5月に迎えたばかりのひょろりとした新苗も、8月には驚くほど大きく育っています。 でも、見た目が大きくなったからといって、株が十分に充実したわけではありません。 8月は暑さから根を守り、できるだけ葉を残して、少しずつ枝を充実させていく時期です。 水やり・置き場所・肥料・蕾摘み・ベイサルシュート・鉢増しなど、8月の新苗の管理方法を紹介します。
8月の新苗は、もう「大きくする」より「充実させる」
▲年間サイクルの中で、今はこの位置です(8月)
8月は1年でもっとも暑さの厳しい時期です。人も夏バテしがちですが、バラも調子を崩しがちです。8月は、なるべく調子を崩さずに夏越しすることが大切です。
7月から始めた暑さ対策──半日陰に移動する、マルチングする、二重鉢などで根を守るなどは引き続き継続しましょう。
先月の鉢増しが効いて、新苗はぐっと大きく生長しているはずです。樹高だけをみれば大苗と変わらないくらい育っている株もあります。
これからは、大きく育てるよりも枝を充実させていく時期です。
夏は葉が黄色くなったり落葉したりしやすい時期ですが、なるべく多くの緑の葉を維持することで、ゆっくりじっくり充実させていきましょう。
YOUずっと調子よく育っていたのに、いきなり半分くらいの葉が黄色くなってしまったの!どうしよう~~?枯れちゃう?
あいびーYOUちゃん落ち着いて。わたしの見立てだと、それは水切れだと思うわ。心当たりない?
でも大丈夫よ。葉が減ったくらいでバラは枯れないから。この後の記事をしっかり読んで対策してね。
8月の新苗の育て方│やること一覧
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8月のやることリスト ・暑さから根を守る ・葉をできるだけ維持する ・夏の間は蕾を摘む ・ハダニ・コガネムシなどに注意する ・新しいベイサルシュートは株の状態を見て育てる ・8号鉢が窮屈になった株だけ、鉢増しを検討する |
8月の新苗の状態|大苗と変わらないほど大きく育つ株も
▲この1カ月でぐっと伸びて樹高75cmに
7月初旬に6号鉢→8号鉢に鉢増しをして、株はまた一段と大きくなりました。新苗をお迎えしたばかりのひょろりとした枝1本だけの姿から、4カ月でかなり大きく育っています。
上の写真のように、半日陰栽培の我が家の新苗でベイサルシュート2本、樹高75cmに達しています。もっと日当たりのよい環境だと、大苗と変わらないほどガッシリ育っている株もあるはずです。
ただし、「大苗と同じくらいの大きさになった=大苗と同じ充実度」ではありません。
8月の新苗の枝は、新しく出たばかりの若いベイサルシュートです。十分に充実した成株とはいえません。
これからしっかり充実させていく必要がある株です。
YOU根域を広げればもっと大きく育つんでしょ?だったら、10号鉢にした方がいいよね・・・。
あいびー真夏の暑い時期の植え替えはバラにとってダメージになりかねないからオススメしないわ。1日1回の水やりで大丈夫なら、ムリして10号鉢にする必要ないと思うわよ。
8号鉢のままでOK? 10号鉢へ鉢増しする?
