世界バラ会議2025福山大会

2025年に開催された世界バラ会議福山大会2025で、名花「ガートルード・ジェキル」が殿堂入りを果たしました。強い香りとクラシカルな花形で長く愛されてきたこのバラは、なぜ今あらためて評価されたのでしょうか。この記事では、殿堂入りの意味とともに、ガートルード・ジェキルが選ばれた理由や魅力を分かりやすく解説します。


バラの殿堂入りとは?世界バラ会議で選ばれる基準と条件

世界バラ会議2025福山大会会場

▲世界バラ会議2025福山大会会場 写真提供/天女の舞子

界バラ会連合(WFRS)は、バラ研究のための世界的な情報共有とバラ愛好家の交流をめざす機関です。世界約40カ国のバラの愛好家団体が加盟する国際組織で、3年に1度、世界各地で世界バラ会議を開催しています。

 

日本ではこれまで2回開催されています。

 

・2006年に大阪で第14回世界バラ会議が開催

・2025年に広島県福山市で第20回世界バラ会議が開催

殿堂入り(Hall of Fame)の意味

界バラ会議では、殿堂入りするにふさわしいバラの名花を選出しています。基本的にモダンローズからとオールドローズから、それぞれ1品種が選ばれますが、例外的に2品種選ばれることもあります。

 

殿堂入りするバラは、3つの基準から厳格に審査されます。

 

1、世界中のどの環境でも育てやすいこと

2、国や性別を超えて誰が見ても美しいと感じること

3、そして、たくさんの国で長く愛されていること

 

まさに、世界中で長く愛されている品種が「殿堂入りのバラ」なのです。

殿堂入りのバラ、過去の受賞品種

これまで殿堂入りのバラとして認定されたバラをいくつか紹介します。

ピース│戦争終結を祝い、世界平和を願って名付けられた名花

ピースの春花。1976年、バラの殿堂入り

▲第2次世界大戦の終結を祝い世界平和を願って名付けられた「ピース」

 

1976年オックスフォード大会(イギリス)で最初の殿堂入りのバラに選ばれたのはピースです。輝くようなクリームイエローにピンクの覆輪がかかった超大輪の花は、悠々とした風格があります。

 

第2次世界大戦の終結を祝い、世界平和を願って名付けられた名花として「世界一有名なバラ」ともいわれます。

 

▼ピース誕生秘話はこちらから

バラと小さなガーデンづくり

20世紀を代表する名花「ピース」。そのドラマティックな誕生秘話

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ピエールドゥロンサール│2006年大阪大会で殿堂入り

グラデーションが美しいピエールドゥロンサール

▲グラデーションが美しい大輪花をたわわに 写真提供/ハナたろう

 

2006年大阪大会で殿堂入りに選ばれたピエール・ドゥ・ロンサールは「世界一愛されているバラ」とも言われるバラです。花径12cmほどの大輪花をたわわに咲かせるつるバラで、満開時の美しさは目を奪われるほど魅力的です。

 

ほかにもパパメイアン、グラハムトーマス、ノックアウトなど、名だたる名花が「殿堂入りのバラ」に軒を連ねます。

 

▼世界バラ会連合と過去の受賞品種についてくわしくは、こちらをごらんください。

バラと小さなガーデンづくり

殿堂入りのバラとは?世界バラ会議で選ばれる基準と歴代一覧【1976年〜2025年】

殿堂入りのバラとは?世界バラ会議で選ばれる基準と歴代一覧【1976年〜2025年】

▼世界バラ会連合の公式サイトはこちらからご覧ください。

ガートルード・ジェキルとはどんなバラ?特徴と魅力を解説

世界バラ会議2025福山大会殿堂入りのバラを発表

▲世界バラ会議2025福山大会での殿堂入りバラを発表 写真提供/天女の舞子

20回世界バラ会議が2025年に広島県福山市で開催され、モダンローズ、オールドローズそれぞれの殿堂入りのバラが発表されました。

 

モダンローズからは「ガートルード・ジェキル」(Gertrude Jekyll)

オールドローズからは「ブラッシュ・ノワゼット」(Blush Noisette)

 

が、それぞれ選ばれています。

ガートルードジェキルは、こんなバラ

殿堂入りのバラ「ガートルードジェキル」

▲殿堂入りしたバラ「ガートルードジェキル」

 

第20回世界バラ会議でモダンローズの殿堂入りを果たしたのは「ガートルードジェキル」です。

 

ガートルードジェキルは、初代デビッドオースチン氏が1986年に作出したシュラブ系統のイングリッシュローズです。作出されたイギリスではとても人気が高く、長く愛され続けている品種です。

 

花色は、いかにもバラらしいローズカラーです。咲き始めは全体が同じ濃いピンク色ですが、開くにつれ外側の花びらが淡くなり、美しいグラデーションになります。花径は10~12cmの大輪花で、花形は整ったロゼット咲き。オールドローズのような優雅さをもちます。

 

バランスのとれた濃厚なダマスクの強香をもちます。ダマスクは、典型的なバラの香りとして思い出される甘く艶のある香りです。素晴らしい強香の代償として花もちはあまり良くなく、3~5日。気温の高い時期には3日ていどしかもちません。

 

直立性の大型シュラブ樹形で、短く切り詰めて木立ちバラのように仕立てることもできるし、枝を長く伸ばせば3mていどまでカバーするつるバラとして使うこともできます。

 

