年々厳しさを増す日本の夏。バラを元気に夏越しさせるには、暑さから「根」を守ることが何より大切です。この記事では、半日陰・二重鉢・マルチングなど定番の方法から、DIYや身近なものでできる工夫まで幅広く紹介します。あなたの庭やベランダに合った暑さ対策を見つけて、バラも人も快適に夏を乗り切りましょう。
バラは日本の夏が苦手。その理由は?
▲見上げれば、日差し眩しい夏の空
毎日暑いですね。近年の猛暑はちょっと冗談じゃないくらい暑すぎます。みなさまどうぞ、バラよりまず自分。ご自身の暑さ対策をしっかりしてください。
その上で、バラにも暑さ対策を。
今でこそ日本の育種家さんも頑張っていますが、それでもバラの育種は欧米が中心です。
欧米の涼しい環境で選抜されたバラが商品として販売されるので、基本的に厳しい暑さに耐える前提でつくられていないのが、海外生まれのバラたちです。そんな品種を、近年ますますヒートアップする日本の夏で育てたら・・・多くの品種は調子を崩しやすくなります。
日本生まれのバラ品種には耐暑性の高いものが多いですが、それでも鉢栽培でまったく暑さ対策しなければ、調子を崩しかねません。
日本の夏が苦手なバラたちを、元気なまま過ごしてもらうために、夏の暑さ対策はとても重要です。
この記事では、主に鉢で育てているバラの暑さ対策を紹介します。
暑さ対策の4つの方法
厳しい夏の暑さからバラを守り、自分自身もラクになる「バラの暑さ対策」は、大きく4つの方法に分けられます。
①バラを日陰に置く
②鉢側面を断熱する
③鉢底から伝わる熱をやわらげる
④土の乾燥を防ぐ
それぞれの暑さ対策には専用の商品があります。さらに、基本を知っていれば身近なものでいくらでも応用がききます。
記事内にさまざまなアイデアを紹介しているので、自分の庭に合った方法を取り入れてみてください。
あいびー夏の暑さ対策って、目的さえ分かっていれば、後は自分に合った方法を自由に取り入れられる楽しさがあると思います。
日陰をつくるアイデア、鉢を断熱するアイデア・・・。
自分なりの発想で、DIY力で、楽しんで暑さ対策してください。
方法1、日陰で管理する
日陰や半日陰に鉢を移動する
▲移動できる日陰や半日陰があれば、それが一番いい方法
基本的にバラは日向を好みますが、もし移動できる日陰や半日陰があるなら、真夏だけはそちらに鉢を移しましょう。
家の東側や北側に置けば、それだけでバラの夏越しはとても楽になります。大きな常緑樹があれば、その木陰もいいですね。
管理する人にとっても、毎日のパトロールや水やりが楽で続けやすくなります。水やり回数もぐっと減ります。
日陰がなければ作ればいい
南向きのベランダ栽培だったり、戸建てでも東や北に置く場所がないなら、人工的に日陰をつくりましょう。
サンシェードなら、遮光率80~90%。遮熱効果も高く、人も快適に過ごせます。
もちろん、人も快適な遮光率高いめのサンシェードでもいいのですが、バラのためを思えば遮光率50%ていどに抑えた半日陰の方が日照不足になりにくいのでオススメです。
その場合、農業用の黒か銀色の遮光ネットを使います。
遮光ネットは、小さいサイズでよければ100円ショップでも取り扱いがあります。(参考:200cm×200cmで300円/ダイソー)
遮光ネットを張る支柱は、農業用の緑色の支柱を使えば、経済的に半日陰が作れます。おしゃれ感を忘れたくない方には、ハーフアーチはいかがでしょう?