新苗の育て方で、夏の終わりに、8号鉢→10号鉢へ鉢増しする方法を教える先生もいます。
たしかに10号鉢に鉢増しすることで、さらに根域を広げ、もっと大きく育てることができます。
でも、真夏の鉢増しを初心者さんが行うのは、少々危険です。ムリしてやる必要はありません。
次のような条件がある場合に限り、10号鉢への鉢増しを検討してください。
・株がよほど大きくなりすぎて、8号鉢では水切れが極端に早くなっている
・手早く鉢増し作業ができる技術がある
・暑さがやわらぐ日が数日続く
繰り返しになりますが、上の写真ていどの生長具合なら、暑さ厳しい時期に鉢増しする必要はありません。バラにも人にもダメージになりかねません。
株の育ち方は、日照、品種、どんな培養土か、適切な水やり肥料やりができているか、病気の有無、害虫被害など、さまざまな要因で変わります。
それぞれの環境で、しっかり育っていれば8号鉢のままで大丈夫です。
8月の新苗の基本管理
置き場所|暑さを避けながら光合成できる場所へ
すっかり大きく育ったように見える新苗の株ですが、多くは6月ごろに発生した若い枝です。今後は枝を充実させる時期になります。
暑さ厳しい真夏は、少しでもバラへの負担を減らすために、日陰になる場所に鉢を移動すると夏越ししやすくなります。
しかし新苗は、少しずつでもエネルギーを蓄え、枝を充実させていきたい株です。ほとんど日の差さない家の北側ではなく、午前中は日差しがありながら午後から日陰になるような家の東側などの半日陰に優先的に置いてください。
暑さを避けながらも光合成ができる場所を探しましょう。
どうしても適当な半日陰がないのなら、日向栽培を続けます。
日向栽培では、鉢の側面からの日射を遮るために二重鉢や、遮光シートを巻くなどの暑さ対策をしてください。
夏の暑さ対策は、こちらの専門記事に詳しく書いてあります
バラと小さなガーデンづくり
バラの暑さ対策|根を守って夏をラクに乗り切る工夫とアイデア集
マルチング|根を暑さと乾燥から守る
▲鉢土保護と同時にコガネムシ対策としてもマルチングを
鉢土が熱くなりすぎるのを防ぎ、乾燥しすぎないようにするためのマルチングは、7月に引き続き有効です。
さらに、8月はコガネムシの産卵時期です。
なるべく産卵されないようにマルチング材を厚く敷いたり、コガネムシが土に到達できないような工夫をしましょう。
マルチングについて詳しくはこちらの記事で確認してください
バラと小さなガーデンづくり
バラのマルチング|夏の暑さ・乾燥対策におすすめ!資材の選び方と使い方
水やり|土の乾き具合を見て、真夏の方法で
日向栽培か、半日陰栽培かで水やり頻度はずいぶん変わります。
8号鉢になったからと油断せず、土の乾き具合をみて、しっかり水やりしましょう。
バラは一度の水切れで、大量の葉を落としてしまうことがあります。真夏に限っては、水切れするくらいなら多く水やりする方がいいくらいです。
基本は早朝に水やりし、それでも土が乾いてしまうなら、夕方にもう一度水やりを。
水やりのしかたは、「たっぷり2度通水」ワンセットで行う夏仕様の方法でやります。
夏仕様の水やり方法は、専門記事でチェックして
バラと小さなガーデンづくり
真夏のバラの水やり完全ガイド|失敗しないコツと環境に合わせた判断方法
肥料・活力剤|株を充実させるための管理
7月初旬に鉢増しをした際に、固形肥料を与えています。多くの固形肥料は効き目が1カ月です。わたしがよく使っている「グリーンそだちEX」というIB肥料も効き目は1カ月持続します。
なので、8月初旬には効果が切れてしまうので追肥をします。
しかし夏場はバラがどんどん生長するというよりは、生長が鈍くなる時期です。暑さ対策のために、あえて半日陰に置くことも多く、そうすると光合成量も日向のときより少なくなります。
いろいろな要因から、真夏は規定量より少なく与える方が無難です。
とくに固形肥料の場合、8月は、規定量の半分を目安に肥料やりするといいと思います。
グリーンそだちEXなら8号鉢の規定量15個のところ、半量の7個を置きます。
また、夏場は液体肥料を使うのも良い方法です。固形肥料、とくに有機質の固形肥料は、環境によっては根傷みを起こすおそれがあるので、根傷みの心配が少ない液体肥料を使うのです。
液体肥料は規定濃度で1週間に1回、もしくは規定濃度の半分の薄さにつくって1週間に2回、水やりの水として与えます。
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8月の肥料やり ・固形肥料なら規定量の半分を与える ・液体肥料は規定濃度で週1回、または半分の薄さで週2回与える |
真夏の肥料やりは、多く与えすぎないように注意しましょう。
夏の肥料やりについて、くわしく知りたい方はこちらの専門記事で確認を
バラと小さなガーデンづくり
真夏のバラに肥料は必要?やる・やらないの判断基準とおすすめ肥料
▲真夏は活力剤を積極的に利用したい
真夏は、活力剤を積極的に利用したい時期です。
リキダスは根張りをよくする活力剤。
ストレスブロックは腐植酸資材で、環境から受けるストレスを軽減する活力剤です。
真夏はストレスブロックなどの腐植酸資材がとくに適しています。暑さや水切れのストレスを穏やかにする効果があります。
【ポイント2倍】花ごころ 高濃度フルボ酸活力液 アタックT-1 600ml 活力液 有機 肥料 液肥 活力液 活力剤 多機能性活力液 フルボ酸 フミン酸 土壌改良 多機能 野菜 ばら 草花 ハーブ 観葉植物 果樹 花木 球根 種まき 有機由来原料100 葉面散布 通気性 ゾンビ肥料 |
ハイポネックスの「バラのストレスブロック」のほかに花ごころの「フルボ酸アタックT-1」も腐植酸資材です。
週1回、規定の濃度で与えてください。
YOUわたしのバラは水切れで葉を落としてしまったから、しっかり肥料やりして元気になってもらわないとね!
