10月は、いよいよ秋バラが美しく咲く季節です。 9月に行った夏剪定や「リセット」の結果が見えてくるのも、この時期。 秋バラを楽しむための日当たりや水やり、肥料、病害虫対策など、10月の基本管理を紹介します。 秋ならではの美しい花を楽しみながら、冬に向けた準備も進めていきましょう。
10月は秋バラが美しく咲く気候
▲年間サイクルの中で、今はこの位置です(10月)
暑すぎず寒すぎず、人が過ごしやすい気候になる10月は、バラの開花に適した月です。
夏のバラが短期間にすぐ咲いたのに対して、涼しくなってから咲くバラは、じっくり蕾を育ててから咲くので花のサイズが大きく、花色も濃く、さらに香りも豊かになるといわれます。(香りについては、後で詳しく紹介します)。
まずは秋バラシーズンを、じっくり楽しみましょう。
10月は「9月のリセット」を経て、どう秋花が開花したか、その答え合わせの月でもあります。
涼しくなるにつれ、また病気や害虫が現れ始めます。なかには蕾に穴を開けてしまう大型イモムシもいます。病虫害対策も必要です。
今年最後のバラシーズンを健康に乗り切ると同時に、少しずつ冬の休眠に備える準備を始める月。それが10月です。
YOU10月といえば、秋バラのシーズンよね。
わたしのバラも蕾が膨らんできて、もう少しで咲きそうなの。
とても楽しみよ^^
あいびー秋バラは春より花数は少ないけれど、気温が低い分、花の充実度が高いので、より美しい花になりやすいの。
春はバラ咲く景色を楽しむもの、秋は充実した1輪を楽しむもの、わたしはそう思っているわ。
10月のバラの育て方│まずやること一覧
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10月のやることリスト ・9月のリセット後の開花時期や数を確認する ・秋の開花を楽しみながら、咲き終わったら花がらを摘む ・土の乾き具合を確認しながら水やりする ・株の状態に合わせて肥料を与える ・黒星病の再発や、大型イモムシによる蕾の食害に注意する |
10月のバラの状態│秋バラの開花シーズン到来!
▲9月のリセットを経て10月に開花したバラ
関東以西の暖地基準で、10月中旬~11月中旬にかけて、秋バラの開花に適した気候になります。
カタログ通りの美しい花が期待できる時期なので、開花したらその花姿をたっぷり楽しみましょう。楽しむのがこの月の一番の仕事になります。
二番目に大切なのは、9月のリセットまたは夏剪定の答え合わせです。
いつどう切り戻した結果、どの品種が何輪蕾を上げ、いつ開花したか。こういうデータはとても大切です。記憶まかせにせず、ゼヒどこかに記録して残しましょう。
以前にも紹介しましたが、これを機に「バラの栽培ノート」をつけるのも良いアイデアです。
この記事では、前半で9月のリセットの答え合わせを。
後半で、10月の基本管理についてまとめています。
バラの栽培ノートのススメはこちらです
バラと小さなガーデンづくり
「バラの栽培ノート」をつくろう!
【特集】9月のリセット、その後どうなった?
9月の記事でも書きましたが「9月のリセット」は、わたしの造語です。
どんな株にも夏剪定のような強い剪定が適するとは限らないので、その株ごとに秋花を見据えたリセットをしようというのが「9月のリセット」の考え方です。
「9月のリセット」について詳しくは、専門記事をご覧ください
バラと小さなガーデンづくり
バラの夏剪定をしないなら?9月のリセットで秋バラを楽しもう
それぞれにどんな9月のリセットを行い、その後どうなったかの答え合わせを、実際の我が家の株の写真を見ながら紹介します。
1、木立ち樹形のバラ│9月に軽く切り戻してから1カ月ちょっと
▲10月に5輪が開花
この株は、フロリバンダ系統(四季咲きの木立ち樹形)のバラ「アジュール」です。9月中旬に枝先を軽く切り戻す「9月のリセット」を行いました。
この品種は比較的早咲き(剪定から開花までやや短い)なので、10月初旬に2輪、中旬~下旬にかけて3輪が開花しました。
根頭癌腫病から回復したばかりで主幹2本しかない株なので、花数は少ないけれど、しっかり咲いてくれたと思います。
2、木立ち樹形のバラ│9月に開花してから浅く切り戻し
▲9月に開花した後、浅く切り戻した株