耐陰性が高く、デビッドオースチンロージズ日本支社では、わざわざ北向きの壁で育てています。

ガートルード・ジェキルが殿堂入りした理由|世界的に評価された3つのポイント

ガートルードジェキルを紹介する陽心さんの画像

▲ガートルードジェキルを説明する「陽心 理悠」(ひしん・りゅう)さん 出展/You Tube

は、ガートルード・ジェキルはなぜ殿堂入りに選ばれたのでしょうか。ガートルードジェキルが殿堂入りに選ばれた理由は、単なる人気ではなく「世界的な評価基準」を満たしている点にあります。

1、世界中のロザリアンに支持されている(人気)

ガートルードジェキルは、イングリッシュローズの中でもとくに世界的知名度が高く、長年にわたり世界中で栽培されてきた人気品種です。

 

とくに評価が高いのが、その強い香りとクラシカルな花形。オールドローズを思わせる整ったロゼット咲きと、濃厚なダマスク香は、多くのロザリアンを魅了してきました。

 

一時的な流行ではなく、「長く愛され続けてきた」という点が、殿堂入りの大きな理由のひとつです。

2、15年以上愛され続けている(実績)

ガートルード・ジェキルは、イングリッシュローズを手がけるデビッド・オースチン・ロージズによって作出された品種で、発表から長い年月を経てもなお高い評価を受け続けています。

 

バラの殿堂入りには「発売から15年以上が経過していること」という条件がありますが、このバラはその条件を大きく満たし、時代を超えて支持されてきました。

 

新品種が次々に登場するなかでも選ばれ続ける──その“普遍的な魅力”こそが、殿堂入りにつながっています。

3、世界各地で育つ・広く普及している(適応力)

ガートルード・ジェキルは、イングリッシュローズらしい自然樹形で庭植えにもなじみやすく、世界各地の気候で栽培されているバラです。

 

樹勢が強く、生育も安定しているため、適切な管理をすればしっかり育ち、毎年花を楽しむことができます。

 

「美しいだけでなく、実際に育てられる」この実用性の高さも、殿堂入りの重要なポイントです。

世界バラ会議2025福山大会での展示と現地レポート

世界バラ会議の会場に飾られたガートルードジェキル

▲会場に飾られたガートルードジェキル 写真提供/天女の舞子

際に世界バラ会議2025福山大会に足を運んだ天女の舞子さんのレポートをどうぞ。

 

殿堂入りのバラの発表の後にふと見ると、会場の一角にガートルードジェキルが飾られていました。蛍光灯の明かりでやや青っぽく写っていますが、だれもが思い描くバラらしい品種だと思いました。

 

オールドローズの雰囲気が残る優しい花形で、しっかり上を向いて咲いているところがモダンローズらしくて、両方の良いところが上手く引き出された品種なのだなと実感しました。

 

近づいてみると、甘いダマスクの芳香が。

 

天女の舞子天女の舞子

世界バラ会議2025福山大会には世界中のバラ愛好家が集まり、福山市内もバラ一色でした。

実際にわたしも海外の方と交流できて、とても楽しい数日間を過ごしました。

オールドローズの殿堂入りは「ブラッシュ・ノワゼット」

ブラッシュノワゼットの花アップ

▲ノワゼット系統を確立した「ブラッシュ・ノワゼット」

ールドローズの殿堂入りには「ブラッシュ・ノワゼット」が選ばれました。

 

このバラは、1814年にアメリカのフィリップ・ノワゼット(Philippe Noisette)が作出したシュラブ樹形のバラです。

 

花径4cmの桜色の小さな花をびっしりと咲かせます。しかも、ほぼ四季咲きといっていいほど、なんども良く咲くので、小型のつるバラとしてアーチや壁面に誘引すると効果的です。

 

ブラッシュ・ノワゼットは多くの品種の親として使われ、それらは「ノワゼット系統」と呼ばれています。

まとめ|ガートルードジェキルが選ばれた理由は“香り・実績・育てやすさ”がそろった総合力の高さ

2025年に広島県福山市で開催された世界バラ会議で、バラの殿堂入りを果たしたのはモダンローズでは「ガートルードジェキル」、オールドローズでは「ブラッシュ・ノワゼット」でした。

ガートルード・ジェキルが殿堂入りした背景には、

・世界中で愛され続けている人気
・長年にわたる栽培実績
・さまざまな環境で育つ適応力

この3つがそろっていることがあります。

そこに、強い香りと美しい花形という魅力が加わり、“今も選ばれ続けるバラ”として評価されたと言えるでしょう。

2009年のグラハムトーマスに続き、ガートルードジェキルでもデビッド・オースチン氏作出のバラが殿堂入りしました。おめでとうございます。

 

世界バラ会連合と過去の受賞品種についてくわしくは、こちらをごらんください。

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殿堂入りのバラとは?世界バラ会議で選ばれる基準と歴代一覧【1976年〜2025年】

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前回、世界バラ会議2022アデレード大会での受賞品種はこちらから

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「フラワーカーペットローズ・ピンク」がバラの殿堂入り!

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オールドローズの殿堂入り一覧|世界バラ会議で選ばれた歴史的名花

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世界バラ会連合の公式サイトはこちらからご覧ください。
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