あいびーストーップ!調子を崩している株に肥料やりはダメよ。
しばらく活力剤をやりながら様子をみて、新しい葉が育ってきたら、薄い液体肥料から始めましょう。
固形肥料をやるのは、葉が増えてからね。
病気・害虫|とくにハダニとコガネムシの産卵に注意
▲幅広い害虫駆除に効果のあるベニカXネクストスプレー
先月、7月初旬に鉢増しをしたときに、ベニカXガード粒剤を撒いています。薬効は1カ月なので、8月初旬に効果が切れてきます。
しかし、真夏は害虫の活動があまりない時期なので、8月は害虫をみかけたらハンドスプレー農薬をスポット的に使用して駆除します。
上の写真のようなベニカXネクストスプレー、またはベニカグリーンVスプレーがオススメです。
住友化学園芸 ベニカXネクストスプレー(1000ml) |
べニカグリーンV スプレー(1L)【ベニカ】 |
先月に引き続き、8月はハダニが発生しやすい時期です。ベランダや軒下などの雨のかからない場所では、とくに注意してください。たとえ軒下でなくても、晴天が続けばハダニは発生します。
ハダニは、水やりついでに葉裏にシャワーをかけることで予防できます。ハダニを見つけたら、葉裏洗いで駆除しましょう。
ハダニの予防や葉裏洗いのやり方は、専門記事をご覧ください
バラと小さなガーデンづくり
【バラのハダニ対策】ミニバラが狙われる理由とベランダで実践できる予防・駆除法
▲お盆を過ぎたらときどき中耕を
夏はコガネムシの産卵時期です。
鉢土に産卵されると、孵化した幼虫が一斉に根を食べてバラを弱らせてしまいます。
9月に入ってから駆除農薬を撒きますが、それまでに少しでも産卵されないようにマルチングなどで予防に努めましょう。
8月中旬を過ぎたら、ときどき鉢土を浅く耕すのもオススメです。これを中耕といいます。上の写真ではミニ熊手を使っていますが、割り箸で耕すのでもOKです。
コガネムシの幼虫が浅いところにいれば、中耕で見つけられることがあります。見つけたら、しっかり捕殺します。
具体的な捕殺のしかたはこちらの記事で確認してください
バラと小さなガーデンづくり
バラの害虫を「捕殺」する、具体的な4つの方法
夏の間は蕾を摘み続ける
▲葉をつけず蕾だけを摘む
夏のバラは、厳しい暑さに耐えながら凌いでいます。どんどん生長する時期ではありません。
この時期の蕾は、見つけ次第指先で摘んで(ソフトピンチして)、株の体力を消耗しないように努めます。
まだ若い新苗の場合は株づくりの途中です。夏の間も少しずつでもいいので栄養をつくり、株を充実させたい時期です。
そのため、1枚でも多く葉を残し、光合成に役立ててもらうのが大切です。
蕾をピンチするときも、なるべく葉をつけず、蕾だけを摘み取りましょう。
8月のベイサルシュート|出たら株の状態を見て育てよう
▲お盆過ぎに発生した新苗のベイサルシュート
6~7月の梅雨時期を中心に発生するベイサルシュートですが、お盆すぎからまた発生することがあります。
上の写真は、我が家の新苗にお盆過ぎに発生したベイサルシュートの芽です。
この株は6月に2本のベイサルシュートが出ましたが、もう1本くらい欲しいと思っていたので、この枝を育てようと思っています。
しかしもう十分な本数のベイサルシュートがあるなら、この時期のベイサルシュートを育てる必要はありません。
遅く発生したベイサルシュートは生長できる期間が短いので、6~7月の枝ほど良い枝になりにくいからです。付け根から取り除いて構いません。
ベイサルシュートは「出たら全部育てる」のではなく、「今の株に必要かどうか」で判断します。
8月は葉をできるだけ残そう|光合成で株を充実させる
黄色くなった葉はどうする?
