花径8cmの丸弁八重咲きのバラ「ボニカ’82」。くせのないだれにも好かれるこのバラは、じつはとても優秀なバラなんです。なんとADR賞、AARS賞を受賞し、バラの殿堂入りすらはたしているのですから! 病気に強く初心者でも育てやすいバラ、「ボニカ’82」を紹介します。
ボニカ’82
Bonica’82
DATA
バラの系統 | シュラブ【S】 |
開花のしかた |
返り咲き~四季咲き |
花径 |
8cm |
花形 | 丸弁の八重咲き |
香り | 微香 |
樹形 |
半横張りのシュラブ樹形 |
作出情報 | 1981年 フランス/メイアン |
備考 |
耐病性、耐寒性にすぐれ、じょうぶで育てやすい。 1982年 ADR受賞 1987年 AARS受賞 2003年 第13回 世界バラ会議 イギリス グラスゴー大会で殿堂入り |
「ボニカ’82」は、ADR賞、AARS賞、さらに殿堂入りまでした超名花!
花径8cmの、そう特徴のないピンク色の八重咲き品種。一見、ありふれたバラに見える「ボニカ’82」は、1982年に世界一厳しいバラのコンテストとして有名なドイツのADR賞、1987年に広いアメリカ国土のさまざまな場所で試験栽培されるAARS賞、ついには2003年にイギリス グラスゴーで開催された世界バラ会議でバラの栄誉「殿堂入り」まで果たしたバラの超名花です。
この親しみやすい素朴な表情のボニカ’82の、どこがそんなに優れているのか、大きなポイントを2つ紹介します。
ポイントその1、修景バラとして利用されるほど耐病性が高く、耐寒性にも優れる
ボニカ’82の素晴らしいところは、なによりその耐病性の高さにあります。バラの2大疾病、うどんこ病にも黒点病にも強く、しかも樹勢も強いので初心者でもほぼ失敗なく育てられます。そのため海外では街路樹や公園の植栽などに利用されています。日本でも景色を彩るバラ──つまり修景バラとして販売されていることが多い品種です。
さらに耐寒性も高いので、寒冷地でバラを栽培する方にも適するバラです。
ポイントその2、素晴らしい多花性!しかもよく返り咲く。さらに実まで楽しめる!
枝先に10輪以上の大きな房咲きに花を咲かせます。そのため、とても花数が多く、春の満開時には株いっぱいに咲いて見事です。春以降もよく返り咲き、紹介する本やサイトによっては「四季咲き」と書かれていることもよくあります。
八重咲き品種はあまり実を結ばないことが多いのですが、ボニカ’82はよく実をつけます。春の花が終わっても切り戻しせずに放置しておけば、秋には赤いヒップ(バラの実)を楽しむことができます。もちろん、秋に実を楽しもうとすれば、夏や秋の花はあきらめなければいけません。年に何度も花を楽しみたいなら、花が終わったら切り戻しをして、実をつけないように管理します。
花がきれいで、さまざまに仕立てることができる!
修景バラに使えるほど耐病性が高く育てやすいバラは、その多くが一重咲きだったり、花径3~4cmの小輪の花だったりします。花だけを見ればありふれているように思えるボニカ’82ですが、耐病性の高さや育てやすさを備えたバラのなかでは、いかにもバラらしい美しい中輪の花を咲かせる品種として貴重な存在です。
現在では、修景バラに使えて、しかも美しい八重咲きのバラはずいぶん増えましたけれど、ボニカ’82が1981年に作出されていることを思えば、どれだけ他を先駆けて貴重な品種なのかが分かっていただけると思います。
ボニカ’82は枝先1.4mほどまで育つ、シュラブ樹形のバラです。自然樹形に仕立てるのはもちろん、上の写真のように高さ1mほどのコンパクトなブッシュ樹形に仕立てることもできます。もちろん枝先をフェンスなどに誘引して、枝の短いつるバラのように仕立てることもできます。
ボニカ’82やその枝変わり品種は、現在でも修景バラの第一線として活躍中!
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ボニカ’82は、35年以上前の1981年に作出された品種です。さまざまな賞を受賞している品種のなかには、受賞当時は画期的に育てやすい品種だったけれど、今ではそんなに育てやすい品種ではなくなってしまった──ということがよくあります。
けれどボニカ’82は、今でもなお第一線で活躍している修景バラです。ボニカ’82の枝替わり品種(ボニカ・シリーズ)もいくつもありますが、どれも育てやすく、たくさんの花を年に何度も咲かせる素晴らしいバラばかりです。
ロイヤル・ボニカは、ボニカ’82よりやや濃いピンク色。チェリー・ボニカはころんとしたカーブの強い赤花を咲かせる品種。バニラ・ボニカは咲き始めは中心が黄色で咲き進むと白になる品種です。それぞれ樹高や性質は少しずつ異なりますが、どれも丈夫で育てやすくよく咲きます。
バラ苗 バニラボニカ 国産新苗4号ポリ鉢修景用 シュラブ 四季咲き中輪 白系
口コミと値段の目安
バラ苗ショップのコメント
ランドスケープ・ローズとも言われる修景バラに分類されます。景観をつくるのに適した品種群です。手入れが少なくても丈夫に育つ系統で、寒さや病気に強く、幅広い環境に適応します。手入れの楽なバラをお求めの方にお勧めです。公園や道路などにも利用されています。
房咲きするのでフロリバンダローズに分類されたり、つるばらとして使えるのでツルバラ、あるいは難しい表現ではSシュラブの系統に分類されたりします。どんな植栽でも楽しめる便利ローズです。(花ひろば)
ロザリアンからの口コミ
今夏になって 初めてこのバラが、なぜ「バラの殿堂入り」したか?本当に納得しました! 1981年に作出されたとは思えない 耐病性(この頃は、バラは咲く物ではなく咲かせる物の時代?薬剤に完全依存の時代だったのではないかな?)そして その頃にはなかった自己主張し過ぎず 風景を作ってくれるバラですねぇ~。
7月に咲いて、8月にも咲いて(夏花もキレイでした!)そして花ガラを取り忘れていると9月半ばには、大きくて可愛いローズヒップ。そのローズヒップも、10月上旬には、素敵に色付きました。もちろん元気なシュートも出て樹勢も良好ですね。
このようなバラは 近年たくさん作出されてきましたが(現在は、このバラをしのぐレベルのバラも たくさんありますが)。「やはり 新しい時代を開いたバラの1つだなぁ」と、今春からの様子を感心しながら眺めています。
バラ苗の値段の目安
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まとめ
豪華な一輪を楽しむのではなく、花が咲いた全体の景色を楽しむためのバラ──というコンセプトの修景バラとしてよく利用されるボニカ’82を紹介しました。病気に強く、樹勢も強く、バラらしい花を年に何度も咲かせます。ADR賞、AARS賞、さらにバラの殿堂入りまで果たしてしまった、超おりこうさんなバラです。
バラは好きだけれど農薬散布に抵抗があり、無農薬栽培、減農薬栽培をめざしている方の庭に、ぜひ取り入れてほしいバラですね。もちろん、まだバラの栽培に慣れない初心者ロザリアンにもおすすめできる品種です!
香りこそほとんどありませんが、自然樹形でも短く刈り込んでも誘引しても、さらに鉢栽培でも。ボニカ’82とボニカ・シリーズのバラたちは、アイデア次第でさまざまに活用できるガーデンローズです。あまり手をかけられないけれど、きれいに保ちたいという場所でこそ威力を発揮すると思います。庭でベランダで、上手に咲かせてくださいね!