20XX+1年4月5日
あいびー先輩に教えてもらいながら、ベランダで初めてつるバラのピエール・ドゥ・ロンサールを育てているYOUちゃん。4月に入り、ぐんぐん新芽が伸びてきて喜んでいるYOUちゃんの家をあいびー先輩が訪れています。手に何か持っているようですよ!?
*このページはパソコン画面でご覧いただくことをオススメします。

見て、見て!
うちのピエールさん、どんどん葉が広がってきてるんです。
もうすぐ花が咲くのね~楽しみ!

バラが咲くのは5月中旬ごろからだから
あと1か月半後くらいかな?
ところでYOUちゃん。
今日はとても大切な話をするから、心してね!

いったい何ですか?
CONENTS
4月はつるバラの病虫害対策を始める月

活動し始めるのはバラだけじゃないのね。
害虫や病気も活動し始めるので、
バラが害虫に食べられたり、病気にならないように
今日は病虫害の予防対策をします!


じつはバラは、病気や害虫がつきやすい植物なの。
でも環境を整え適切に農薬を使えば、被害を最小限に抑えられるわ。
・・・YOUちゃん大丈夫?

だっ、大丈夫です。
ここで可愛いピエールを虫の餌食にされてたまるもんですか!
あいびー先輩、わたし戦いますよ!
若葉の季節は、つるバラのうどん粉病とアブラムシに注意!

バラがかかりやすい病気や、害虫にもいくつか種類があってね、
これからの若葉の季節にかかりやすいのは
うどん粉病とアブラムシよ。
うどん粉病
うどん粉病は、葉やつぼみに白い粉のようなものがつく病気です。放置しておいてもバラが枯れることはありませんが、どんどん広がりバラの生育が悪くなるうえに見た目も良くありません。気温15~25℃の春と秋に発生し、30℃を越える真夏と、寒い冬季には発生しません。
病気と言っていますが、じつは風で飛んできたカビの胞子が付着して繁殖するものです。カビがつくことで光合成がしにくくなり、カビが養分を吸い上げるので生育が悪くなります。
あまり陽当たりが良くなく、風通しが悪い環境で発生しやすい病気です。
アブラムシ
バラの新芽やつぼみにつくアブラムシは、体長2~4mmの小さな虫ですが、とても繁殖力が強く、早いうちに駆除しないと大繁殖しかねないやっかいな虫です。
アブラムシは大繁殖して汁液を吸いバラを弱らせるだけでなく、ウイルス病を媒介するという二次被害をもたらしたり、排泄物がすす病を招いたりと、さまざまな病気の原因となります。
陽当たりが悪く、風通しも悪い環境で発生しやすいので、まず環境を整えることが大切です。
病気も害虫も予防が肝心!
環境を整える

うどん粉病もアブラムシも発生しやすい条件は同じ。
「陽当たりが悪い」「風通しが悪い」
この二つの条件がそろうと発生しやすいので、
バラを陽当たりよく、風通しも良い環境に保ちましょう。

困っちゃうわね。

たとえば、枝が混みあいすぎていると、その枝の下になる場所は陽当たりが悪くなるわよね。
風通しも悪くなるわ。
誘引するときにこぶし1個あけて誘引しましょって言ったのは、陽当たりや風通しを良くする意味もあったのよ。
誘引が上手く行っていなかったり、木立性のバラの場合は葉が茂って枝が混みあってきたら、陽当たりと風通しの確保のために、枝をカットして少なくするといいわね。
予防薬を使う

予防効果のある商品もいろいろあるけれど、
今日は2種類、紹介するね。
1、オルトランDX粒剤
価格:840円
(2017/4/4 07:26時点)
感想(7件)
「オルトランDX粒状」は、アブラムシを始めとするさまざまな害虫の防除に効果のある農薬です。「オルトランDX粒状」は、バラの株元の土に撒いて使用します。これをバラが根から吸い上げて木に行き渡り、オルトランを含んだ汁液を吸った害虫が駆除されるという仕組みです。
害虫はまだ生まれたばかりの幼虫の方が薬が効きやすく、成虫になってしまうと薬が効きにくいという特性があります。「オルトランDX粒状」なら、人間が探して駆除しなくても汁液を吸った虫を駆除できるので、とても使い勝手がよく、防除効果の高い農薬です。
殺虫効果は約1ヵ月続きます。1ヵ月おきに定量を株元にばらまき、水やりすればOKです。ただし、高さ1mていどまでしか効果がないので、それよりも高い位置のアブラムシには、他の対策が必要です。
2、無農薬への道
>虫も病気もつきにくい! 植物の保護液無農薬への道 500ml スプレー【ニームオイル 木酢液 バイオ酵素 野菜 バラ 花木 果樹 無農薬 忌避剤】
価格:1,058円
(2017/4/4 11:40時点)
感想(0件)
「オルトランDX粒状」と並行して使いたいのが天然由来成分の、人体に安全な予防薬「無農薬への道」です。定期的な予防薬の散布 で病気や害虫を予防します。木酢液やニームオイルなど、害虫が嫌がる天然由来成分をミックスして高い効果を引き出しています。人体に無害でしかも使用回数に制限がないので、とても使いやすい商品です。
予防には原液を10倍に希釈して、10~15日に1度の割合で定期散布します。
実際に、つるバラに予防薬と農薬を使ってみよう!

