20XX年11月
ベランダで、バラと一緒にガーデンシクラメンとチューリップの球根を育て始めたYOUちゃん。あいびー先輩の好きなお店のタルトを買って、今日もあいびー先輩の家にやってきています。どうやら、訊きたいことがあるようですよ!
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水やりが分からなくなってきた?
どういうこと?
しかも最近あまりお天気が良くないでしょ?
それでも水やりしても大丈夫なのかなぁ~って・・・。
気にしすぎかしらー?
よく気がついたわね!
水やりって簡単なようで、じつはとっても奥が深いのよ!
今日は水やりについてお話するね。
つるバラへの水やりの基本は「土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと!」
水やりの基本は、「土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと!」です。毎日1回でもなければ、2日に1回でもありません。つまり、土が乾いているのか、まだ湿っているのか、土の様子を見ながら水やりのし方を調節しなければいけないのです。
春・夏は気温が高く土の水分が蒸発しやすいうえに、バラも生育期ですからどんどん水を吸い上げます。とうぜん、土の水分はどんどん失われますから、毎日の水やりは欠かせません。1日1回では足りずに、朝夕、水やりしなければいけないこともあります。
気温が下がってゆく秋には、水やりをじょじょに控えていきます。関東では12月~2月いっぱいまではバラの休眠期なので、この時期の水やりは5日~1週間に1回ていどで構いません。バラの芽が膨らみ始める3月から、また水やり回数を増やしていきます。
「12月までは2~3日に1回」っていうのは目安なのね。
でも、「土の表面が乾いたら~」って、分かりにくいわ。
どこを見て確認すればいいの?
なんて言うようだけど、
重いバラの鉢を持ち上げることなんてできないわよね。
まずは、土の色を見て黒っぽければまだ湿っていると思うわ。
表面を触ったり、1cmほど指をさして湿り気を確かめてみれば確実ね。
考えてみればお天気が続けば早く乾くし
陽当たりのいい場所なら、やっぱり早く乾くし
さらに鉢の大きさが小さければ、もっと早く乾くわよね。
いろんな条件でバラを育てている人がいるんだから
一律に「毎日水やりしましょう」とは言えないわけね!
沖縄に住んでいるのか、北海道に住んでいるのか、
さらにどんな土を使っているかでも違ってくるしね。
だから、バラが水を欲しがっているかどうか
土が乾いているかどうかをしっかり観察して、
自分のバラに合った水やりをするのが大事なの!
この間、ガーデンシクラメンとチューリップを植えたでしょ?
ガーデンシクラメンの土は鉢が小さいせいかすぐに乾いて白っぽくなるし、
チューリップの土はいつまでも黒っぽくて湿っているようなの。
だから、これ、水やりしてもいいのかなぁ~って思ったのよ。
ガーデンシクラメンは鉢が小さいのもあるけれど、今、花が咲いて生育しているわよね。
だから水をよく吸い上げているんだと思うの。
でもチューリップは今はまだ球根だけだから、あまり水が必要じゃないのね。
置き場所も日陰にあるのなら、よけいに土が乾かないわね。
両方を同じ水やりするのではなくて、
土の状態を見て、それぞれに水やりしてあげるといいわね!
でも先輩、植物って、水がないと枯れてしまうでしょ?
だから水やりが大切なのは分かるんだけど、
水やりし過ぎてもいけないものなの?
土が湿っていても構わず水やりしちゃダメ?
つるバラへの水やりのコツは「乾かしてはいけないときを外さないこと!」
日本人は几帳面なせいか、「朝起きたら水やり」というように定期的に水やりすることが多く、その結果、水やりしないでよりも、水やりしすぎて植物をダメにしてしまうことが多いようです。あまりに頻繁に水やりすると、根がいつも水に漬かっている状態になり、酸素不足を起こして根腐れしてしまいます。特にあまり水が必要ではない秋・冬に水やりしすぎると根腐れしたり、鉢土にたまった水が凍って植物の根を傷めてしまうこともあります。
つるバラに特に水が必要なのは、植えつけ時と芽や蕾が成長する4つのタイミング
▲株元から伸びてきたベーサル・シュートの芽
植物には、絶対に水を切らしてはいけないタイミングがあります。
1、植え付けしたときは、必ずたっぷりと水やりします。その後、根付くまでも、しばらくやや多いめに水やりします。
2、芽が膨らみ始めたら、水切れに注意します。この時期に水切れすると、芽が膨らむことができません。
3、蕾ができる少し前から花が咲き終るまでも、水切れに注意します。特に蕾ができる前に水切れすると、蕾が膨らむことができず、花が咲きません。
4、バラの場合、花が咲いた後にベイサル・シュートが伸びることがありますが、この時期に乾かしてしまうと、大切なベイサル・シュートの芽が伸びられずに枯れてしまうかもしれません。この時期の水切れにも要注意です!