▲一斉に黄色くなったバラの葉
夏は葉の異変が起きやすい時期です。株元に近い葉が数枚黄色くなるていどなら、まったく問題ありません。暑さによる生理的な落葉です。
でも、たとえば上の写真のように一斉に黄色くなったら、驚いてしまいますよね。多くの場合、これは水切れのサインです。
ここまで黄色くなった葉は、翌日にはパラパラと落葉し始めます。光合成能力のない葉を、バラ自身が切り捨ててしまうのです。
大切な葉が減ってしまいますが、場所移動したり、水やり頻度を上げたりして、次から水切れを繰り返さないように対応しましょう。
ハダニでも同じように葉が黄色くなって落ちます。
まずは、葉の異変の原因を探り、それに応じた対策をしましょう。
しかしバラは、木や根が健康なら、葉が減っても大丈夫なことが多いです。もちろん減らさないに越したことはありませんが、たとえ上の写真のような状態になっても、新しい葉が芽吹くので問題ありません。
葉の異変については、次の2記事で原因を探ることができます。役立ててください
バラと小さなガーデンづくり
夏に起こるバラのトラブル!高温障害の葉の症状と対処方法
バラと小さなガーデンづくり
【葉の状態から調べる】夏にバラの葉が黄色くなって枯れる、原因と対処法15選!
YOUそうそう。わたしのバラもこんなふうに、一斉に黄色くなって落ちてきたの!
すごい驚いちゃったわ。
あいびーこれは典型的な水切れサインね。こうなる2日ほど前に水切れさせたんだと思う。
同じ失敗を繰り返さないように注意してね。
これだけでバラが枯れることはないけど、弱っているのは確か。だから弱った株への対応をしてね。
元気な葉を減らさない
▲緑の葉が茂る8月の新苗
真夏に美しい緑の葉が茂っているバラは、ロザリアンの勲章のように称えられることがあります。
なぜなら、病気や害虫の多い梅雨を健康に過ごし、葉の異変が出やすい夏もしっかり管理できている証拠だからです。
とくに新苗の場合、暑い夏も少しずつでも株の充実をはかりたいもの。しっかり養分をつくりだすためにも、1枚でも多く健康な葉を残すことが大切です。
葉は、光合成して養分を作り出すソーラーパネルのようなものです。なるべく多くのソーラーパネルを維持しましょう。
まとめ|8月は新苗を大きくするより、葉と根を守って充実させよう
5月の購入したばかりの新苗を覚えていますか? 本当に頼りない小さな株だったはずです。
それから4カ月で、新苗は驚くほど大きく生長しました。
でも、大きさはあるけれど、中身はまだまだ。これからは、じっくり充実させていく時期です。
そのために8月は、暑さから根を守ること、そして1枚でも多くの緑の葉を残すように努めましょう。
この先9月に夏剪定をして、10月には待望の開花です。残り2カ月。楽しんで手入れを続けましょう。
次の新苗の9月の育て方はこちらです
→準備中
真夏の暑さ対策の全体を知りたい方はこちらが詳しいです
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バラの暑さ対策|根を守って夏をラクに乗り切る工夫とアイデア集
暑さ対策に絞ったマルチングの選び方や使い方はこちらで確認を
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バラのマルチング|夏の暑さ・乾燥対策におすすめ!資材の選び方と使い方
真夏の水やりのしかたはこちらから確認してください
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真夏のバラの水やり完全ガイド|失敗しないコツと環境に合わせた判断方法
毎月の新苗の育て方の全体は、こちらからどうぞ
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バラの新苗の育て方|春から秋まで6カ月の育成ガイド
初心者のための全体目次はこちらです
バラと小さなガーデンづくり
はじめてのバラ栽培|初心者向けガイド
バラの育て方の総合案内ページはこちらです
バラと小さなガーデンづくり
バラの育て方/12カ月の育て方・季節ごと・一年を通して