100%天然由来成分の予防薬「無農薬への道」を使う
今回、予防薬として使う「無農薬への道」は、100%天然由来成分からなる商品で、農薬ではありません。通常の服装で、素手で散布して大丈夫です。
予防には10倍に希釈してバラの葉の表と裏、両面にかけましょう。10~15日に1回、定期的に散布します。

専用のハンドスプレーに希釈液を入れておけば便利ね。
手動でシャカシャカやるのが面倒なら、安い噴霧器をひとつ買うのもアリよ!

ちょっと変わった臭いがしますね。
なんていうか・・・ニンニクみたいな・・・。
この臭いで虫が来ないのかしらね!
農薬を使う

農薬といっても、ちゃんと国の定める厳しい基準をクリアしたものだから
恐がることはないんだけれど、
それでも、使うときには注意が必要よ!
農薬を使うときには、マスク、使い捨てゴム手袋、長袖上着、長ズボンを着用。農薬散布が終わったらマスクとゴム手袋は処分し、上着と長ズボンは他のものと混ぜずに洗濯します。広範囲に散布するなら、さらにゴーグルや髪につくのを防ぐフードもあるといいでしょう。

そんな重装備しないと危ないものなんですか!?

とくに噴霧するタイプの農薬を使うときには、ハンドスプレー式の簡単に使える農薬でも
マスク、使い捨てゴム手袋、長袖上着くらいは装備したいわね。
でも、今日使う「オルトランDX」は、土にばら撒くタイプだから、そんなに重装備はいらないわ。
使い捨てゴム手袋だけで大丈夫よ。

今回は使い捨てゴム手袋だけですね。
はい、キッチンからもってきました!
オルトランDXの中蓋には小さな穴が開いているので、この状態で容器を4~5回振れば1グラム散布できます。通常サイズのバラなら、1鉢あたり約1グラムを散布します。

この後、水やりしておけばいいんですね。
たったこれだけで1ヵ月間、害虫の防除をしてくれるなんてすごいわね!
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それでもつるバラに、うどん粉病やアブラムシが発生したら!
うどん粉病は葉やつぼみが白くなるので、発生初期から気がつくことができます。バラがうどん粉病にかかっているのを見つけたら、早いうちに薬剤散布して表面の胞子を退治します。
アブラムシも、見つけたらすぐに薬剤散布で駆除します。

1、ベニカXファインスプレー
>MyROSES 住友化学園芸 ベニカXファインスプレー 950ml
価格:987円
(2017/4/4 06:23時点)
感想(1件)
「ベニカXファインスプレー」は、殺虫殺菌剤です。アブラムシやヨトウムシなどの、バラにつく害虫が駆除できます。害虫には即効性があり、アブラムシならその後1ヵ月間、防除効果が長もちします。また、うどん粉病や黒星病などの病気の防除にも効果があります。

さらに体調の悪いときには使わない、風向きに注意する、隣近所に配慮するなど、十分注意して使いましょう。
2、無農薬への道
「無農薬への道」は、100%天然由来成分の商品ですが、原液を噴霧すれば害虫駆除もできます。

これで害虫退治もできちゃうの?

農薬じゃない天然由来成分の商品なのに、すごいわよね!
病虫害対策の薬剤が複数いる理由

「無農薬への道」だけでいいんじゃないの?
殺虫剤ばかりいくつも必要なくないですか?

じつは、病虫害対策の薬剤は、2種類以上あった方がいいのよ。
虫や菌は適応能力が高く、同じ農薬ばかり使っていると、その農薬に耐性をもってしまいます。たとえば農薬Aを3度続けて撒けば、農薬Aに耐性をもった虫や菌が生まれるといわれています。そうなると、いくら農薬Aを撒いても駆除することはできません。虫や菌に耐性をつかせないために、2種類以上の農薬をローテーションして使うことが必要なのです。

たった3回で耐性もっちゃうの?
適応能力、高すぎですね!

困っちゃうわよねぇ!
子どもやペット、農薬の保管についての注意!

小さい子どもやペットがいる家庭では、
農薬を撒いた直後はバラの近くに子どもやペットが行かないよう注意してね。
「オルトランDX粒剤」のように土にばら撒くタイプなら、
上から薄く土をかぶせておくと安心ね。

それは注意しないといけないわ!