この株はフロリバンダ系統(四季咲きの木立ち樹形)のバラ「リラ」です。9月初旬にすでに蕾が8つ上がっていたのでそのまま咲かせ、その後浅く切り戻しています。
9月中旬に切り戻した後1カ月ちょっとが経過し、新芽がたくさん芽吹いています。よく見ると、枝先に小さな蕾があるので、11月に秋の2番花が楽しめそうです。
このバラも比較的、早咲き品種なので、回転よく咲いてくれそうです。
3、シュラブ樹形のバラ│切り戻しなしでだらだら長く開花
▲10月のレディエマハミルトン
この株はシュラブ系統(四季咲きのシュラブ樹形)のバラ「レディエマハミルトン」です。
我が家の環境では、切り戻しから開花までとても長くかかるのが分かっているので、9月に入ってから蕾摘みも切り戻しもしていません。(夏の間は蕾摘みをしていました)。
その結果、9月に2輪開花、10月に1輪開花(残念ながらイモムシに食べられましたが)し、もう1輪咲きそうです。残り2輪は11月の開花になりそう。
つまり9月~11月までだらだらと、少しずつ長く開花しそうです。
4、シュラブ樹形のバラ│切り戻しなしで10月に開花
▲10月にだいたいそろって開花
この株は、ミニタイプのシュラブ系統(四季咲きのシュラブ樹形)のバラ「レッドキャプテン」です。
夏の間は蕾を摘み、9月からは、いっさい蕾摘みも切り戻しもしていません。
10月20日の時点で、開花が3輪、蕾が3輪。この品種は花に香りがなく長持ちするので、上手くいけば6輪そろって咲いている状態が見られるかもしれません。
木立ちバラとシュラブバラ、秋花の違いは?
木立ちバラもシュラブバラも、四季咲きまたは繰り返し咲き品種なら秋花が楽しめます。でも、それぞれ咲き方に違いがあります。
木立ちバラは、切り戻した枝先に蕾がつく確率がとても高く、切り戻しから開花まで通常35~45日ていどです。
かなり規則性があるので、秋花をどう咲かせるか開花調整しやすいバラです。
一方シュラブバラは、切り戻した枝先に蕾がつく確率も、切り戻しから開花までの日数も品種によりバラバラです。なかには2カ月かかる品種もあります。しかも環境による差も大きい。
つまり、木立ちバラより規則性がないので、人為的な開花調整がしにくいバラです。
だから我が家では、シュラブバラは9月に切り戻し(=人為的な開花調整)をしないことが多いです。
10月の基本管理
1、置き場所|秋の花を楽しみながら、日当たりを確保する
もう暑さのダメージがない時期なので、しっかり日の当たる場所で管理します。
花数は日当たりと比例するので、よく日の当たる場所に置いた方が秋花の花数が多くなりやすいです。
2、水やり|夏より土が乾きにくくなる
気温が下がるにつれ、鉢土が乾きにくくなります。「1日1回水やりする」などと決めず、鉢土が乾いているかしっかり確認してから水やりします。
通水は1回で大丈夫ですが、鉢底から流れ出るまでたっぷり水やりしましょう。
3、肥料|秋の生長を支える追肥
前の固形肥料の肥料やりから1カ月たったら追肥を行います。
日向栽培なら規定量の8割程度を。半日陰栽培なら規定量の6割程度を与えます。
わたしがよく使っているIB肥料「グリーンそだちEX」なら、日向栽培で12粒、半日陰栽培なら9粒が目安になります。
この10月の肥料が、年内最後の肥料やりとなります。
弱っているバラには、肥料を与えません。
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追肥の目安 ・日向栽培 規定量の8割ていど ・半日陰栽培 規定量の6割ていど |
4、10月のバラの病気と害虫対策
▲黒星病の斑点が出たバラの葉
秋は、黒星病やウドンコ病がまた発生しやすい時期です。
10月~11月にかけてが、今年最後のバラの生長期になります。11月以降は自然に落葉するので、そこまで病気に神経質にならなくても大丈夫。
とはいえ、生長期の間に少しでも光合成して生長してほしいので、なるべく葉を減らさないように気を付けたいものです。
黒星病もウドンコ病も予防が大切です。
ベニカXガード粒剤やベニカBT殺菌粒剤などの定期散布で、予防しましょう。
黒星病とウドンコ病について詳しくは、それぞれの対策ページをご覧ください
バラと小さなガーデンづくり
バラの黒星病(黒点病)の予防と治療|枯れる?立て直し方とベト病との違い
バラと小さなガーデンづくり
バラのウドンコ病はなぜベランダで出やすい?原因と無農薬・減農薬対策
