前回のウドンコ病編に続き今回は、納豆菌黒星病が改善できるかを実証実験してみました。黒星病のシーズン終わりまで更新するので、お楽しみに!


ORCA家は多湿で黒星病になりやすい環境!

▲素焼き鉢が苔で緑色に! 写真提供/ORCA

援レポーターのORCAさんの庭は、多湿でバラに黒星病がでやすい環境です。

 

たとえば上は去年そだレポしてもらったときの写真ですが、普通に育てている素焼き鉢がこんなに緑色に苔むすくらいだから、なかなかスゴイです!

 

▲黒星病に強いはずの「グリーンアイス」にしっかり発症 写真提供/ORCA

 

バラの家のスコアで「黒星病/強い」となっている「グリーンアイス」で、ここまで黒星病が出ています。ほかの黒星病に弱い品種は、もっとひどかったと聞きます。

 

──ということで、納豆菌が黒星病に有効かどうかのチャレンジ・レポをORCAさんにお願いしました。

 

3月下旬「えひめai-2」を培養→散布

ORCAORCA

応援レポーターのORCAです。我が家のあたりはかなり湿気が酷いらしくて、屋根のあるミニドッグランで育てていてもバラに黒星病が出てビックリです! 納豆菌が黒星病に効果があるかどうかを試すにはピッタリな環境ですね(笑)

「えひめai-2」を培養

▲「えひめai-2」をレシピどおりに 写真提供/ORCA

ず「えひめai-2」をレシピどおりに作ります。納豆1粒はスプーンでよく潰してあります。

 

▲シェーカーと湯たんぽを利用 写真提供/ORCA

 

ミキサー代わりにプロテインを溶かすためのシェーカーを使い、立つタイプの湯たんぽで温めながら培養することにします。金属製のぐるぐるしたのは、シェーカーに入れてかき混ぜるための道具です。

 

▲タオルで包んで培養中 写真提供/ORCA

 

500mℓのペットボトルに培養液を入れて緩くキャップをし、立てた湯たんぽと一緒にタオルで包んで培養します。

 

1週間培養して、ph3~4になれば培養成功です。ちなみに、つくった直後はph4.5くらいでした。

 

▲1週間後、培養液が完成 写真提供/ORCA

 

毎日、湯たんぽのお湯を交換しながら1週間たち、培養液が完成しました。phは3。香りは甘酒みたいな感じなので、培養成功です。培養失敗だと腐敗臭になるそうです。

 

培養液を散布

▲チャレンジ株は右側 写真提供/ORCA

豆菌チャレンジのエントリー品種は2つです。こちらは「ブルーグラビティ」。

 

片方はラリー乳剤などの薬剤散布をしながら育て、もう片方は「えひめai-2」散布だけで育ててその違いを確認します。

 

▲チャレンジ株は右側 写真提供/ORCA

 

もう1品種の挑戦株はミニバラの「モカ」です。挿し木の寄せ植えから育てたんですが、健気にここまで大きくなってくれました。

 

こちらも「ブルーグラビティ」同様に、片方はラリー乳剤などの薬剤散布をしながら育て、もう片方は「えひめai-2」散布だけで育ててその違いを確認します。

 

▲葉っぱがしっかり濡れるように散布 写真提供/ORCA

 

どちらも葉っぱがしっかり濡れるていどまで散布し、あまりは地表に撒きました。「えひめai-2」の培養液約1/3分を使いました。無くなるまでは葉っぱの散布を月一の予定です。

 

4月中旬/「ブルーグラビティ」に黒星病の兆候が!

ブルーグラビティ

▲右がチャレンジ株。まだ差はない 写真提供/ORCA

ルーグラビティ4月中旬の様子です。右側が「えひめai-2」散布のチャレンジ株。どちらも蕾が上がってきました。

 

「えひめai-2」の残りを全て葉っぱに散布して、あまりは地表にまきました。

 

▲どちらの株にも黒星病の兆候が! 写真提供/ORCA

 

どちらの株にもチラッと黄色くなった葉があります。葉先に黒い斑点があるので、完全に黒星病ですね。

 

薬剤散布株、「えひめai-2」散布株に違いはみられません。

 

モカ

▲どちらもまだ黒星病の兆候なし 写真提供/ORCA

カ4月中旬の様子です。右側が「えひめai-2」散布のチャレンジ株。どちらも蕾が上がってきました。

 

「えひめai-2」の残りを全て葉っぱに散布して、あまりは地表にまきました。モカはどちらの株にも、まだ黄色い葉っぱは見当たりません。

 

どうやら「えひめai-2」の上澄み液ではあまり納豆菌がいないという情報があったので、今後、納豆マシマシで培養液を作ります。

 

5月5日/納豆マシマシ培養液の散布

ラの病気抑制には、納豆マシマシで散布液を作った方が良いということで、4月下旬に納豆2種類それぞれ10粒、合計20粒を入れた「納豆マシマシえひめai-2」をつくりました。納豆菌にも種類があり、なるべくメーカーの違うものを混ぜた方が良いという情報があったので、2種類の納豆を混ぜています。

 

仕込んだ翌日に見てみると、ペットボトルがパンパンに膨張していて驚きました。慎重にゆっくりキャップを開けましたが、見事にプシューッと飛び出してしまい、1/5ほどがこぼれてしまいました。床が臭いです(==

 

納豆マシマシ恐るべき・・・。

 

1週間培養して、5/5に納豆液が完成しました。マシマシの納豆液は、香りは甘いのですが、かなりニオイがきついです。完成後のphは約3.5でした。

 

ブルーグラビティ

▲「ブルーグラビティ」の比較。右が納豆菌チャレンジ株 写真提供/ORCA

ルーグラビティは、右が納豆菌チャレンジ株、左が薬剤散布株です。生長はどちらも順調です。

 

全体がかなりしっとり濡れるまで「納豆マシマシスプレー」を散布しました。

 

▲どちらにも黒星病の症状。右が納豆菌チャレンジ株 写真提供/ORCA

 

右の納豆菌チャレンジ株にも、左の薬剤散布株にも、同じような感じで古い葉を中心に黒星病の症状が少し出ています。今のところ、有意義な差は見られません。

 

黄色くなった葉は、見つけ次第取り除いています。

 

モカ

▲「モカ」の比較。右が納豆菌チャレンジ株 写真提供/ORCA

が家のほかのバラたちには黒星病が蔓延していますが、なぜか「モカ」はどちらの株にもあまり兆候が見られません。

 

もともと挿し木の寄せ植え鉢だったとは思えない、キレイな花が開花してきました。株の状態は良好です。こちらも今のところ、有意義な差は見られません。

 

▲状態はどちらも良好。右が納豆菌チャレンジ株 写真提供/ORCA

 

黄変した葉はありませんが、よーく見ると、どちらにも黒い小さな点が見つけられます。これが広がらなければいいのですが──。

 

ほかのバラたち

▲ほかのバラたちは黒星病蔓延 写真提供/ORCA

の写真は左は「ラピスヴェール」右は「ブルーヘブン」です。春花はキレイに咲きましたが、どちらも黒星病がかなり蔓延しています。

 

それなり薬剤散布しているんだけど、まだ足りないのかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼バラの病虫害対策と農薬の記事はこちらからご覧ください

 

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