支柱もさまざまな商品があるので、庭やベランダに合うものを選んでください。
日陰をつくるアイデア
なかなかピンとくる商品がみつけられなければ、支柱からつくってしまいましょう。
2×4の角材を挟んで天井と床に突っ張り棒のようにする商品を利用して、木材部分に遮光ネットを留めつければ、かなりしっかりした半日陰がつくれます。
ただし基本は室内用なので、屋外で長く使うには塗装の工夫が必要です。
もっと手軽に日陰をつくりたいという方には、フェンス付きのプランターを並べるのはどうでしょう。
フェンスの後ろにバラを並べれば、遮光ネットを張らずにおしゃれな日陰が手に入ります。
▲すのこに足をつけた簡易日よけ
見た目を気にしないなら、すのこに足をつけて土を入れたプランターに挿すだけで、フェンス付きプランターがつくれます。
わたしは金属板と結束バンドで足を固定しました。裏側に半透明のアクリルボードをつけていますが、日よけ目的ならなくてもかなり効果があると思います。
コラム│庭植えならこんな方法も
▲木の杭に結束バンドで傘を固定しただけのプラントシェード
この記事では、鉢植えの場合の暑さ対策を紹介していますが、庭植えの場合どうすればいいのか?心配になるかもしれません。
結論からいうと、庭の場合はグラウンドカバーなどでマルチング(下の方で紹介しています)しておけば、暑さ対策は十分です。あとは1週間以上雨が降らないなら水やりするくらいで大丈夫。
でも、弱っている株や、春に植え付けたばかりという株は、注意が必要です。
たとえば上のイラストのように、手づくりプラントシェードで株の上だけ日陰をつくってあげるのもいいと思います。
台風や強風の日は閉じておけば安心ですし、秋になれば抜いて倉庫へしまっておけば翌年も使えます。簡単なDIYですが、意外と便利なアイテムになりそうです。
方法2、鉢を断熱する
製品利用で断熱する
▲一回り大きな鉢にすっぽり入れる二重鉢
バラ全体を日陰にするのが難しければ、せめて鉢だけでも断熱して、根を守りましょう。長くロザリアンが実践してきた定番の方法が「二重鉢」です。
一回り大きな鉢にすっぽり入れるだけで、鉢側面からの熱をやわらげ、根を守ることができます。8号鉢に植えているなら、10号鉢を鉢カバーのように使います。
上の写真は少々きゅうくつですが、外側の鉢はもっと大きい方が断熱効果が高くなります。
これはとくにプラスチック鉢で有効な方法です。
二重鉢のためだけに一回り大きな鉢をいくつも購入するのはもったいないし、置いておく場所もない。そんな方にオススメなのが、断熱フィルムを使った植木鉢カバーです。
夏の暑さ対策だけでなく、冬の凍結保護にも使えます。
中にプチプチが入ったアルミ断熱シートを適度なサイズにカットして巻き付ければ、簡単にジャストサイズの断熱カバーになります。
ほかに、京成バラ園からは「はちまきクール」という断熱カバーが販売されています。
鉢を断熱するアイデア
とにかく鉢を断熱すればいいので、ここはさまざまなアイデアが考えられます。
▲強力な断熱ボード「スタイロフォーム」
イチオシは抜群の断熱効果がある断熱ボード「スタイロフォーム」を使った方法です。カッターで簡単に工作できるので、鉢部分に日よけパネルのように立てれば効果的です。色が派手なので、水性ペンキで黒や深緑に塗れば、庭になじみます。
DIYが得意なら、ちょっと焼き目の入った木材で木箱をつくれば、とてもおしゃれな日よけ鉢カバーになりそうです。
ジュート布をふんわりと2重3重に巻きつけて、麻紐などで縛るだけでも、断熱効果が見込めます。見た目も悪くないですね。
100円ショップの自動車用サンシェードをカットして巻くのも良さそう。
アルミホイルをちょっとくしゅっとして巻き付けるという方法もあります。かなり見た目がギラギラしますが。
ほかにも、トロ箱、レンガ、よしずなど、アイデア次第でいろいろ使えます。
正解は無限にあります。
あいびー要するに鉢に直射日光が当たらなければいいわけだから、ここは、いろんなアイデアが出るところ。
100円ショップの小さなよしずを結束バンドでつないで輪上にして立てかけてもいいし、レンガを並べたっていい。
YOU夏の暑さに強い植物の鉢を前に並べるなんて方法でもいいかも!
なんか、夏休みの自由研究みたいな気がしてきたわ。
方法3、鉢底から伝わる熱をやわらげる
製品を利用する
コンクリート床に直接鉢を置くと、床からの輻射熱が熱く、根にダメージを与えることがあります。そんなときには、フラワースタンドに鉢を置くと輻射熱をやわらげられます。
ただし、鉢底からの排水性がアップするので、水が乾きやすくなるので注意が必要です。
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小さなポットフィートを置くだけでも、輻射熱をやわらげ、排水性を良くします。
鉢底から伝わる熱をやわらげるアイデア
鉢底にスノコを敷く。これだけで鉢を浮かすことになるので、輻射熱をやわらげられます。
▲レンガを組んで花台に 写真提供/ORCA
レンガを組んで花台にすれば、簡単で、しかも見た目をオシャレにできます。
▲鉢底に石や端材を置くだけでポットフィートに
鉢を石に載せたり、端材に載せたりするだけで、ポットフィート代わりになります。
上の方でも書きましたが、床からの輻射熱をやわらげる効果は多少ありますが、これらは主に排水性改善のために使われる方法です。土が乾きやすくなるので、水やり頻度が上がる可能性があります。
状況をよく見ながら取り入れてください。
方法4、土の乾燥を防ぐ
製品利用でマルチングする
▲バークチップでマルチングする
ここまでは、鉢全体、鉢の側面、鉢の底からの熱をカットする方法を紹介しました。最後は鉢の上、つまり土の表面に当たる熱をカットし、土の乾燥を防ぐ方法を紹介します。
土の表面をなにかで覆うことをマルチングといいます。
マルチングすることで、直射日光の熱を遮り、土の乾燥を防ぐことができます。さらに、土に近いところに張っている白根を守り、根腐れを防ぎます。
代表的なマルチング材はウッドチップやバークチップです。ほかにも、ベラボンやクルミ殻を使う方もいます。
マルチングのアイデア
▲マンネングサのマルチング
鉢土を覆えばいいのだから、マルチング材のアイデアはさまざまです。
わたしはモリムラマンネングサのマルチングをよくオススメします。熱も乾燥も防ぐ、生きたマルチング材です。
ほかにも、昔ながらの藁やもみ殻、水苔などを使う方も。
マルチングについて詳しくは、専門記事をつくっています
→リンク準備中
室外機の熱風除けをDIY!
