ロサ・ムルティフロラ(ノイバラ)

Rosa multiflora

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DATA

バラの系統 原種【Sp】
開花のしかた 一季咲き
花径 2.5cm
花形 一重
香り 中香(りんごを思わせるさわやかな香り)
樹形 シュラブ樹形 3.5m
作出情報
交配
備考 日本原産の原種 和名「ノイバラ(野茨)」

 

ロサ・ムルティフロラ(ノイバラ)は日本原産の原種バラ

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サ・ムルティフロラは和名をノイバラ(野茨)といいます。北海道から九州まで広く日本じゅうに自生する日本原産の原種バラです。

5~6月ごろの一季咲きで、花径2.5cmほどの白い小さな花房状に咲かせます。変異個体で淡いピンク色のものもあります。

には丸い真っ赤な実も楽しめます。ノイバラの成熟した実は、漢方の世界で「営実(エイジツ)」と呼ばれ、下剤・利尿薬として用いられます。

寒さ、暑さ、病気にも強い強健な性質から、日本ではバラの接ぎ木苗の台木として利用されています。もしも株元から生えてきた枝に白い小花が咲いたら、それはきっとロサ・ムルティフロラ(ノイバラ)です。とても性質が強く接ぎ木したバラを枯らしてしまいかねないので、ロサ・ムルティフロラの芽は普通、摘んでしまいます。台木の芽をかきとるという意味からこの作業を「台芽かき」と呼びます。

 

ノイバラは、万葉集に詠まれている宇万良

葉集 巻20 第4352首に丈部鳥(はせつかべのとり)作のノイバラを詠んだ歌が残されています。これが日本の文学史上、もっとも古いバラといわれています。

道の辺の宇万良のうれに延ほ豆のからまる君をはかれか行かむ

「道のほとりのノイバラの先に豆のつるがからみつくように、私にからみついて離れようとなさらない君と、別れて行かなくてはならないのか」という意味で、防人として出兵するため家族と別れる際の悲しみを歌った「防人の歌」です。

歌の中の「宇万良(うまら)」が現代の「ノイバラ」を意味し、「うまら」は、「うばら」の東国方言とされています。

 

ロサ・ムルティフロラは、モダン・ローズに房咲き性質をもたらした園芸品種の重要な親

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▲ロサ・ムルティフロラは、たくさんの花で庭を彩るフロリバンダ系統のバラを生み出す重要な親。写真左:アンジェラ 写真右:つるアイスバーグ

芸品種に重要な性質をもたらした親として、ロサ・ムルティフロラは園芸史上、特に重要な原種の一つとされています。そもそもロサ・ムルティフロラ(Rosa multifloramultiflora」は、ラテン語で「多花種」を意味します。ロサ・ムルティフロラにより、枝先にたくさんの花を咲かせる房咲き性質がもたらされたのです。

モダン・ローズの最初の品種「ラ・フランス」を作出したフランスのギヨーは、ロサ・ムルティフロラと中国原産の原種バラ、ロサ・キネンシスの矮性種ロサ・キネンシス・ミニマ(Rosa chinensis minima)を交配させ、小輪の花を房咲きさせる四季咲きのバラを作出しました。この系統のバラは「ポリアンサ系統」と呼ばれています。

さらにポリアンサ系統を発展させたのが、デンマークの育種家ポールセン(Poulsen)です。ポールセンはポリアンサ系統のバラハイブリッド・ティー系統のバラを交配させ、四季咲き性で中輪房咲きのフロリバンダ系統のバラを作りだしました。

ロサ・ムルティフロラはランブラー系統のバラにも影響を与え、小輪房咲きのハイブリッド・ムルティフロラ系統のランブラーが作りだされました。

 

▼園芸品種に重要な影響を与えた他の原種バラについては、こちらをご覧ください。

園芸品種の親として重要な原種バラ8種

▼ポリアンサ系統とフロリバンダ系統については、こちらをご覧ください。

ポリアンサ系統とフロリバンダ系統

▼ランブラー系統については、こちらをご覧ください。

バラの系統/ランブラー系統

 

日本の気候に合った、育てやすい強健種

サ・ムルティフロラ日本原産の原種バラで、日本の野山に自生しているくらいですから、日本の湿度の高い暑い夏にも、寒さにも強く、さらに病気にもかかりにくい育てやすいバラです。

自生種はがありますが、自生種の中から選抜した棘のないもの「棘なし野バラ」として流通しています。この棘なし野バラはスタンダード仕立て用の台木としても重宝されています。

 

生産者からのコメント

原種ながら園芸品種としても非常に優れています。トゲの無いしなやかな枝はどのような場所にも誘引しやすく、抜群の花付きで周囲を圧倒させます。また、小さいな白一重の花は別の品種との相性もよく、お庭を彩る上で表現の可能性をぐんと広げることができます。葉の茂りもよいので寂しい印象もなくなるでしょう。病気にもかかりにくく、樹勢がよいので非常に育てやすいのも評価ポイントです。(ただし、葉質は弱く寒冷地の方は気温の低い時、ベト病に注意です。)(姫野ばら園農場日記より)

 

ロザリアンからの口コミ

ロサ・ムルティフロラは花もちは悪いんだけど、次々と咲いてくれるから修景用のバラとして便利です。小輪なので、少し大きなバラを組み合わせると素敵です!

 

野生バラだし、小輪だし、白色だし、ちょっと地味目? って、思っていましたが、房咲きになって見事です。満開になったら華やかです!

*実際に育てた経験のある皆さまからの口コミ、常時募集しています!

 

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まとめ

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ヨーロッパではポリアンサ系統やフロリバンダ系統を生み出す重要な親となった日本原産の原種バラ、ロサ・ムルティフロラ。万葉集に詠まれたり、実が漢方薬の材料になったり、さらにバラ苗の接ぎ木材料にされたりと、日本人に関わりの深いバラね。野イチゴのように愛らしい小花をびっしりと咲かせる育てやすいバラで、つるバラのように誘引して楽しむこともできる、とても魅力的なバラです。

庭に上手に取り入れれば、自然な景観が作り出せそうです。口コミにあるように、大きなバラと組み合わせても素敵になりそうですね!

ただし、その勢いの良さはあまりに強く、台木から発生したたくさんのロサ・ムルティフロラのシュートが接ぎ木したバラを枯らしてしまうこともあるのだとか! こうなると、少々やっかいに思えそうです。

 

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