バラの夏剪定は、いつすればいいのでしょうか? 関東以西では「9月10日ごろ」がひとつの目安ですが、地域やその年の気候、日当たり、品種によって適期は変わります。 さらに、剪定する深さによっても開花時期は変わります。 狙った時期に秋花を咲かせるために、夏剪定のタイミングを決めるポイントを詳しく紹介します。
おさらいしよう!そもそも夏剪定する目的は?
▲いっせいに咲いた「アイスバーグ」の秋花
バラは、日中の気温が20度前後のころが開花に適した時期といわれます。そのため日本では、春と秋がバラの見ごろになります。
春はどのバラもほぼそろった時期に開花しますが、秋バラはバラまかせにすると開花がそろいません。そのため、10月中~下旬の開花にちょうどよい季節にそろって咲くように開花調整する目的で行うのが夏剪定です。
つまり、もともとは大型バラ園が、秋のバラまつりに合わせていっせい開花させるための技術です。
狙い通りの時期にそろって咲かせられたら大成功ですが、これがなかなか難しい。
はじめて挑戦して大成功できるほど簡単な技術ではなく、何度も繰り返し経験を積むことで、我が家の最適解が分かってくるという経験がモノをいう技術です。
とくに難しいのが、いつ夏剪定するかの判断です。
この記事では、夏剪定するタイミングに焦点を絞って紹介します。
夏剪定の基本的な切り方はこちらの記事で確認できます
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バラの夏剪定は、いつする?
バラの夏剪定を行うタイミングは、関東以西の暖地基準で9月10日ごろがひとつの目安になります。
しかしこれは、東西に長い日本列島の全国一律に当てはまる目安ではありません。地方により、最適なタイミングは異なります。
残暑がいつまでも暑い年と、涼しくなるのが早い年でも夏剪定の適期は変わるし、日向か半日陰かでも変わるし、それぞれの品種によっても変わります。
狙った10月中旬~下旬にいっせいに秋花を咲かせるためには、これらさまざまな要因からベストな剪定時期を見極める必要があります。
「9月10日ごろ」が基本の目安になる理由
では、なぜ9月10日ごろが目安と言えるかというと、これは単純に逆算から割り出された日にちです。
バラは、9月に剪定してからだいたい40~45日ていどで次の花が咲きます。
10月20日に開花させたいとすれば、そこから40日引けば9月10日が剪定適期となります。
9月10日という目安は、こうして割り出されたものですが、実際は自然が相手なので、そう単純には行きません。9月10日で上手く行くときもあれば、上手く行かないときもあります。
つぎは、夏剪定のタイミングを考えるうえの条件について解説します。
夏剪定のタイミングは、5つの条件で決める
| 見る条件 | 考えること |
|---|---|
| 1、地域 | 暖地?寒冷地? |
| 2、その年の気候 | 暑さが続く?早く涼しくなった? |
| 3、日当り | 日向?半日陰? |
| 4、品種 | 早く咲く?遅く咲く? |
| 5、剪定の深さ | 上1/3?上1/4?もっと軽く? |
夏剪定の時期を決めるには、5つの条件から考えます。
これら5つの条件を順に見ていけば、いつ剪定すればいいかを判断しやすくなります。
1、 地域によって夏剪定の時期は違う
▲10月下旬の関東のバラ園
バラの開花条件は、気温により大きく左右されます。
関東以西の暖地では9月10日がひとつの目安とされますが、長野県や東北、北海道などの寒冷地では寒くなるのが早いので、もっと早いタイミングで夏剪定する方が10月中旬~下旬に咲かせやすくなります。
逆に四国南部や九州南部などの、暑さが長く残りやすい地域では、9月10日より遅くした方が10月中旬~下旬に咲かせやすくなります。
実際に自分の地域でいつ夏剪定をすればいいか迷ったら、地域のバラ園が参考になります。地域のバラ園に足を運んで確認するか、バラ園の公式サイトで調べてみましょう。
2、その年の暑さ・涼しさを見る
暑さが長引く年は遅らせる
▲残暑厳しい年、まだ暑い9月初旬に夏剪定すると、こんな花が咲くかも・・・
近年は夏がとても暑く、そのまま秋も残暑が長く残る傾向があります。
9月以降も残暑が長引く年は、夏剪定の時期を少し遅らせると良いと言われます。9月10日が目安なので、たとえば残暑が長く残る年は9月15~20日にするといいかも知れません。
もしも残暑厳しい秋に、9月に入ってすぐ夏剪定を行ったら・・・もしかしたら上の写真のように夏花と同じように、ほんの数センチ伸びて小さな花を咲かせてしまうことになるかも知れません。
こうならないように、夏剪定のタイミングを後ろにずらすのです。
早く涼しくなった年は早める
逆に夏の終わりが早いなら、夏剪定時期を早めた方が良いと言われます。9月に入ってすぐ、9月1~5日ごろにするといいかも知れません。
例年より涼しくなるのが早い年の夏剪定を9月10日にすると、バラが咲くまで日数がかかりすぎてしまうことがあります。このため、開花が11月にずれこむ可能性があります。
こうならないように、夏剪定のタイミングを前にずらすのです。
もちろん、夏剪定後にどんな天候になるかは分かりません。気象庁の長期予報などを参考に、剪定時期を見極めてください。
3、日当たりによって、開花までのスピードが変わる
