カンナの花は夏に色鮮やかな花を咲かせるけれど、どちらかといえばあまり知られていない地味な存在でした。でも、今では葉が美しい植物としてガーデンの主役級の扱いなんですよ! カンナの花の品種と、ガーデンでの使い方実例を紹介します。

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カンナは暑くなればなるほど色を増す熱帯の花!

ンナは熱帯アメリカ原産の植物です。暑さにはめっぽう強く、真夏の日差しをものともせずに色鮮やかな花を咲かせ続けます。冬に地上部は枯れますが、地下茎が残り、毎年発芽して花を咲かせる多年草です。花を観賞するカンナという意味で「ハナカンナ」とも呼ばれます。

 

花色は赤、黄色、オレンジ、白など、ぱっと目を引く原色です。あまり流通していませんが、ピンク色もあります。

 

これだけ色鮮やかな花なのに印象が薄いのは、花の形が不明瞭なせいでしょう。花びらが何枚あるのか、どんな形をしているのか、ちょっと思い描けない花ですよね。写真を見てすらはっきりしません。

 

咲き終わった花が汚くこびりついているのもよく見かけます。植えっぱなしでも毎年花を咲かせることから、何となく植えてあり、あまり熱心に手入れされていない花という印象が強いです。

 

でもこのカンナ、品種を選べばガーデンの主役をはれるほど素敵な植物だとご存知ですか? カンナの花の品種と、ガーデンでの使い方実例を紹介します。

 

「フレンチ・カンナ」と「イタリアン・カンナ」

フレンチ・カンナ(フランス系カンナ)

本でよく見かける草丈1.5mほどで大きな花を咲かせるカンナは、19世紀の中頃にフランスで作出されたフランス系カンナ(C.× generalis Bailey)です。

 

上の写真はフレンチ・カンナの代表品種「アメリカン・レッド・クロス」。古い格子戸によく似あっていますね。他に白花の「ユーレカ」、黄色に赤い斑点のある「アンアーファン」などの品種があります。

 

イタリアン・カンナ(イタリア系カンナ)

19世紀末にイタリアで作出されたのがイタリア系カンナ(C.× orchiodes Bailey)です。イタリアン・カンナは大型で、草丈2~2.5mにまで達します。花はフレンチ・カンナよりも小ぶりです。

 

現在のカンナ

在では交配が進み、フレンチ・カンナ、イタリアン・カンナと区別できない品種も多く出てきています。矮性品種(ミニチュア・カンナ)は草丈40cmほどのものがあり、大型品種は2m以上です。葉の色が美しいものも多く、それらはまとめて「カラーリーフ・カンナ」と呼び分けられています。

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カラーリーフ・カンナ

 

ンナのなかでも葉の美しいタイプを「カラーリーフカンナ」と呼んでいます。銅葉や、上の写真のように明るい緑と黄色のストライプを描くものもあります。

 

もちろん花も咲きますが、どちらかというと葉を楽しむタイプで、夏~秋のガーデンのフォーカルポイントとして、ごちゃごちゃしがちなガーデンをまとめあげる主役級の働きをしてくれます。ここぞという場所に、効果的に使いたい葉もの花材ですね。

 

カラーリーフカンナの種類

カンナ・オーストラリア


【夏に強い宿根】カンナ オーストラリア 銅葉 1鉢 大株 7号鉢 宿根 銅葉 赤花 半耐寒性多年草 宿根草 オーストラリアカンナ

丈40~50cmの矮性タイプのカンナです。シックな銅葉が美しく、水辺での栽培にも向きます。

 

カンナ・ダーバン


カンナ ダーバン 1鉢 4号鉢 Canna Durban 宿根草 球根 冬期球根状 カラーリーフ ガーデニング 花苗 花壇 夏

初は燃えるような赤の縞もよう、生長すると緑の縞もように変化していく美しい葉を楽しむカンナです。草丈は100~150cm。株が生長すると、年々、迫力が増します。
 

カンナ・トロピカーナ

ンナのトロピカーナシリーズには、中心が緑と黄色の縞もようで葉先が赤くなる「カンナ・トロピカーナ」、濃い銅葉の「トロピカーナ・ブラック」、緑と黄色の縞模様の「トロピカーナ・ゴールド」があります。

 

カンナの育て方

ンナは温暖な地方では、植えっぱなしで毎年花を咲かせてくれる、育てやすい植物です。

カンナは日向が好きなので、なるべく日光のよく当たる場所に植えつけます。チッソ肥料が多いと葉ばかりが茂って花つきが悪くなります。花を楽しみたいカンナは、肥料なしでも良いようです。

 

4月中旬以降に地下茎を植えつける多年草

花期は6月~10月

草丈は1.5m

 

20度以上になる春に地下茎を植えつけ、関東以西ならそのまま植えっぱなしで大丈夫です。念のため冬に土を厚盛りしておくと凍害が防げます。

 

地面が凍る寒い地方では地上部が枯れたら掘りあげ、乾かさないよう凍らないよう注意しながら発砲スチロールの箱などで室内で管理し、翌春に植えつけます。

 

病虫害はほとんどありません。

 

カラーリーフ・カンナのガーデニング実例

 

や疲れの見える夏のガーデンで、抜群の存在感をしめす大型のカラーリーフ・カンナ。おそらく「トロピカーナ・ブラック」だと思われます。花も咲いているけれど、それが目立たないくらい燃えるように赤い葉が美しいですね! (撮影:8月初旬)

 

緑濃い夏のガーデンに爽やかさを加えてくれるカンナ・トロピカーナゴールドです。夏~秋の庭で主役をはる存在感です! (撮影:8月初旬)

 

まとめ

夏に花咲くカンナを紹介しました。日本では花を観賞するカンナが主流でしたが、海外では葉を観賞するカンナの人気が高く、トロピカーナ・シリーズはオーストラリアにある種苗会社の商品です。

 

なんとも捉えどころのない花形のカンナは、葉の美しさを観賞する方が向いているように思えますね。カラーリーフ・カンナには、トロピカーナ・シリーズのように大型タイプもあれば、草丈40~50cmの矮性タイプもあります。庭のサイズや植える場所により、大きさを使い分けてくださいね^^

 

ところでカンナには地下茎に澱粉をためる性質があるので、原産地(中南米の熱帯地方)では食用に栽培されていたそうです。大きな葉は屋根をふいたり紙漉きに利用されていたのだとか! とても生活に根差した植物だったようです。

 

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