夏の暑さ対策といえば、太陽光からバラを守るのはもちろんですが、エアコン室外機からの熱風もバラを傷めます。
とくに我が家のようなベランダ栽培では、室外機からの熱風対策は必須です。
▲室外機の熱風からバラを守る、夏の必需品
記事の上の方で「日陰をつくるアイテム」としてすのこでDIYしたものを紹介しましたが、じつはこれは、エアコン室外機からの熱風を遮るアイテムでした。そのため、すのこの間を埋めるアクリルボードをタッカーで張りつけています。
見た目はイマイチですが、効果はバツグンです!
ちなみに、ここは3時間程度の日照があるので、リサイクル土をこのプランターに入れて、ときどきかき混ぜながら日光消毒しています。
ガーデニングは工夫とアイデアで楽しもう
▲植木鉢を組み合わせたポットドール
植木鉢を組み合わせてつくった人形を見たことがありませんか? これはポットドールと呼ばれるもので、多くのガーデナーが庭のマスコットとしてつくっています。
はじめてポットドールを見たときに、その自由な発想力に関心するやら笑えるやら。
初心者のころは「どうやったらバラを上手く育てられるかな?」「このやり方で間違ってないかな?」と、それは真面目に培養土や肥料のことを調べていたものです。
でも、ポットドールを見て一気に気持ちがなごみました。そして思い出したのです。
あぁ、園芸って楽しむためにやってるんだった!
そうなんです。バラを枯らしてしまうのはもちろん不正解ですが、それ以外なら、基本どれも正解なんですよね。
夏の暑さ対策もそうです。
ここで取り上げた方法はすべて正解です。さらに、あなただけの正解もあります。
夏の暑さ対策というと、ちょっと身構えて、深刻な表情になっていませんか? 肩の力を抜いて、工夫とアイデアで夏対策を、ガーデニングをたくさん楽しんでください!
YOU最初はどうやって夏の暑さを防げばいいの?って悩んでいたけど・・・そうか、自分なりのアイデアでいいと思ったら、逆に楽しくなってきたわ。
あいびーそうそう。ガーデニングは趣味なんだから、楽しんだ者勝ちよ。
記事では紹介しなかったけど、ポテトチップスの袋を裏返して鉢に巻いているツワモノもいたし、100均の木の板を蝶番でつないで鉢を囲っている人もいたわ。
「どの方法が正しいか」じゃなくて、「鉢が熱くならないか」。そこが大事。
ガーデニングって、植物を育てる趣味でもあるけれど、『どうしたらもっとバラが快適になるかな?』って考えるDIYみたいな楽しさもあるのよね。
暑さ対策には4つのメリットがあります
▲暑い夏でも、半日陰ならバラも人も涼しく過ごせる
バラに暑さ対策すると、バラが暑い夏を元気なまま過ごしやすくなるメリットはもちろん、じつは、あなた自身の暑さ対策にもなります。
どんなメリットがあるのか、順に見ていきましょう。
メリット1、バラの根を守る
詳しくは下の章で解説しますが、最優先で夏の暑さから守るべきは、じつは「根」です。
バラの夏の不調は、根が焼けて枯れてしまうことから起こることが多いので、とにかく根を守ります。根さえしっかりしていれば、バラの夏越しは半分成功したようなもの。
バラの根を守って、元気なまま夏を過ごしてもらいましょう。
メリット2、水やり回数が減る
しっかり暑さ対策をしていれば、バラの水やり回数が少なくて済みます。
何も対策していない場合、朝・夕2回水やりしても、まだ足りないということもあり得ます。でも、たとえば半日陰の我が家のベランダの場合、真夏でも2~3日に1回の水やりで大丈夫です。
メリット3、水やり時間に縛られなくなる
「バラの水やりは早朝に」といわれます。近年の夏は暑くなるのが早いので、朝9時にはもう30度を超えてくることも増えました。毎朝6時に水やりできればいいけれど、それぞれの生活スタイルで、早朝の水やりが難しい場合もありますよね。
真夏の昼に水やりするのは、じつはあまり好ましくありません。それじゃ夕方まで水やりしないでおく? それでは枯れてしまうおそれがあります。
