バラの新芽や蕾にびっしりつくアブラムシに、毎年ため息をついていませんか?「できれば農薬を使わずに退治したい!」という方のために、ニームや重曹オイルなど、噂の無農薬スプレー5種類を集めてアブラムシの生存率をガチ検証してみました!
実験から見えた「絶対に失敗しない散布のコツ」や、アブラムシの群れの中で見つけた「最強の助っ人(天敵)」の正体まで、リアルなレポートをお届けします。
農薬を使わずにバラのアブラムシ対策を
▲アブラムシだらけのバラの枝
アブラムシは、新芽の先やバラの蕾に集団でつく小さな虫です。見た目に悪いだけでなく、美しい花にならなかったり、排泄物からスス病を招いたり、ウイルス病を媒介することもあります。少しいるていどなら、バラの開花に大きな被害をもたらしませんが、集団でいると害をもたらしかねません。
とはいえ、アブラムシは弱くて小さな虫です。農薬を使えば簡単に駆除できます。バラ栽培でアブラムシ対策を考えている方は、その多くが無農薬栽培を目指している方でしょう。
今回は、アブラムシ駆除に効果があると言われている無農薬スプレー5種類の実力を検証実験してみました。
結論からいうと、ニーム・重曹オイル・ベニカナチュラルはよく効きました。特にオイル成分の「窒息作用」が強力でした。実際の検証実験をご覧ください。
バラのアブラムシを無農薬で駆除したい!手作りスプレー5種の実力をガチ検証
ネットで噂の無農薬対策は本当に効く?紙コップで駆除実験を開始!
▲無農薬スプレー5種類の検証実験開始
今回、検証する無農薬スプレーは次の6種類(無処理+5つの資材)です。
・①無処理のコップ(比較対象用)
・②石鹸水:海外で定番の方法。今回は青箱の牛乳石鹸を耳かき1杯+ぬるま湯200ccで作成。
・③ニームオイル:ジックニームの200倍液
・④重曹オイルスプレー:当サイトでウドンコ病治療に劇的効果を上げた自家製スプレー
バラ濃度薄い目で作りました。詳しくは記事下のリンク記事を確認してください。
・⑤ベニカナチュラルスプレー/食べる直前まで使える市販の無農薬資材。成分はBT菌+植物油+水あめ。
・⑥納豆水/当サイトでウドンコ病予防に効果のあったもの。アブラムシにも効くという噂を検証。
▲なにかの幼虫
最後は、アブラムシの群れにいた謎の幼虫を入れたカップです。
アブラムシを食べているので、ヒラタアブかクサカゲロウの幼虫のようです。このまま飼育してみます。
実験の概要とルール(紙コップに10匹ずつ入れて3吹き、30分間観察)
▲各紙コップにバラの葉とアブラムシ10匹ていど入れる
今回の実験方法は次の手順で行いました。
①~⑥の各紙コップにバラの葉の切れ端とアブラムシ約10匹を入れ、それぞれの資材を各3吹きしました。ただし、スプレーボトルが4つしかなかったので、⑥の納豆水だけはそのまま少量を注ぎ入れました。
アブラムシの吹きかけた直後の反応、5分後、30分後の生存数を見ていきます。
【実験結果】30分後の生存数は?バラのアブラムシ駆除実験レポート
| 資材 | 即時反応 | 5分後 | 30分後 | 第一印象 |
| ①無処理 | ― | ― | 生存多い | 比較対象OK |
| ②石鹸水 | 即動きが止まる | 2匹生存 | 5匹生存 | 弱い効き目 |
| ③ニーム | 強い苦悶反応 | 2匹生存 | 0 | よく効いた |
| ④重曹オイル | 強い苦悶反応&平気 | 0 | 0 | よく効いた |
| ⑤ナチュラル | 即止まる&平気3 | 0 | 0 | よく効いた |
| ⑥納豆水 | 即動きが止まる | 2匹生存 | 3匹生存 | 弱い/保留 |
効果絶大!オイル系手作りスプレーの圧倒的な窒息パワー
③のニームオイルは、よく効きました。吹き付けた直後に動きを止め、ちょっと苦しそうにもがいている個体もいました。
④の重曹オイルも、結果的によく効きました。底にいてスプレー水に浸かっているのはすぐに苦悶反応をして動きを止めましたが、側面にいた個体はしばらく平気そうでした。
市販の無農薬資材(ベニカナチュラルスプレー)はマイルドだけど確実
⑤のナチュラルスプレーは、結果的にはよく効きましたが、吹き付けた直後は平気な顔をしているのが3匹いたので、ニームオイルより速効性はなさそうです。
牛乳石鹸を使った手作り石鹸水や納豆水は効果が薄かった?その理由
⑥の納豆水は、他がスプレーだったのに比べこちらは条件が少し違います。
少量の納豆水をそのまま入れたので、浸かった個体はすぐに動きを止めたけれど、5分後には2匹復活。30分後にはさらに1匹復活して3匹が生存しました。多くは粘度のある水から脱出しにくかったような気がします。
他と同じようにスプレーにすれば、あまり強い効果はなさそうです。
②の石鹸水は、結局30分後には5匹が復活して縁まで登ってきてしまいました。 実はこれには理由がありそうです。