▲ガク割れしたところにオオタバコガの卵 写真提供/天女の舞子
10月でとくに気をつけたい害虫は大型イモムシです。春~夏に発生したホソオビアシブトクチバ、ヨトウムシ、ヨモギエダシャクに加えて、オオタバコガにも注意してください。
オオタバコガは蕾や新芽の先に1~数個ずつ卵を生みます。上の写真のように蕾がガク割れしたところに産み付けることも多いです。
もし見つけたら、手で払い落としましょう。
蕾の上で孵化すると、いきなり蕾を食害されてしまいます。
大型イモムシについては、この2記事を参考にしてください
バラと小さなガーデンづくり
バラの蕾が丸かじり!若葉が丸坊主!春〜夏に出る大型イモムシの特徴・探し方・駆除方法
バラと小さなガーデンづくり
秋バラの蕾に穴が!オオタバコガなど大型イモムシの見分け方・駆除方法
ガッツリタイプの10月管理
▲10月中旬にGFオルトラン粒剤を散布
病虫害をしっかり予防する「ガッツリタイプ」の方は、前回は9月中旬にGFオルトラン粒剤を散布しています。
1カ月後の10月中旬にも、同じGFオルトラン粒剤を散布します。これが今年最後の農薬散布となります。
どうしても発生してしまった害虫には、ベニカXネクストスプレーで対応しましょう。
観察タイプの10月管理
「観察タイプ」の方は、前回が今年最後の農薬散布だったので、10月の定期散布はありません。
毎日の観察をしっかりしながら、気になる害虫には、ベニカXネクストスプレーで対応しましょう。
もしも秋の病気が気になるなら、10月初旬に「ベニカBT殺菌粒剤」を撒くといいでしょう。この農薬はバラの病気耐性を上げてくれる効果があります。
しかも自然界にある天然の菌(BT菌)を利用した農薬なので、年間使用回数に制限がなく、使いやすい商品です。
ベニカBT殺菌粒剤についてくわしくは、こちらのページにあります
バラと小さなガーデンづくり
ベニカBT殺菌粒剤とは?|天然由来で病気を予防する使い方と効果
ガッツリタイプ、観察タイプ、それぞれのやり方・使う農薬の詳しい解説はこちらで確認してください
バラと小さなガーデンづくり
バラの農薬の使い方|初心者向けに2つの考え方(ガッツリ・観察)を解説
5、秋花が咲き終わったら
▲花から一番近い5枚葉の上1cmのところをカットする
秋花が咲き終わったら、花から一番近い5枚葉(品種によっては7枚葉)の上5mm~1cmのところでカットします。
品種やその年の気候、日当たりにもよりますが、次の花(秋の2番花または3番花)が咲くかも知れません。
もし次の花が咲かなかったとしても、1枚でも多く葉を残すことで、残り少ない年内の生長時期に光合成をして株を充実させるのに役立ちます。
YOU年内もう一度咲かせられるかも知れないの!?
それ、すごく得した気分になるわね。
あいびー木立ち樹形の早咲きタイプのバラなら、もしかしたら咲くかもね。
シュラブの場合は、難しいことが多いと思うわ。
でも品種や環境によりけりで、絶対にムリなわけでもないから、のんびり見守ってね。
秋バラは花一輪を愛でるもの
秋バラは花数が少ない
▲秋のバラ園
バラは春と秋にキレイな花が咲きますが、春と秋では少し様子が違います。
春は圧倒的な花数で、景色を文字通りバラ一色にしてしまうほどパワフルな咲き方をします。
一方、秋にも春と同じようなバラ一色の景色を期待すると、少し肩透かしをくらうかもしれません。
上の写真は秋のバラ園の様子です。同じ品種がまとめて植わっているので、それなりたくさんの花が咲いているように見えますが、1株あたり何輪咲いているか数えると、驚くほど少ないのが分かります。
プロが管理する日当たり抜群のバラ園でもこうです。一般家庭で同じ品種をこれだけまとめて植えることはまずないので、どうしても春に比べて貧弱な景色に見えがちです。
秋バラは1輪の完成度が高い
▲美しく咲く秋バラ
春バラは、花1輪が美しいのはもちろん、バラが群れ咲く景色がとにかく美しい。
それに対して秋バラは、景色は春に及ばないけれど、花一輪の完成度が高いと言われます。
とくに上の写真のような黒バラ(この品種は「パパメイアン」)は、春のように日差しの強い時期には日焼けしてしまうことも多いけれど、秋なら深い花色もビロードのような花びらの陰影も品種の特徴をしっかり楽しめます。
さらに香りも良く、花持ちも良いので、花一輪を楽しむなら秋の方が適しているといわれます。