こんなとき、どうすればいいか、困ってしまいますよね。
じつは暑さ対策をしっかりしていれば、心配なく昼に水やりできるようになります。
我が家の場合、ちょうど時間に余裕のできる午後2~3時に水やりすることが多いのですが、それでもまったく問題ありません。
暑さ対策することで、水やり時間に縛られず、自分の都合のいいときに水やりできるようになります。
メリット4、暑さから自分の身を守る
暑さ対策は、バラのためではあるけれど、同時にロザリアン自身の身を守る対策にもなります。
バラが日陰に置いてあれば、水やりも日陰で行えます。熱中症から身を守り、さらにバラにも優しい暑さ対策。
しっかり取り入れて、自分もバラも楽して夏を乗り切りましょう。
夏の暑さ対策で、一番大切なのは「根」を守ること
葉は多少傷んでも回復できる
▲真夏の直射で葉焼けしたバラの葉
厳しい夏の暑さに耐えられず、バラの葉が焼けしてしまうことがあります。茶色く枯れた葉は、みていて痛々しいですが、じつは葉焼けはそんなに問題になりません。
株自体が元気なら、また新しくキレイな葉が伸びてきます。
本当に守りたいのは「根」です
▲根が元気なら、枝葉も元気!
バラは「地表を境に上部(枝葉)と下部(根)が比例している」と言われます。根がしっかり大きく育っていれば、枝葉も大きく育つし、逆に根が貧弱なら、枝葉も貧弱にしかなりません。
夏の暑さ対策で、もっとも大切なのは葉を守ることより「根」を守ることです。
もしも地上部(枝葉)が大きく育っているバラの根が傷んで減ってしまったらどうなるか、想像してください。
大きな枝葉を支えられるだけの水分も養分も吸収できないほど根が減ったなら、とうぜん、枯れこんできます。これが多くの夏の不調の原因です。
そうならないために、本当に守るべきは「根」なのです。
上の写真から分かるように、とくに水分や養分を吸収する白根は、鉢の近くで発達します。鉢が熱くなれば、この大切な白根が焼けてしまいかねません。
夏の暑さ対策では、鉢自体を熱くしないよう、根を守る対策がなにより大切なのです。
暑さ対策をすると、水やりも楽になる
夏の暑さ対策をしないまま、バラの鉢を日向に置いて管理していると、朝水やりしたのにもう午後には水やりしなければいけなくなることも。
夏の水やりの記事で説明していますが、真夏の昼に水やりするときは、日陰に移動してから水やりします。
カンカン照りの真夏の午後に、鉢をもってウロウロするのは熱中症の危険すらともないます。
でも、最初からキチンと暑さ対策してあれば、こんな思いをしなくて済みます。
しっかり対策すれば水やり頻度も減ります。
バラも人も、健康に真夏を過ごすために、夏の暑さ対策はしっかり準備しましょう。
真夏の水やりのしかたは、専門記事でくわしく解説しています。まだの方は、ゼヒ目を通してください
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まとめ│しっかり暑さ対策をして、バラも人も健康に乗り切ろう
毎年のように厳しさを増す夏の暑さを、バラも人も健康に乗り切るために、夏の暑さ対策は欠かせません。
バラの暑さ対策は、とにかく熱から根を守ることです。
そのために鉢全体を日陰に置いてもいいし、鉢から下を遮熱効果の高い方法でカバーしてもいい。さらに床からの遮熱と、上部つまり土の遮熱および乾燥を防ぐ対策を取りましょう。
方法は問いません。昔ながらの方法もあれば、便利な商品を使う方法もあります。意外なやり方もあります。
夏の暑さ対策というと、少し眉間にしわが寄ってしまいがちなテーマですが、アレが使えるかな?こうしたらどうかな?と、アイデアを巡らせて、楽しみながら対策を。
それもガーデニングのだいご味だと思うのです。
あなたの庭やベランダに合った方法を見つけて、バラにも人にもやさしい夏のガーデニングを楽しんでください。
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