今回使った「牛乳石鹸」は人間の肌用の化粧石鹸。肌を守るための保湿成分が含まれているため、アブラムシの気門を塞ぐには優しすぎた(薄すぎた)可能性があります。海外で使われるような、余計な成分のない「純石鹸(シャボン玉石けんなど)」を適切な濃度(0.5〜1%程度)で使えば、また違った結果になったかもしれません。今回は耳かき1杯+200ccというかなり穏やかな濃度だったため、薄すぎた可能性もあります。次回ぜひリベンジしてみたいと思います。
【※食器用洗剤についての注意!】 家にあるからといって、JOYなどの強力な食器用洗剤を薄めて使うのは絶対にやめてください。アブラムシはイチコロですが、バラの大切な葉の表面にあるバリア(ワックス層)まで溶かしてしまい、葉がチリチリに焼ける大薬害に繋がります。
バラのアブラムシ手作りスプレー実験から分かった「2つの大きな発見」
▲ベニカナチュラルスプレーの効き目は意外とおだやか
1、アブラムシの気門を塞ぐ「油(オイル)」の成分が最強
よく効いた手作り資材(③ニームオイル ④重曹オイル)は、どれもオイルが入っています。オイルでアブラムシの体を覆い、窒息させる効果が高いです。
※今回の結果は「紙コップ内でアブラムシに直接かかった場合」の反応です。実際の株全体散布では、葉裏まで十分濡らす必要があります。
⑤のベニカナチュラルスプレーは、結果的には全員動きが止まりましたが、吹き付けた直後は平気な顔をしている個体がいました。ニームオイルや重曹オイルに比べると、即効性はややおだやかな印象です。
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ベニカナチュラルスプレーの有効成分
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メーカーの成分を見ると、油だけでなく「水あめ(還元澱粉糖化物)」の粘着力を使って窒息させる仕組みになっています。ギトギトの油だけで倒すわけではないため、高温期の「油焼け(葉焼け)」のリスクが低く、バラに優しいマイルドな仕様なのだと納得しました。
(※ちなみに、成分に含まれる植物油は、やっかいなハダニの成虫や卵にも効果があります!)
2、「直接かからないと意味がない」!バラの葉裏までびしょびしょに撒く重要性
④の重曹オイルスプレーで見られたように、側面にいて直接かからなかった個体はしばらく平気な顔をしていました。つまり、これらの資材は葉に浸透する力が弱いので、しっかり虫にかかるよう、葉裏までびしょびしょにかける必要があるということです。
【おまけ】バラの新芽にいた謎の虫はアブラムシの最強の天敵「クサカゲロウの幼虫」だった!
アブラムシを捕食するバラの益虫
▲どうやらクサカゲロウの幼虫らしい
自然界にはバラにつく害虫を食べてくれる益虫がいくつもいます。
その代表的なものがテントウムシ、ヒラタアブの幼虫、クサカゲロウの幼虫です。どうやら、アブラムシびっしりのバラの枝についていた謎の虫はクサカゲロウの幼虫だったようです。
ヒラタアブの幼虫との違いと見分け方
ヒラタアブの幼虫は、半透明の小さななめくじのような姿です。
一方、クサカゲロウの幼虫は大きなハサミ状のアゴがあり、全体にゴツゴツした鎧をまとっているような姿。6本の脚をもっています。背中に食べたアブラムシの抜け殻やゴミなどを背負っていることもあります。
1匹で数百匹を捕食!お庭で見つけても絶対に駆除しないで
クサカゲロウの幼虫はとても大食漢です。一生の間に200~400匹ものアブラムシを食べます。
薬剤抵抗をもつアブラムシも、その大きなアゴで挟んでムシャムシャ食べてくれるので、ロザリアンにとってとても頼もしい味方です。庭で見かけても、絶対に駆除しないよう、この姿を覚えておいてください。
まとめ│バラの無農薬栽培に合わせたアブラムシ対策を
無農薬資材でどのていどアブラムシを駆除できるかの実験結果と考察を紹介しました。
結果的に、通常濃度で希釈したニームオイル、バラ濃度薄い目に希釈した重曹オイルスプレー、ベニカナチュラルスプレーの、オイルを含んだ3つの資材はとてもよく効きました。
噂でアブラムシ退治に効果アリと聞いた納豆水は、今のところあまり効果的とは思えませんでした。ウドンコ病予防には効果があるのですが──。
また、石鹸水は少し物足りない結果だったのでまたリベンジしたいと思います。
どれもバラにはあまり影響のないレベルに調整していますが、最後にアブラムシごと水で洗い流しておくと薬害の心配もなくなります。興味のある方は、どうぞご自分でも試してみてください!
アブラムシの防除方法全般についてはこちらをご覧ください
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バラにつく「アブラムシ」の予防と、駆除のしかた<初心者むけ>
重曹オイルスプレーの作り方とバラ濃度についてはこちらで確認してください
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