冬は鉢バラの植え替え(土替え)シーズンです。今回は、有機質肥料を使った植え替え(土替え)の方法を、応援レポーターの「ハナたろう」さんに紹介してもらいます。

冬の植え替えは、土を新しくする「土替え」が重要な目的!

▲冬の植え替えでは新しい土に「土替え」するのが重要! 写真提供/ハナたろう

ラは冬になると葉を落とし、生長を止めて休眠状態に入ります。ほぼ生長しないこの時期だけは、バラの根を大胆に触っても大丈夫。このため冬は、鉢バラの植え替えをする適期です。

 

鉢バラの冬の植え替えには、根がしっかり育っているか根の病気がないかチェックする、土に害虫が潜んでいないかチェックする、根を適切なサイズに切り詰めるなど、さまざまな目的がありますが、もっとも重要なのが古い土を状態の良い新しい土に入れ替えることです。

 

そのため冬の植え替えを「土替え」と呼ぶ方も多いです。

 

▼冬の植え替え全般については、こちらをご覧ください

穏やかに長く効く「有機質肥料」を使った土替え

▲有機質肥料の代表は油カス 写真提供/ハナたろう

料には「有機質肥料」と「化成肥料」があり、それぞれメリット・デメリットがあります。

 

管理人のあいびーは、マンションのベランダでバラを育てているので「化成肥料」を愛用しています。「有機質肥料」は臭いがあるのでコバエなどの虫を呼びやすいのが嫌だからです。

 

その一方で庭でバラを育てている方には「有機質肥料」を愛用している方が多いです。「有機質肥料」は根を傷めることが少なく植物に長く穏やかに効き、さまざまな微量要素が含まれているのが特徴です。

 

また、庭で化成肥料を使い続けると塩害が出やすいのも、庭植えで「有機質肥料」が好まれる原因です。

 

それぞれのデメリットを改善した「肥料焼けで根を傷めない化成肥料」「臭いがなくコバエを呼びにくい有機質肥料」もあるので、自分の好みと目的にあった肥料を選んでください。

 

今回は、応援レポーターの「ハナたろう」さんに、いつも愛用している有機質肥料(バットグアノ+油カス)を使った土替えのしかたをレポートしてもらいます。

 

「ハナたろう」流、「有機質肥料」を使った土替えのしかた

▲今回「土替え」するミニバラ 写真提供/ハナたろう

 

ハナたろうハナたろう

応援レポーターの「ハナたろう」です。ミニバラを知り合いに譲ることになったので、バラの休眠期より少し早いですが土替えしました。愛用しているバットグアノをメイン肥料に使った土替えのしかたを紹介します。

つも「そだレポ」している株はしっかり手をかけて育てていますが、基本、最低限の世話でほどほどに咲いてくれればハナたろうは満足です。あまり神経をとがらせて世話するのは、性格的にムリなのです。

 

そのため今回の土替えも、「あれ、こんなやり方でもいいの?」と思われるところが、いくつもあると思いますが、ハナたろう流と思ってください。この方法で、毎年しっかり咲いてくれますよ。

 

今回はミニバラの土替えをレポートしますが、ミニバラ以外のどんなバラでも同じ方法で土替えできます。

 

あいびーあいびー

ハナたろうさんは、抑えるところはポイントをしっかり抑えながら、簡単にすますところは適度に簡略化した土替えをしています。細かいところは、わたしがフォローしますね。

1、用意する土と肥料は5種類

▲今回使う土と肥料。下段中央がバットグアノ 写真提供/ハナたろう

回使う土と肥料は、5種類。

 

基本用土/赤玉土(小粒)

改良用土/くん炭、腐葉土(完熟)

有機質肥料/バットグアノ、油カス

 

*写真には「バークたい肥」も写っていますが、これは庭植えで使うもので、鉢植えでは使いません。

 

バットグアノの特徴

▲「バットグアノ」はさまざまな微量要素が豊富 写真提供/ハナたろう

こ数年愛用している有機質肥料は「バットグアノ」です。

 

「バットグアノ」は長い年月をかけて洞窟の中で自然発酵したコウモリのフンを主原料にした肥料です。「バットグアノ」の特徴は、リン酸をとくに多く含むことです。しかも臭いもありません。

 

植物の3大要素とされる「チッソ・リン酸・カリウム」のうちリン酸は、花や実を大きく、多くする効果があり、「実肥え」とも呼ばれます。さらに上の写真でわかるように、ほかにも多くの微量要素を含んでいます。

 