▲半日陰栽培は咲くまでの日数が長くなる
バラを育てている庭が日向か半日陰かでも条件は変わります。
夏剪定の目安とされる9月10日は、日当たりの良い場所に育つ木立ちバラを想定しています。
日向栽培では、光合成が進み、枝の生長・蕾の発達が順調ですが、我が家のベランダのように半日陰栽培の場合は、生長や蕾の発達がゆっくりになり、開花まで時間がかかりがちです。
そのため夏剪定のタイミングを考える場合は、日向栽培より少し早くすると上手くいきやすくなります。
一般的に夏剪定から開花まで40~45日かかると言われますが、我が家の場合は50日ていどはかかると考えています。
4、品種によって、咲くまでの時間が違う
▲花枝がとても長い遅咲き品種「ナエマ」
バラは、剪定から咲くまでにかかる時間が、品種により違います。
一般的にシュラブ系統のバラは、木立ちバラより枝を長く伸ばしてから蕾をつけます。つまり、剪定してから開花するまで時間がかかる遅咲き傾向のバラが多いのがシュラブなのです。
そのためシュラブは木立ちバラより早く、お盆明け~8月下旬に夏剪定すると良いと言われます。
なかでも、とくに時間がかかるのが「ナエマ」です。ナエマは芽吹きが遅く、約1mもの長い花枝を伸ばしてから蕾をつけます。しかも8~10cmにもなる大輪品種。そのため、夏剪定から開花まで60日以上かかることがあります。
ナエマのように超遅咲きバラの夏剪定を遅く行ってしまうと、寒さのために上手く咲けないこともあるので、注意が必要です。
シュラブ系統のバラの夏剪定について詳しくは、こちらの記事で確認してください
バラと小さなガーデンづくり
バラの夏剪定のしかた|シュラブ系統は品種に合わせて切り方を変える
5、どのくらい切るかでも、開花時期は変わる
▲赤ラインより青ラインでカットした方が、開花までの時間は短い
バラは、枝先に近いところで剪定(=浅い剪定)すると、次の花が早く咲きます。その代わり、1輪あたりのサイズは小さくなりやすいです。
逆に、株元に近いところで剪定(=深い剪定)すると、次の花が咲くまで時間がかかります。その代わり、大きく立派な花が咲きやすくなります。
上の写真で説明すると、赤いラインで剪定するより、青いラインで剪定した方が、次の花が早く咲きやすいのです。
剪定の深さと開花までの時間や花の大きさの関係を表にまとめました。
| 剪定のしかた | 次の花までの時間 | 花の大きさ |
| 浅い剪定 | 早くなる | 小さくなりやすい |
| 深い剪定 | 遅くなる | 大きくなりやすい |
注意が必要なのが、大輪品種です。
大輪品種を大きく咲かせるためには、あるていど時間が必要です。今年の秋は暑いからと、あまりに遅い時期に深い位置で夏剪定をしてしまうと、蕾が開くころにはすっかり寒くなってしまい、上手く咲けないということになりがちです。
いつまでも暑い秋の大輪品種の場合、2つの考え方から選ぶことになりそうです。
1、夏花が咲くリスクを理解しつつも、通常時期に通常通りの夏剪定をして大輪花を狙う。
2、夏花が咲くのを回避するため、通常より遅く、浅く夏剪定する。花の大きさは少し小さくなっても構わない。
実際にどうなるかは、試してみなければ分かりません。
コラム│「40~45日」はどうやって決まる?積算温度という考え方
夏剪定から開花まで木立ちバラなら「40~45日」といわれますが、これはカレンダーを40日めくれば必ず咲く、という意味ではありません。
バラの開花までの時間を考える方法のひとつに、「積算温度」という考え方があります。
毎日の平均気温を積み重ねて、一定の温度に達すると開花に近づく、と考える方法です。
つまり、暑い時期なら生育が早く進み、秋になって気温が下がれば、同じ40日でも開花までの進み方が変わってきます。
ただし、実際の庭では日照や品種など、ほかの条件も関係するため、積算温度だけで開花日を正確に予測できるわけではありません。
「夏剪定から40~45日」というのは固定された日数ではなく、その年の気候によって前後するもの。 そう考えると、夏剪定の時期を決めるのが難しい理由も、少し分かりやすくなるかもしれません。
夏剪定を成功させるには経験が必要
日本のどの地域に住んでいるか、今年の残暑はどうか、日向栽培か半日陰栽培か、早咲き品種か遅咲き品種か、どのていどの深さで剪定するか。
夏剪定を成功させるには・・・つまり、狙った10月中旬~下旬に、まとめて咲かせるためには、これらさまざまな条件を考慮して、剪定するタイミングや深さなどを決めなければいけません。
判断能力も必要だし、経験も必要です。
9月10日に、言われた通りに切ればいいという、単純なものではないのが、分かっていただけたと思います。
何回も繰り返し夏剪定を経験することで、自分の庭の、自分のバラに合った夏剪定のやり方が身につくものだと思います。
夏剪定のタイミングを見極める3つのアドバイス
このように、なかなか手ごわい夏剪定ですが、どうすればタイミングを見極められるか?その実践方法を3つ紹介します。
これから夏剪定に挑戦してみたい方、どうぞ参考にしてください。
1、自分の地域やバラの基本情報を知ろう
まず、我が家の属している地域や、育てているバラについて、しっかり基本情報を把握することから始めましょう。
・基準となる「関東以西の暖地」なのか、「寒冷地」なのか「残暑が続きやすい地域」なのか?
