20XX年10月
バラ苗を注文し、育てるための資材もそろえたYOUちゃん。さぁ、あとはバラ苗の到着を待つばかりです。あ! どうやら届いたようですよ! さっそく鉢に植え替えしましょう。
*このページはパソコン画面でご覧いただくことをオススメします。

ピエール・ドゥ・ロンサールの長尺苗が届いたわー!

今日からYOUちゃんも初心者ロザリアンね!


バラを愛し、育てている人のことを
「ロザリアン」って呼ぶのよ!

なんか、照れるわぁ~!
CONENTS
バラの植え替えには適期がある!

さっそくこないだ買った鉢に植え替えですね!
・・・・あら?
あいびー先輩、難しい顔してどうしたの?

今は10月でしょ?
この時期の植え替えだと、どうしようかなぁ~って思ってね。
▲苗の種類。左から新苗、大苗、鉢苗、長尺苗の鉢苗
バラ苗には、新苗、大苗、鉢苗の3種類があります。新苗は、春の開花に合わせて5月ごろに出回る苗。大苗は、秋~冬にかけて出回る苗です。鉢苗は1年じゅう出回ります。(鉢苗は、花のついているものもあれば、ついていないものもあります)。
新苗と大苗は、基本的に購入したらすぐに植え替えします。
新苗の植え替え適期
新苗なら苗の出回り時期の5月ごろに植え替えます。
大苗の植え替え適期
大苗の場合は、しっかり気温が下がり切ってから植え替えます。気温が下がり切るとバラが休眠期に入るので、根についた土をしっかり落とし、まったく新しい土に植え替えても大丈夫です。関東なら12月~翌年の2月の間が大苗の植えつけ適期です。寒冷地なら翌春の3月~4月に行います。
ネット販売では多くの場合、大苗が予約販売となっているのはこのためです。予約受付しておき、植えつけ適期になってから送ってくれるのです。ホームセンターなどで購入する場合にも、大苗は植えつけ適期に購入したほうが、後々のバラの生育を考えると安全です。大苗を早く購入しすぎると、植えつけ適期よりも早い時期に植えなくてはいけなくなります。
鉢苗の植え替え適期
鉢苗は、生育に適した土に植えられているので、いつ植え替えしても構いません。あわてて植え替えしなくても、しばらくそのままの鉢で育てて、後で植え替えすることもできます。ただし、バラの休眠期以外に植え替える場合には、根についた土を落とさず(根鉢を崩さず)に植え替えます。

鉢苗だから、いつ植え替えしてもいいの。
今日、植え替えしてもいいし、バラが休眠する真冬まで待ってから植え替えてもいいのよね。
だから、どっちにしようかな~って思って。

せっかく、あいびー先輩に来てもらっているし、
できれば今日、植え替えしたいけれど、
今日やるのと、真冬にやるのとではどっちが簡単?

そうね、それじゃ今日やっちゃいましょう!
植え替え作業をするときは、ガーデニング専用のエプロンを用意すると、服が汚れるのを防げるわ!
あと、踏み台をイスがわりにして腰かけてやると体が楽よ。
つるバラの鉢苗の植え替えのしかた
用意するもの
植木鉢、培養土(肥料入りのもの)、鉢底ネット、鉢底石を用意します。もちろんバラ苗も用意します。踏み台をイスがわりにして作業すると楽です!
1、鉢の底穴に鉢底ネットをかぶせ、鉢底石を敷く
まず適当なサイズに切った鉢底ネットを、植木鉢の底穴にかぶせて置きます。鉢底ネットは、台所用水切りネットやチューリップの球根が入っていたネットなどを利用しても構いません。
鉢底石は底に1~2層ていど敷きます。
鉢底石を台所用水切りネットに入れて鉢の底に敷くのもおすすめの方法です。
まわりが緑豊かな環境なら、土にやっかいな害虫(コガネムシの幼虫)が入り込むことがあります。コガネムシの幼虫は、バラの根を食い荒らし、発見が遅れるとバラを枯らしてしまいます!
鉢底石を水切りネットに入れておけば、次の植え替えの際に害虫を見逃さずに駆除できます。(コガネムシの幼虫と鉢底石はとてもよく似ているので、見逃しがちなのです!)
2、つるバラの根鉢を崩さずに苗を鉢から抜き、新しい植木鉢に入れる
元の鉢から、根鉢を崩さずにバラ苗を抜き、新しい植木鉢に入れます。ガーデングローブをして、手にトゲがささらないように注意して作業しましょう。
根鉢というのは、根がしっかり土を抱き込んで巻いているので、鉢から抜いても根と土で鉢と同じ形になったまま保たれている状態です。バラが休眠している真冬に植え替えるとき以外は、根鉢を崩さずに植えつけます。

この苗、なかなか抜けない!

鉢の側面をゲンコツで1周ぐるりと叩いてから抜いてみて!
けっこう力入れて叩いてね。
その後、苗の株元を右手の人差し指と中指の間に入れて、
左手で鉢をもち
ひっくり返すと、バラを傷つけないで出すことができるわ。

かといって、抜けてくれないと困るし
ガーデングローブしてても意外とトゲが怖いし
けっこう厄介ですねこれ。
あ! やっと抜けた!
3、あいたところに培養土を入れる
肥料入りの培養土を土入れか深型シャベルですくって、あいたところに入れていきます。培養土はふかふかしているので、ぎゅっ、ぎゅっと押さえながらしっかり詰めます。鉢の縁ぎりぎりまで培養土を入れず、2cmほどひかえて入れましょう。土と鉢の縁までの2cmをウォータースペースと呼びます。ウォータースペースがあることで、この後の水やりがしやすくなります。
培養土を入れたら、ベランダに散った細かい土などをホウキできれいに掃き清めます。
4、つるバラの株元にたっぷり水やりを!
水やりする前に、鉢を設置する場所に移動しておきます。水やりしてから移動しようとすると、かなり重くなってしまいます。
ミニバケツで水やりして、植え替え完了です。一旦、ウォータースペースにたまった水は、じょじょに土に浸透していきます。鉢底から水が流れ出るまで、たっぷり水やりしましょう。
この後、バラが休眠期に入る12月までは、2~3日に1回くらいの頻度で水やりします。

土の上に水をためるためのスペースなのね!

ウォータースペースがないと、水はしみこまずに土の上を流れて鉢から落ちるばかりで
しっかり水やりすることができないのよ。

これ、じょうろのシャワーで水やりしてたら、すごく時間がかかるし、
鉢の外にもシャワーがかかるから
ちゃんと鉢底から水が流れ出ているかどうか、確認できないものね!
5、最後につるバラの枝を仮誘引して完了!
本格的な誘引はバラの休眠期に行いますので、それまではとりあえずの仮誘引をしておきます。バラの枝が倒れなければいいので、枝をまとめて支柱になるものと一緒にゆるくロープで縛っておけばOKです。

「仮」ってことは、後でまたやらなければいけないの?

誘引作業は、本来なら12~2月までのバラの休眠期にやるといいの。
だから、今は「仮」に誘引にしておくのよ。
まとめ

鉢苗は、この手順で1年じゅういつでも植え替えすることができます。
普通の鉢苗でも長尺苗でも、やり方は同じです。
ただし、真冬に作業をする場合には、大苗と同じ植え替え方もできます。
大苗の植え替え方は、また別の機会に紹介しますね!

バラが休眠時期に入る12月まで、このまま水やり頑張ります!
第6回「苗以外の資材をそろえよう!」編<<<今回>>>第8回「冬に咲く花と、春に咲く球根を植えよう!」編につづく。

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