必ずカギのかかるところに保管してね。

でも、万が一ってことがあっちゃいけないから
きちんとカギのかかるところに保管するようにしよっと!
まとめ

今はまだ虫も菌も活発に活動していないので、予防をメインにお話しました。
もっと暖かくなってくると、どんどん害虫や病気の被害が出るようになってきます。
他の害虫や病気については、また別の機会にお話します。

今回は苦手なお話ばかりでした。
バラを育てるのは楽しいけれど、こういう苦労もあるんですね。
私のピエールがきれいな花を咲かせられるように
きちんと予防していきたいと思います!

YOUちゃん今回お話した3種類の薬剤、あげるわね。
どうぞ、使ってくださいな。

病気と害虫の防除がんばります!
第11回「追肥のしかたをマスターしよう!」編<<<今回>>>第13回「出開きとブラインド処理のしかた」編につづく。

Great work over again! I am looking forward for your
next post!
thank you!
鉢植えの場合では農薬(オルトランDX粒状)などを撒くと限られた鉢の土の中に成分が残り、根に吸収され、バラが段々と弱って行ってしまう可能性があるという元バラ園園長の動画が、YouTubeにアップされていますが、素人はどう考えたらいいのでしょう。
kameさん、こんにちは。
コメントをありがとうございます。
元バラ園園長さんの動画はわたしも見ています。とても参考になりますよね^^ 少し厳しい言い方をされるんですが、お話しをよーくお聞きすると、とてもまっとうな意見をおもちで信頼できる方だと思っています。ただ、やはり素人が取り組む家庭のバラ栽培ではなくてバラにとって最高をめざすプロの手によるバラ園ベースでお話しをされるので、そこがわたしのスタンスとは違うと思っています。
指摘されている件は、農薬ではなく化成肥料についてのお話しだと思います。化成肥料には塩基成分(要は塩)が含まれるので、ずっと化成肥料で育てるとだんだんバラが弱っていく可能性があるということだったと思います。長い目でみると塩害が起きるおそれがあるよ! ってことです。これは、元バラ園園長さんのおっしゃる通りだと思います。
ただ、化成肥料には化成肥料の大きなメリットがあります。一番のメリットは臭いがないこと。そしてその臭いで虫を呼ぶことがないことだと思っています。家庭園芸では、これはかなり重要だとわたしは思います。虫が気にならない方ならいいのですが、わたしは嫌です。ベランダに集まるコバエが室内に入って巣をつくり数年たいへんな思いをしましたから(==
わたしのやり方は、こうです。冬に植えこむ培養土には堆肥や腐葉土など有機質肥料が入っています。が、追肥には化成肥料を使っています。そして、毎年冬に新しい培養土に土替えします。これが家庭園芸としてはもっともいいのではないか、と、今のところ思っています。このやり方で10年くらいは鉢でバラを育てていますが、まったく問題ありません。もしかしたら追肥にも油カスなどの有機質肥料を使えば、もっと良い状態になり、たとえばわたしのやり方なら20年で樹勢が衰えるところ、油カスなら30年は元気! という差が出るのかも知れません。分かりませんけどね(^^;
臭いも害虫も気にならないしバラにベストな状態を追求したい! ということなら、有機質肥料を使った方がいいと思いますよ! ちなみに、オルトランについては問題ないと思います。土に撒くタイプのオルトランはつるバラにはあまり使えない農薬ですけどね。
【追伸】
さきほどチェックしたら、土に撒くタイプの除虫剤についても否定的なことをお話ししてられましたね。ん~。まぁ、たしかに根に影響を与えることを考えると、使わない方がベストなのかも知れませんが・・・。使いすぎに注意すれば、あんなに便利なものはないんですけどね。
バラを荒らしにくる害虫って多いです。それを駆除するためには、ほぼ毎週、農薬散布が必要だと思うんですよ。春~秋の生育期はずっとね。なるべく虫が出ないように育てることも可能です。良い土を使って、すぐれた有機質肥料で、株と株の間を広くとって、最高の日照条件で・・・。プラスして知識と経験豊富なプロのガーデナーが四六時中目を光らせていられるならいいのですが、家庭園芸ではそうもいきません。しかもそんなバラ園でも、毎週のように農薬散布してるはずです。
自分にかからないよう重装備して農薬のタンクしょって、毎週、庭で臭い農薬散布って、なかなかできないと思うんですよね、現実問題。お隣に小さい子やペットがいるかもしれないし、洗濯物だって干すだろうし、水棲動物に影響を与える農薬も多いからご近所に池があると気が引けるし・・・。
わたしはずっとオルトラン使っているけど、使い方を守れば問題ないです。年間4回までだったかな? わたしはなるべく2回程度でおさめています。オルトラン使わずに、葉を食べられて丸坊主になったとか、つぼみをかじられて咲かなかったとか、根を食べる虫に入られてバラが枯れたとか、素人はそっちの方が怖いです。