1年をとおしてバラがどんなふうに育つのか、品種ごとの生長のしかたを追いかける「そだレポ」企画です。今回はハイブリッド・ティー系統のバラ「キャンディストライプ」です。季節ごとに更新していくので、お楽しみに!

「キャンディストライプ」は、こんなバラ


【予約販売】バラ苗 2年大株苗 キャンディストライプ 大輪 4号鉢 【12月上旬以降、出荷基準に達し次第出荷予定】

ャンディストライプは、名花「ピンクピース」の枝替わり品種です。ローズピンクの地色に白(というより、ごく淡いピンク)の絞りが入り、とても艶やか。「ピンクピース」譲りの花径12cmほどの大輪花、強健さ、さらにティー+フルーツの強香をもつ魅力的な品種です。

 

花ごとに絞りの入り方が異なり、季節や管理によってもさまざまな表情を見せてくれます。

 

樹高1.2mの木立ち樹形(横張りタイプ)。四季咲き、ハイブリッド・ティー系統。

 

1962年Edward McCummings(アメリカ)作出。

 

今回育てる「キャンディストライプ」の環境DATA

関東の南向きの庭(陽当たり良好)

新苗から育てて2年半たつ株

今年の目標/絞りの花を咲かせること!(じつは地植えでも絞りのない花しか、まだ咲いていないのです)

育てる人/ハナたろう

 

*バラの育て方は、育てる場所により、それぞれの木の状態により、また目的や好みによっても人それぞれです。ここで紹介する育て方は、一例として参考になさってください!

 

11月28日の「キャンディストライプ」/用土替え

▲新苗から2年半たった株 写真提供/ハナたろう

ャンディストライプは2年半前の春、近所のホームセンターの新苗コーナーで、花が美しくかつ素晴らしい強香を放っていて一目ぼれしたバラです。今回のそだレポは、新苗から2年半たったこの株の用土替えから始めたいと思います。

 

現在10号プラ鉢に植えてあり、樹高は130cm。枝の状態はいいのですが、葉に少し黒星病が出ています。

 

▲白根がよく発達している 写真提供/ハナたろう

 

株を鉢から抜いてみました。ご覧のとおり、健康優良児です。

 

▲余分な根をカット 写真提供/ハナたろう

 

クマデで根をほぐしました。根張りがすばらしい! がん腫もなく、健康そのもの。余分な根は切り取りました。鉢の上に載っているのが、切り取った根です。

 

▲根の部分が埋まるていどまで用土を入れる 写真提供/ハナたろう

 

鉢底に直接用土を入れていきます。使用用土は、「赤玉土(小粒)6:腐葉土3:もみ殻くん炭1」の配合です。水はけの良い土なので、鉢底石は使っていません。

 

用土を少し入れて株を置き、根の部分が埋まるていどまで用土を足します。

 

▲元肥に有機質肥料を投入 写真提供/ハナたろう

 

元肥を投入します。使用する肥料は「菜種油カス5:バットグアノ5」の割合で混合したものです。粉状なので、用土と用土の間にサンドして使います。用土に混ぜて使ってもいいと思いますが、わたしはいつもこういうやり方です。

 

有機質肥料なので、微生物によりゆっくり分解されてから、根に吸収されます。

 

バットグアノは、コウモリのフンなどが長い時間をかけて化石化したものです。「リン酸」「カルシウム」「マグネシウム」「腐食酸」を豊富に含み、コウモリの死骸由来のさまざまな微量要素も含む有機質肥料です。

 

ただし、チッソとカリウムはとても少ないので、チッソを油カスで補い、カリウムはもみ殻くん炭で補っています。(一般的には草木灰で補う場合が多いようですが)。

 

▲さらに用土を足し、水やりして完了 写真提供/ハナたろう

 

さらに用土を足し、表土を指でつっついたり、鉢を床にトントンして土を落ち着かせます。接ぎ口は地上に出しておきます。

 

鉢の縁から2cmほど控えてウォータースペースを確保してあります。これで用土替えは完了。たっぷり水やりして日向に置きます。

 

自然に落葉するまで光合成してもらう狙いから、枝に残っている葉は取りません。

 

