白、ピンクです。ジニア・リネアリスは、ジニア・エレガンスほど背が高くならず、草丈30cmていど。こんもりとした茂みを作り、花径4~5cmの花を次々と咲かせる、ガーデンで使いやすい植物です。

 

春撒きの1年草

花期は6~10月

草丈は30cm

 

種からでも苗からでも育てられますが、真っ直ぐな太い根が生えていて、移植を嫌うところがあります。苗を植え替えるときには、なるべく土を崩さないよう、注意しながら植え替えします。日向を好みます。

 

乾燥や多少の多湿にも強いので、寄せ植えや、ハンギングバスケットにも使いやすい植物です。絶え間なく花を咲かせるので、追肥をするとよく咲きます。斑点病や黒点病にかかりにくい、育てやすい品種です。

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ジニア・プロフュージョン

▲白花の「ジニア・プロフュージョン」

ニア・プロフュージョンは「ジニア・エレガンス」と「ジニア・リネアリス」を交配して作られた品種です。リネアリスの斑点病や黒点病にかかりにくい育てやすいところと矮性なところ、エレガンスの豊富な花色を引き継いだ、庭や寄せ植えに使いやすい品種です。

 

リネアリスよりも大きな花径6cmほどの花を次々に咲かせます。花色は赤、白、黄色、オレンジ、ピンクと、カラフルです。

 

春撒きの1年草

花期は6~10月

草丈は30cm

通常は苗から育てます。水はけのよい日向を好みます。絶え間なく花を咲かせるので、追肥をするとよく咲きます。

 

真夏の直射日光にも強いので、日当たりの良い場所に植えると、次々と花を咲かせます。サイズが大きすぎないので、寄せ植えやハンギングバスケットにも使いやすい花材です。

 

ジニアのガーデニング実例

▲ハーブや淡いピンク色のバーベナと組み合わせた「ジニア・プロフュージョン」

 

さまざまな花色があるジニアですが、基本は1色のみを選んで植えます。印象の強い花なので、繊細な花やハーブと組み合わせると優しい雰囲気が演出できます。(8月初旬)

 

▲背の高いバラやフロックスの足元に咲かせた「ジニア・プロフュージョン」

 

ホワイトガーデンには、白花の「ジニア・プロフュージョン」を背の高い植物の足元に。銀灰色の葉ものと合わせて小径の脇に植えれば、夏の花壇も涼し気に見せてくれます。(8月初旬)

 

▲さまざまな色あいのジニア・プロフュージョンを木の根元に

 

花色の多さを生かして、木の根元に賑やかに寄せ植えした例です。とても明るくポップな印象ですね。可愛らしくていいのですが、シックに演出したいイングリッシュ・ガーデンには向きません。(8月中旬)

 

まとめ

夏に元気に咲くジニアを紹介しました。百日草の名で長らく親しまれてきた花ですが、お盆シーズンに長もちする花を咲かせることから仏前やお墓に供える花として定着していました。

 

そのためガーデンに取り入れる方は少なかったのですが、ジニア・リネアリス、さらにジニアプロフュージョンというガーデンで使いやすいジニアが登場してきたことから、再び人気になってきています。

 

もともと日本の厳しい夏によく耐えて次々と花を咲かせる、素晴らしい花です。上手にガーデンに取り入れて、夏も花咲く楽しいガーデンにしてくださいね^^

 

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