・今年の秋の長期予報を気象庁の予想などで確認しましょう
・我が家の庭は日向?それとも半日陰?
・育てているバラは、木立ち?シュラブ?
・大輪品種?それとも中~小輪品種?→それに応じた剪定の深さが決まる
これら基本情報が分かっていれば、今年はいつ夏剪定をすればいいかを判断できるようになります。
2、地元のバラ園を参考にしよう
▲我が家の近所のバラ園
どのタイミングで夏剪定すればいいか・・・判断に迷ったら、地元のバラ園が頼りになります。
自分の経験を積んで判断するのを正攻法とすれば、いわばこちらは経験のショートカット。
あなたの地域の、今年の気候で、いつ夏剪定するかをプロの判断で行っているので、かなり参考になります。
サイトのあるバラ園なら、夏剪定時期をサイトで確認するのが確実です。
サイトのないバラ園なら、実際に足を運んでみましょう。作業している方に、仕事の邪魔にならないていどに訊ねるのもいいと思います。
3、自分の「バラの栽培ノート」を作る
自分の地域の、今年のタイミングを知りたいなら、地元のバラ園はとても参考になりますが、我が家のこのバラにいつ夏剪定すればいいか──これは、あなたにしか分かりません。
今年はどんな気候だったか、どの品種にいつ夏剪定を行ったか、その結果どうなったか。
あなただけの夏剪定のデータを積み重ねることで、あなたの庭の最適解が見えてきます。
そのために──自分だけの「バラの栽培ノート」を作りましょう。
上手く行った年も、上手く行かなかった年も、振り返ればとても大切な情報の宝庫です。
「あぁ、この年はこうだったなぁ」と、日記を紐解くような楽しさもあると思います。
「バラの栽培ノート」づくりのヒントはこちらの記事で見られます
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まとめ│夏剪定は上手く行っても行かなくてもOK。楽しんだ者勝ち!
秋花がもっともキレイに咲く時期を狙って、いっせいに咲かせるための開花調整技術「夏剪定」。
狙い通りに成功させるには、住んでいる地域の気候、その年の秋の長期予報、自分の庭の日当たり、バラの品種、剪定する深さ・・・と、さまざまな条件を適切に判断してタイミングを決めなければいけません。
こればかりは、先生の言葉通りにやって上手く行くケースもあれば、行かないケースもあります。
夏剪定のタイミングをはかるのに、参考になるのが近所のバラ園です。
もっと確実なのは、自分の庭のデータを何年も積み重ねること。
狙い通りに上手く行けば嬉しいし、上手く行かなくてもそれはそれで来年への糧になります。
それも楽しみの一つとして、夏剪定にチャレンジするのも面白いと思います。
夏剪定の経験を通して、きっとバラへの理解が深まります。
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こんばんは
去年は9月11日に秋剪定したので今年は9月10日に年内最後の剪定するぞと6月頃から意気込んでて、
2番花、3番花、そして8月に4番花が咲き、9月10日は微妙な時期になるなと思いました。まあそれでもつぼみの途中だろうが何だろうがその日には切るぞと。
ただ、今年はめちゃくちゃ暑かったですね。9日にこの記事を読んで、
予定変更、一週ずらすw
としました。ただ、剪定と同時に施肥はしようと思っていましたが、施肥は予定通り10日にやり、さらにベニカXガードも加えました。
つぼみが膨らんできていますが、来週(17日前後)にはバツッと切ります。5番花はカットw。
これで秋の新芽が肥料を吸ってニュッと出てきて、アブラムシやチュウレンジハバチにやられること無く元気に育つでしょう。
柔軟に考えることが出来るようになる事が出来てこの記事に感謝です。
成瀬川ゆうきさま。
コメントありがとうございます。
今年はホント異常に暑い夏で!
都心では8月1カ月まるまる真夏日だったとかナントカ。
こういう異常気象の年はバラもそれに合わせたお手入れが大事ですね。
今年はわたしも1週間後ろにずらして、9月12日に秋剪定しました。
横浜はぜんぜん雨が降らないので、毎日、夜になっても暑いですけど
なんとか、キレイな秋花が咲いてくれるといいな~!
成瀬川さまのバラたちもステキに咲いてくれますように^^
あいびー