つるバラに必ず水が必要な時期以外は、あまり神経質にならなくても平気!
芽や蕾が生長する時期に水やりをせずに乾かしてしまうのはいけませんが、それ以外の時期は、そんなに水やりに神経質にならなくても大丈夫です。
土の中にはバラが成長するために必要な肥料分が含まれています。あまり頻繁に水やりすると、この肥料分が早く流出してしまいます。また、いつも水分がある環境よりも、水分を探さなければいけない環境の方がよく根が育ちます。そういう意味では、枝先が少しお辞儀をするくらいになったら水やりする、という感じでも良いようです。
ガーデン・シクラメンにはたくさん蕾があるから、今乾かしちゃダメなのね。
チューリップは、芽が出始めるまではそんなに水やりしなくてもいいのね。
バラは、今はもう植え付けからしばらくたっているし寒くなってきているから、
そんなにたくさん水やりしなくてもいいのね!
水やりするときは、必ず鉢底から流れ出るまでたっぷりね!
つるバラに水やりするときは、たっぷりと株元にやること!
水やりするときは「鉢底から流れ出るまでたっぷりと!」というのは、水やりの鉄則です。これは夏でも冬でも変わりません。表面だけ少しの量を水やりしても、肝心の根まで水が届いていないことがあります。これでは水やりしたことになりませんので、ちゃんと根まで水が届けられたサインになる「鉢底から流れ出るまで」やることが大事なのです。
水分を与えることともう一つ、水やりには大切な役割があります。それは、新鮮な空気を根に届けることです。土の中にたまった古い空気を水で押し出して、新しい空気と入れ替えるためにも、水やりするときは「鉢底から流れ出るまでたっぷりと」やることが大切です。
葉や花の上からではなく、静かに株元にやる!
園芸初心者がやりがちな間違いに、葉や花の上からさぁっと軽くシャワー水をかけて水やりした気になってしまうことがあります。確かに、葉や花に水をかけると水滴がついて植物が気持ちよさそうに見えます。が、これでは水やりしたことにはなりません。植物は根から水分を吸い上げるので、根がある株元の土にしっかり水やりしなければ意味がないのです。
バラの場合、株元に水をやるときにも、あまりに勢いよくやりすぎて、泥はねがバラの葉についたりすると、それが原因で黒点病になる恐れがあります。株元に静かに水やりしましょう。
つるバラへの水やりは、寒い時期は気温が上がった昼にやる
水やりするのに適した時間帯もあります。寒い時期は、鉢の中に残った水が凍って根を傷めてしまわないように、気温が上がっている昼の間に水やりすると、少しでも被害を減らせます。
たかが水やり、されど水やりね!
本当に奥が深いわぁ!
でも、昼に水やりかぁ・・・。
仕事していると、ちょっと辛いわね。
でもね、バラってそんなに弱い植物じゃないから
多少、水やりしすぎても、多少、水やり忘れても
よっぽどのことじゃない限り枯れないから!
YOUちゃんがやりやすい方法で
しかもバラがちゃんと生長できる水やりのしかたを
試行錯誤しながら見つけていけばいいんだと思うのよ。
昼に水やりできなかったら、なるべく暖かい日の朝にやるとかね!
水やりの基本を抑えつつ、
土や植物の様子を見ながらやってみますね!
まとめ
水やりは、多すぎても少なすぎてもいけません。
季節や、バラの様子、土の湿り具合を確かめながら水やりしましょう。
基本は「鉢土が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと!」
バラが休眠期に入る12月までは、2~3日に1回を目安に
鉢土が乾いたらたっぷり水やりしましょう。
ガーデンシクラメンやチューリップの鉢も
鉢土の乾き具合を見ながら水やりしてくださいね!
第8回「冬に咲く花と、春に咲く球根を植えよう!」編<<<今回>>>第10回「剪定と誘引作業」につづく。
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