じつは香りの強さは、春も秋も変わらない
▲バラの香りの研究家・蓬田勝之さん
バラの香りを研究する蓬田勝之(よもぎだ・かつゆき)さんの講演を聴いたことがあります。
その折に「秋バラは香りが強い」という俗説についての解説がありました。結論からいうと「春も秋も香り成分の含有量は同じ」ということでした。
では、なぜ秋バラの方が香りが強いと言われるのか? 理由は「日の出からの気温の上がり方が違うから」です。
バラの花は、日の出直後が一番香りが強く、時間がたつごとに香りが弱まっていきます。春はバラ園が開園する10時にはもうかなり気温が上がっており、香りも飛んでいることが多い。
それに対して秋は、日の出からの気温上昇が穏やかなので、10時でもかなり香りが残っていやすいので、秋の方が香りが強いと言われるのだろう、という考察でした。
蓬田勝之さんのバラの香り講演の様子はこちらからどうぞ
バラと小さなガーデンづくり
バラの香り成分や人への効果を科学的に分析する!蓬田勝之さんの研究
まとめ│秋バラのハイシーズンを楽しみ、9月のリセットの答え合わせをしよう
春の5月と並び、10月はバラが美しく咲きやすい気候になる月です。10月中旬~11月中旬はとくに秋バラのハイシーズンと呼ばれます。
夏の貧弱だった花に比べると、秋バラは花が大きく、花びらの枚数も多く、花色も濃く、とてもゴージャスにカタログ通りの花姿に咲いてくれます。
日の出から気温が上がりにくい秋特有の事情で、香りも存分に楽しめます。
また10月は、9月のリセットの答え合わせもできる月です。予想通りだった?それとも、意外な結果になりましたか?
今年最後の美しいバラたちを、たっぷり楽しみましょう。
この花を最後に、バラは冬の休眠期に向けた準備に入ります。10月は花を楽しむと同時に、冬への備えに少しずつ舵を切る、そんな季節です。
YOU夏の間、ずっと咲かせるのを我慢してきたから、とくに秋の開花は嬉しく感じるわ。
あいびー秋バラは品種によりたくさん咲く品種とあまり咲かない品種があるから、秋にどう咲くのかを秋のバラ園に出かけて咲き方チェックすると、次にお迎えするバラ選びの参考になりますよ。
中級者向けアドバイス|10月に差がつく管理
ここまでは初心者の方向けに分かりやすい説明をしていますが、ここから先は、中級者の方向けのアドバイスになります。
状況に合わせて、ゼヒ取り入れてみてください。
10月の肥料やりに、微粉ハイポネックスを使う
▲微粉ハイポネックスは、水に溶かして使う粉末状の肥料
微粉ハイポネックスは、粉末を水に溶かして使う肥料です。日本での発売は1962年。60年以上の歴史があるロングセラー商品です。
この肥料の大きな特徴は、カリウムの配合割合が高いことです。ほかに、これほどカリウムの配合割合が高い肥料は、なかなか見あたりません。
N(チッソ):6.5/葉や茎の生長に必要な成分
P(リン酸):6/花や実の生長に必要な成分
K(カリ):19/植物の生育を支え、株を丈夫にする成分
※数字は%で、100gあたりのグラム数です。
カリウムは、光合成や植物体内の物質代謝など、植物の正常な生育に欠かせない栄養素です。十分に吸収されることで、葉や茎を健全に育て、硬く締まった枝に充実させていくことにもつながります。
10月は、秋の開花を楽しみながら、冬の休眠に向けて株を整えていく時期です。
そこで年内最後の肥料やりをする10月は、いつもの固形肥料に代えて、カリウムを多く含む微粉ハイポネックスを使うのもおすすめの方法です。冬に向けた株づくりを意識した、10月ならではの肥料選びです。
育て方については、こちらのページが詳しいです
次の11月の育て方はこちらです
→準備中
毎月の育て方の全体は、こちらからどうぞ
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バラの月別の育て方|1月〜12月の管理と作業一覧
初心者のための全体目次はこちらです
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はじめてのバラ栽培|初心者向けガイド
「9月のリセット」について詳しくはこちらで確認してください
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