その一方で、チッソやカリウムはあまり含んでいないので、他のもので補う必要があります。そこで、チッソは「油カス」で補い、カリウムは「もみ殻くん炭」で補っています。

 

カリウム肥料は一般に草木灰を使うことが多いのですが、アルカリが強くどれくらいの量入れていいのかよく分からないのもあって、わたしは「もみ殻くん炭」を使っています。「もみ殻くん炭」もアルカリ性ですが、用土の1割ていどなら植物に悪影響はありません。

 

2、肥料の準備(バットグアノ5:油カス5)

▲肥料は「バットグアノ5 」: 「油カス5」で混ぜる 写真提供/ハナたろう

ケツに、有機質肥料の「バットグアノ」と「油カス」を 5 対 5 の割合で混ぜておきます。

 

3、用土の準備(赤玉小粒6:腐葉土3:もみ殻くん炭1)

▲用土の比率 写真提供/ハナたろう

に用土を準備します。用土の配合は以下のとおり。

 

■赤玉小粒(写真左側)/6割

■腐葉土(写真右側)/3割

■もみ殻くん炭(写真中央上)/1割

 

4、鉢から株を抜き、根の間の土を落とす

▲棒などで根の間の土を落とす 写真提供/ハナたろう

からバラの株を抜き、棒などを使って根の間に入り込んだ土を落とします。そんなに神経質に扱わなくても平気です。

 

ハナたろうハナたろう

この株は昨年、用土替えをしていない上に追肥もなしなので、根張りがイマイチですねー!

5、鉢底石がわりに腐葉土を一層敷く

▲鉢底石がわりに腐葉土を 写真提供/ハナたろう

の鉢は底に線状の穴がたくさんあるタイプなので、鉢底ネットは使いません。その上に鉢底石がわりに腐葉土を一層敷きます。

 

6、だいたい根が隠れるまで用土を入れる

▲この程度まで用土を入れる 写真提供/ハナたろう

葉土の上にバラの株を置き、上の写真のように、だいたい根が隠れるまで用土を入れます。

 

7、有機質肥料を投入!

▲ここで肥料投入! 写真提供/ハナたろう

らに有機質肥料(バットグアノ5:油カス5で混ぜておいたもの)を入れます。有機なので多いめに、6号鉢で片手3杯入れました。

 

肥料は土に混ぜて植えこんでもいいのですが、ハナたろうはいつもこんなふうに層にして入れています。それで悪い影響が出たことはありません。

 

あいびーあいびー

化成肥料の場合は、多く入れると肥料焼けで根が傷んでしまうことが多いのですが、有機質肥料は効き目が穏やかなので、肥料焼けしにくいです。多少、分量が多くなってしまっても、ハナたろうさんのように層で入れても大丈夫。

8、肥料の上に用土をたす

▲株元が見えるていどまで用土をたす 写真提供/ハナたろう

機質肥料の上にさらに用土をたします。分量はバラの株元が見えるていどまで。そして鉢の縁から2cmほど下まで。この2cm分は「ウォータースペース」です。

 

さらに指や棒で土をつついて落ち着かせます。

 

9、最後に枯れ枝を整理して水やりを!

▲枯れ枝をカットしてすっきり 写真提供/ハナたろう

後に枯れ枝をカットして、用土替えは完了です。あとは水やりを、しっかりしておきましょう。

 

葉っぱは、取っても取らなくても。邪魔ならむしっちゃっていいです。黒星病が出ていても、この時期の病気は放っておきます。来春まで薬剤散布はしません。

 

今後の管理は、2月に剪定をして、春の芽吹きまでは枯らさないていどの水やりのみです。

 

まとめ

今回は、ハナたろう流の有機質肥料を使った用土替えをレポートしてもらいました。特別な道具も使わず手間も省いているけれど、用土はオリジナルブレンドで、メイン肥料にリン酸を多く含む「バットグアノ」を使い、他の肥料分をチッソは「油カス」で、カリウムを「もみ殻くん炭」でと、配合がよく考えられています。このあたりにバラへのこだわりが感じられますね。

 

ハナたろうさんは忙しい仕事の合間にバラのお世話をしているので、そんなにバラばかりに時間をさけません。そのため基本は守りながらも、やってもやらなくても良いことは手間を省いた植え替え方になっています。

 

有機質肥料を使った植え替え方の一例として、参考になさってください!

 

ハナたろうハナたろう

ミニバラだけでなく、ハイブリッド・ティーでもフロリバンダでもシュラブでも、どんなバラにも使える土替え方法なので、試してみてくださいね!

 

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