休眠期より少し前に用土替えを済ませていますが、こうすると休眠までに新根が張り、春からの生長が良いような気がします。2月中旬以降に剪定をする予定なので、それまでは水やりのみの手入れになります。

 

葉に黒星病が出ていますが、この時期の病気は、わたしは放置です。春先の芽吹き以降まで薬剤散布はしません。

 

2月4日の「キャンディストライプ」/冬剪定

▲剪定前の樹高は120cm 写真提供/ハナたろう

定前の樹高は120cmです。枝数を減らさないように剪定していきます。

 

▲昨年、折れてしまった部分 写真提供/ハナたろう

 

ここは、昨年の爆弾低気圧で折れてしまったところですが、なんのなんの、何事もなかったような生長ぶりを見せてくれました。

 

▲剪定後の樹高は60cm 写真提供/ハナたろう

 

樹高60cmに剪定しました。枝数は剪定前と同じで、花数にも期待しています。昨年折れてしまったところにも芽があるので、下向きですがあえて残しました。きっと花をつけてくれるでしょう。

 

3月17日の「キャンディストライプ」/萌芽

▲芽吹きはやや遅いめ 写真提供/ハナたろう

ャンディストライプがようやく萌芽し始めました。この品種は若葉が黄緑色がかっていて、艶感はありません。

 

▲下向きに曲がった枝も無事に萌芽 写真提供/ハナたろう

 

下向きの枝も、勢いよく芽吹いてきました。(写真ピンボケですが^^;)。

 

3月29日の「キャンディストライプ」/若葉が展開

▲しっかりした若葉が展開 写真提供/ハナたろう

ヤはないけれど、しっかりした濃い色の若葉が展開してきました。主幹の下の方から、内向きではあるけれど元気な芽が吹いています。隙間埋めにちょうどいいので、大きく育ってほしいです。

 

泥はね防止に「木の葉100%腐葉土」でマルチングしてあります。この品種は遅咲きなので、蕾はまだ見当たりません。

 

この時期の手入れ

薬剤散布。

 

オーソサイド80水和剤(幅広い病害の予防)+ポリオキシンAL水和剤(ウドンコ病などの防除)+アファーム乳剤(ヨトウムシ、アザミウマなどの害虫駆除)。

 

展着剤として、今回からアビオンEを混入しています。

 

4月6日の「キャンディストライプ」/発蕾

▲花枝が伸び、その先に蕾が! 写真提供/ハナたろう

葉が生い茂り、蕾も出てきました。

 

▲低い位置からも蕾が・・・ 写真提供/ハナたろう

 

前回、紹介していた、主幹の下の方から発生したベイサルシュート候補の芽に蕾がつきました(== 残念ながら、ベイサルシュートにはなりません。

 

有機物とはいえ、元肥をあげすぎたのかもしれませんね。

 

この時期の手入れ

薬剤散布。アブラムシが出てきたので、スミソン乳剤を散布しました。

 

4月30日の「キャンディストライプ」/蕾ふくらむ

▲花びらの色がのぞいて、もう少しで咲きそう 写真提供/ハナたろう

のガクが割れ、花びらの色がのぞいてきています。蕾の数は13個。遅いめに咲くので、もうしばらくお待ちください。枝が下向きになっているところの芽は、残念ながらブラインドになりました。

 

5月4日の「キャンディストライプ」/開花

▲今年もストライプなしの花 写真提供/ハナたろう

ャンディストライプが開花しました。花径13cmの巨大輪です。──が、またもやこの花の特徴であるストライプが入りませんでした。まるっきりピンクピースです。

 

▲蕾は17輪 写真提供/ハナたろう

 

蕾は前回から少し増えて17個あります。フルーティな強香を漂わせています。

 

5月6日の「キャンディストライプ」/ほぼ満開

▲花径13~15cmの巨大輪 写真提供/ハナたろう

ャンディストライプはほぼ満開を迎えています。花径13~15cmの巨大輪と強香。これぞ「桃色!」といわんばかりの花色。さらに生育旺盛で強健。ケチのつけようのないパーフェクトな品種だと思います。

 

これでストライプが入ってくれれば200%満足です!

 

>>つぎのページでは「切り戻し」から紹介しています。